レビュー
「戦場のフーガ」レビュー
2021年7月28日 00:00
ゲーム進行の生死を握る重要な休息時間「インターミッション」
道中で入るインターミッションでは、状態異常になった子供たちの回復や、子供同士の交流、「タラニス」の武装の強化、不足するアイテムの補充など、様々なアクションが行なえる。ここではざっとインターミッションについて解説しておこう。なお、インターミッションは毎回AP20というポイントの制限があり、何かのアクションを実行するたびに消費していき、APを使い切ると、それ以上の行動ができなくなる点には注意が必要だ。
原則すべての行動でAPを消耗するが、例外として装備以外の車内施設のアップグレードは素材の消費だけで行なえる。また、「操作室」では「タラニス」の搭乗位置の変更も出発前に行なえるが、こちらも特にAPは消費しない。他にも「観測室」からの「観測」は現在挑戦するエリアの周辺にある地域の情報が獲得できるが、こちらもAPを消費せずにチェックできる。
インターミッションでは子供たち同士で会話が行なえる。消費APは1。会話により、お互いの親愛度が上がり、これが一定以上になるとレベルが上がる。最大10まで上げることが可能となっており、レベルが上がるごとに「協力必殺技」が出しやすくなったり、効果が上がったりするなどのメリットがある。親密レベルが上がった際には、レベルによっては仲良くなった2人のちょっとしたやり取り「絆イベント」が確認できる。
一方で1度も会話しなければ親愛レベルは1のままで、この状態で「タラニス」の砲座に2人で搭乗した場合、協力必殺技が使えず、ゲージも貯まらない。そのため、なるべく広範囲な交流が重要になってくる。筆者は最大レベルを知りたかったので、それぞれメンバーのデフォルトの相手を決めて親愛レベルを鍛えてしまったこともあり、後半になって、メンバーの入れ替えがうまくいかずかなり苦戦するようになってしまった。
親愛レベルを多く稼ぐ手法の1つには「洗濯」もある。2人の子供同士が仲良く「洗濯」を一緒にすることで、一気に親愛度が高まるという仕組みだ。「洗濯」は序盤では解放されておらず、途中の章から解放されるほか、洗濯物が貯まらないと発生しないため、毎回行なえない点には注意が必要だ。
「工房」では「タラニス」の各種装備に加えてHPを示す「装甲」とスキル使用に必要なSPの最大値を上げられる「リアクター」を改造により強化できる。これら改造にはAP2を消費するほか、それぞれ素材が必要となる。こうした素材は道中で拾ったり、バトルで勝利した際の報酬としてゲットできる。
こうした素材をシンプルに集められる仕掛けとして「砂釣り」も行なえる。砂釣りでは移動するフィールドからこうした素材を一本釣りする仕組みだ。他にも「タラニス」の「観測室」から遺跡に「探索」にいくことも可能で、これに成功すると、より多くの素材を集めることができる。
本作における遺跡の「探索」はシンプルな横視点のアクションパズルゲームとなっている。遺跡内には必ず宝箱と鍵が対で用意されており、遺跡内を探し回って無事に宝箱を開けたところでゴールとなる。他に未回収の素材があっても、宝箱を開けた瞬間、ゴールになってしまうため、宝箱を開けるのは最後にする必要がある。
遺跡内には宝箱以外にも各種素材がそのまま落ちている場合もあるし、硬い壺の中にしまってある場合もある。道中では赤い色の「トイガン」の弾を拾うこともあり、これを1つ拾うことで1発だけトイガンを発射できるので、トイガンで壺を破壊すれば中のアイテムが取り出せる。行く手を遮る破壊可能な壁がある場合もトイガンで破壊して進める。
遺跡内には床下から飛び出す針や、天井から落ちてくる壁などの罠が張ってある場合があり、これをかわしながら進んでいく。謎のモンスターが登場する場合もあるので、これを時には退治し、時にはかわして進まなければならない場合もある。退治の際にはトイガンの弾が必要で、モンスターによって1発で倒せる場合もあれば、3発くらい必要になる場合もある。
遺跡の探索におけるパズル要素とは、ずばりこのトイガンの使い道だ。例えば道中のモンスターは必ずしもすべて倒す必要はなく、動きを見極めることで回避できるものもいる。このような敵に常にトイガンを使ってしまうと、肝心なところで弾切れとなり、遺跡の探索を中断せざるを得なくなる。また壁の破壊についても闇雲に目の前の壁を破壊すればいいわけではなく、破壊したその先で弾が補充できる壁を優先して破壊したり、トイガンを使う手順を見誤ると宝箱自体は開けられても、すべての宝を回収できずに終わることがある。探索を繰り返すとレベルが上がり、より高レベルの探索が可能となり、高レベル探索ではより、レア度の高い素材が手に入り、うまく遺跡内を立ち回ることで、かなりの数の素材が手に入れられるようになる。
ケガをしたり戦闘不能に陥った子供たちを回復するには「寝台」で寝るしか方法がない。一晩寝ることで完全回復となるのはありがたいが、AP消費が5と大きい。また一定の経験値を得ることもできる。なお、いくら寝ても「落ち込み」状態を解除することはできず、これを解消するには他の子供から会話すると発生する回答の選択肢でベストなものを選ぶ必要がある。当然ここでの会話もAPを1消費する。
「タラニス」内での食事はどうしてるかって? 「タラニス」の最下層には農場があり、ここで野菜や果物を植えられるほか、ニワトリのような役割を持つ家畜の「ワトリニ」と羊と牛のミックスのような家畜「ヒツウシ」がおり、彼らの卵や羽なども素材として使われる。またここで収穫した農作物は、食堂で調理することで美味しく頂ける。食事は単なるポーズではなく、その次の戦闘で様々な効果を発揮することができる。なお、農園での作業はAP2を消費し、食堂での料理にはAP3を消費する。
そしてもう1つ「みんなの連絡ノート」というメンバーたちのテンションをさらによくするタスクのようなものも用意されている。子供たちがやりたいことがそれぞれ記載されており、達成すると次のバトルでのテンションが向上する仕組みだ。やりたいことは各自様々で、誰かと会話をするだけでOKなものもあれば、特定の料理を食べたいというメニューまで指定される場合もある。装備を強化したい、農園を拡張するなどのアクションは、他の子供たちが強化することでも達成できる。
いずれもランダムで選択されるのだが、インターミッション開始時に「タラニス」内で実行可能なアクションだけが選択されるため、不可能なアクションが提示されることは原則としては存在しない。なお、ランダムということもあり、リセットしてインターミッション前から再開すると毎回異なるものが提示されるので、中断セーブからの通常セーブポイントでの再開でやり直しも可能だ。
このようにインターミッションでは次の戦いの備えを万全に調整することができる貴重なタイミングなのだ。
©CyberConnect2 Co., Ltd.