「Forza Horizon 4」レビュー

Forza Horizon 4

デイトーナー! ゲーム好きも、クルマ好きも、レース好きも。万人が楽しめるオープンワールドレースの金字塔

ジャンル:
  • レース
発売元:
  • 日本マイクロソフト
開発元:
  • Playground Games
プラットフォーム:
  • Xbox One
  • Windows PC
価格:
6,950円(税別)
発売日:
2018年10月2日

 突然だが、「私はハワイ オアフ島の道をゲームで覚えた」と言ったら、多くのゲームファンは信じてくれないだろう。ただ、オープンワールドレースゲームコミュニティの人間だけは「わかる、俺もそう」と言ってくれる人が少なからずいるはずだ。

 オープンワールドレースゲームの金字塔「テストドライブ アンリミテッド」(2006年、Eden Games)」では、オアフ島が丸ごと再現されており、全ルートを走り込めば、オアフ島の道はだいたい把握できるのだ。実際、筆者が2008年に初めてハワイでレンタカーを借りて、いきなりオアフ島を走り回れたのはこのゲームのおかげだ。もっとも、オアフ島在住の知人に、「オアフ島を1周しようと思う。ゲームで何周もしたから実際に試してみたい」と伝えたら、「北西の道は繋がってない、バカなことを言うな」とこっぴどく叱られたのを覚えている。のちに実際に訪れてみたら本当に繋がっていなかった。ゲームと現実はすべて同じとは限らないのである。

【実は繋がっていない!】
オアフ島北西のカエナポイントは実は道路が繋がっていない。いつか使えるだろうと思ってわざわざ行って撮ってきた1枚

 それはともかく、やはりオープンワールドレースゲームはいい。筆者のような、レースゲームが“下手の横好き”でも楽しむ余地を十分に与えてくれるし、現実世界ではまず乗る機会がないようなスーパーカーを乗り回せるし、さらにアクセルをべた踏みして300kmを出す機会を授けてくれる。たまたま同じセッションになったプレーヤーとドライブやレースを楽しんだり、お気に入りのラジオを掛けながら海沿いを高速で走るだけでもスカッとする。ゲームとクルマが好きな人間にとっては、まさに現実世界におけるオアシス(レディ・プレイヤー1)のような存在だ。

 そのオープンワールドレースゲームの分野では、並ぶものが居ない存在となりつつある「Forza Horizon」にシリーズ最新作「Forza Horizon 4」が登場した。そのゲーム概要や魅力については、E3プレビューファーストインプレッションでお伝えしてきたが、9月28日のアーリーアクセスから1週間ほど集中してプレイすることができたので、満を持して製品版でのレビューをお届けしたい。

【Forza Horizon 4 Presents: Ken Block VS Britain】

オープンワールドレースゲームの歴史における「Forza Horizon 4」の位置づけとは?

 「Forza Horizon 4」は、現在ではメジャーなゲームジャンルのひとつとなっているオープンワールドレースゲームだ。オープンワールドレースゲームは、モータースポーツをモチーフとしたいわゆる“レースゲーム”が、ハードウェアの進化に合わせてリアリティを追求した結果、どんどんシミュレーション寄りになり、初心者が手に出しにくい存在になりつつある状況に対して、ある意味での自発的なカウンターとして生まれたジャンルだ。広大なオープンワールドを舞台に“ただドライブして景色を楽しむだけでもいい”という、自由なゲーム性がゲームファンに評価され、ゲームメーカー各社から様々なタイトルが誕生した。

 そうした中でゲームジャンルの確立に決定的な役割を果たしたのが冒頭で取り上げた「テストドライブ アンリミテッド」だ。1,600平方kmにも及ぶ広大なハワイ オアフ島を丸ごと再現し、観光気分でカラカウア通りを流したり、オアフ島1周レースに挑戦したり、クルマや人などを運ぶミッションにチャレンジしたり、はたまた交通事故を起こした後、警察から全力で逃げたり、稼いだお金で豪邸を手に入れたりなど、オープンワールドならではのゲーム性が高く評価され、レースゲーム界に新たな潮流を生み出した。

【テストドライブ アンリミテッド】
クルマ好きのゲームファンを虜にした「テストドライブ」。レースゲームは、サーキットで順位を競うものという概念を根本からぶっ壊した快作

