レビュー
「超おどる メイド イン ワリオ」レビュー
簡単操作と個性的なプチゲーム! みんなで笑って遊べる瞬間×体感アクションゲーム
2023年11月3日 00:00
- 【超おどる メイド イン ワリオ】
- 発売元:任天堂
- ジャンル:瞬間×体感アクション
- プラットフォーム:Nintendo Switch
- 発売日:11月3日
- 価格:
- 5,478円(パッケージ版)
- 5,400円(ダウンロード版)
任天堂は、Nintendo Switch用瞬間×体感アクションゲーム「超おどる メイド イン ワリオ」を本日11月3日に発売した。価格はパッケージ版が5,478円(税込)、ダウンロード版が 5,400円(税込)。
本作は、次々に出現するプチゲームを連続でクリアしていく「メイド イン ワリオ」シリーズ2年ぶりの最新作。今回登場するプチゲームは200種類以上で、シリーズ恒例のテンポよく繰り出される5秒程度のプチゲームに挑戦しながらステージクリアを目指していく。
前作「おすそわける メイド イン ワリオ」では、キャラクター固有のアクションを駆使して攻略していく仕様に対して、本作「超おどる メイド イン ワリオ」ではJoy-Conを持って実際に自分の体を動かして攻略していく体感アクションゲームになっている。また、Joy-Conが2セットあれば2人同時プレイはもちろん、最大4人での対戦式のプレイも可能だ。
本稿では、体の動きに連動する操作によって生まれる没入感と、シンプルな操作性で体感的に誰でも楽しめる本作の魅力を紹介していく。
自分の体で操作!クリアの鍵はゲーム毎に変化する「カマエ」
本作は、各プチゲームで指定される「カマエ」という基本姿勢を取りながら、プチゲーム開始直後に出される指令を瞬時に把握し、指令に沿った体の動きをすることでクリアを目指す。
プチゲームによってはボタンを使用するものもあるが、基本的に体を動かして操作するだけのかなりシンプルな操作性だ。
ここが前作との大きな違いだろう。前作は、ワリオやモナ、ナインボルトなど、キャラクターを操作してプチゲームをプレイする仕様であった。キャラクターによってアクションが異なるため、操作するキャラクターの特徴を把握しておく必要があった。しかし本作の場合はそこが丸っと「自分の体」に変わり、よりSwitchのコントローラーの特性を活かしたゲーム仕様になっている。
カマエの種類も日常で目にするポーズをはじめ、種類によってはユニークでギャグ的な見た目のポーズ、本格的に全身を使うポーズなど実にバラエティ豊富だ。
とは言っても、かなり独特な仕様なだけになかなか言葉だけでは想像がつかない部分もあるだろう。どのようにどんなゲームを行うのか実際のプレイ画像と共にいくつか紹介する。
まず、プチゲーム直前に説明されるのは「カマエ」だけだ。ゲームを攻略するための動作の具体的な説明はない。プレイヤーは指定されたカマエと動作指示の組み合わせをヒントに瞬時に正解の動作を導き出し、目の前のプチゲームを攻略していく。ここがこのゲームの斬新で面白いところだ。
例えば「ついばみバード」というプチゲームでは、利き手を顔の前、逆の手をお尻の後ろに置いて前傾姿勢になるニワトリを模した「コケコッコ」というカマエが直前に表示される。
ゲームスタートと同時に表示される「ついばめ!」の動作指示をヒントに、体を前後に動かして画面の中のニワトリを操作する。飛び出てくる虫をついばめればクリアだ。正解動作をしているプレイヤーはとてもシュールに見えるだろう。
「テンビン」というカマエでプレイする「イカロスさん」というプチゲームは、両手を翼のように大きく広げて羽ばたくような動作をしてキャラクターを操作する。障害物や敵にぶつからないようゴールに辿り着けばクリアだ。
羽ばたく動作をする必要があるのは漠然とわかるが、障害物を避けるためには左右に移動しなければならない。どう体を動かして左右に移動するのか、どのプチゲームにも言えるが本作のプチゲームはプレイヤーの瞬時の判断に委ねられる。
時にはJoy-Conを手離す大胆な動作もある。Joy-Conの落下防止のためにもストラップは必ず装着しておこう。
また、登場するプチゲームの中には数々の名作を残している任天堂ならではのサプライズが盛り込まれている。「ゼルダの伝説」や「ピクミン」、「どうぶつの森」など、誰もが一度は見たことのあるような任天堂の歴代名作シリーズが「メイド イン ワリオ」ナイズされたゲーム仕様になってランダムで登場するのだ。
「ゼルダの伝説」だと「つかまるな!」という指示で、追いかけてくるリンクに捕まらないように「コケコッコ」のカマエでコッコ(ニワトリ)になりきって時間いっぱい逃げ切るというゲームになっている。
オリジナル版の「ゼルダの伝説 時のオカリナ 3D」ではプレイヤーはリンクを操作するゲームだが、本作だとプレイヤーがニワトリを操作するところが意外性があって面白い。
