マイクロソフトブランドのXboxタイトルが続々登場!
ハードな「格闘超人」、カワイイ「ねずみくす」

挨拶を行なった宮田敏幸氏
10月3日 発表

東京ゲームショウのマイクロソフトブース。かなり大がかりな仕掛けが多数用意され、イベントも多数行なわれる予定だという
 マイクロソフト株式会社は3日、都内で記者会見を開き、2002年2月22日のXbox本体の発売から夏にかけて発売を予定している自社ブランドタイトルの開発状況などを公開した。今回公開されたのは、米国で本体と同時発売タイトルとなる「HALO」を含む海外移植タイトルが3タイトルと、日本で開発中の4タイトル。

 3月に米国シアトルで開催されたGAMESTOCK、5月のE3から半年近くたっているため、さすがのその完成度はかなり高まってきている。しかし今回発表タイトルは発売時期、価格等未定であり、本体と同時に発売されるタイトルがあるのかどうかもまだ明らかになっていないのは残念だ。ただし、10月12日から幕張メッセで開催される東京ゲームショウ2001秋では多くのタイトルがプレイアブルで展示されることが決定している。

 各ソフトの発表に先立ちステージに登場したマーケティング担当の斉藤紀夫氏は「マイクロソフトが開発中の作品は“続編”ではなく全てオリジナルで、Xboxのために制作されているもの。開発者が汗を流して魂を込めたものを世に出していく。ゲームを商品としてではなく作品として発表していくので、ソフトの乱造乱売はしない」と宣言した。続いて登場した統括部長の宮田敏幸氏は「Xboxの開発方針は、開発者が心から作りたいと思っているソフトに魂を込めていき、新しい要素を織り込み、大衆娯楽として人の五感に訴えるソフトを作っていという3つ。日本でもすでに十数タイトルは開発がスタートしている」と多くのタイトルをファーストパーティで開発中であることを明らかにした。


■ かわいいネズミを操り団体行動「ねずみくす」

 今回まったく新しいタイトルとしてトップで発表されたのが、カワイイネズミが主人公のアクションゲーム「ねずみくす」。登場キャラクタのネズミはXboxで採用された新技術“ファーシェーダー”により毛のふさふさ感が再現されており、まるでぬいぐるみのようなかわいさとなっている。

 プレーヤーは主人公のネズミ“アポロ”君を操作して数々の難関をクリアしていく。ただし1匹でステージを進んでいくわけではなく、いつも仲間のネズミと群れをなして行動することとなる。
 ゲームの基本的な目的はあちこちに潜んでいる敵ネズミを発見していくこと。物陰に潜んでいるだけであれば単純に見つけだせばいいが、ものの陰に隠れている場合などもある。この場合、ものをどかさなければならないが、それは、直接どかすわけではなくプレーヤーが仲間のネズミに指示を伝えてアクションを起こすのである。たとえば重いものであれば2匹に移動させるように伝えてどけさせることとなる。
 ステージ内には敵が多数登場して戦闘を行なうシーンも用意されている。戦闘と言ってもただポカポカと殴ったり蹴ったりするだが、ここでも仲間のネズミと協力して戦うことが重要となるようだ。仲間に指示して1匹の敵キャラを集中的に攻撃するなどの戦略が必要となりそうだ。

 とはいえ、基本的には単純なアクションゲームで、宮田氏によれば「Xboxはクールなイメージと思われがちだが、女の子も楽しめるカワイイゲームもあることを知って欲しい」とコメントしている。制作は「ワイルドアームズ」、「クライムクラッカーズ」などを制作してきたメディア・ビジョン株式会社。

ネズミの“ふさふさ感”が重要なポイント。Xboxのファーシェーダーを使用して実現 群れで行動するのがこのゲームの基本プレーヤーキャラを移動させると後ろをチョロチョロついてくる
敵のネズミと戦うのも基本的に群れ単位で。他のキャラの行動を指示することもできる。指示しなければ勝手に戦っている ピューっと壁をつたって、はい上がっていくこともできるらしい

(C)2001 Microsoft Corporation. All rights reserved.


