レビュー
「戦場のフーガ2」レビュー
今度の敵はかつての主役機「タラニス」!? 昭和アニメライクな熱い要素がてんこ盛りの新たな戦いの旅
2023年5月10日 20:43
- 【戦場のフーガ2】
- 開発・発売元:サイバーコネクトツー
- ジャンル:ドラマティックシミュレーションRPG
- プラットフォーム:プレイステーション 5/プレイステーション 4/Xbox Series X|S/Xbox One/Nintendo Switch/PC
- 発売日:5月11日
- 価格:
- 4,180円(通常版)
- 6,380円(デラックスエディション)
- 2,200円(デラックスエディション アップグレードパック)
サイバーコネクトツーが5月11日より発売する「戦場のフーガ2」は、ケモノ系キャラクター「イヌヒト」や「ネコヒト」たちが暮らす「リトルテイルブロンクス」の世界観において、子供たちが超巨大戦車で激闘を繰り広げる物語が展開するドラマティックシミュレーションRPGだ。本作は2021年7月に発売した「戦場のフーガ」の約2年振りの続編となっている。
シンプルなシミュレーションRPGの基本的な仕組みはそのままに、よりプレイしやすく、よりユーザーサイドに寄り添った仕組みが各所に追加されており、遊びやすさは格段に向上している。
物語的には前作から僅か1年後が舞台となっており、前作のメインキャラクターたちはほぼそのまま登場。さらに新キャラクターたちも新たに参戦して、話を盛り上げていく。舞台が僅か1年後ながらも、いきなり度肝を抜かれる展開の連続となっており、制作に2年かけた意味はここにあったのか、と思わせる重厚なストーリーが胸を打つ。
前作ではガスコ国を突如、襲撃してきたベルマン帝国との戦争に巻き込まれる事となった子供たちが、超巨大戦車「タラニス」を駆って戦争を終結させ、さらに世界を滅ぼさんとする巨大な超破壊兵器「ヴァナルガンド」を滅ぼしてガスコ国を救う物語が展開された。
本作ではどのような物語が展開するのか、早速「戦場のフーガ2」の概要に触れていきたい。
前作から1年後、子供たちに再び危機が……
本作の主なあらすじだが、前作から1年後のガスコ国から物語は始まる。前作で超巨大戦車「タラニス」を操作して戦争を戦ったあの時の子供たちが、再びガスコ軍からの招集を受けていた。招集したのは前作にも登場した、ガスコ軍の女性士官のカネル・マスカット中尉。子供たちを呼んだ理由は、「タラニス」の内部に入り、調査を行なうために、子供たちの力が必要とのことで、タラニスの扉を解放する子供たち。なお、前作のラストでかなりズタボロの状態になっていた「タラニス」だが1年の間に自動修復されていた。
現場にはガスコ国の統治者であるシェイン・マスカット大統領も視察に現われる。ここで同じ苗字ということで、中尉が大統領の娘であるという衝撃の事実が明らかになる。現場には中尉の妹というバニラ・マスカットも姿を見せる。
順調に進んでいた軍の「タラニス」調査だったが、突然「タラニス」が8人のうち4人の子供たちを中に閉じ込めて暴走! 周辺を火の海にしながら、いずこかへと進撃を開始してしまう。大統領の待機していたと思われる建物も火に包まれ、いきなり大ピンチの展開だ。
ここで父でもある大統領が襲われたという事実に激昂したバニラが主人公たちを案内した別のガレージに収容されていたのは、なんと前作で敵として主人公たちの戦車「タラニス」と激闘を繰り広げてきたライバル機「タラスクス」だったのだ。こちらも1年の間に自動修復が行なわれており、主人公たちは「タラスクス」に乗り込み、暴走した「タラニス」を追うことになる。
ということでいきなりのサプライズとして、最初に乗り込む戦車がなんと前作のライバル機「タラスクス」である事実が明らかになる。チュートリアルはこの「タラスクス」を駆り、かつての愛機「タラニス」を追うといういきなりの燃える展開からのスタートとなるわけだ。
この後も怒涛の展開が待っているのだが、正直なところ「戦場のフーガ」シリーズにおいて、最も重要なのはその息もつかせぬストーリー展開であり、選択肢によって変化するマルチエンドや2周目以降も繰り返しプレイする事で、抗えないバッドなエンドを回避して、ベストエンディングを目指すところだ。