 このオープンワールドレースゲームは、この「テストドライブ」のほか、「Burnout Paradise」(Criterion Games)、「Midnight Club: Los Angeles」(Rockstar Games)、「ニード・フォー・スピード」(Electronic Arts)などなど、レース寄り、アンダーグラウンド系、カジュアル系と実に様々なタイプのゲームが生み出された。言わばこれらはオープンワールドレースゲームの第一世代と言えるが、残念ながらその多くは絶えてしまっている。

 理由は単にゲームとしてつまらなかったり、バグが多すぎたり、オンラインマッチングがヒドかったり様々だが、決定的な共通点は2つ。1つはレースゲームとしてテクノロジーの進化に追いつけなかったことと、もう1つは、開発側にオープンワールドレースゲームはオンラインゲームである、という理解があまりにも薄すぎたことだ。

【Burnout Paradise】
架空世界をモチーフにしたオープンワールドレースゲームとして、今なお評価の高い「Burnout Paradise」。なぜこの路線を続けなかったのか、「ニード・フォー・スピード」と統合してしまったのか、悔やまれる傑作

 レースゲームは、オープンワールドレースゲーム誕生以前から、ゲームテクノロジーのショウケースとして機能している。30もしくは60フレームの描画を維持しながら、実写のようなグラフィックスとリアルな挙動を実現しなければならない。現在でも「グランツーリスモ」シリーズ(ポリフォニーデジタル)や、「Forza Motorsport」シリーズ(Turn 10 Studios)は、プラットフォームのテクノロジーレベルを象徴する存在として、最先端のテクノロジーを取り入れることに全力を注いでいる。多くのメーカーはこのテクノロジー競争についていけなかった。

【Midnight Club: Los Angeles】
非合法レースならこれ。「Grand Theft Auto」シリーズを擁するRockstar謹製のオープンワールドレースゲーム。個人的には好きなゲームだったが、バランスがシビア過ぎたためかあまり評価は高くなく、現在に至るまで新作は登場していない

 また、オープンワールドレースゲームにMMO要素を取り入れたのも「テストドライブ」が最初だ。シームレスにプレイ中のユーザーを同一ワールド内に入れ、同一セッション内のプレーヤーは声を掛けあって一カ所に集まり、一緒にドライブを楽しんだり、レースに誘うことができた。ただ、コミュニティ機能を満たすだけで、オンラインゲームとして成立すると考えるのは甘かった。プレーヤーが継続して楽しむためには、MMORPGのように定期的に新たなコンテンツを実装する必要があるが、それを実行していたオープンワールドレースゲームはほとんどなかった。

 前置きが長くなってしまったが、2012年に最初の作品が登場した「Forza Horizon」シリーズは、テクノロジー周りは、偉大な兄貴分である「Forza Motorsport」から助けを借りつつ、オンライン周りに関してはMicrosoftのサポートを受けられるという、非常に恵まれた環境ですくすくと育った稀有な存在だ。今回紹介する「Forza Horizon 4」は、4作目にして、そのひとつの集大成といえるような作品に仕上がっているのだ。

【Forza Motorsport 7】
「Forza Horizon」シリーズの成功は、言うまでも無く偉大な兄貴分である「Forza Motorsport」シリーズの存在によるところが大きい。「Forza Motorsport」のしっかりとした土台を使えるからこそ、「Forza Horizon」は思いっきり想像の翼を広げられる

昼夜、天候、そして四季。すべてを詰め込んだリアルワールド

 今回の舞台は、開発元Playground Gamesの本拠地であるイギリスだ。当然、彼らは「Forza Horizon」の企画を立ち上げた時から、イギリスを舞台にしたいと考えていたはずだが、彼らのお眼鏡にかなうクオリティを実現できるまで、実に6年、4作の時間が必要だったことになる。

【美しい田園風景】

 その上で今回、もっとも大きくフィーチャーされている新要素は四季だ。昼夜や天候の概念は、他のレースゲームでも取り入れられているが、四季を、完全に4つのオープンワールド上に1つずつ再現したのは今作が初めてだ。しかも、全サーバーで1つの季節を1週間ずつ固定するという前代未聞の施策を採る。

 10月4日現在、サーバーの季節は夏だ。快晴の天気が多く、夕暮れどきはサングラスが欲しくなるほど眩しくなる。天候は安定しており、レースゲームとしてはもっとも走りやすい季節と言っていい。これが10月5日からは秋に変わる予定で、翌週10月12日からは冬に変わる。これは全ユーザーが強制され、現実世界同様、拒否はできない。

