★ PCゲーム ファーストインプレッション ★

緻密で爽快なプレイ感覚を味わえる
レイストーム

  • ジャンル:シューティング
  • 発売元:サイバーフロント
  • 価格:2,980円
  • 対応OS:Windows 95/98/Me
  • 発売日:4月5日

【ゲームの内容】

 株式会社タイトーの業務用「レイフォース」から3作を数える人気シューティングゲームシリーズの2作めに当たる作品で、プレイステーションへの移植版をPCで再現したもの。
 ポリゴンを使った3D描画ながら、2D感覚の操作で、飛行物を破壊可能なメインショットの他に、地上、空中物問わず攻撃可能なシリーズ共通の「ロックオンレーザー」による攻撃が可能。このロックオンレーザーによる同時(連続)攻撃により、得点にかかる倍率が上昇するシステムが特徴。プレーヤーがセレクトできる機体はR-GRAY1、2の2タイプ。




 シューティングゲームにもスタイルの変遷がいくつかあるが、この「レイストーム」は、「ロックオンレーザー」という発明ともいえる新機軸で話題となった一作で、横画面縦スクロール。シリーズ初代である「レイフォース」が縦画面縦スクロールだったので、大きな違いとなっている。

 現在主流となっている鬼のような弾幕などはあまりないが、敵機をいかにロックオンして、ロックオンレーザーで攻撃するか、このシステムを理解するかどうかが重要なファクター。シューティングゲームでありながら、パズル的要素も持ち合わせているユニークな作品だ。プレイステーション版の移植だが、PC版ならではの売りとして、高解像度モードに対応している。



 ロックオンレーザーの使い方がポイント

 デフォルトの機体は「R-GRAY1」と「2」の2タイプ。メインショットとロックオンレーザー、そして両ボタン同時押しによるスペシャルアタック(いわゆるボム)の3系統の攻撃が可能という点は共通しているが、細かな違いがある。

 まずR-GRAY1は、メインショットがバルカン状になっており、パワーアップすることで前方の広範囲への攻撃が可能。ロックオンレーザーは、最大8ヵ所までのロックが可能で、レーザーは同時斉射となる。

 かたや「R-GRAY2」は、メインショットはレーザーで、パワーアップすることで攻撃しながら左右の移動を行なうと残像が残り、攻撃ゾーンが広がるタイプ。ロックオンレーザーは最大16ヵ所までロック可能で、レーザーは発射後、ロック順に敵機を追尾する。この際、画面内にレーザーが残っていれば、追加でロックオンすることもできるのが1との大きな違いで、スコアアタック狙いなら、追加ロックオンが可能なR-GRAY2の方がやりやすいが、まんべんなく攻撃できるR-GRAY1のほうが使いやすい。R-GRAY2はロックオンレーザーの追尾時間が長くなりがちなので、メインショットを多用しないとスキができてしまうので要注意。

 なぜロックオンレーザーにこだわるかというと、ステージごとにロックオンレーザーによる破壊率に応じてボーナスが入るシステムゆえだ。飛来してくる空中物をロックオンレーザーで破壊するのはなかなか慣れるまではコツがいるが、徐々にロックオンレーザーで攻撃するように切り替えていけばいいだろう。

 また、ロックオンレーザーで破壊した敵は、順に得点に倍率がかかるシステムになっており(R-GRAY1が最大256倍、2は512倍)、後に倒した敵ほど倍率も高くなる。ゆえにどの順でロックオンするかが非常に重要なポイントになっており、たとえ複数回ロックオンレーザーで攻撃しないと倒せない耐久力の高い敵でも、この倍率システムが適用されている。このいわゆる「固い」敵に複数ロックオンをかけ、最後の1つを通常の敵にロックをかけて攻撃するなど、場面に応じて得点効率を考えられる点はパズル的要素を持ちあわせている。

 さらに、同じポイントにフルにロックオンすると爆発が起こり、短時間の間に複数回の攻撃を行なう。このシステムとスペシャルアタックは、ランダムに爆風内で小爆発が起きていることになっており、ここにも倍率がかかる仕組みとなっている。これも使いどころを見極めると大量得点が望める。

