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★ DCゲームレビュー ★
「待ちに待った」というファンも多いのではないだろうか。昨年から発売が延び延びになっていたDC版「MAGIC:The Gathering」(以下、マジック)がついに発売された。ゲームの概要は、以前GameJamレポートで触れたとおりだが、今回、製品版をじっくり触ってみたので、詳細レポートをお届けする。 ■ 初心者から上級者まで楽しめる間口の広さが魅力
DC版のゲームモードは、「はじめから」「つづきから」「マジックについて」の3つと非常にシンプルになっている。「マジックについて」では、ムービーとナレーションでマジックの基礎の基礎が学べる。が、ゲームの流れの説明に特化したつくりで、マジック未体験者や初心者プレーヤーは、専門用語の連発でわけがわからないかもしれない。特にスタックの概念やクリーチャーの能力に関する説明などは、もっと詳しいほうが良かったのではないかと思う。さいわいマニュアルの半分以上を割いてマジックのルール説明や用語集などが用意されているので、それを熟読するといいだろう。
ところでゲームの操作は、DCコントローラを使って行なうが、これが実によく考えられている。正直言うと、私はPC版「MAGIC:The Gathering」のマウス操作に慣れきっていたこともあって、コントローラによる操作にはいくらか懐疑的だった。が、実際には方向ボタンと4つのボタンだけでほとんどの操作が行なえたので驚いた。指先だけで複雑なマジックのカード操作ができるのは、ちょっとした感動がある。さらにいえば寝っ転がってできるぶん、マウス操作より優秀とすら言えそうで、総じて操作周りに関する不満は一切感じられなかった。 ■ デュエルで世界を救うストーリーモード
全員倒せばゲームクリアだが、当然そう簡単にはいかず、よわよわの初期デッキのまま敵と戦うと、まず間違いなくコテンパンにやられる。そこで重要になるのがカード集めだ。マジック・ハートでは、長老ヤゴチェと「訓練」と称した模擬戦を繰り返すことができる。これにより新しいカードを獲得し、これを既存のデッキに含めることで、手持ちのデッキの強化を図っていくわけだ。ただ、このゲームでは敵に負けるとカード没収といった激しいルールはなく、一切のペナルティがないばかりか、負けても新しいカードが貰える。そういう意味では、負けを覚悟で揃えたいカラーのエリアにいきなり踏み込んでもいい。 各エリアごとに、タスクメイジが2体とボスであるアプレンティスが1体いる。タスクメイジは敵の中では雑魚であるはずだが、これが思いのほか強い。ただし、40枚の単色デッキしか持っていないので、嫌なカードの対抗カードをデッキに混ぜてデュエルを挑めば、かなりの確率で勝てる。問題なのは各色のアプレンティスで、こいつらは単色ながらカリカリにチューンされた60枚デッキを2組持っており、さらに倒すためにはどちらのデッキにも勝たなければならない。さらに恐ろしいことに、強力な効果があるDC版オリジナルカードをバンバン使ってくるため、こちらもがっちり組み上げた自慢のデッキで勝負しないと勝てないだろう。
マイデッキの強化に有効なのが「魔法石」だ。タスクメイジを倒すと「ジェム」が手に入る。ジェムはマジック・ハートに収められ、メニューの「魔法石」を選ぶと、倒したタスクメイジと再戦することができる。こうしてどんどん強いデッキを組み上げていくわけである。ちなみに最終ボスは、手札も含めライブラリー(カードの山)全体を積み込みしているらしく、滅茶苦茶に強い。
■ ハルマゲドンは空から巨大隕石が降ってくる! 新鮮なデュエル画面
そのほか土地をタップしてマナを得る際やクリーチャーが攻撃する際など、派手な3Dエフェクトと共に楽しい演出が見られる。このあたりがDC版の最大の特徴といえそうだが、強力な効果があるソーサリーなど唱えると、視点までが変わり、ド派手な演出が見られる。敵にやられると、それだけガッカリ度も大きいが、自分が決めると抜群の爽快感がある。
残念といえば、ネットワーク対戦非対応なのも残念だ。発表時点ではネットワーク対戦は実装される予定だったが、Wizards of The Coasts側の都合で急遽非対応になった。そのため、システム的にはマルチプレイモードは組み込まれているので、次回作でひょっとしたらという期待は持たせる。もっとも、DC版はシングルプレイ専用でも成立するように、AIをとことんまでチューンナップしているので、そういう意味では、逆にシングルプレイに特化したスタイル、そしてDCがVGAで表示できるメリットを生かしたデジタルコレクション的な要素を深めて、CLASSIC以降の拡張カードセット(Urza's Destiny、Mercadian Masques、Nemesis、Prophecy、Invasion、Planeshift)をそれぞれ単体でいいからどんどんリリースしてくれることを希望する。このDC版マジックのシステムとAIをこの1作で終わらせるのはあまりにも惜しい気がするので、ぜひとも実現をお願いしたい。
□セガのホームページ http://www.sega.co.jp/ □「Magic:The Gathering」の公式ページ http://www.sega.co.jp/dreamcast/software/mtg/ □関連情報 【4月14日】GameJamレポート その1 「Magic:The Gathering」 http://game.watch.impress.co.jp/docs/20010414/magic.htm (2001年7月5日)
[Reported by 中村聖司] |
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