【季節が変わる世界】

【刻一刻と表情を変える世界】
昼夜、天候に加えて、季節の概念もあるため、このイギリスの田園風景は、遊ぶ度に多彩な表情を見せてくれる

 もっとも、ビギナーには特別措置として、“Horizonレギュラー”になるまで、任意のタイミングで季節を変えることができる。各種レースやストーリーと呼ばれる各種“頼まれごと”をクリアすることで得られる「影響ポイント」を一定量溜めると、フェスティバル会場に行くことで季節を1つ進ませることができる。「Forza Horizon 3」におけるファンを増やしてフェスティバル会場の拡張させるのと同じと考えて良い。春、夏、秋、冬と季節を一巡させると、Horizonレギュラーとなり、晴れて一人前のフェスティバル参加者と認められる。

 といっても季節を一巡させるのに10以上のレースを完走させる必要があるし、急ぎ足でやっても数時間、影響を稼ぐ度に増えていくレースを丁寧にこなしていくと10時間ぐらいは掛かると思う。

 季節ごとに異なるイベントや、デイリーやウィークリーのFORZATHONが提供され、オンラインゲームで言うアップデートも同時に盛り込まれる。ここからが「Forza Horizon 4」のスタートだ。

【Horizonレギュラーに】
レースを繰り返して四季を一周させると晴れてHorizonレギュラーになれる。ここからが「Forza Horizon 4」のスタートだ

【FORZATHONも季節ごとに変化】
FORZATHONも季節ごとに内容が変化する
不定期で発生するライブイベント「FORZATHONライブ」。制限時間までに会場にたどり着くことでグループミッションにチャレンジできる
溜めたFORZATHONポイントは、クルマやアイテムと引き換えられる。夏のFORZATHONショップは今ひとつなので溜めておくことにする

 このHorizonレギュラーになると、晴れてコミュニティ機能となるクラブや、チームアドベンチャーが利用できるようになる。クラブは特に条件はないのですぐ入っても構わないが、チームアドベンチャーは「Forza Horizon 4」のメインとなるオンラインマルチプレイ機能で、すぐ手を出すのは危険かもしれない。というのも、参戦するために必要なチューンナップされたS1、S2ランクの車輌が揃っていないはずだし、仮にクルマはレンタカーで間に合わせたとしても、肝心の技量が伴っていないからだ。まずはそのままシングルプレイキャンペーンを継続し、広大なオープンワールドに点在する様々なレース、チャンピオンシップ、ストーリーミッション、ショーケースなどをひととおり体験しておくことを強くオススメしておきたい。

 ちなみにクラブとチームは、似ているがまったく別物だ。クラブは最大2,000人が参加できる文字通りのクラブ機能で、同好の士の集まりだ。掲示版で情報のやりとりをしたり、チャットでマルチプレイを誘ったりできる。特に縛りもなければ報酬もないため、気に入らなければ抜けていい。

【クラブ】
掲示版やチャット機能など、基本的なコミュニケーション機能を提供してくれるクラブ。すでに2,000人クラスのクラブが多数誕生している

 これに対してチームは、チームアドベンチャーで勝つために集結したガチ勢の集まりで、ランキングされるランカーアドベンチャーと、ランク無しのクイックプレイアドベンチャーの2種類が用意されている。ゲームモードはいわゆる通常のレースで勝負する「レース」と、CTF等の特殊ルールで勝敗を競う「ゲーム」の2種類。赤か青、いずれかのチームに分かれ、チーム単位で勝敗を決める。先ほど“危険かも”と書いたのは、わけがわからない段階でチームアドベンチャーに手を出すと、右も左もわからない状況でお荷物になってしまうため、まるでおもしろくないからだ。

 ちなみにランカーアドベンチャーでリーグ評価を上げることでホイールスピンやクルマ、レアなアバターアイテム、チャットコメントなどが手に入る。筆者はレビューのためにクイックプレイアドベンチャーを数回遊んだ程度だが、このチームアドベンチャーは「Forza Horizon 4」をひととおりプレイしたユーザーがたどり着くエンドコンテンツとなるはずだ。クイックプレイアドベンチャーで傾向を確かめながら、準備を整えてランカーアドベンチャーに挑みたいところだ。

【チームアドベンチャー】
最大12人、6対6の2チームに分かれてレースやゲームで対戦する
ランクマッチとなる「ランカーアドベンチャー」にはランク報酬が用意されている

【クイックプレイアドベンチャー】
チームアドベンチャーの入門として気軽に楽しめる「クイックプレイアドベンチャー」。常時出たり入ったりするため落ち着かないが、ルールを学ぶことができる。また、報酬が結構おいしいので、小まめに遊ぶとかなり稼げそうだ