■ 身近な“格闘”、ケンカの雰囲気を持った対戦格闘「格闘超人」

 春のゲームショウでも「プロジェクト K-X」として技術デモが公開されたものが、ゲームとして本格的に制作がスタートした。タイトルは「格闘超人」で制作は「TOBAL」、「BOUNCER」などを制作してきた石井精一氏の株式会社ドリームパブリッシング。

 ゲーム自体は制作初期段階で、現在モーションが精力的に制作されている。今回公開されたものでは「TOBAL」のようにステージを自由に走り回り、敵の背後に回り込むシーンなどがあったが、これもまだシステムとして組み込まれるかは未定だという。

 ただし、グラフィックはさすがで、水たまりに映るキャラクタや筋肉の動きはやはりいままでにはない出来となっている。開発担当者によれば、まったく新しい格闘ゲームを目指すが、新しいだけではなくこれまでの基礎はふまえた上で格闘ゲームの正当進化系となるよう考えているという。また、“ケンカ”に近いリアリティ溢れる格闘を再現するつもりであるという。

 このほかにも、あたり判定の位置によってキャラクタの倒れ方が違ったり、反応が変わるといった細かいながらこれまではできなかったことを実現していくという。

プレーヤーキャラクタの一人“東洋人男性”。何となく松田優作といった雰囲気 こちらは“Ninja”筋肉ムキムキで強そうなイメージ
東洋人男性と西洋人男性の格闘シーン。ビルの上で毒々しいネオンと水たまりがキーポイント。特に水たまりへの映り込みの表現はさすが Ninjaと東洋人女性の格闘シーン。こちらもステージはビルの屋上

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■ 日本市場に向けて徹底的にローカライズする……「HALO (ヘイロー)」

 米国では「DEAD OR ALIVE3」と人気を二分すると言っても過言ではないほどの期待作として人気の高い一人称視点のアクションシューティング「HALO (ヘイロー) 」。今回出展されたものは、ほぼファイナルとなるものであり、東京ゲームショウにおいても同様のバージョンを遊ぶことができる。

 これまでE3で出展されてきたものに比べグラフィック的にも完成度を上げてきている。とにかく派手な銃撃戦が楽しめる一方で、かなり緻密に作り込まれたストーリー展開で、謎解きも織り込まれているという。また、5.1chドルビーデジタルサラウンドを採用しており、かなり迫力あるサウンドを実現している。

 注目のローカライズだが、「具体的には未定だが、追加ステージや操作系も含め、日本市場を考えて徹底的にローカライズする」とコメントしており、海外版とは違うものを発売する意気込みという。何度かプレイした感覚では、海外ゲーム (PC) をプレイし慣れているユーザーであれば「キーボードが欲しくなる」だろうし、日本のユーザーにとっては少し難しいインターフェイスと言えるだろう。グラフィック、世界観、システム、サウンドとどれをとっても注目に値する1作なので、より多くの人が楽しめるようなローカライズに期待したい。


(C)2001 Bungie Studios
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■ 都市の再現度はこれまでゲームとは比較にならない出来の「Project Gotham」

 圧倒的なグラフィック機能を背景に、都市の再現度ではこれまでのゲームでは考えられないほどのクオリティを実現している「Project Gotham:World Street Racer」。今回開発が一番進んでいるとされるロンドンのステージが公開された。

 「Project Gotham」では単純に速く走ることが目的ではなく、より華麗に走ることがポイントとなってくる。具体的にはかっこいいスピンやドリフトを決めたり、360度ターン、信じられないタイムでクリアするなどで“Kudos”と呼ばれるポイントが加算されていく。これを溜めることで新しい車やパーツを購入することができる。このポイントは走れば走るほど加算されていくので、運転が苦手なプレーヤーでもある程度プレイしていけばゲームを進めていくことができるシステムになっているという。

 「Project Gotham」ではロンドン、ニューヨーク、サンフランシスコ、東京といった世界的な都市が再現されている。これらの都市を舞台に150というかなりの数のサーキットが収録されている。この再現度がハンパではなく、その場に行った人であればどこを走っているかが即座にわかるほどの出来映え。東京では新宿、渋谷、浅草の3つが収録されている。東京ゲームショウでは東京はプレイできないようで、大変残念なところだ。

