レビュー
「STAR OCEAN THE SECOND STORY R」レビュー
RPG好きなら絶対に1度は通るべき不朽の名作がついに現代パワーで完全リメイク!
2023年11月1日 00:00
- 【STAR OCEAN THE SECOND STORY R】
- 発売日:11月2日
- ※Steam版は11月3日1時発売予定
- 開発元:ジェムドロップ
- 発売元:スクウェア・エニックス
- ジャンル:RPG
- プラットフォーム:PS5/PS4/Nintendo Switch/PC(Steam)
- 価格:
- 6,578円(通常版)
- 22,222円(コレクターズ・エディション)
スクウェア・エニックスは11月2日、「STAR OCEAN THE SECOND STORY R(以下:スターオーシャン2R)」を発売する。
本作はSF要素とファンタジー要素が絡み合った独自の世界観を持つ「スターオーシャン」シリーズの中でも屈指の名作「スターオーシャン セカンドストーリー(以下:スターオーシャン2)」の完全リメイク作品。色褪せぬ最高峰のストーリーはそのままに、グラフィックやバトルシステム等様々な要素が現代風に追加・パワーアップされている。
さらには最初のPSP移植作である「スターオーシャン2 Second Evolution」のボイス・追加要素等を網羅しながら、オリジナル版声優による新規ボイス追加や「ボイスの切り替え」など本作ならではの新要素まで用意されており、正に「スターオーシャン2」の総決算と言っても過言ではないタイトルとなっているのだ。
今回はそんな本作を一足早くしっかりプレイする事ができたので早速レビューしていきたい。
筆者はこれまであらゆるバージョンの「スターオーシャン2」に一度も触れたことがないため、多少は下調べを行ったモノのオリジナル版やSecond Evolution版と比較するようなレビューはできないのだが、逆に忖度なく現代のゲーマー目線で今回の「スターオーシャン2R」が1本のゲーム作品として完成度が如何ほどなのかを評価できると思うので是非参考にしてもらいたい。古のオリジナル版から数多くゲーマーを魅了し続けている「スターオーシャン2」の見所とはどんな部分なのか、新グラフィックや新システムはゲームと上手く適合できているのか、初見だからこそ感じ取れた部分を紹介していこう。
世界への没入感が半端ない! SFとファンタジーが交差するストーリー
まず何と言っても本作は、現代でも全く色褪せないほどの高い完成度を誇るストーリーが大きな魅力だ。今作では「クロード」と「レナ」のどちらの視点で物語を進めるかを最初に選択する「ダブルヒーローシステム」が採用されており、「クロード」編の場合は宇宙規模のSF世界の住人視点で、「レナ」編の場合はファンタジー世界の住人目線で物語を味わう事ができる。
時折別行動をする2人がその時それぞれ何をしていたのか、同じ場面でも視点の違いで思考が異なっていたりなど、事細かい描写が徹底しているため1度で2度おいしい。今回筆者は「クロード」編をプレイしたので、こちらを基準に魅力を紹介していきたい。
本作は宇宙開拓を行う銀河連邦に所属している主人公「クロード」が、不慮の事故で偶然飛ばされてしまった文明レベルが全く異なる世界「エクスペル」でヒロインの「レナ」と出会い、宇宙へ帰る方法をを模索しながら「エクスペル」で発生している天変地異や魔物問題に巻き込まれていく物語が展開される。
当初は無事に宇宙へ帰る事だけを考えていた「クロード」だが、冒険していく中で様々な仲間たちと出会い、自身の中に存在していたコンプレックスを克服し使命感や思いの変化によって大きく成長する物語が描かれている。RPG感満載の王道ストーリーながら、それぞれ秘密や謎を抱える「クロード」と「レナ」のボーイミーツガール要素や、どんどん問題の規模が大きくなっていく圧倒的スケールのストーリーラインが素晴らしく、文明レベルの差や各キャラクターの目的で時折交差するSFとファンタジーの要素が絶妙に絡み合って本作ならではの面白さへと繋がっていた。
本作のオリジナル版は1998年に発売されたゲームであるため、キャラクター性やストーリー等で多少は古臭さを感じるかと危惧していたが、現代でも古さを感じない設定や言い回しばかりで、正に色褪せない名作としてのめり込める物語が構築されている。
また本作では「スターオーシャン」シリーズではお馴染みの「PA(プライベートアクション)」システムが導入されている。この「PA」は、町などで一旦パーティーが解散したような状態となり、各キャラクター達に話しかけてイベントを発生させるシステムだ。パーティーキャラクターの見知らぬ一面や関係性を知れるのは勿論ながら、メインストーリーに関連するイベントで心情を吐露する場面があったり、「PA」のイベント内でアイテムを入手できたりなど本作を楽しむ上で非常に重要な要素となっていた。
また「PA」やメインストーリーの選択肢などで各キャラクターの関係値が変化しており、親密度が高いとエンディングが変化するようになっているため、様々な意味で見逃せない要素だ。個別で変化するエンディングが80種類以上あるようなので、まさに超大作に相応しいボリュームとなっている。