レビュー
「Microsoft Flight Simulator for Xbox Series X|S」インプレッション
ついにXbox Series X|Sで手軽に“第2の地球”を飛び回れる日がやってきた！
2021年7月27日 12:01
- 【Microsoft Flight Simulator for Xbox Series X|S】
- 開発元：ASOBO Studio
- 発売元：日本マイクロソフト
- ジャンル：フライトシミュレータ
- プラットフォーム：Xbox Series X|S
- 発売日：7月27日（プレイ開始時間：7月28日0時）
- 価格：7,450円（税込）より
今回ファーストインプレッションをお届けするのはついにXbox Series X|S向けにリリースされた「Microsoft Flight Simulator」です。このソフトウェアは2020年8月にWindows10向けにリリースされたモンスター級のフライトシミュレーターを家庭用ゲーム機に対応させたものです。Xbox版ではダウンロード版に加えて、パッケージ版も同時発売され、Xbox Game Passにも対応していますので、PC版のユーザーは追加料金なしでXbox版も楽しむことができます。
インプレッションに入る前に、ざっくりではありますが、「Microsoft Flight Simulator」をおさらいしておきましょう。このシミュレータは「MSFS」と略され、Version1は1982年に作られているという実はとても長い歴史を持つシリーズです。その12作目が今回の「Microsoft Flight Simulator」です。ナンバリングされていなくてわかりにくいので登場年をくっつけて「MSFS2020」が通称となっています。
1982年というとコンピューターの性能も大したことはなく、当初ワイヤーフレームで今の目からしたら「なんじゃこりゃ？」な映像ではありましたが3D空間を表現したその映像に子供はもちろん大人たちもとても楽しんでいたように記憶しています。バージョンアップを繰り返し、登場した時代のPCの性能をあっというまに置き去りにするくらいどんどんモンスター級のアプリケーションになっていきました。
「MSFS2020」では、インターネットという地球規模のバックボーンをもとに登場。世界を再現するために2PB（ペタバイト）というとんでもないサイズのデータを伴ってリリースされました。1年ほど経過した2021年の現在はさらに増大しているものと思われますが、「第2の地球」を構築したといってもいいほどのデータ量となっています。そしてまさに“今”の日時や気象データを反映させたビジュアルはついにここまできたか！とうならせてくれる仕様となっています。嵐やハリケーンが現れたら突入するという遊びもこのシミュレーターなら可能です。
今回の「MSFS2020（Windows10版）」でも世界的にPCのパワーアップを促すほどのモンスターっぷりに驚愕したものですが、標準のコントロールパッドでさくっと飛べてしまうコンソール機向けにもリリースされることがアナウンスされ、PC版とどのくらい同じ感覚が味わえるかとても楽しみにしていました。“やっと”ウチの「Xbox Series X」が本領を発揮できるゲームが出てきた！そんな期待を抱きつつファーストインプレッションをお届けしたいと思います。なおプレビュー版ですのでリリース版と違いがある場合がありますのでその点ご了承ください。
画面構成やインターフェースはPC版とほぼ同じ。
いきなりメニュー構成から入りたいところですが、避けて通れない部分があります。それは「MSFS」のダウンロードとインストールです。コンソール版向けとはいえ、そのデータサイズは巨大でオフラインモード用も含めると102GBほどあります。本体のダウンロードとインストールで相当時間かかりますし、本編ダウンロード後もさらにワールドアップデートなどのデータのダウンロードとインストールが必要になりますので、プレイする際は余裕をもってスケジュールを組んでいただきたいと思います。
その準備に掛かる時間は環境に寄りますが、数時間は見ておいた方が良いと思います。“今すぐプレイしたい！”という気持ちはちょっとおいといてダウンロードさせたらいったん外出か寝てしまってもいいと思うくらいの時間はかかってしまいます。日本でのサービス開始は28日0時が予定されていますから、日中に準備をしておいてというのが良いかもしれません。
このプレビュー版ではコントローラーだけではなくマウスがないとメニュー操作ができませんでした。ゲームのUIとして、ゲームコントローラー以外が必ず必要になるという設計にはしませんので、製品版ではゲームコントローラーだけでも操作できるようになるはずですが、UIは良くも悪くもPC版そのままですので、正直、マウスがあったほうが、メニューの操作はし易く感じました。
追加コンテンツについてもPC版と同一です。中でもメジャーアップデートと言えるワールドアップデートは、これまで、1.日本、2.アメリカ、3.イギリス・アイルランド、4.フランス・ベネルクス（ベルギー・オランダ・ルクセンブルク）、5.ノルディクス（ノルウェー・デンマーク・フィンランド・アイスランド・スウェーデン）が行なわれています。今後6.ドイツ・オーストリア・スイスが予定されています。これがPC版と同じタイミングでXboxでも楽しめるのはありがたいですね。
むずかしいことはほっといてとにかく飛ぼう！
