【東京ゲームショウ2001秋】

【マイクロソフト Xboxブースレポート】
150台余の試遊機に加え
プライベートスペースでの5.1chサウンド体験も

10月12日~14日 開催

会場:幕張メッセ



■ セガの香山哲氏がXbox STAGEに登場。パートナーシップをアピール

 既報のとおり、東京ゲームショウ史上最大の小間数による出展となったマイクロソフトのXboxブース。150台余のXboxを使った試遊をメインに位置付けているが、ほかにも広大なブース内ではさまざな企画が絶え間なく繰り広げられている。Xbox STAGEでのプレゼンテーションもそのひとつだ。

 12日は初日とあって、いくつかのスペシャルステージが用意されていた。ひとつは「Xbox Announcement」。この機にあわせて発表されたXboxへの参入メーカーが、マイクロソフトのXbox事業部長である大浦博久氏から紹介された。ひとつは「信長の野望 嵐世記」で参入するコーエー。ステージに現れた同社執行役員の小川亨氏は、信長シリーズは同社にとってキラーソフトであることを強調して、Xboxプラットホームへの期待の大きさを表現した。いっぽう、「斬 歌舞伎」のタイトル名のみが公開されていた元気は、新たに「ファントムクラッシュ(仮)」を発表して、ステージへと登場した。代表取締役の浜垣博志氏は、新しいハードにこそオリジナリティあふれる作品が必要と述べ、開発中のタイトルへの自信をのぞかせている。

 さらに、スペシャルゲストとして招き入れられたのが、セガの香山哲代表取締役。春のゲームショウでXboxへの参入を発表した時に続いての登場となる。スピーチでは「セガからふたつ感謝したいことがある」としてマイクロソフトへの謝辞を述べた。ひとつは、故大川功氏に関すること。10月16日に行なわれるIDSA(E3の開催なども行なっている米国のデジタルエンターテインメント業界団体)による今年のデジタルエンターテインメントの貢献者への表彰では同氏が受賞する。本来なら現在も活躍している人が対象とのことだが、ビル・ゲイツ氏をはじめとするマイクロソフトの働きかけもあって、故人である大川氏の受賞が決まったという。また、ゲイツ夫妻と大川氏の連名で、子供達への20万ドルチャリティが行なわれるなど、マイクロソフトからの大川氏への配慮について感謝が述べられた。

 春のゲームショウ以来、セガとマイクロソフトは密接なミーティングを継続しているという。香山氏によれば、セガとしては3つの重要な提案を行なっている。それらは「Xboxは北米市場で決して負けてはいけない。そのためには、日本市場での発売日は年を越すことも必要」、そして「PCとXboxの間を取り持つ、PocketPCベースのPDAのようなものを開発すべき」、「市場投入時の価格は戦略的かつ柔軟に設定する」だという。最初のひとつは確かに現実となっているが、後のふたつについては、まだどういう方向性になるか見えてはいない。しかし、同時に香山氏は、米国で11月上旬にドリームキャストの最終出荷を数万台行なうと明言。セガは実質一社で、メガドライブ、サターン、ドリームキャストを牽引し、1,000万台をグローバルに販売した。これはサードパーティやソフトハウスでは決してなしえないこと。こうした事実が、マイクロソフトとセガとのアライアンスを強力に後押しすると述べ、セガの今後に大きな自信をみせた。

 Xbox STAGEではほかにも、事前に募集されていたユーザーの作成したXboxファンサイトの優秀作品表彰も行なわれた。明日以降は、マイクロソフトブランドで発売されるタイトルのデモステージをはじめ、参入各社のプレゼンテーションステージ、あるいはユーザ参加のクイズイベントなどが行なわれる予定だ。