そのため、ストーリーの細部には触れず、衝撃的な出来事のみ簡単に触れていくことにしたい。正直、ネタバレな面もあるが、そこは“共感”ではなくあえて“覚悟”を決めて語らせてもらおうと思う。
今回搭乗することになる「タラスクス」だが、内部には前作で極悪非道なキャラクターとして描かれていた敵国、ベルマン帝国の総司令「シュヴァイン・ハクス」が人工知能として搭載されている。かつての敵の頭脳のみが、味方としてマシンに宿っており、個人的には「超時空要塞マクロス」の続編「マクロス7」を思い出した。極悪非道な性格や当時の記憶は共有されていないため、有能なAIとして動作しているが、マルトたちは不気味がっており、その気持ちもよくわかる。
前作で登場した圧倒的破壊力の最終兵器「ソウルキャノン」は本作でも登場する。発射の代償に子供1人の命が必要という非情な仕様には変化がない上に、物語の途中「タラニス」がアップデートして「エキゾ・タラニス」になってからは「エキゾ・タラニス」になってからは、戦車の体力が一定以下になると、子供たちの中から1人をランダムで選んで強制発射するようになっており、これまで以上にハードな仕様、というか勝手に発射されやすい仕組みにアップデートされてしまった。
一方で今回改めて操作することになる「タラスクス」には「ソウルキャノン」と似た雰囲気の禍々しい主砲「マーナガルム」が搭載されている。こちらも強力な兵器だが、代償は選択した子供の状態が戦闘不能になるというもので、使用したバトルでの経験値が獲得できないなど、デメリットはあるものの命までは奪わないという多少人道的な仕様の兵器となっている。
もちろん威力については「ソウルキャノン」よりも劣るほか、戦闘不能の状態からの回復には苦労することになるので、こちらも極力使わずに済ませたいところ。こちらの兵器も「エキゾ・タラニス」融合時に装備しており、ピンチの際に使うことができる。
再び集結した子供たちの駆る合体融合した超巨大戦車「エキゾ・タラニス」と、謎の人型兵器との戦いが本作における主な戦いの構図となるのだ。
基本的なシステムは前作と同様、シンプルかつ遊びやすい仕組みの数々
ゲームとして見ると「戦場のフーガ2」におけるストーリー進行の流れやメインの操作画面にはあまり大きな変化はない。これまで同様に新たな章が開始されると、物語の展開に沿って、地域単位のマップが表示され、どのような進路を進んでいるかの大まかなルートが提示され、着いた先の港や街などに立ち寄って戦車の補給や情報収集などが行なえる。
これらが完了したところで、章ごとのプロローグのエピソードの後、マス目が用意された一方通行のボードゲームのようなビジュアルのシンプルなフィールドマップが展開するので、1マスずつ戦車で歩みを進めていく。道中には敵の待ち伏せ、回復、インターミッションなどのイベントが発生し、最終的にフィールドマップの終点にいるボスとの対戦を終えれば新たな物語が展開する事となり、そこで章のクリアとなり次の章に進むという流れだ。
メインとなるのは、ボードゲームのようなフィールドマップで、ここでの戦闘やイベント内での選択などで経験値を稼いだり、アイテムを回収していき、戦車や子供たちを強化していく。
戦闘についても基本的に戦車と敵を真横から見ながら、どの敵にどのような攻撃を仕掛けるかといったかなりマクロな戦術を楽しむシミュレーションバトルとなっている点は前作と同様だ。
利用可能な兵装についても同様で、搭乗する子供たちがそれぞれ担当する兵装が設定されており、命中率がやや低く、装填速度にも時間がかかる代わりに、その威力は圧倒的な「キャノン」、命中率と回転率が高い代わりに威力は最も低く、空中の敵への攻撃を得意とする「マシンガン」、威力的には中位ながら、地上の敵への攻撃を得意とする「グレネード」の3種類が主な兵装となっており、これらを切り替えることで、より効率的に敵を倒していく。
兵装にはそれぞれ2人の子供たちが搭乗して戦う事となるのだが、相性のよい子供たちの組み合わせの場合、協力必殺技が発動できる場合もある。協力必殺技は非常に強力なので、使えるタイミングでは迷う事なく発動していきたい。
