★ PS2ゲームレビュー ★
■ シンプルな操作法で雪上の格闘技を再現 スキーを題材にしたゲームだが、これはレースゲーム。レースがスタートすれば何もしなくてもどんどん滑走していく。プレーヤーが操作するのは左右への旋回移動(左スティック)、そしてジャンプ時のエアトリック(L1orR1ボタン)が基本となる(デフォルト操作時)。より追い込んだプレイをしたい人には、マニュアル操作をオプションで選択し、エッジングとカービング(右スティック)を行なうことで、コーナーの大きさや状況に合わせて、より細かい操作が可能となっている。また、ギアによっては固有のアクションがあり、スキーなら直滑降、アルペンボードなら加速、スキーボードなら緊急回避(障害物にぶつかることなくスピード低下を防ぐ)、フリースタイルボードはスタンスを左右切り替えることで、コーナリングのキレを上げることができる。このアクションをポイントを押さえて使うことで、タイムアップが狙える。
また、ジャンプシーンもこのゲームの醍醐味。タイミングよくボタンを押せば、最大3回までのエアトリックを決めることができる。通常シーンでは固定のカメラアングルも、ここぞとばかりに切り替わってくれるので、腕の見せどころだ。
基本的にカメラのポジションがやや引き気味なので、ぱっと見、のめり込むようなスピード感はあまり感じられないが、実際滑ってみると次から次へと景色が流れる感じのスピード感が得られる。大きくスラロームするような場面では、景色を眺める余裕はあるが。
■ 「エクストリーム ウィナーズ カップ」がメイン 7人の登場キャラクタには、それぞれ特性が与えられ、得意なギアも異なる。パラメータは「SPEED」、「TURN」、「POWER」の3つに分類されてセレクターに表示される。「SPEED」は、最高速と加速度の統合判断。「TURN」はコーナーでの曲がりやすさ。このパラメータがよければ急コーナーでも減速せずにコーナリングできる。「POWER」の値がよければ、ライバルとぶつかっても転びづらく、雪の深いところでも減速しにくいという特性が与えられる。
キャラクタの特徴を伸ばすのもそうでないのも、ギアのチョイスにかかっている。得意なギアを装着すると、得意でないキャラクタが装着したときと異なり、ボーナスポイントのようなもの(赤いマークで表示される)が与えられ、より特性が引き伸ばされる。この組み合わせを試しつつ、ベストパターンを見つけることがタイムアタックでのポイントとなってくる。それに、さらにコースとの相性もあるので、同じ組み合わせで全部のコースを走破するのがベストというわけにはいかないだろう。 さて、そのギアだが、初期状態では1つしか所持していない。ウェアも2種類しか選択できない。そこで登場するのが「エクストリーム ウィナーズ カップ」。1対1のレースに出場し、対戦相手に勝てば賞金がもらえるこのモードでは、予選から本戦(6戦)、そして大会で優勝するとスペシャルステージである「サイバートリックモンスター」に挑戦できる。この1戦ごとにもらえる賞金を使って、ギアを購入し次の戦いに挑むというのが基本パターンだが、途中でライバルに敗れると、もらえる金額はガタッと下がってしまう。しかも、コンティニューするにも所定のコストを払わねばならない。
ここでリタイアしてまた最初からやり直すか、コンティニューして次に進むかは微妙な選択になる。続けると当然次がつらくなる。後半になると、新しいギアを購入するために必要なコストが1回のレースで貯まらないこともあるからだ。そういう時にコンティニューでコストがかかってしまうと、目標金額に遠くなる。ギアのセレクトと腕次第で先に待つコースとライバルを出し抜くことも可能なのだが……と悩ましいことが起こる。 ステージによって、バラエティ豊かなコース設計がなされているのポイント。高速で疾走する列車や、長いトンネルの中を抜けるコース、橋の下を抜けてみたり、意外なところにジャンプ台があったり……。コースとの闘いもこのゲームの楽しみの1つだ。衛星写真を元にしたという山々の作りも、実際に斜面を滑っているだけではすべてわからないが、ジャンプなどアングルが変わるとかなりダイナミックに作り込まれているのがわかる。
それから、旗門の間をくぐってゴールを目指す「スラローム」は、旗の間をくぐっていけばいいという追加ルール以外は他のモードと変わらないが、ショートカットなどの利用に制限が出るため、これはこれで意外と燃えるモードになっている。旗にぶつかっても減速はしないので、ギリギリのところを狙ってのコーナリングは結構アツい。「タイムアタック」とは異なるラインでの走りを極められるという点では、1つのコースを2倍楽しめるという点でもユニークだ。
■ タイムアタックコンテストも開催! 自ら楽しもうという人にピッタリのゲーム 3時間以上プレイしてみたのだが、操作法もシンプル、コースも9つで基本的なことは変わりないが、タイムアタックに燃えたり、ショートカットを見つけようという意欲のあるプレーヤーに向いているという感想を持った。逆に、ゲームにあれこれ用意してもらったものをレストランで食事をするように楽しみたい、という人は、とりあえず「エクストリーム ウィナーズ カップ」の「サイバートリックモンスター」まで滑ってみることをおすすめする。そのあと、「タイムアタック」や「スラローム」、「クロスレース」を試してみると違いがわかっておもしろくなってくるはずだ。 アイテムがあったり、特殊なアクションがあるわけではないので、「マリオカート」のようなバラエティ色は薄いが、サッと集中して遊べてすぐやめられる、という点は非常にありがたい。だが、実はハマると麻薬のように滑ってしまうので、やめ時が難しいというワナが待っていたりもする。 サウンドもゲームを意識した軽快なもの。ナムコのBGMとしてはちょっと珍しい傾向かもしれないが、滑走する際のSEをかき消すことなく、耳になじむサウンドは好感が持てた。 それから、隠しキャラとして「クロノア」が登場することもナムコファンにはうれしいニュースだ。「クロノアチーム」によって制作された新しいモデリングで、「風のクロノア2~世界が望んだ忘れもの~」に登場した「フロートボード」に乗って参戦する。 また、ナムコオフィシャルサイトにて、タイムアタックコンテストも行なわれる。パスワードの出し方は、タイムアタックモード終了後、「RESTART」、「PLAYER SELECT」、「MAIN MENU」を選択する際に、「L1+R1+L2+R2」を入力することで、パスワードが表示される。また、RANKINGSのTIME ATTACK画面で同じコマンドを入力すると、全1位から4位までの全パスワードが表示される。この場合は、デフォルトタイムがランキングに残ったままでは表示されないので注意が必要だ。このパスワードをオフィシャルサイトで入力することで登録される。また、クロノアはコンテスト対象外となっているのでパスワードが出力されないようになっている。
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□ナムコのホームページ (2002年3月28日) [Reported by 佐伯憲司] |
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