セガの香山哲代表取締役兼COO(右)と、マイクロソフトの大浦博久常務取締役兼Xbox事業部長(左)。マイクロソフトとセガのパートナーシップを強調。この時点では、セガによるコンファレンスがまだ行なわれていなかったため、詳細は控えられた コーエーの執行役員、小川亨氏。「信長シリーズは、コーエーにとってゲンのいいタイトル。Windows 95の時もそうだったが、ここ一番のときは信長で勝負するのがコーエーの慣例。Xboxへは『信長の野望 嵐世記』で参入します」 元気の代表取締役、浜垣博志氏。「新しいハードで売り出すオリジナリティある作品が、ユーザーの評価を得る最大のチャンス。Xboxへの参入で、また新しい挑戦ができることが大変うれしい」
ホームページで募集していたXbox Web Design Contestで、最優秀賞に輝くファンサイトを作成した嵯峨宗忠さん。最優秀賞の商品はXbox本体 ステージでデモされているRAITSの「スタイルラボラトリー」。ファッション誌の人気モデルが登場して、お気に入りのセンスでコーディネート これはお約束の一枚。入場ゲートのほぼ正面に位置するXboxブースのなかでも、さらに正面に設置されたお立ち台でPR。注目度は抜群だ


■ 5.1chのゲームサウンドをプライベートスペースで体験できる「SOUND&GRAPHIC LAB」

 同ブースでできるXbox体験は試遊だけには限らない。Xboxが売り物にする5.1chに対応するゲームサウンドも実体験できる。全部で10スペースの「SOUND&GRAPHIC LAB」と名付けられたコーナーがブース内に用意され、プライベートスペースでサウンドに耳を傾けてみよう。さすがにこのコーナーは行列になっているが、プライベートスペースのほかシアター形式の体験コーナーもあるので、混雑の状況によって使い分けるのがいいだろう。

 周辺機器などは、ブースの一角にまとめて展示されている。いずれもアクリルケースの中に入っているので実際に手を触れることはできない。ここにはDVD再生キットが展示されているが、ブース内ではDVDビデオの再生デモは行なわれていない。マイクロソフトが何度も繰り返しているように、やはりゲームが大前提というスタンスに変わりはない。

先日開催されたXbox Premierでマイクロソフトの斎藤氏がXboxはラスベガスのようなエンターテインメント性を持つとコメントしていたが、Xboxブースの頭上にはそのラスベガスに実在するアーケードのエンターテインメントとよく似た演出が行なわれていた 5.1chのゲームサウンドをプライベートスペースで体験できる「SOUND&GRAPHIC LAB」。コナミの「AIR FORCE DELTA II」とテクモの「DEAD OR ALIVE 3」を使って、ブースの両脇でそれぞれ5つのプライベートスペースで実演されている ブース内では、およそ30タイトルを実際にコントローラを手にとってプレイできる。一般来場者の入場がはじまった午後1時過ぎには人気タイトルに行列もできた。回転はなかなかはやいので、行列があってもすぐにプレイ可能
マイクロソフトから販売されるXboxの周辺機器がずらりと展示されている。ADSLモデムと光ファイバー用のアダプタは参考出展だが、他の製品はすべて型番をもった正式な製品だ コンポジット出力の標準的なAVケーブル(左)と、RFアダプタ(右)。標準ケーブルは本体に同梱される Sビデオ端子またはAV端子に接続する拡張AVパック(左)とコンポーネント入力端子/D端子に接続するコンポーネントAVパック(右)。いずれも光出力に対応し、5.1chサウンドが利用できるようになる
オンラインゲームにおけるコミュニケーションのカギを握ると見られるボイスコミュニケータ(仮称) 春のゲームショウでも展示されていたブロードバンドアダプタ。Xboxのネットワーク接続に関する情報の詳細は、もう少し待つ必要がありそうだ サードパーティ製のコントローラー各種。中央上のアーケードスティックがHORI製で、他はTrustmasterブランド。ローンチタイトルで使えそうなものが一通り揃っている


□東京ゲームショウのホームページ
http://www.cesa.or.jp/tgs/
□関連情報
【10月12日】「東京ゲームショウ2001秋」開幕。新作目白押しで配布物も多く盛況な出足
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20011012/tgs_1.htm
【10月12日】PS2用ソフトを軸に大物タイトルが多数出展
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20011012/tgsr1.htm

(2001年10月12日)

[Reported by 矢作 晃(akira@yahagi.net)]

I
【Watch記事検索】
最新ニュース
【11月30日】
【11月29日】
【11月28日】
【11月27日】
【11月26日】


ウォッチ編集部内GAME Watch担当 game-watch@impress.co.jp

Copyright (c) 2001 impress corporation All rights reserved.