本作の戦闘シーンは見た目が非常にシンプルなので、一見すると単調そうにも見えるが、敵のアイコン情報には2つの重要なポイントがあり、これらが本作の戦闘における戦術性をかなり高めている。1つは盾の形のアイコン内の数値でこれは敵の装甲の厚さを示しており、数字が高いほど守りが固く、ダメージが通りにくくなっている。もう1つが色の付いた時計のアイコンで、この色がこちらの兵装の色と相関性があり、敵の弱点を突くことで敵の行動順を大幅に遅らせることが可能となっている。
装甲の厚みについては、スキルを活かす事で無効化できるのだが、これまでは装甲を弱らせるスキルや特殊な弾薬を利用するしか手段がなかった。しかし、本作では装甲を無視してダメージを与えられるスキルが追加となっており、これにより、さらに戦術に深みが増している点も面白い。
スキルの利用にはSPを消耗するが、スキルを使いすぎると肝心なところでSPが枯渇してしまう。回復アイテムも存在するが貴重な1ターンを消耗してしまうため、SPは温存したい。だがSPを温存しすぎると、敵との戦闘時間が長引いてしまい、結果としてHPを減らしてしまう事になる。この辺りのバランスの取り方が非常に絶妙となっており、より少ないターン数でいかに被害を最小限に抑えて敵を殲滅するかが戦術の見せどころとなっている。
ついに「お金」が導入! 追加要素の数々でさらに遊びやすい親切設計に!
こうしてざっとゲームの概要に触れてみると、具体的に何が変更になったのかがわかりにくい点が多いのだが、本作では細部に渡ってかなりの変更が加わっている。最もインパクトの大きな変更点は、新たに「お金」の要素が追加となった事だ。前作をプレイしたことのない人は「え?」と思うかもしれないが、前作ではお金の要素が存在せず、必要なアイテムは拾ったり、貰ったり、遺跡を探索したり、他の物と交換するのみで、売買の仕組みがなかったのだ。
前作の買い物要素不要というシステムはユニークすぎる面もあったし、何よりユーザーの選択肢の幅が狭くなってしまうという難点もあったわけだが、本作ではお金の要素を追加した事で、非常に柔軟な戦車運用が可能になった。ポイントとしては前作でもお馴染みの「インターミッション」や「遺跡探索」などは健在のまま、売買の仕組みが追加になったというのが大きい。
インターミッションについて簡単に説明しておくと、戦車での移動中に発生する重要なイベントの1つで、戦車内での生活や暮らしが垣間見える物となっており、APと呼ばれるポイントの分だけ、戦車内の子供たち、個々のキャラクターに焦点をあてて、仲間との友好関係を深めたり、戦車自体の強化やメンテナンスが行なえる。
前作まではフィールドマップ移動時に拾うほか、インターミッションで利用できる「砂釣り」や「遺跡探索」、道中の街や村の人たちからの供給でしかアイテムを集める手段がなかったため、戦車の強化が若干単調になっていた面もあったが、本作では従来同様にインターミッション中の砂釣りや遺跡探検といった作業でアイテムの獲得が行なえる上に、大量に集めたアイテムの一部だけ偏っているような状況をなくすために、不用品を売ってお金にかえて、不足がちな部品を購入するといったことができるようになったのはとてもありがたいポイントだと言える。
こうした売買要素の追加に加えて、アイテムの数は大幅に増えているのも特徴だ。戦車の運用には不要な換金専用アイテムや、子供たちのメンタル回復用のアイテムの追加などが加わっており、こうしたアイテムの利用で、ゲーム進行がこれまで以上にスムーズに行なえるようになっている。
細かい話では、前述の換金専用アイテムの仕組みも非常にユニークだ。換金専用アイテムを所持した状態で市場などに行き、売却を選択すると、コマンドを選んだ瞬間に換金可能なアイテムの売却確認ダイアログが表示され、スムーズに換金可能アイテムの売却が行なえるのだ。
他にも売買を行なう画面から、戦車の状態が確認できるようになった。具体的には戦車内の設備のアップグレードに必要な素材や兵装の強化に使用するアイテムがどのくらい必要か、などの情報が売買中に確認できるのだ。こうしたちょっとした便利機能はプレイしていて気持ちよくゲームが進められるのでありがたい。
