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セガ、Dreamcast製造中止! |
佐藤副社長、香山特別顧問、永井、大山両専務、中村専務執行委員、山崎執行役員が出席 |
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会見には佐藤秀樹代表取締役副社長、香山 哲特別顧問(2月1日付けで共同最高執行責任者に就任)、永井 明、大山俊道両専務取締役、中村俊一専務執行委員、執行役員の山崎昇一氏が出席した。
■ 年末の商戦期に大きく勢いを失ったDreamcast
今回の撤退は「世界一のコンテンツプロバイダーになるための決定」
Dreamcastハードウェア製造中止を発表するセガ・佐藤副社長 |
続いて、香山特別顧問から、「収益回復策」の説明があった。まず、Dreamcastの在庫は現在、日本28万台、アメリカ120万台、ヨーロッパ46万台、アジアで9万台。欧米で2000年9月に行なったDreamcast本体の値下げ直後は非常に好調であったハードの売り上げは、年末のクリスマスシーズンにおいて大きく勢いを失ない、今期の本体販売台数は日本28万台、アメリカ135万台、ヨーロッパ56万台、アジア13万台の計232万台に留まり、期待通りの結果が出せなかったと分析。
来期に持ち越すDreamcast本体の在庫は、「家庭への最終的な普及を目的とした施策をとっていく」とした。「再び値下げはあるのか」という記者の質問に対しては、「エリアごとに最もベストな施策をとっていく。具体案は2月に発表する」とコメント。
これにともない、セガ本体の組織見直し、コスト削減を始めとした合理化、海外を含めた関係会社の総点検を行ない、経営のスリム化を目指す。
■ ハード、ソフトとも継続して販売
周辺機器も在庫は確保済みでユーザーサポートは十分
「収益回復策」具体案を発表する香山特別顧問 |
Dreamcast用ソフトに関しては、今期、全世界で900万本の売り上げを見込んでおり、来期も今期と同程度のタイトル数を送り出すことで、ほぼ同じだけの売り上げを見込んでいる。とくに香山氏は、「ネットワーク専用ゲームをDreamcast、PC向けに10タイトル開発している」と公表。「ソニー・コンピュータエンタテインメントとネットワーク対応アプリケーションやサービス、および将来のブロードバンド対応に関し相互に協力を検討することについて合意に達しており、具体的な話し合いに入っている」と、コンテンツ事業を柱にしたネットワークゲームに対しての期待を語った。
同時に、「あくまでソフトはパッケージでの供給ありきで、ネットに対応していく必要はあるし、将来はどうなっていくかわからないが、市場は確実に大きくなる。それでも、今回の発表によって、ユーザーや流通サイドからのアゲインストがあるかもしれない」とし、Dreamcastソフトを開発しているサードパーティへのロイヤリティの見直しや、流通への施策を行なうことも公約した。特にサードパーティに対しては、「個人的には申し訳ない」と気づかいも見せた。
また、「ユーザーに対しての本体や周辺機器などのアフターケアは継続していくのか?」という質問には、「周辺機器を含めて十分な在庫を確保している」とコメントした。
■ 「VF4」はDreamcastでの発売未定!
今期中にプレイステーション 2、ゲームボーイアドバンスにソフト供給開始
「収益回復策」の大きな柱の1つとして、他社フォーマットへのソフト供給に関して具体的なタイトルも示された。今回発表されたタイトルは以下の通り。
【PS-one(欧米向け)】
【ゲームボーイアドバンス】
神妙な面持ちで会見に臨む経営陣 |
また、「Xbox」「ゲームキューブ」向けのソフト供給については、「現在両社と協議中。ただし両ゲーム機の開発環境に関しては、両社のご協力ですでに整っている」とし、準備はすでにできており、あとは合意を待つのみであることを明らかにした。これらの次世代ハードに関して、「開発陣曰く、世間一般とは違う評価をしている。はっきりいってどれも一長一短。ハードの特性に合わせてソフトを開発していく」とコメント。
さらに、同社のシステム開発研究所の手によるミドルウェア「NINJA」「SHINOBI」をプレイステーション 2向けに開発しており、ソフトを開発している関係各社に供給することも発表した。
また、PCや携帯電話などのモバイルコンテンツ向けのソフト供給も、子会社を中心に行なっているものをセガ本社がまとめ、より積極的に有力企業との連携も視野に入れて行なっていくとしている。
■ 「原点にもどる」アミューズメント事業
「ダービーオーナーズクラブ」のような新機軸のタイトルを3~4ラインで開発中!
もう1本の大きな柱であるアミューズメント事業に関しては、「ダービーオーナーズクラブ」のような新機軸のタイトルを3~4ラインで開発中。業界最大手のアミューズメント施設の閉店は完了し、ショッピングセンターやファミリーレストランなどと共同で、従来にない新しい「ファミリーエンターテイメントスペース」を開発、提供するとしている。
また、全世界で70%のシェアを誇る業務用ボード「NAOMI」のネットワーク対応、他社のアーキテクチャーを含めた新基板の開発(ネット対応も含む)を進めていることも明らかにした。この基板開発をはじめ、アミューズメント施設のネットワーク武装も改めて宣言。
それから、「数少ない収益をあげているネットワークショップビジネス」としての「ドリームキャストダイレクト」についても触れ、「Dreamcastユーザーにハード、ソフトを届けるプランを重点的に投入し、強化する」とした。
■ 「構造改革推進本部」を設置
構造改革推進本部長に香山特別顧問が就任
会見後も各マスコミに取り囲まれた佐藤副社長。「セガも変わらなきゃ。ネットワークから何が生まれるかわからないよ」とコメント |
(2001年1月31日)
[Reported by 佐伯憲司]
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