Xbox担当者インタビュー
「Xboxの“大きさ”には可能性が詰まっている!」

1月6日 インタビュー (米現地時間)

 基調講演と同日、公開されたばかりのXboxを前にして報道関係者向けにQ&Aを中心としたセッションが行なわれた。インタビューに応じてくれたのは、MicrosoftのGAMES Publishng部門の副社長 Ed Fries氏と、XBox事業部のPlatform&3rd Party統括マネージャ J Allard氏の両名である。

■ ネットワーク機能と内蔵ハードディスクは新たな可能性を生み出す

GAMES Publishng部門を担当する副社長 Ed Fries氏
 Xboxに対する米国のデベロッパの評判はいかがでしょう?

Microsoft 200を超えるデベロッパがXboxへの参入を表明しています。開発用ツールはすでに500以上が配布されていて、100以上のタイトルの開発がスタートしています。今朝の基調講演では、そのなかの4タイトルを紹介しました。もちろん、日本のデベロッパもXboxに対して大きな期待を持っています。3カ月前にデベロッパ向けにアナウンスを行なってから、すでに450もの開発キットが配布されています。米国、欧州、日本、それぞれのマーケットでほぼ同レベルととらえていいでしょう。

 Xboxの登場によりPCをプラットフォームとするゲームの市場が受ける影響はどの程度と考えていますか? 市場が冷え込むという見方もあるようですが?

Microsoft MicrosoftもPCゲームのファーストパーティですから、そういった事態にはならないように考えています。家庭用ゲーム機のマーケットはすでに15年以上の歴史がありますが、その間もPCゲームのマーケットとは住み分けがされてきました。ユーザー層の違いは明らかに存在しますので、今後もPCゲームは重要な位置を占めることになると思います。イノベーションはいつもPCゲームから起きていますよ。

 XboxがプレイステーションやDreamcastなど、他のゲームプラットフォームと最も異なっている点を教えてください。

Microsoft 3つあると思います。ひとつはよりパワフルなシステムパフォーマンス、そしてユーザーに支持される有力なタイトルの存在、最後がネットワークの機能です。特にネットワーク機能と内蔵ハードディスクの存在は、デベロッパーにも新たな可能性を生み出すことでしょう。Xboxは、家庭内におけるオンラインゲームのリーダーシップを取れると思います。

 Xboxがデベロッパを惹きつけるポイントはどこにあるのでしょう? 例えばプレイステーション2と比べていかがですか?

Microsoft そうですね。やはりマシン自体のパフォーマンスの高さと、開発のしやすさがあるでしょう。そしてXboxにはあらかじめハードディスクが内蔵されています。アドオンの必要がない共通のユーザー環境をターゲットに開発ができるのです。

■ Xboxの“大きさ”は可能性の証明?

 Xboxのデザインは、日本のリビングルームには少々大きめだと思うのですがいかがでしょう?

Microsoft 大きいですか? 大きな“box”には、大きな可能性と大きなパワーが入っていますよ (笑) 。本体内部の冷却などを考慮すると、ある程度の大きさは必要です。私たちは世界中で120を超える家庭と5,000人以上のゲームプレーヤーに対して、このコンソールとコントローラを評価してもらいました。それらのフィードバックを経て、この最終的なデザインを決定したのです。

 コントローラの大きさは、日本人やメインターゲットのひとつである子供には大きめに映ります。小さめのコントローラの開発などは検討されていますか?

Microsoft リサーチは日本を含めたアジア圏でも、さまざな世代のゲームプレーヤーに対しても行なっています。私たちは、満足できる調査ができたと思っています。

 Microsoftは.NET構想を推し進めていますが、Xboxが将来的にその端末となる可能性はあるのでしょうか?

