コーエー、「信長の野望 蒼天録」を2月に発売
10作目が実現する「下克上」の全容を一挙大公開

2002年2月発売予定

価格:11,800円

 株式会社コーエーは、歴史シミュレーションゲーム「信長の野望」シリーズ10作目となる最新作「信長の野望 蒼天録(そうてんろく)」を来年2月に発売する。今作は「下克上」を基本コンセプトに、大名以外の軍団長や城主でもプレイすることを可能とし、権謀術数渦巻く戦国ドラマを再現する。対応OSは未定で、価格は11,800円を予定している。


■ 「内なる敵」「裏の駆け引き」を再現した革新のゲームシステム

「上様より外交を申しつけられました。如何なさいますかな?」この一言が蒼天録のすべてを表している。貴方は信長公の命令を拒否できるか?
 「信長の野望 蒼天録」は、「信長の野望」、「同 全国版」、「群雄伝」、「武将風雲録」、「覇王伝」、「天翔記」、「将星録」、「烈風伝」、「嵐世記」に続く、シリーズ10作目の節目を飾る信長シリーズ最新作。冒頭でも触れたように、今作より全国の大名のみならず、大名配下の軍団長や城主でもプレイすることが可能となっており、プレーヤーは各シナリオごとに約150名の武将から1人を選んでプレイすることができる。

 ゲームシステムは従来どおりターン制を採り、戦闘シーンは嵐世記から引き続いてリアルタイム制となっている。時の進みは、天翔記以来となる「季節単位」となり、従来の戦略フェイズに相当する「政略フェイズ」と、今作より新たに追加された「軍略フェイズ」が季節ごとに1回ずつ(年4回)回ってくることになる。

 今回、大名、軍団長、城主の3つの身分でプレイすることが可能になったことにより、外交と計略部分が大きく変貌を遂げている。配下武将でのゲームプレイは姉妹作の「三國志」シリーズがすでに実現している要素だが、蒼天録のそれは三國志とは質的に異なっている。たとえば、配下武将プレイで、他家に対して外交や計略を上司である大名を通さずに直接実行できる。その対象も他家の大名だけでなく、軍団長、城主に対しても可能で、さらに驚くべきは、味方に対してもそれが可能になっているのだ。

 すなわち、無能な上司(大名)を蹴落とすために、大名の本城に忍者を放ち、情報を集めたり、計略を仕掛けたりして弱体化を図り、最終的に謀反を起こして大名家そのものを乗っ取る、といった斎藤道三顔負けの謀反劇がシステム的に可能になっている。もちろん、「太閤立志伝」のように城主間の交渉で戦わずして味方に付けるなどして、大名家に尽くし切るプレイも可能で、「信長公の覇道に尽くす前田利家に成りきる」といった大河ドラマ的シチュエーションプレイがついに現実のものとなったわけである。

 一方、大名の視点から見ると、危なっかしくて到底全国制覇などできないように見えるが、怪しげな軍団長や城主に対してはあらかじめ忍者を放っておくことで、謀反の動きを見せた場合は事前に報告してくれるシステムが用意されている。謀反の兆しありと見た場合は、本城に呼びつけ、問答無用で斬ることができる。ただし、この場合、忍者の質によって精度がまちまちのようで、最悪の場合、誤報もありうるようだ。「可愛い部下をどこまで信じられるか」というのが大名プレイにおける大きな悩みのひとつになりそうだ。

 こういった内部抗争のほかにも、全国制覇における戦略の一手として使うこともできる。たとえばプレーヤーが弱小大名だった場合、強大な勢力を誇る大々名の幹部連中を籠絡することで、大々名がプレーヤー大名を粉砕するために大軍勢を興そうとした際に、籠絡城主が「それがしは反対でござる(と実際に言うかどうかは不明だが)」と口を挟んで攻勢を取りやめさせる、といった劇的な効果をもたらすことも可能になっている。また、今回から新たに「養子縁組」「包囲網」「停戦仲介」といった新しい外交コマンドも追加されている点も見逃せない。蒼天録の醍醐味は「外交・計略にあり」といっても過言ではないだろう。