標準のコントローラーで飛べるフライトシミュレーターですから、もう飛んでしまいましょう。コントローラーの設定は画面上で確認できます。ブレーキ解除や必要な操作は画面上でフォローしてくれますから安心して操作できます。そしてなにより先日のアップデートで“日本語”インターフェースにも対応したのでわかりやすくていいですね。音声は英語のままですので、チュートリアル等のボイスガイドをしっかり聞くために字幕表示はオンにしましょう。
やはりベンチマークとなるだろう東京上空はチェックしておかなければなりません。多くの建物や高層ビル群、海とも隣接していて性能評価にはぴったりですし、先日の東京2020オリンピック開会式当日の昼にブルーインパルスが飛んだことでも俄然注目される空域でもありますよね。
上記の画像は、プレビュー版の不具合で「ワールドアップデート：日本」のデータが正しく適用できていなかったため、初期データでの表示となっています。マーケットプレースから”ワールドアップデート日本”を適用すればハイエンドPCに肉薄するすばらしい日本の風景が眼前に広がります。本体ダウンロードしたらまっさきにダウンロードしていただきたいDLCです！
ここで今回レビューに使用した環境を紹介しておきましょう。コンソールは「Xbox Series X」、TVは「LG 49NANO86JNA」となっています。このTVのHDMI端子はバージョン2.1対応となっており4K 120FPSの信号を受けられる機種で今回のレビューにぴったりのTVだと思われます。「MSFS2020（Xbox Series X|S）」版では通常4K 30FPS固定でVRR対応ならさらにFPSが増加するといわれています。
ためしにFHD DP240FPS/HDMI120FPSのPCモニター「JAPANNEXT JN-315VG240FHDR」に接続してみましたがVRR対応でないこともあり、表示が特に変わったということはありませんでした。いずれVRR対応モニターで試してみたいところです。さらに解像度は「Xbox Series X」では4K、「Xbox Series S」では1080pとなるとのこと。将来的にはクラウドサービスでスマートデバイスや古いノートPCなどでも遊べるようです。
「Xbox Series X|S」での起動が速い！
Xbox版リリースにあたって開発者インタビューで語られていた「起動速度の高速化」というものが気になっていたので手動で恐縮ですが計測してみました。その結果ですが「Xbox Series X」では1:18.41、PC（Core i9）では3:05.12という結果となり約半分の時間でホームメニューが表示されました。Xbox版は相当速いですね。
「Xbox Series X|S」での利点はコントローラーで電源を入れて飛ぶまでの手軽さが一番に来ると思いますが、データの読み込みがだいぶ速い印象で「Xbox Series X|S」のストレージは「PCIe Gen4x2 NVMe」のインターフェースで接続された超高速SSDをもってしてそれを使いこなすベースシステムがあったればこそ、その速さと手軽さに貢献してくれているようです。共通仕様のコンソール用アプリケーションですから余計な部分は切り捨てられるということもあるかもしれません。
扱えるデータ量の違いからでしょうか、表示される映像には差があるようです。PC版のグラフィック設定“ULTRA”との差をご覧ください。
「MSFS2020（Xbox Series X|S）」版でのこういったディテールの作り方などは今後のアップデートで改善していく可能性はもちろんあるんじゃないでしょうか。PC版の初期の東京なんてひどいものでしたから。一発目のワールドアップデートが日本でその完成度の高さに驚いたものです。2020年のリリースから1年であっというまにここまで来てしまった「MSFS2020」。今回のレビューで撮影した他のギャラリーをご覧ください。ビルなどの人工物がないととてもきれいに表現されているのがわかります。
「Microsoft Flight Simulator for Xbox Series X|S」のファーストインプレッションを終えて
前述させていただいた通り、Xbox版はとにかく“手軽に飛べる”これに尽きるなと思いました。さすがに最初のダウンロードとインストールは横においておくとして、コントローラで電源を入れればリビングなどで主役を張っている大きな4Kテレビで大迫力の大空にすぐに飛び立てる。これに尽きると思いました。
PC版と比べると絵的に密度感は薄いかもしれませんが、このコロナ時代のバーチャル海外旅行としてこの「Microsoft Flight Simulator」で行きたかったところの予習ができるとも思います。筆者も海外に行きたくてうずうずしているので、このXbox版で気軽にあちこち行ってみたいと思っています。ハリウッド映画の「トップガン・マーヴェリック」とのコラボレーションでF/A-16なんかにも乗れるみたいですしそちらも楽しみです。
いよいよ飛べる時が近づいてきました。日本では7月28日0時からのプレイ開始とアナウンスされておりますのでまだしばらく待ちの状態になりますがダウンロードとインストールに結構かかると考えればその時間ができた、とも考えられます。先にその手順だけ進めておいて一斉に飛び出しましょう。空が呼んでいる！
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