「あつまれ どうぶつの森」では「ナルホド」というカマエで「ほれ!」という指示が下される。オリジナル版「あつまれ どうぶつの森」の操作ではボタンを押すと勝手にキャラクターが掘ってくれるが、本作の場合はプレイヤー自身が実際に掘る動きをするとキャラクターがその動きに連動して掘ってくれるのだ。
紹介したプチゲームやカマエはほんの一部だが、登場するプチゲームは前作同様ギャグ要素がふんだんに盛り込まれている。
成功・失敗に関わらず次のゲームへと展開していくが、ほんの数秒で正解動作を見つけるのは意外と難しいプチゲームもある。前作から操作が大きく変わったことにより、勢いだけでクリアできたり、クリアできずに体をわちゃわちゃ動かしているうちに次のゲームへ進んでしまうこともしばしば。バカバカしい動きを一生懸命やっているというギャップもシュールで面白い。
2人以上のプレイなら、この体の動きのわちゃわちゃ感をみんなで共有することでさらに盛り上がりそうだ。攻略していくゲームとしての面白さと、簡単な操作で誰でも体感的・感覚的に遊べるゲームとしてのバランスが取れているのが本作の最大の魅力と言えるだろう。
1人でも2人でも。個性豊かなキャラクターステージを楽しむストーリーモード
本作は、1人でガッツリ遊ぶプレイスタイルにも、友達や家族と遊ぶカジュアルなプレイスタイルにも柔軟に対応できるように様々なモードがある。
その中の「ストーリーモード」では、ワリオカンパニーが社員旅行で訪れた「バリオモロ島」を舞台に、各キャラクターステージが用意されている。ステージごとに「カマエ」が指定されるので、ストーリーを進める度にカマエのレパートリーが増えていく。
各ステージは、瞬間的に繰り出されるプチゲームの数々とボスゲームをクリアすることでステージクリアになる。ボスゲームは通常のプチゲームのプレイ時間よりも少々長めの時間設定になっているが、それでも体感1分くらいで終わるので、本作のボス戦らしくちょうどいいボリューム感とクリア後の達成感がある。
ステージをクリアしていくと「リミックスステージ」が登場する。「リミックスステージ」は、それまでのステージで登場したカマエとプチゲームがランダムで登場するステージだ。
なお、ストーリーモードでは、Joy-Conが2つあれば最大2人での同時プレイが可能。2⼈でプレイする場合は、プチゲームに交互に挑戦していくことになる。
⽚⽅がプチゲームに失敗するとレスキューチャレンジが発動。同じプチゲームにもう⽚⽅が挑戦し、成功できれば失敗をなかったことにできる。また、なかには2人同時にプレイするプチゲームもある。こちらは2人とも成功する必要がある。
また、ストーリーモードではゲームオーバー時に「復活の儀式」というちょっと恥ずかしいポーズを取ることで「復活」できるのも本作らしくて面白い。
Joy-Conを持って、日常では絶対にやらないであろう「白刃取り」のポーズや「忍び足」のポーズなど、大胆に体を動かす必要がある。1人だと周りを気にせずに黙々と取れるポーズも、複数人でプレイしている場合は己の羞恥心との戦いになる。このちょっと恥ずかしいポーズを真面目にとることで生まれる笑いがある。恥を捨てて思い切りポーズを決めて欲しい。
ゲームをしていると、なかなかクリアできないプチゲームや、いまいちよくわらかない「カマエ」や「復活の儀式」のポーズが出てくるだろう。そんな時は「ミュージアム」で各種プチゲームやカマエを確認することができる。「ミュージアム」ではこれまでに解放した好きなプチゲームを選択してプレイすることも可能だ。
その他にもストーリーモードで流れたムービーシーンをいつでもみることができる「シアター」モードも搭載。推しキャラがいる人には嬉しい機能だ。
ついついムキに! ストーリークリア後は高難易度のステージが登場
ストーリーモードを一通りクリアすると解放されるエリアがある。このエリアには主にやり込み要素のあるステージが全部で複数用意されている。
各ステージ一定のポイント数やスコアをクリアすると次のステージが解放されていく仕組みだが、筆者がこのエリアで最初に苦戦したのが「ごちゃまぜ」だ。
「ごちゃまぜ」は、いままで登場したすべてのプチゲームが出現するステージだ。徐々にスピードと難易度が上がっていき、4回失敗するとゲームオーバー。30点以上取ると新しいステージが出現する。
よく出てくるプチゲームでも難易度が上がると瞬発力で動くのが難しく、筆者は何度も失敗しては挑戦を繰り返した。30回クリアを達成して次のステージが出てきた時の達成感は半端なく、久しぶりに汗をかきながらゲームを楽しんだ。
さらにその先にある「スリリング」は、最初からプチゲームの難易度が高い状態でスタートする上、1回でも失敗するとゲームオーバーというかなりハードなステージだ。
難易度が高いプチゲームでは、これまでは1アクションだったプチゲームも2アクションになったり、タイミングが変わっていたりと妨害要素が追加されている。一度体が覚えたままの動きで挑むと確実に失敗するので要注意だ。