 ちなみに登場する車は実在する車であり、全てライセンスを取っていることからかなりリアルなものとなっている。


(C) 2001 Bizarre Creations Limited. All rights reserved.
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■ 派手なトリック連発のすっきり爽快スポーツ「天空 -Tenku- Freestyle Snowboarding」

 これまで米国では「Amped:Freestyle Snowboarding」として発表されてきたものが、日本ではタイトルを変えて「天空 -Tenku- Freestyle Snowboarding」として登場する。とにかく爽快感溢れるスノーボードをテーマとしたスポーツゲームで、基本的に山一つを全て再現し、プレーヤーはフリースタイルで山を滑り降りていくこととなる。もちろんコースを外れて林の中を滑っていくことも可能だし、かなり自由度の高いシステムとなっているようだ。

 楽しみ方は自由で、自分のカッコイイ姿をカメラマンに撮影してもらうためにカメラマンの前でトリックを決めたり、新しいボードを手に入れるためにスポンサーの前でトリックを決めるといったことも発生するという。トリックを決める時のモーションはプロボーダーのものをキャプチャしているほか、かなりカッコ良さにはこだわっている模様。


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■ これまでにないジョッキーRPG「Jockey's Road」

開発を担当しているプログレスの代表取締役社長 (右) とシナリオを担当した寺田憲史氏 (左)
 これまで数多くの競馬ゲームが制作されてきたが、基本的には競走馬育成シミュレーションかジョッキーアクションなど限定されていたものだった。今回公開された「Jockey'sRoad」は一人の騎手として一流の騎手になるまでのサクセスストーリーを描いたRPGとして制作されている。シナリオを担当した寺田憲史氏によれば映画2~3本の分量となるシナリオになったというほどのボリューム。競馬場だけでなく馬を管理している「トレーニングセンター」をリアルに再現し、そこにいる人々 (厩務員やジョッキーや競馬新聞の記者など) とのふれあいを通じてプレーヤーは成長していく。

 制作は「クラシックロード」など10年以上にわたって19本以上の競馬ゲームを作り上げてきた株式会社プログレス。


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■ 映画のようなカーチェイスアクションを満喫できる「マキシマムチェイス (MAXIMUM CHASE)」

 映画のようなカーチェイスを再現したいと言うことで制作されているカースタントゲームが「マキシマムチェイス (MAXIMUM CHASE)」。基本的にレースではなく、アクションゲームに近い。プレーヤーは体力ゲージが無くなるまでに敵車から逃げ切り、指定されたポイントまで到達できればステージクリアとなる。画面上部には矢印が表示されており、目的地の方向を示しているので、それにしたがって進めていけばよい。ステージ内には数々のイベントが用意されており、イベントでは映画のようなイベントが発生するようだ。

 このほかにもステージによってはシューティングステージも用意されており、自動的に疾走する車から後続車との銃撃戦を繰り広げられることとなる。敵車にはあたり判定が複数用意されており、狙いによっては敵車がスピンして後続車を大量に倒すことも可能という

 ステージ間にはムービーが用意されているのだが、ムービーは一風変わっており、実写のキャラクタとCGを合成したものになるという。東京ゲームショウで公開するべく現在開発中としている。

ゲームのムービーシーンに登場するお二人も会場に登場

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□マイクロソフトのホームページ
http://www.microsoft.co.jp/japan/
□「Xbox」のページ
http://xbox.jp/
□関連情報
【8月27日】Xbox、2月22日発売! 価格は未定。DVD再生キットは別売で提供
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20010827/xbox_01.htm
【8月27日】マイクロソフト、東京ゲームショウにおいてプレイアブルの「Xbox」150台以上を出展
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20010926/xbox.htm

(2001年10月3日)

[Reported by 船津稔/Photo by 矢作 晃(akira@yahagi.net)]

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ウォッチ編集部内GAME Watch担当 game-watch@impress.co.jp

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