Microsoft Xboxは100%ゲーム機です。ゲーム機としての可能性を追求しているのです。家庭内へも.NET構想が浸透すれば、コラボレートして使う機会もあるでしょうが、Xboxは純粋にゲームを楽しむために存在します。Xboxには、Internet ExplorerやOutlook Expressといったアプリケーションも用意されません。将来にわたってもそうです。本当にゲームだけです。アプリケーションをつかうのなら、やっぱりPCが最高ですよ (笑) 。

■ 価格、発売日の発表は5月のE3

XBox事業部のPlatform&3rd Party統括マネージャ J Allard氏
 年内の出荷目標数を教えてください。

Microsoft そうですね。プレイステーション2のラウンチ時より多いといいですね (笑) 。米国市場にも日本市場にも大量に投入しますよ。目標とする数字は、E3のタイミングでアナウンスすることになるでしょう。

 投入時期は、米国と日本で同時と聞いていますが?

Microsoft 米国にはサンクスギビングやホリデーシーズンもあります。休日の違いなどの関係で微妙にずれる可能性もありますが、同時と考えていただいて結構です(編集部注:欧州市場への投入が遅れることは発表済み)。

 今年もこれから、GAMESTOCK (Microsoftが毎年、同社が開発中のゲームタイトルを発表する発表会) やGame Developers Conference (GDC、2000年のこの場でXboxが発表された) 、E3とゲーム関連のイベントが続きます。ラウンチに向けて、Xboxがどんなタイムスケジュールで進んでいくか教えてください。

Microsoft 東京ゲームショウを忘れないでください (笑) 。まず、ファーストパーティのタイトルは3月13日から始まるMicrosoft GAMESTOCKでご案内します。東京ゲームショウでも、日本のデベロッパを中心にさまざまなタイトルが紹介できるでしょう。Xboxの価格はE3で発表することになりそうです。それはE3が多くのリセラーが集まる絶好の機会だからです。

 ラウンチ時のタイトル数はいくつになりますか?

Microsoft 今日は4タイトルをご案内しました。これからスケジュールが進んで行くにしたがってどんどん増えていくでしょう。クオリティの高いタイトルを最低でも12本。たぶん30~40本ぐらいになるのではないでしょうか。

 ユーザーがXboxを何らかの形で拡張するということは考えられていますか?

Microsoft ありません。IEEE-1394やUSBポートもありませんから。ユーザーがプリンタやビデオカメラなどを独自に接続して拡張できるようでは、開発における前提が変わってしまいます。コントローラのインターフェイス形状を独自のデザインにしている理由もそのためです。

 昨年末、任天堂がセガを買収するという噂が流れましたが、そのとき、先に買っておけば良かったとは考えませんでしたか (笑)

Microsoft 20億ドルですか (笑) 。コメントしにくいですね (笑) Xboxの開発チームにもセガのゲームのファンはたくさんいますよ。本当に高いクオリティのゲームを開発していると思います。まぁ、このくらいで勘弁してください (笑) 。

□Microsoftのホームページ (英文)
http://www.microsoft.com/
□ニュースリリース (英文)
http://www.microsoft.com/presspass/features/2001/Jan01/01-06xbox.asp
□Xboxのページ (英文)
http://www.xbox.com/xbox/flash/home.asp
□デモ映像、およびビル・ゲイツ氏の基調講演などのムービー
http://www.xbox.com/xbox/noflash/story.asp?story=S15.htm
□Xboxのページ (和文)
http://www.xbox.co.jp/
□関連情報
【1月7日】Microsoftビル・ゲイツ会長、基調講演詳報
Xbox開発中のタイトルとしてOddworldなど4本を紹介
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20010107/xbox3.htm
【1月7日】Xbox速報第二弾 Xboxの細部に迫る! フォトレポート
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20010107/xbox2.htm
【1月7日】Xbox、エンターテインメントの本場ラスベガスで初公開!
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20010107/xbox1.htm
【2000年3月10日】マイクロソフト、コンシューマゲーム機「X-Box」を遂に発表 (PC Watch)
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20000310/xbox.htm

(2001年1月7日)

[Reported by 矢作 晃 (akira-y@st.rim.or.jp)]

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ウォッチ編集部内GAME Watch担当 game-watch@impress.co.jp

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