レビュー
「FINAL FANTASY VII REBIRTH」PC版レビュー
エアリスたちがさらに明るく美しく。進化したグラフィックと豊富なデバイスの選択でより遊びやすくなった!
2025年1月22日 23:00
- 【PC版「FINAL FANTASY VII REBIRTH」】
- 1月23日 発売予定
- 価格:
- 9,878円(通常版)
- 11,501円(デジタルデラックスエディション)
- 14,278円(「FINAL FANTASY VII REMAKE&REBIRTH」ツインパック)
- 15,902円(「FINAL FANTASY VII REMAKE&REBIRTH」デジタルデラックスツインパック)
スクウェア・エニックスより、1月23日に発売されるPC用RPG「FINAL FANTASY VII REBIRTH」(以下、FFVIIリバース)。本作は、2020年に3部作としてリリースされた「FINAL FANTASY VII REMAKE」(FFVIIリメイク)の続編にあたる作品で、昨年の2024年2月29日にはプレイステーション5用のソフトとしてもリリースされている。
前作ではミッドガルを出るところからスタートしているが、今作ではその先の忘らるる都までの物語が描かれている。ベースとなる「FINAL FANTASY VII」の中でも、もっとも印象に残る場面が多く、シリーズとしても屈指の出来映えだ。また、今作ではオープンフィールドがゲームの要素として盛り込まれているということもあり、ゲーム自体のボリュームも大幅に増強されている。
約1年遅れではあるものの、コアなゲーマーにとっては待ちに待ったPC版の発売ということになるが、自分で構築した最高のPC環境で遊べるというのは、この上ない喜びだ。というわけで、本作のリリースに先駆けてこのPC版をプレイする機会がもらえたので、本作のレビューをお届けする。
今回は第8章のゴールドソーサーにたどり着いたあたりまで遊んでみたが、ゲーム内容自体はプレイステーション5版で発売されたものと、ほとんど違いは感じられなかった。だが、PC版ならではの特徴もいくつか発見することができたので、本稿ではそちらを中心にしつつゲームのレビューをお届けする。また、ほんのわずかではあるが、一部ネタバレも含まれているためその点ご了承願いたい。
自分のマシンパフォーマンスに合わせた設定が可能
最初にPC版「FFVIIリバース」の動作環境に触れておこう。本作をプレイする最低限の環境は、CPUがAMD Ryzen 5 1400またはIntel Core i3-8100。GPUはAMD Radeon RX 6600、Intel Arc A580、NVIDIA GeForce RTX 2060、メモリ16GBが必要となる。最高品質でプレイする場合は、CPUがAMD Ryzen 7 5700XまたはIntel Core i7-10700以上、GPUはAMD Radeon RX 7900 XTXまたはNVIDIA GeForce RTX 4080以上、メモリ16GBが必要だ。
ちなみに、筆者の環境はCPUがIntel Core i7-12700で、GPUがNVIDIA GeForce RTX 3070Ti、メモリは32GBである。快適にプレイするためにパフォーマンスを落とすとプレイステーション5版とあまり変わらなくなってしまうため、今回は「背景モデル詳細度」のみ「高」に設定した、最高画質に近い環境でプレイしている。この設定では、一部カットシーンなどでカクツクなどフレームレートが落ちる場面もあったが、プレイそのものにはそれほど大きな影響はなかった。
グラフィックに関する設定では、それぞれの項目をひとつひとつ自分で選んでチューニングしていくということも可能だが、そんな面倒なことはしたくないという人のために、低・中・高の3種類のプリセットの中から設定が選べる「グラフィックプリセット」が用意されている。こちらをベースに、それぞれの項目を好みに合わせて選んでいくのが手っ取り早いかもしれない。
ためしに「グラフィックプリセット」について、グラスランドエリアでフォトモードにしてチェックしてみた。実際に画像で見比べてみると、設定を「低」にしたものは背景がかなり簡素化されているのがわかる。「中」あたりに設定すると草木が覆いはじめるようになり、「高」にすることでさらに密度が上がることがわかった。
また、4Kなど高画質へのアップスケーリングやジャギー感を抑えることができる「アンチエイリアス」の項目では、DLSSとTAAU、TAAの3種類が選択可能だ。今回はフルHD(ディスプレイ自体はウルトラワイド)で表示させていたということもあるが、どれを選んでもそれほど劇的に変化するわけではなかった。ためしに、ゴールドソーサーのホーンテッドホテルでクラウドをフォトモードで撮影して比べてみたが、TAAUを選んだときにクラウドの髪の質感が若干滑らかに見えた程度だ。
プレイ中は全く差を感じることはできなかったが、実際にプレイステーション5とPC版とで、同じシーンでどれぐらいグラフィックに差が出るかもチェックしてみた。こちらでチョイスしたのは、第6章に登場するコスタ・デル・ソルのビーチシーンだ。
ゲーム進行によってか若干衣装などが異なる部分はあったものの、こうして並べて比べてみると結構グラフィックに違いが出ていることがわかった。下の3枚の画像は、左側が通常モデルのPS5版で右側がPC版である。エアリスがポーズを決めるシーンでは、PC版のほうは背景がクッキリとして見える。また、ティファのアップでは髪の毛の質感も少し異なって見える。こちらはアンチエイリアスの設定でも変化する部分だろう。
