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Xboxプレスセミナー開催 |
XDK仕様の“Xbox”。中身は撮影禁止なのだが、ほぼPCと考えていい内容だった |
マイクロソフト株式会社は、この秋の発売を予定しているコンシューマゲーム機「Xbox」に関する技術セミナーをプレス向けに行なった。
今回のセミナーでは、Xboxの全体像とグラフィックスに重点を置いた解説で、2001 International CESで行なわれたリアルタイムにゲーム「Malice」を操作するデモも実演された。
基本的な情報についてはすでに公開されているとおりだが、コントローラに関しては日本独自のデザインを現在制作中だという。ただし、機能に関しては追加されることはなく、海外と全く同等となる。また、Dreamcastのようにコントローラの背面にはポートが2つ用意されているが、こちらにはメモリーカードのほかに音声入力用のデバイスや、同社のPC用コントローラ“Microsoft SideWinder Freestyle Pro”のように傾きを検知するデバイスなどを差し込むことで機能強化することも考えているという。
コントローラのインターフェイスはUSBだが、独自形状と言うことで現在発売中のPC用コントローラは使用することができないが、他社製のコントローラの発売に関しては「十分考えられる」とし、また「ゲームにおいて特殊なコントローラを使用することでゲーム性が向上すると言うことであれば、ゲームの企画の一部として我々も手助けしたい」と前向きな姿勢で取り組むことを明らかにした。
3月末に開催される東京ゲームショウで日本仕様のコントローラが公開されるかどうかについては、「楽しみにしていて欲しい」といったコメントが返ってきた。
ハードウェアについては、メモリに関する説明があり「UMA (Unified Memory Architecture) を採用したことでグラフィックス、CPU、音楽、その他どこからアクセスしても64MBのDDR SDRAMとしてアクセスできる。ボトルネックが発生しやすいとの指摘もあるが、これに関しては我々も十分認識して開発している。現状の技術を使い理想的なUMAとなっているため、メモリ空間の物理的な天井は高くなっている」と説明した。
またDirectXに関しても触れ、XboxのハードウェアがDirectXが実装している機能を全てハードウェアで実現できる仕様となっていると説明 (現状のマシン環境ではソフトウェアエミュレートしている部分もある) 。「デベロッパからは『ハードウェアを直接たたくことはできないのか?』といった質問を受けるが、DirectX = ハードウェアのため、DirextX上でのプログラミングがそのままハードウェアだと考えて欲しい」とコメントした。
グラフィックスについては「NVIDIAはシリコングラフィックスの技術がベースなため、CGのノウハウを蓄積しており、それをシリコン化している」とし、「もうポリゴン数では論議してもしようがないレベル。Xboxで実現するグラフィックスは“深み”のあるもので、“空気感”や“奥行きのある”グラフィックスを実現できる」とコメントした。具体的には、物体の質感を増す凸凹を表現するバンプマッピングや“毛”、“影”、画面均一ではなく一部分だけをぼやかすことのできる表現などこれまでリアルタイムレンダリングでは実現できなかったグラフィックスを実現したという。これらのデモに関しては、リアルタイムに実機上で描画してみせた。
グラフィックスの進化により“空気感”までリアルタイムレンダリングで表現できるという | 右がバンプマッピング処理を施し、細かい質感を表現している | ピントが真ん中のポットに合っている状態で、手前と奥のポットでは微妙にぼやけ具合が違う |
マイクロソフトはゲーム業界に対して新規参入と言うこともあり、ゲームデベロッパにはいろいろな提案を行なっているようだ。大手では出にくいアイディアを持った独立系のデベロッパに向け一定期間の間、開発キットを配布し、デモを制作してもらい売り込みをおこなって欲しいとするプログラムがそれで、すでに海外では発表済みだが今後日本でも導入したいという。
セミナー会場にはXDKと呼ばれるXboxが設置されていた。最終バージョンの一歩手前となる物だが、FDDがケースの内側に向かって設置されているなどPCとの相違点はあるものの、現状ではPCとほぼ同じ内容となっていた。
パッドも未だ制作中。これは未定のものだがキチンとXboxと書かれている | Xboxの解説を行なったアドバンストテクノロジーグループの吉岡直人氏 |
(2001年1月30日)
[Reported by 船津稔]
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