【東京ゲームショウ2001秋】【マイクロソフト Xboxブースレポート】 |
会場:幕張メッセ
■ セガの香山哲氏がXbox STAGEに登場。パートナーシップをアピール
既報のとおり、東京ゲームショウ史上最大の小間数による出展となったマイクロソフトのXboxブース。150台余のXboxを使った試遊をメインに位置付けているが、ほかにも広大なブース内ではさまざな企画が絶え間なく繰り広げられている。Xbox STAGEでのプレゼンテーションもそのひとつだ。
12日は初日とあって、いくつかのスペシャルステージが用意されていた。ひとつは「Xbox Announcement」。この機にあわせて発表されたXboxへの参入メーカーが、マイクロソフトのXbox事業部長である大浦博久氏から紹介された。ひとつは「信長の野望 嵐世記」で参入するコーエー。ステージに現れた同社執行役員の小川亨氏は、信長シリーズは同社にとってキラーソフトであることを強調して、Xboxプラットホームへの期待の大きさを表現した。いっぽう、「斬 歌舞伎」のタイトル名のみが公開されていた元気は、新たに「ファントムクラッシュ(仮)」を発表して、ステージへと登場した。代表取締役の浜垣博志氏は、新しいハードにこそオリジナリティあふれる作品が必要と述べ、開発中のタイトルへの自信をのぞかせている。
さらに、スペシャルゲストとして招き入れられたのが、セガの香山哲代表取締役。春のゲームショウでXboxへの参入を発表した時に続いての登場となる。スピーチでは「セガからふたつ感謝したいことがある」としてマイクロソフトへの謝辞を述べた。ひとつは、故大川功氏に関すること。10月16日に行なわれるIDSA(E3の開催なども行なっている米国のデジタルエンターテインメント業界団体)による今年のデジタルエンターテインメントの貢献者への表彰では同氏が受賞する。本来なら現在も活躍している人が対象とのことだが、ビル・ゲイツ氏をはじめとするマイクロソフトの働きかけもあって、故人である大川氏の受賞が決まったという。また、ゲイツ夫妻と大川氏の連名で、子供達への20万ドルチャリティが行なわれるなど、マイクロソフトからの大川氏への配慮について感謝が述べられた。
春のゲームショウ以来、セガとマイクロソフトは密接なミーティングを継続しているという。香山氏によれば、セガとしては3つの重要な提案を行なっている。それらは「Xboxは北米市場で決して負けてはいけない。そのためには、日本市場での発売日は年を越すことも必要」、そして「PCとXboxの間を取り持つ、PocketPCベースのPDAのようなものを開発すべき」、「市場投入時の価格は戦略的かつ柔軟に設定する」だという。最初のひとつは確かに現実となっているが、後のふたつについては、まだどういう方向性になるか見えてはいない。しかし、同時に香山氏は、米国で11月上旬にドリームキャストの最終出荷を数万台行なうと明言。セガは実質一社で、メガドライブ、サターン、ドリームキャストを牽引し、1,000万台をグローバルに販売した。これはサードパーティやソフトハウスでは決してなしえないこと。こうした事実が、マイクロソフトとセガとのアライアンスを強力に後押しすると述べ、セガの今後に大きな自信をみせた。
Xbox STAGEではほかにも、事前に募集されていたユーザーの作成したXboxファンサイトの優秀作品表彰も行なわれた。明日以降は、マイクロソフトブランドで発売されるタイトルのデモステージをはじめ、参入各社のプレゼンテーションステージ、あるいはユーザ参加のクイズイベントなどが行なわれる予定だ。
■ 5.1chのゲームサウンドをプライベートスペースで体験できる「SOUND&GRAPHIC LAB」
同ブースでできるXbox体験は試遊だけには限らない。Xboxが売り物にする5.1chに対応するゲームサウンドも実体験できる。全部で10スペースの「SOUND&GRAPHIC LAB」と名付けられたコーナーがブース内に用意され、プライベートスペースでサウンドに耳を傾けてみよう。さすがにこのコーナーは行列になっているが、プライベートスペースのほかシアター形式の体験コーナーもあるので、混雑の状況によって使い分けるのがいいだろう。
周辺機器などは、ブースの一角にまとめて展示されている。いずれもアクリルケースの中に入っているので実際に手を触れることはできない。ここにはDVD再生キットが展示されているが、ブース内ではDVDビデオの再生デモは行なわれていない。マイクロソフトが何度も繰り返しているように、やはりゲームが大前提というスタンスに変わりはない。
オンラインゲームにおけるコミュニケーションのカギを握ると見られるボイスコミュニケータ(仮称) | 春のゲームショウでも展示されていたブロードバンドアダプタ。Xboxのネットワーク接続に関する情報の詳細は、もう少し待つ必要がありそうだ | サードパーティ製のコントローラー各種。中央上のアーケードスティックがHORI製で、他はTrustmasterブランド。ローンチタイトルで使えそうなものが一通り揃っている |
(2001年10月12日)
[Reported by 矢作 晃(akira@yahagi.net)]
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