ユフィのアップではPC版の方は若干肌が明るく見えるが、これらはPC版をリリースするにあたってライティングの調整が行なわれており、ゲーム全体の光に関する表現が向上したことが影響しているのだろう。さらに、こうしたキャラクターの見え方だけではなく、表示されるテキスト部分もPC版のほうがクッキリとしている印象だ。
グラフィックの表示回りで少し残念なポイントは、ウルトラワイドのディスプレイには対応していなかったということである。画面の両端が黒く表示されるのだが、これが全面に表示できるようになったら、さらに深い没入感が味わえそうだ。
コントローラーとマウス&キーボードによる操作もシームレスに変更可能
今回はすでにコンシューマーで発売されていたゲームのPC版ということもあり、のっけからマニアックな比較に走ってしまった。だが、ここからはもう少しライトな視点で、今回のPC版「FFVIIリバース」ならではの特徴やポイントについて触れていこうと思う。
まずはセーブデータ特典から。ゲームを起動すると、最初に過去作のセーブデータがあるかチェックが入る。見逃してしまった場合は、メニューの「SAVE DATA BONUS」を選ぶことでチェックすることが可能だ。こちらは、前作「FINAL FANTASY VII REMAKE」のセーブデータがある場合は召喚マテリアの「リヴァイアサン」がもらえる。また、ユフィの新規エピソードを収録した「FF7 EPISODE INTERmission」のセーブデータがある場合は、召喚マテリアの「ラムウ」をゲットすることが可能だ。
前作の「FINAL FANTASY VII REMAKE」についてはプレイステーション4版でプレイしていため、PC版の「FINAL FANTASY VII REMAKE INTERGRADE」は所有していたがまったくプレイしていなかった。そこで、序盤のアバランチたちとやりとりしているあたりまでプレイしてセーブし、今回のPC版「FFVIIリバース」を起動してみたところ、無事特典をゲットすることができた。
今回リリースとなるPC版「FFVIIリバース」については、Epic Games StoreとSteamで購入することができるのだが、個人的に強くオススメしたいのはやはりSteam版だ。その理由は、様々な環境でシームレスなゲームプレイが楽しめるからだ。普段はゲーミングPCでプレイしつつ、外出さきではSteam DeckなどのゲーミングUMPCでプレイ。さらに自宅に帰ってから、その続きを大画面のゲーミングPCで遊べるといったことも可能である。
Steam Deckへの対応も発売に先駆けて完了し、好きな場所で快適にゲームがプレイできるようになるだろう。ただ、ひとつだけSteam版の弱点ともいえそうなのが、度々セールが行なわれるため、どうしても買い時が難しいことだ。
今回のPC版をプレイしてみて、一番驚かされたポイントがコントローラーに関する部分であった。こちらはコントローラーの種類というだけではなく、キーボード&マウスによる操作も含めたものだ。筆者の場合は、普段PCゲームをプレイするときはお気に入りのXboxワイヤレスコントローラーを接続してプレイすることが多かった。今回もゲーム序盤はこちらを使用してプレイしており、特に不満もなかったのだが……途中であることを思い出した。
それは、以前にPS5版を遊んだときに、コントローラーのトリガーに重さを感じた場面があったということだ。これはDualSense ワイヤレスコントローラーのR2とL2がアダプティブトリガーに対応していたからだが、ためしにクラウドが地面を這いずるシーンでDualSenseに切り替えてみたところ、ばっちりアダプティブトリガーの重みを感じるプレイが楽しめたのである。
そこで公式サイトをチェックしてみたところ、どうやらDualSenseをPCと有線接続している場合はこうした機能が有効になることがわかった。これ以降はDualSenseを使用してゲームを遊んだのだが、よりゲームの没入感を高めたいならば、こちらを使用することをオススメする。
PC版の素晴らしいところは、コントローラーを接続した状態であってもシームレスにマウス&キーボードによる操作ができるようになっているところだ。これが切り替えられる最大のメリットは、マウスによるエイムが行なえるところである。
たとえば、コスタ・デル・ソルにはミニゲームとして射撃場の「パイレーツ・ランページ 海賊船ステージ」が遊べる場所がある。ためしにこちらをマウス&キーボードでプレイしてみたところ、かなり楽に的を狙うことができた。ただし、ゲーム内ではマウス感度の設定は行なえないため自分好みの速度に調整できなかったのが少し残念な点である。
こうしたマウス&キーボードでプレイするときには、キーのカスタマイズも自由に行なえるほか、フィールド探索やバトルをするときとミニゲームをプレイするときで異なる設定にしておくこともできる。このように、コントローラーの種類やマウス&キーボードを最大限活用できるという、贅沢なプレイが体験できるところもPC版の魅力だ。
さらにPC版をプレイしていてありがたく感じたのが、セーブデータの保存場所が30まで増えたことだ。こちらは一般的なプレイとはあまり関係ないかもしれないが、プレイステーション5版では10個しかスロットがなかったのでいろいろと苦労した。だが、今回はかなり多めになっていたこともあり、細かくセーブデータを分けて保存しておくことができた。