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最強の対戦環境が用意された「LFS池袋 esports Arena」ついに始動!
防音完備の対戦台、回線電源も運営経験を活かした理想空間を実現
2018年4月12日 19:25
サードウェーブは、4月12日、都内最大級のeスポーツ施設となる「LFS(ルフス)池袋 esports Arena」の内覧会を開催した。
「LFS池袋」は100台の最新ゲーミングPC、充実したイベント用設備、対戦イベント向けの防音された選手ブースが用意された今後のesportsイベントの“拠点”となるべく施設で、ユーザーは3時間1,000円(税込)、7時間2,000円(税込)で利用できる。営業時間は現在は14時から22時までで、将来的には24時間運用も視野に入れているという。
本施設は4月15日より正式オープンとなる。今回はサードウェーブ常務取締役 榎本一郎氏、運営を行なうE5 esports Worksの代表取締役の長縄実氏、e-sports SQUARE AKIHABARAの運営やイベントを行なうRIZeST 代表取締役の古澤明仁氏が登壇し、「LFS池袋」スタートへの想いを語った。
榎本氏は「まず健全なeスポーツのためにみんなでとにかくやろうぜ!」という想いでこの施設をスタートさせたという。榎本氏、そしてサードウェーブはこのeスポーツへの取り組みを「文化事業」ととらえており、PCベンダーであるサードウェーブが、ユーザーを中心に、協会、ハードウェアメーカー、ソフトウエアメーカー、配信会社や運営会社、プレスなど様々な人たちを繋げる「エコシステム」を作り、事業を盛り上げていきたいと語った。
こういった想いの元、「LFS池袋」ではあえてPCの直接的な販売は行なわず、PCゲームに興味を持ち、最高の環境でプレイすることでPCハードに興味を持ってもらいたいと考えているという。「LFS池袋」はPCゲームをみんなでプレイし、コミュニティのきっかけになり、eスポーツプレーヤーの裾野を広げ、文化としてeスポーツを盛り上げていこう、という考えを持っていると語った。榎本氏はこの施設のスタートにあたり、寝る時間も削ってこの日に間に合わせた代表的なスタッフ3人を登壇させ、拍手を送った。
その榎本氏の提示した理想をいかに実現するか、そこに尽力したのが長縄氏だ。長縄氏は日本で初めてのスポンサーガイル大規模LANパーティ「BIGLAN」を主催した人物。このLANパーティの経験を活かし様々なゲームイベントで得た知識を元に「LFS池袋」を運営していくという。eスポーツを盛り上げるにはユーザーの裾野を広げることが第一であり、「LFS池袋」はその役割を担っていくという。
長縄氏はeスポーツを野球に例えた。野球は草野球もできる球場やバッティングセンターもある。こういった施設がプロではなくても「野球を楽しむ人」を増やしている。「LFS池袋」はバッティングセンターや小さな球場のように、競技者人口を増やす施設にしていきたいという。
古澤氏はプレイベントで「LFS池袋」を会場で使用し、イベント運用者の立場から施設のメリットを語った。古澤氏が最初に指摘したのが「電源容量」。「LFS池袋」では100台のゲーミングPCが稼動する。その電源の使用量、負荷は高いものになるが、施設はその負荷をきちんと考えて設計されているという。これは回線も同様で、複数のプロバイダと契約し予備の通信回線も用意されているので、不慮の事態にも対応できるとのことだ。
回線、電源の導線の多さも運営者にはうれしいところで、会場のレイアウトをフレキシブルに動かしてもきちんと電源や回線を持ってこれる設計になっている。そしてスタッフの深いゲーム知識、ハード知識が運営スタッフをバックアップしてくれる。イベント運営者として、“手ぶら”で会場を訪れてもイベントが実施できる様な施設になっているとのことだ。
内覧会ではさらに「ユーザー」に近い立場のゲストからも意見を聞くことができた。登壇したのはみずイロ氏、ShoboSuke氏、nazoben氏、リールベルト氏というコミュニティリーダーや、eスポーツ選手のコーチなどを務める人物。特に話の中で取り上げられたのが「選手用ブース」の存在だ。きちんと防音された対戦用ブースがあることで選手達は会場での歓声や、実況者の声に影響されずに競技に集中できる。
実際、敵がいたときなど思わず会場から「後ろに敵!」などの声がかかってしまうことがある。実況も選手に影響しないように気をつけなくてはならない。防音設備のある選手ブースはこういったトラブルをなくすという。そしてこういう「本格的」な施設は選手として会場の雰囲気に慣れるためにも魅力が強い。リールベルト氏は「コーチとしてではなくて、選手に戻りたくなる」とコメントした。
今回、強く印象に残ったのは施設のすごさと共に、内覧会の「イベントとしての完成度」だった。スポンサーと運営者が施設の概念と目標を語り、イベント運営者が現場としての施設の利点を語り、コミュニティや選手のコーチが施設の魅力を語る。こういった多面的な評価は、取り上げるメディアとしても、きちんと施設の“すごさ”が実感できる。イベントの構成のうまさは感心させられた。
このイベントの構成も含め、「LFS池袋」は長縄氏の存在が大きかったという。長縄氏は元々電気設備に対して専門的な知識を持ち、その経験を活かして多数のPCを持ち寄るLANパーティを実現させた。その後様々なゲームイベントを主催していく中で得た経験を「LFS池袋」で活かしているという。
長縄氏は業者が提示した施設の設計図にも大胆に手を入れた。「施工業者に嫌われましたね」と長縄氏は笑ってコメントしたが、その知識と経験があるからこそ、かつてない本格的な施設ができたのだ。長縄氏は現在の「LFS池袋」を「厳しめに言って100点満点中65点」と評したが、今後さらに運用に合わせて改良していくという。今回の内覧会の流れを見ても、イベントでのアドバイスなどもきちんとなされていけそうで、今後の「LFS池袋」の活躍は大いに期待できる。
今回、実際に「PUBG」を施設でプレイしてみた。施設では現在運営されている様々なオンラインゲームがすでにインストールされている。アップデートも一元管理されており、今回たまたま「PUBG」はアップデートしたばかりであったが、PCを再起動し、Steamに筆者のアカウントを入れることでスムーズにプレイできた。
使用されているPCはGALLERIA GAMEMASTER、Corei7-8700、GeForce GTX 1080 Tiのスペックはさすがで、ゲームをプレイしていて非常に快適だった。インストールされていないゲームもインストール可能で、プレイ後再起動することでインストールしたソフトはクリアされ他のPCと同じ状態となる。これはネットカフェなどでも使用されているシステムを使っているとのことだ。
「LFS池袋」は様々なネットゲームイベントにも魅力的な場所となるだろう。何よりもオフライン大会を運用する上で選手達の要望を満たす、理想的な対戦環境を実現してくれる。本施設をモデルケースに、今後会場も増えて欲しい。こういった環境を実現したサードウェーブの英断は素直に賞賛したいし、今後のeスポーツのより一層の盛り上がりに期待したいところだ。