美しいイギリスの田園地帯。鬱蒼とした森を見事に再現。フレームレートはXbox Oneでも60fpsが選択可能に

 イギリスの田園地帯にも言及しておきたい。グラフィックスはやはり地元というだけあって、シリーズ4作品の中でずば抜けていい。アートディレクターBenjamin Penrose氏によれば、アセットはすべて新しく用意したということで、山、森、街、湖、そして空に至るまで、“本物のイギリス”が見事に再現されている。

 中でも素晴らしいのは、シリーズとして初めて、オープンワールドレースゲームとしてもおそらく初めてではないかと思われるが、森が見事に再現されているところだ。言うまでもなく森を抜けていくクロスカントリーレースも数多く用意されており、大げさに言えば、森ができたことで、ようやくリアルなクロスカントリーが可能になったという感じだ。

 「Forza Horizon 3」までは実は森はなかった。ワールドマップで森に見える地帯も実際に行って見ると、木々が散見されるステップ地帯のような表現に留まり、森林地帯を走りたくても走れなかった。「Forza Horizon 4」では、森林地帯には背の高い木々で構成された森が描かれており、広い範囲に木陰ができている。プロローグシーンのレースで、モトクロスバイクと共に春の森林地帯を疾走するシーンがあるが、ああいう森林地帯を走るレースこそ「Forza Horizon 4」の醍醐味と言って良い。

 グラフィックス的には、地表に落ちる影はベイクされていて一切動かないなど完璧ではないが、時間が移ろうごとに影も少しずつ動くようになっており、ドローンを飛ばして自由な位置から写真が撮れるドローンモードで、イギリスファンを唸らせるような美しい森林地帯の写真が撮れること請け合いだ。

【「Forza Horizon 4」には森がある】

 それから「Forza」シリーズがこだわっているフレームレートについては、今回はハードウェアによって3段階が用意された。まずXbox Oneでは、前作同様1080p/30fpsとなり、Xbox One Xでは1080p/60fps、4K/30fpsの選択制、PCでは、スペックに応じて理論上は4K/240Hzまで対応する。

【PC(上)、Xbox One X(下)】
細かい設定が可能なPC版
Xbox One Xではグラフィックモードをクオリティとパフォーマンスの2種類から選択できる

 今回筆者は、PCとXbox One両方でプレイできるXbox Play Anywhere対応のメリットを存分に活かして、自宅のPC、編集部のPC、自宅のXbox One X、編集部のXbox Oneの4パターンでプレイしたが、最終的に一番快適だと感じたのは、自宅のPCだ。Intel Core i5-6500、GeForce GTX 980 Ti環境で、フルHD/ウルトラ設定で100fps前後で動作してくれた。Xbox One Xの4Kも捨てがたいところだが、コンマ一秒を争うレースゲームの世界で最終的に重要なのはフレームレートだ。Xbox One Xでもフレームレート推しをオススメしておきたいが、スクリーンショットを採るときだけグラフィックス優先に切り替えても良いと思う。

【ベンチマーク】
PC版にはベンチマークモードが搭載されている。ウルトラ設定でも60fps超えの快適な環境で遊ぶことができた

凄まじいコンテンツボリューム! 過去のレースゲームへのリスペクトに感動

 筆者は今回のレビューにあたり1日数時間ずつ20時間弱ほど、できるだけ量をこなすべくやや駆け足でプレイしたが、ひととおり遊べた感が全然しない。遊べば遊ぶほど、新たなレースやストーリー、チャンピオンシップが増えていき、とてつもない量のコンテンツに途方に暮れているというのが正直な所だ。

 これまでの「Forza Horizon」は、コンテンツ不足を補うために、途中から難易度をムキムキに上げて、何度も繰り返し遊ばせる方向性で、コンテンツの嵩上げを図っていたような気配があるが、「Forza Horizon 4」はとにかく量が凄い。

【ワールドマップ】
この記事を書く直前の状況。まだ何もこなしていない錯覚に陥るが、とにかくコンテンツの量が多い

 しかもシングルプレイだけでなく、協力プレイ、PvP、チームアドベンチャー、そして新たな自動発生型のライブコンテンツとなる「FORZATHON LIVE」まであり、オープンワールドレースゲームとしてだけでなく、オンラインゲームとしてよく練り込まれており、従来の作品以上に長く遊べる作品になると思う。