また、フィールドマップの移動についても、今回は道中で発生するイベントが大幅に増えた。前述のインターミッションや、遺跡発見などはこれまでと変わらないが、お金の要素が追加になったことで、今回は新たにフィールドマップ上に飛行船を呼び出して、色々なサービスが受けられる「飛行船サービス」も追加となった。
飛行船サービスでも各種アイテムの売買ができるが、その中でも特にユニークなのが、有料サービスとして、フィールドマップ上の指定位置に移動できる「運搬」、道中に補給物資を配置できる「補給」、さらには敵との戦闘アイコンを襲撃して消してしまう「空襲」が行なえる点だ。特に「空襲」についてはお金さえあれば、フィールドマップ上の複数の敵アイコンを除去できるので、戦闘をさらに減らしたいという人にはありがたいサービスだ。
逆に「運搬」については、先に進んだり、後ろに戻ることができるようになっているほか、「運搬」を利用しないと進めないルートも存在するため、いつもと異なるルートを選びたい場合などに使う事で、より多くの経験値や素材を集められる。
他にも「出会いイベント」が新たに追加となった。これはフィールドマップ上で様々な人々と交流するイベントで、通りすがりのジャンク屋からいきなりジャンク品の詰め合わせ販売が行なわれたり、港などで使える素材の割引券のプレゼントのほか、なんと前作に登場したあの人との出会いなど既存シリーズのプレーヤーを盛り上げる仕掛けもあれこれ用意されている。
操作周りについては、戦車移動時の機能としてアニメーションをよりスムーズに行なえる「ターボモード」が搭載された。ボタン操作1つで設定変更が可能となっており、有効にすることで、よりスムーズに戦車の進行が行なえる。また、道中の会話についても従来同様ボタン押下やボタン操作せずに会話が自動で進められる「オートプレイ」で次に進めることができ、スキップすることも可能。
他にもユニークな新システム「ジャッジメント」システムが追加された。これは会話の中で発生する「ジャッジメントチャンス」時にリーダーのマルトに対して複数の選択肢を提示し、その回答に応じて「覚悟」と「共感」のいずれかのポイントが加算され、一定以上蓄積されると、新たなリーダースキルが獲得でき、発動するようになるというもの。
例えば、街での会話の中で家を焼かれて住む場所を失ってしまったみすぼらしい男との会話の中で発動した場合、選択肢は「あきらめないで!」と「がんばって!」、そして会話ではなく行動だが「お金を500渡す」という3つの選択肢がジャッジメントチャンスとして提示される。それぞれどの選択肢を選ぶと「覚悟」か「共感」かという情報がアイコンで提示されているので、プレーヤーの心からの答えを選択するのもアリだし、ゲーム的に最も効率的な選択をするのもアリだろう。選択するとアイコンに提示された方にポイントが加算される。
上記の例にて、筆者は共感の「がんばって!」を選択したが、得られたポイントは共感1ポイントのみだった。何となく相手のリアクションもイマイチだったので、これは選択をミスった可能性が高そうだ。というか恐らくお金を恵んであげるべきだった? などあれこれ考えさせられるユニークな仕組みとなっている。
さらにジャッジメントシステムの素敵なポイントは、覚悟と共感、どちらかがプラスになるとどちらかがマイナスになるといった単一パラメーターではなく、それぞれが独立してポイントが加算されていくところだ。覚悟を多く選択した後で共感を選択しても別に覚悟には何の影響もなく、共感が増えるのみなのである。これまでのアクションが無駄にならないいい仕組みだと感じた。
こうして得られたリーダースキルは非常に強力で戦闘時に活躍する。最初に得られる「覚悟」のスキル「先に撃つ!」はシンプルに発動したターンに味方の行動順番が最速になる。他にも「共感」のスキル「気を付けて!」が発動すると、なんと発動したターンの敵の攻撃が無効になるなど、かなり強力なスキルとなっている。
ただし、リーダースキルの発動は完全にランダムなので過信は禁物だ。しかしながら、かなり強力なスキルとなっており、バトル中の強力な助けになることは間違いない。
とっつきやすさは前作以上! 「復讐三部作」の3作目に期待!