他にも、ひたすらハイスコアを目指すゲームや、シューティングゲーム、2人プレイ時にのみ遊べる対戦式のゲームもいくつか用意されていた。ストーリーモードだけでもかなりバリエーションが豊富になっている。
ストーリーモードである程度の動きとプチゲームの特性を把握して、さらにやり込んでいくためのエリアといったところだろう。わかっているはずなのに瞬時に体が動かない、トラップに引っかかる等もどかしさを感じる分、クリアへの意欲を掻き立てられるのでソロプレイ時のゲームとしてのやり込み要素も申し分ないと感じた。
本作の魅力が本領発揮。ユニークなパーティゲームで盛り上がる
最大4人まで一緒にプレイ可能なパーティモードでは、ユニークな対戦式のゲームが全部で5種類用意されている。
パーティモードは、ストーリーモードとはやや仕様が異なり、選択したメインゲームの中でプチゲームが展開される。どのゲームも独特なプチゲームを活かしたパーティゲームになっていて、みんなでプレイすることでさらに本作の斬新さと面白さを感じられる。
例えば「ギャラクシーすごろく」は、「ポイント」で勝敗が決るすごろくゲーム。全員でプチゲームをプレイし、1位のプレイヤーのみがサイコロを振れる。誰かがゴールに辿り着いた時点でポイント取得数の大きい人が勝ちとなる。
本来のすごろくだと、それぞれが順番にサイコロを振ってコマを進めたり戻ったりしながらじっくりと進むゲームのイメージがあるが、そこにプチゲームが入ることで体感アクション×ボードゲームというハイブリッドでアクティブな内容に仕上がっている。
「こっそりメデューサ」では、メデューサ退治に挑戦するパーティゲーム。プチゲームをプレイしながらメデューサに近づいていき、最初にメデューサに辿り着いたプレイヤーが勝ちとなる。
メデューサが振り向いたらどんな時でも動きを止めないと石にされてしまう。プチゲームをプレイしながら進むので、急にメデューサが振り向くとついうっかり体が動いてしまう。みんなでプレイするとこのドタバタ感だけでも面白くなるだろう。
「いきのこりマッチ」は、交代でプチゲームに挑戦し、最後までライフが残っていたプレイヤーが勝ちというかなりシンプルなゲーム。勢いでサクッとみんなで遊びたい時にぴったりだ。
どれも面白いゲームばかりだが、筆者が特にこれは間違いなく盛り上がる! と感じたのは「どっちがプレイしてるでSHOW」と「ドクターにきけ!」というゲームだ。
「どっちがプレイしているでSHOW」は4人プレイ時のみ選択可能で、2チームに分かれるチーム対抗戦のゲームになっている。
具体的には、まず同じチームの2人で同じプチゲームをプレイするのだが、プチゲーム開始前にコントローラーが振動したプレイヤーが実際にゲームをプレイする人で、もう片方はプレイしている「フリ」をする。もう一方のチームはどちらのプレイヤーが本当にプレイした人なのかを当て、当てた数の多いチームが勝ちという内容だ。いかに上手にフリができるのかが肝だ。
パッと見ただけでは2人とも同じ動きをしているのでフェイクか分かりづらく、チーム内で議論を繰り広げることになる。プレイしている4人以外でも、その場にいるみんなが一緒に楽しめそうなゲームだ。
「ドクターにきけ!」では、プレイヤーが患者という設定で、一番ドクターの言う事を聞きながらプチゲームをしていたプレイヤーが勝ちというゲーム。
ドクターからは、「Joy-Conがすごく重くなったと想像しながら」など、「◯◯◯しながら〜」+「◯◯◯しろ!」という2つの指示が与えられる。指示の通りにプチゲームをプレイできていたかどうかは他のプレイヤーが判定するという仕組みだ。
プチゲームをプレイする側の判定はクリアか失敗かのどちらかだが、「◯◯◯しながら〜」の部分は他のプレイヤーの匙加減によってポイントが決まるため、プレイヤーの演技力や表現力が問われるかもしれない。「どっちがプレイしているでSHOW」と少し似ているが、いずれも他のプレイヤーとのコミュニケーションが活発になることによってより面白さが増すようなゲームだと思った。
ちなみに公式サイトにはパーティモードの5つのゲーム全てが動画で紹介されているので気になった方はあわせて見てみるといいだろう。
純粋にゲームとしての面白さはそのままに、さながらテレビのバラエティ番組のような内容を気軽に自宅で楽しめる。
独特な「カマエ」やコンティニュー時の恥ずかしいポーズなどの随所にあるギャグ要素、バリエーション豊かなゲームモードで、1人はもちろん、みんなでラフにプレイすることができる内容にもなっていてコミュニケーションの一助にもなりそうだ。誰もが笑って楽しめるゲームにしようという任天堂の意気込みを感じる。まさにこれから来るパーティシーズンにうってつけだ。
今年の年末年始は「超おどる メイド イン ワリオ」で友達や家族とみんなで遊んでみてはいかがだろうか?
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