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「TOY FAIR 2001」開幕 |
会場:JAVITS CONVENTION CENTER (NEW YORK)
総合的なおもちゃの展示会としては世界的な規模の「The American International TOY FAIR 2001」が、現地時間の2月11日にNEW YORKのJAVITS CONVENTION CENTERにて開幕した。会場にはぬいぐるみからパーティの飾り付け用品、鉄道模型といった従来のおもちゃから、デジタルカメラ、MP3プレーヤー、子供向けPDAといった電子系の最新おもちゃまでなんでもそろっている。
会場の規模としては、幕張メッセを上回る規模で、その中に数百の会社が出店している。そのほとんどが1小間から2小間の小規模な展示となっている。これは出展者に、台湾、香港、中国といった国から、OEMでおもちゃを生産している企業が数多く含まれていることと、人形やぬいぐるみといったオーソドックスなおもちゃ類を展示している企業が多数含まれているため。
逆にLEGOやBANDAI、Nintendo of Americaといった大手総合メーカーは、ショウの会期中にNew York市内に点在するショウルームにおいて展示を行なうところが多いようで、これらのメーカーについては追ってお伝えすることとする。
メイン会場での出展内容は、その多くがオーソドックスなタイプのおもちゃ達で、その割合は、「東京おもちゃショウ」に比べてもかなり大きい。電子系の最新デジタル玩具は会場の一画に設置された“TechnoPLAY@TOY FAIR”に押し込まれた形となっており、このコーナー以外での電子系おもちゃの出展はまばらとなっている。
■ 「TechnoPLAY@TOY FAIR」での注目は子供向けPDA
子供向けとしてはかなりの機能をぎゅうぎゅうと押し込んだ「W.A.V.E Link」。画像が多少荒く見えるのは致し方ないことなのか? |
「W.A.V.E Link」の画面は160×160ドット、16階調のモノクロ画像で、かなり荒いものだったが、カメラが搭載されており撮影した画像をテキストや音声データに添付しメールとして送信することができる。ただし、メールはE-mailではなく無線 (900Mhz RF トランシーバ) でダイレクトに相手に送ることとなる。つまり、あまり長い距離になると通じなくなる。タッチペンによる入力で、文字は入力時に表示されるソフトウェアキーボードを選択することで行なう。
このほかの特徴としては、PCとのクレイドルが用意されており、接続してデータのやりとりを行なうことができる。基本的に同社のホームページ上で公開される「W.A.V.E Link」用のソフトをPCでダウンロードし、W.A.V.E Linkに転送し楽しむこととなる。このソフトの中にはリアルタイムマルチプレイゲームなどのゲームソフトも含まれるという。具体的な内容はまだ未定のようだが、アクションゲームなどを提供していくとしている。
ちなみに搭載しているCPUは18Mhzのカスタムで、2MBのメモリ、RS-232Cポートを搭載している。
独自の知育玩具ながら、PCを利用して付加価値を提供する商品が展示されていた。LeapFrogの知育玩具で画面に表示される問題に答えることで単語のスペルを覚える「Turbo Twist Spelling」やその数学版「Turbo Twist Math」がそれで、出題される“問題”はカセットから読み込まれる。その出題問題は、インターネットからダウンロードしUSB経由で「mind station」という装置からカセットに記録する。出題問題は次々と提供されていくという。
このほかにも韓国系企業HANSTEPが出展した「Web Toy」もインターネットに関連している。WEBページと連動してぬいぐるみが動いたりしゃべったりするのだが、仕組みとしてはWEBページに特殊なタグが搭載されており、それに対してR/Fにより信号をおもちゃに送信。おもちゃは受信してしゃべったり動いたりする。このぬいぐるみには、あちこちにセンサーが取り付けられているだけでなく、CCDカメラまで搭載されるという。残念ながら展示されていたものはプロトタイプのためCCDカメラは搭載されていなかった。
■ 会場で見たそのほかの面白い電子おもちゃ
そのほかに会場にあったちょっと面白い電子おもちゃを紹介する。ひとつはクレイアニメーションを作れるソフト「Clay Animation Kit」。商品構成が面白く、粘土とソフトのセット。カメラとPCは自分で用意しなければならない。粘土を細かく動かしながら撮影するクレイアニメーションは根気のいる作業だが、作品は独特の味わいを持っているため人気が高い。できあがった作品はQuickTimeとして保存される。価格は60ドル。
もう1つはエポック社の体感ゲームシリーズ (エキサイトスタジアム、エキサイトピンポン) に似たゲームでバスフィッシングを題材としたもの。コントローラは釣り竿タイプ。コントローラからのびたビデオ、音声ケーブルをテレビに接続すればゲームを始めることができる。ゲームは朝昼晩、ルアーの種類、場所などを選択しキャスティング。画面は水中となりコントローラのスティックとルアーの動きでうまくバスをつり上げればOK。バスが食いついたら実際は糸を緩めたり引いたり駆け引きが必要ななるが、このゲームでは強引に釣り上げればいいようで、その点では荒削りな点も見受けられる。画面も荒く、音声もチープだが、それがまたいい雰囲気を醸し出している。
ルアーによっては動き方が違っており、そう言った点では細かい。でも単純なだけにハマれるおもしろさではある | 「Clay Animation Kit」。この会社は基本は粘土を作っている会社 |
(2001年2月12日)
[Reported by 船津稔]
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