レビュー
「FINAL FANTASY VII REBIRTH」PC版レビュー
2025年1月22日 23:00
広大なオープンフィールドを探索しよう!
ここまでは、主に今回のPC版「FFVIIリバース」で用意されているシステムや表現方法に注目してご紹介してきた。最後に本作を遊んでいない人のために、ゲーム内容について注目のポイントをいくつかピックアップしたいと思う。まず、今作ならではの最大の特徴ともいえるのが、やはりオープンフィールドが追加されているところだろう。
これはゲーム全体がそうなっているというわけではなく、一部特定のエリアに限定されている。それ以外の場所は一本道であったり、あるいはコスタ・デル・ソルのような街など特定のエリアを探索するような作りになっている。
このオープンフィールドは、ひとつのエリアだけを取り上げてもかなり広大なスペースになっている。たとえばゲーム序盤にグラスランドエリアだけでも、隅々まで探索しているとなかなかメインストーリーが進まないレベルでやりこみがいがあるのだ。
探索していない場所はマップが白い雲で覆われているほか、各地に設置されている通信塔を解放していくことでエリア情報を入手することができ、さらに新しい探索ポイントも増えていくのである。つまり、やればやるほど、行きたくなるようなポイントも増えていくため、なかなか次のエリアに進んでいくことができないのだ。
こうした広いスペースを徒歩で移動していくというのもありだが、それでは時間が掛かってしまう。ファストトラベルも可能だが、少なくとも1度はその場所にいく必要がある。そこで登場するのがチョコボだ。チョコボは、捕まえるなど特定のクエストをこなすことで利用できるようになるほか、場所によってはレンタルすることも可能で、よりスムーズな探索が可能になる。
ひとつだけ注意しなければいけないのが、チョコボはそのエリア内でしか使えないことだ。その代わりといってはなんだが、特定のエリアだけで利用できるチョコボも多数登場する。その土地特有のチョコボを手に入れることで、さらに探索可能になる範囲も増えていくのである。
乗り物に関しては、こうしたチョコボ以外にも多種多様なものが登場する。たとえばジュノンエリアからコスタ・デル・ソルまでの移動は連絡船の第八新羅丸での船旅になる。コスタ・デル・ソルに到着後は、町中をセグウェイのような乗り物のウィリーで移動することが可能だ。これ以外にも、様々なものが用意されているので楽しみにしよう。
バトルではド派手な演出と爽快なアクションが楽しめる
バトル面では、3人ひと組でパーティを組んで冒険していくことになる。ゲーム初期のメンバーは主役のクラウドに加えて、ティファ、エアリス、バレット、レッドXIIIという、ミッドガル脱出組のメンバーになっているが、そこにユフィやケット・シーといったメンバー達も徐々に加わっていくことになる。キャラクターごとに異なる能力を盛っているので、攻略に有利な編成を考えながらプレイするというのもなかなか楽しい。
バトルは、フィールド上にいる敵に攻撃を仕掛けることで発生する場合が多い。戦闘したくない場合は、素通りすることもある程度可能だ。基本的には、敵に攻撃を加えていくことで「ATBゲージ」と呼ばれるものを溜めていくことができる。こちらはキャラクター名の下に表示されている青いバーだが、それが一定数超えることでコマンドが選べるようになるのだ。
3人のパーティメンバーは、バトルリーダーに設定したキャラクターが中心になり、他のキャラクターたちは自動で戦っているのだが、好きなタイミングで操作キャラクターを切り替えることも可能だ。たとえば操作するキャラクターがユフィのときに、バレットの「ATBゲージ」が溜まっている状態ならば、そちらに切り替えるということもできる。
「ATBゲージ」がひとつの区切りを超えるとコマンドが発動できるようになる。コマンドの中には、様々な専用の技を繰り出すことができるアビリティのほか、マジックやアイテムなども選べるようになる。例をあげると、攻撃だけではなく体力を回復するためのアイテムや魔法を使用する場合であっても、「ATBゲージ」をひとつ溜める必要があるのだ。
この「ATBゲージ」のすぐ横には黄色いリミットゲージがあり、こちらを溜めることでさらに派手な演出とともに大きなダメージを与えることができる「リミットブレイク」が発動できる。また、パーティプレイならではのバトル要素として「連携アビリティ」も用意されている。こちらは、パーティを組んだキャラクター同士が協力して戦う技だ。あらかじめスキルブックのコアを解放しておく必要があるが、見た目も含めて仲間同士の連携感が出ていて楽しく感じる部分である。
もちろん、「ファイナルファンタジー」シリーズの戦闘要素として欠かせないのが、召喚獣の存在だ。こちらは、敵をバーストさせたときに表示される「SUMMONゲージ」が溜まることで、発動することができる。いずれも強力な味方となって戦ってくれるのだが、召喚獣によって異なる属性が設定されているため、より有利な属性を持つ召喚獣を呼び出した方が有利に戦っていくことができる。ちなみに、マテリア同様にそれぞれのキャラクターごとに異なる召喚獣をあらかじめセットしておくことができる。そのため、戦闘相手によってキャラクターを切り替えて召喚獣を呼び出すようにしたほうがいいだろう。
オリジナルをプレイした人でも驚かされる衝撃の展開が待ち受けている!
ゲームの要素としては先ほども一部紹介したが、本作では膨大な数のミニゲームも用意されている。プレーヤーが最初に触れることになるミニゲームが、宿屋を出るときに遊べるようになるカードゲームの「クイーンズブラッド」だ。
こうしたミニゲーム的な要素は、ゴールドソーサーのようなスポットだけではなく、たとえばマップ上を移動するためのゴンドラなど、あちらこちらに散りばめられている。物語や戦闘の合間のちょっとした箸休めにもなるので、気軽に挑戦してみよう!
もちろん、肝心のストーリーもシリーズ全体を通して重要な局面が待ち受けている。オリジナルを遊んだことがある人ならば概ね予想できるだろうが、後半に登場するとある場面では、おそらく今作をプレイするとまた違った印象を受けるのではないだろうか。これは物語が違ったものになるというよりは、より深くなったという印象だ。
また、これは少しネタバレになるが、ゲーム冒頭からいきなりザックスが登場するところにも驚かされた。このザックスのパートは本編とは別軸で描かれており、ときおり小さなストーリーが楽しめるようになっている。これが実際に展開されている世界とは、微妙に異なるものが描かれているのである。プレイ中はいろいろな疑問も出てくるのだが、ゲームを進めていくうちに徐々にこうした謎解き的な部分も明かされていくのだ。
もちろん、このリメイク版は3部作であるため今作だけでストーリーは完結しないため、はっきりとした答えは出ない。だが、いったいあれはなんだったのか? とか、このあとどんな展開になっていくのだろうか? といった、プレーヤーがあれこれ考察したくなるような余白が残されているのである。
いろいろと語ってきたが、ゲームとしてもかなり楽しめることは折り紙付きだ。前作を遊んでいて、まだ「FFVIIリバース」をプレイしていない人は、ぜひともこの濃厚な体験を味わって欲しい。
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