本作ではゲーム内の時間にして1年後と言う前作からほぼ時間を置いていないストーリーにも関わらず、新たな物語の構築には見事に成功していると言える。特にネコヒトやイヌヒトのみの「リトルテイルブロンクス」の世界観に、あえて異質な存在を出すという展開はSFとして見ると非常に興味深い。
なお、本シリーズについて同社では「復讐三部作」と銘打っているため、「戦場のフーガ3」が満を持して登場する可能性は極めて高い。同社がYouTubeにて公開している全25回の漫画動画「G線上のフーガ」では今回の「戦場のフーガ2」に関連した情報がかなり盛り込まれているようなので、こちらも合わせて見ておくとより理解が深まる。
ゲームについても、プレーヤーがより遊びやすい仕組みが多く追加されており、最初はあまりにも快適すぎて難易度が落ちたのでは?とも感じたが、シナリオを進めていくとやはり敵の強さもそれに比例して凶悪になっている。一筋縄ではいかないが、クリアできないほどではないくらいのほどよい難易度に仕上がっていると感じた。
個人的には子供たちの状態異常の回復にアイテムが使えるようになった点や、飛行船サービスで道中の敵を事前に殲滅できるなどの仕組みは、プレーヤーのストレスが軽減されるナイスな機能の追加と言える。もちろんお金の管理は重要で、調子に乗って金を使いすぎることで、戦車内の施設の強化がおろそかになってしまったりといった事もあるので、この辺りの計画的なお金の使い方については、本作で新たに注意するべきポイントと言えるだろう。
「戦場のフーガ2」は前作と同様、全12章構成で子供たちの戦いを描いていく。「タラニス」などの超巨大戦車やマルトたちをあらかじめ知っている方が物語への没入感が圧倒的に高まるため、前作を遊んでそのストーリーやビジュアルに満足した人たちは迷うことなく、本作をプレイするべきだし、前作未プレイの人は先に前作を遊んで概要をつかんだ上で改めて本作に挑むのがいいというのは間違いない。
だが、前作をスキップして本作からいきなり遊ぶという選択肢も個人的にはアリだと感じた。ストーリー面で言えば「戦場」に挑む子供たちを描いているのは2作とも共通なのだが、根本にあるテーマが若干異なるようにも感じるからだ。本作では前作ではメインだった戦争の要素よりも、各キャラクターによりクローズアップしているほか、「タラニス」にまつわるエピソードなど、「リトルテイルブロンクス」の世界観をより掘り下げる物語となっているなど、SF好きにはたまらない仕掛けが前作以上に増えているため、本作を遊んでから前作のエピソードを確認しても遅くはない。何より前作以上にシステムが洗練されており、大幅に遊びやすくなっているので、ここから入って前作に戻る方がプレイしやすいように感じる。
前作のレビューでも触れたが「リトルテイルブロンクス」の世界設定は、同社が長い年月をかけて練り上げてきた同社独自のユニークかつ歴史のある世界だ。そのため、今後もこの世界設定を活かしたユニークなオリジナルタイトルが登場してほしいと願うし、さらに広がりを見せてほしい。その礎として「復讐三部作」は押さえてておきたいシリーズの1つと言えるだろう。
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