R-GRAY1は使いやすいと言われる機体。大量の敵が出現した場合、ロックオン順をあらかじめ考えつつ攻撃する必要あり
R-GRAY2は追加ロックオンが可能。ロックオンレーザーはある程度アドリブがきくが、追尾中は攻撃が手薄になりがち


 高解像度対応はやはりうれしい

 PC版はコンシューマゲーム機の倍の解像度でプレイできるのが大きな魅力。下にイメージ画像(320×200と、640×480での見え方の違いを再現したもの)を掲載しているが、どうせプレイするなら高解像度の方で遊んでみたい。高解像度にすることで多少マシンパワーが要求されるが、処理落ちはむしろプレイを楽にするという側面もあるため、ぜひ高解像度でプレイしてみよう。サウンド面はCDからの読み込みになるため、PS版と変わらないクオリティが楽しめる。

左が320×200ドット、右が640×480ドット。やはりプレイするなら高解像度でしょう(拡大画像も両者同じ解像度にしてあります。実際のプレイ画面でのイメージの参考に)


 多彩な攻撃のボスキャラは見モノ

 ステージラストにひかえしボスキャラは、多くのパーツから成り立っており、破壊するごとに攻撃方法が変化していく。パーツの耐久度は高めなので、ロックオンレーザーとショットを併用して攻撃することが重要(ロックオンレーザーでとどめをさせば、ロックオンレーザー撃墜数にちゃんとカウントされる)。1つ1つのパーツを攻撃してきっちり破壊していけばいいのだが、あまり丁寧に破壊しすぎると敵の攻撃が激しくなる。攻撃形態が大きく変化するスキに集中ロックをかけたり、スペシャルアタックを使ってダメージを与えていくようにする工夫が必要となってくるだろう。

 このボスキャラの難易度はかなり高め。全8ステージだが、6、7、8面のボスはかなり骨が折れる。その分、倒したときの達成感はかなりのものだ。

ミサイル、バルカン、ホーミングレーザー、バズーカなどなど、多彩な攻撃バリエーションを誇るボスキャラ


 はっきりいって骨太なゲームバランス

 「レイストーム」をプレイするにあたって忘れてはならないのが、「残機が増えることはない」ということ。コンティニューはその場からスタートするので、クレジット(最大9コ)を入れておくことはもちろん重要だが、初期設定以上、残機を増やす手段はないので、とにかくまずはやられないように努力を払おう。といってもボス戦などはやられながら攻撃パターンを覚えるしかなく、かなり骨太な印象を受けるだろう。

 だが、ロックオンレーザーの爽快感はかなりのもの。画面を縦横無尽に伸びていくレーザーは、敵の出現パターンを覚えて早期にロックオンすることで、その威力が発揮される。また、自機と同じ高度にいない敵は得点が高めに設定されていることも、ロックオンレーザーを使用することによるメリットだ。

 PS版から引き継がれているEXTRA MODEは、敵キャラの出現パターンやテクスチャカラーなどが変更され、試作機R-GRAY0が隠し機体として使用できるというモード。敵弾の色も変更されており、こちらのほうがプレイしやすいという人も多いだろう。

 プレイにあたってはジョイスティックやパッドは必要不可欠。ぜひこのゲームの緻密で爽快なプレイ感覚を味わってもらいたい。

得点によるエクステンドなどは一切なし。クレジットを入れておかないとコンティニューもできないので注意。はっきりいって骨太
EXTRA MODEは敵の配置、キャラのカラーなどに変更があるオリジナルモード。ARCADE MODEよりも歯ごたえがある

(C) TAITO CORP.1996,2001 (C) Cyberfront2001

□サイバーフロントのホームページ
http://www.cyberfront.co.jp
□製品情報
http://www.cyberfront.co.jp/whatsnew/0104_bottom.html
□関連情報
【2001年3月5日】PCならではの高解像度化に対応したサイバーフロント「レイストーム」
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20010305/cyber_f.htm

(2001年4月5日)

[Reported by 佐伯憲司]

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ウォッチ編集部内GAME Watch担当 game-watch@impress.co.jp

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