【マイホーム】
いくつかの家には、オリジナルの効果を持つものがあり、それがオススメ。筆者オススメは、エジンバラ南方にあるこの家。有料ながら「どこでもファストトラベル」が使えるようになる

 そして今回、遊びながら感動してしまったのは、過去のレースゲームに対する熱いリスペクトだ。「Forza Horizon 4」には、Horizonフェスティバルの登場人物に、様々な頼み事をお願いされる「ストーリーとビジネス」と呼ばれるコンテンツが存在する。まずは映画のカースタントを無理矢理やらされる「THE STANT DRIVER」からはじまり、スーパーカーで最速を競う「WORLD'S FASTEST RENTALS」、ドリフト野郎になれる「DRIFT CLUB」とゲームを勧めていくと徐々に増えていく。その中にLaRacerという名の女性ストリーマーが、ゲームに登場したクルマ ベスト10を発表し、プレーヤーがそれに乗ってミッションを遂行する「LARACER@HORIZON」というストーリーがある。これがとてもいいのだ。

 「アウトラン」(セガ)から始まり、「リッジレーサー」(バンダイナムコゲームス)、「セガラリー」(セガ)、「デイトナUSA」(セガ)、「クレイジータクシー」(セガ)、「Project Gotham」(Bizarre Creations)など、やけにセガ押しながら、レースゲーム史を彩ったタイトルが、できるだけ当時のゲームのシチュエーションに近い状況で再現されている。助手席に座るLaRacerが常にノリノリで、ゲームの思い出話やゲーム内の名セリフを再現するのだが、それがとてもいい。

【「Forza Horizon 4」リアル「デイトナUSA」?】

【「Forza Horizon 4」リアル「クレイジータクシー」?】

 ちなみに第1位に登場するのは、ゲーム指定無しで「ポルシェ 911 カレラ」。ポルシェは、長らくElectronic Artsがポルシェと独占契約を結び、EA以外のゲームでは使うことができなかった。「Forza Horizon」シリーズでも標準搭載されるのは今回が初めてだ。それをイギリスらしいセンスで皮肉りまくっているのだ。「LARACER@HORIZON」はひとつひとつのセリフもよく練り込まれており、レースゲームファンはぜひ体験して貰いたいコンテンツだ。

【「Forza Horizon 4」1位はポルシェ!】

 最後に、やや蛇足的な意見になるが、「Forza」ファンとして嬉しいのは、「Forza」シリーズが“Pay to Win”を辞めてくれたことだ。「Forza Motorsport 6」や「Forza Horizon 3」にあった現金でクルマが買えるトークンシステムは、「Forza Motorsport 7」ではゲーム内クレジットで買えるプライズパックに変わり、「Forza Horizon 4」では、各種ランクアップの報酬として回せるホイールスピンに変わり、今後も追加する予定はないことを発表した。「Forza Motorsport 7」ではプライズパック自体をアップデートで辞めるとまで公言しており、そのポリシーは徹底している。

【ホイールスピン】
こちらはノーマルスピン。1,000クレジットの大外れからスーパーカーまで様々なアイテムが当たる
こちらはレアなスーパーホイールスピン。リールが3つあり、3つとも貰える

 短期的に見れば売上低下に直結するため、ユーザー本位の英断のように思えるかもしれないが、そうではなく純粋にビジネス的に正しい判断だと思う。Pay to Winによって売上と同時にコンテンツ消費スピードも加速してしまうが、それに合わせてコンテンツのアップデートスピードも加速させるのは現実的ではないからだ。また、Pay to Winを嫌うユーザーがシリーズそのものから離れてしまうことを避ける狙いもあるだろう。

 この決断からは、「Forza」シリーズとしては1年間、「Forza Horizon」シリーズとしては2年間、次の新作が出るまでずっと遊び続けて欲しいという想いを感じた。欲を言えば、DLCで購入した車輌のマイグレーションぐらいさせて欲しいという気もするが、今時珍しいパッケージ価格だけでたっぷり遊びまくれる優良ゲームといえる。2年に1度のビッグタイトル。レースゲームファンのみならずぜひ多くのゲームファンにプレイして貰いたい作品だ。

【トークンは使えません】
クルマの購入から、競売の入札、クルマのチューニングなど、お金を使う要素は幾らでもあるが、「Forza Horizon 4」は現金でトークンは買えないようになっている。コンテンツをプレイしてクレジットを貯めるしかないのだ
おそらく最高額と思われるエジンバラ城。なんと1,500万クレジット!