【外交】
飛躍的に重要度を増した外交の画面。相手先には幕府、大名、朝廷、諸勢力などが確認できる。右の画面は荒くてよく判読できないが、伊達政宗との交渉役に秀吉を任命しているところのようだ

【下克上イベント】
「この中に謀反を企てたものがおる」と怒り心頭な様子の信長公。「と、殿! お待ちください」と狼狽を露わにする松永久秀。ためらわずに「問答無用」と電光石火の一閃。蒼天録ではこういった形でのゲームオーバーが多そうだ


■ 軍略フェイズとリアルタイム戦闘で戦術的駆け引きを再現

これが軍略フェイズ画面。尾張と三河が映し出されている。しきりに上杉家の動きを気にしているのは羽柴秀吉だ
 さて、蒼天録で新たに導入される「軍略フェイズ」は、出陣から合戦に至るまでの部隊の行軍過程を表現したものだ。軍略フェイズでは、「太閤立志伝」ふうの全国マップに各大名の軍勢の進軍過程が描かれ、プレーヤー大名は周辺の動きを見据えつつ、次の一手を繰り出すことができる。軍略フェイズでは、出撃中部隊の行軍を始め、出陣の継ぎ足しや他家への援軍要請などが行なえる。

 中でも要注意なのが諸勢力の存在で、今回諸勢力は、中立の立場で街道沿いに支配地(拠点)を備えている。敵部隊が通過した後に、この諸勢力を取り込んでしまうことで、敵の補給線を絶つことができるという。また、全国の諸勢力を相手に家宝や鉄砲などといった各種物資を自由に売買できるということで、諸勢力は前作に増して重要度の高い存在だといえるだろう。

 合戦は、嵐世記より引き続いてリアルタイムで進行する。ただし「Age of Empires」ふうのクォータービューは捨て、3Dビューによる局地戦スタイルでのリアルタイム戦闘となっている。具体的には、実戦投入部隊を右翼、中央、左翼の3つにわけ、残りは予備として本陣に置いておく。基本は3部隊同士による押し合いで、一見「将星録」や「天下統一」に近い印象だが、攻城戦で城外に敵がいた場合、城側まで押しまくる必要があるなど、移動にシステム的な制限はなく、マップサイズは広大だ。おおむね「烈風伝」スケールになるという。

 蒼天録では、この押し合いがリアルタイムで進行していくことになるが、この間、兵数や士気は下がり続け、敵の鉄砲隊に撃たれて混乱が発生したりする。こういう場合は、手持ちの部隊と素早く入れ替えて、被害を最小限に抑えることができる。このほか、鉄砲隊で混乱させて、混乱に対して有効な騎馬隊を投入するといった部隊同士の連携作戦や、武将個人が所有する「車懸の陣」などの必殺戦術を使って一気に勝負を決めたりすることなどが可能だという。

 戦闘システムのおもしろさなり醍醐味なりは、実際に触れてみるまでわからないが、力押しに押すばかりだった前作に比べ、完成を楽しみにさせる仕掛けたっぷりのリアルタイム戦闘といえるだろう。また詳しい情報がわかり次第、最新画面と共にお届けしたい。

【軍議】
開戦前に部隊配置や作戦を決めるための軍議を開く。将棋の駒の形をしているのが部隊で、前衛3部隊が実際に戦闘に参加する部隊になる

【リアルタイム戦闘】
中央で激しくもみ合う両軍。奥に見える幟と陣幕が本陣のようだ。右の画面は「ふふふ、味方同士で戦うがよい!」と不敵なコメントを発する信長公。中央と右左翼との距離が相当離れていることからして、かなり自由な戦術を組み立てられそうだ

※画面は開発中のものです

(c)2002 KOEI Co.,Ltd. All Rights Reserved.

□コーエーのホームページ
http://www.gamecity.ne.jp/
□「信長の野望 蒼天録」の公式ページ
http://www.gamecity.ne.jp/products/products/ee/new/souten/index.htm
□関連記事
【8月7日】PCゲームレビュー「信長の野望 嵐世記 パワーアップキット」
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20010807/nobupk.htm

(2001年12月23日)

[Reported by 中村聖司]

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ウォッチ編集部内GAME Watch担当 game-watch@impress.co.jp

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