インタビュー

「Apex Legends」怒涛の活躍続く「FNATIC」にインタビュー! Lykq・YukaF・Satuki選手が語る“新生FNATIC”の現在

チームの強みと「ASIA FESTIVAL」への意気込み

【APEX LEGENDS ASIA FESTIVAL 2024 WINTER】

2月24日・25日 開催

開催場所:幕張メッセ

 「Apex Legends」のローンチ5周年を記念したイベント「APEX LEGENDS ASIA FESTIVAL 2024 WINTER」(エペフェスアジア)が、2月24日・25日に幕張メッセで開催される。参加者のなかには日本と中国、韓国のプロチームや世界のトッププロである「TSM」と「Alliance」の名前が並んでおり、世界最高峰の戦いをオフラインで観られる貴重な機会になりそうだ。

 そのなかでも大きな注目を集めているのが、日本チームとして参加する「FNATIC」。同チームは現在、日韓のプロゲーマーが世界大会への切符を争う「ALGS Year4 APAC North プロリーグ スプリット1」にて快進撃を続けている。Week4が終わった時点で総合1位に位置しており、Week3には6試合中3チャンピオンという衝撃の戦績を残したことも話題を呼んだ。

 今回はそんな「FNATIC」のメンバーであるLykq選手、YukaF選手、Satuki選手にインタビューを行ない、「ALGS」についての話や、「エペフェスアジア」に向けての意気込みなどを聞かせてもらった。

【FNATIC】
Lykq選手
YukaF選手
Satuki選手

全員がIGL能力を持っていることが大きな強み。「ALGS」Week4までの戦いを終えて

 ――現在APAC North地域の「ALGS」プロリーグでは、「FNATIC」が総合1位となっています。各試合の結果を見ても、かなり安定した順位を取れていると思うのですが、その秘訣はどこにあるんでしょうか?

Week4終了時点のプレースメントポイントランキング

Lykq選手:スクリム(※本番を想定した練習)において、各ランドマークから入れる場所をあらかじめ決めておいて、他のチームが「絶対大会だったらここまで入るけど、入ってない」みたいなポジションは基本使わないようにしてる、とかですかね。

――練習の段階から甘えた動きをしないようにして、大会本番を意識したムーブを行なっているということですね。そうした研究というか経験の積み重ねが、好調な成績につながっているのでしょうか。

Lykq選手:そうですね。練習の時から自分たちが大会で使えないと思った場所はあんまり使わないようにしてるってことで、再現性が生まれているのかなと思ってます。

――YukaF選手はいかがですか?

YukaF選手:「FNATIC」はメンバーを2人変えて再編したんですけど、その後初めての大会なので、こんなに高い順位が取れるとはまず思ってなかったです……いや、思ってなかったは嘘かもしれないですけど(笑)。まあでもこんなにうまくいくとは思ってなかったです。

※「FNATIC」はYear4に入る前にYukaF選手を除くMeltstera選手、UmichanLoveti選手が脱退し、元「NORTHEPTION」のメンバーであるSatuki選手、Lykq選手が加入した

――今チームの再編に触れていただきましたが、試合中のVCを聞いていると、すでにかなり練度が高く、その連携力が結果につながっている印象を受けます。仕上がっているなという実感はありますか?

YukaF選手:コミュケーションに関しては、まだまだ伸びしろがあるんじゃないかなと思います。いろんな人の話聞くと、大体どのチームもコミュニケーションで引っかかってたりするんで、「FNATIC」は結構機能してるなとは思いますけど、伸びしろはまだあるんじゃないかなと。

――Satuki選手にもWeek4までの感想を聞いてもよろしいですか。

Satuki選手:「FNATIC」に入って初めての大会で、練習期間も思うようには取れなかったんですけど、緊張もありつつ、上手くできたんじゃないかなと思います。

――自分たちの実力を十分発揮できたなという感じなのか、もっとできるなという感じなのか、そのあたりはいかがですか?

Satuki選手:全試合たぶん何かしら反省点はあると思うので、まだまだ改善するところがあります。もっとできたかなと。

――次の質問なのですが、今好調な成績を残している「FNATIC」として、“チームとしての強み”はどこにあると考えていますか?

Lykq選手:さっきYukaFさんが言ってくれたコミュニケーション面みたいなのが、始めは上手くいかないっていうか、もうほぼゼロに近い状態でバラバラだったんです。でもコミュニケーションが若干取れ始めてから、上手いこと連携できるようになってきて。阿吽の呼吸じゃないですけど、「こいつがこういう動きしてるから、じゃあ自分はこう一個先に動こう」みたいな合わせが、他のチームより一個早くできてるのが安定にもつながってるのかな。それがたぶん強みだと思います。

――なるほど、一番はその連携力ということですね。YukaF選手としてはいかがですか?

YukaF選手:まず3人で考えられるのが強みだと思いますね。3人ともIGLを経験してきてる選手なので、どの場面でもみんなが考えられて、メインIGLのLykqが出した提案に対して、少しでも修正してよくできるなら修正案を出すっていう感じです。それこそLykqが提案した場合に「いやそれはどうなん」とか「それいいね」とか、全員で話し合って進めていくのが強みだと思います。

――Satuki選手にも、チームの強みだと思っている部分を聞いてもよろしいでしょうか。

Satuki選手:(試合中には)ラウンドごとにいろいろとやることがあると思うんですけど、それが大体3人それぞれ分かっているのが強みだと思います。次やることが大体理解できてるみたいな。

――全員がIGL能力を持っていることが、やはり大きな強みなんですね。続いて、多くのApexプレーヤーが今気になっていることだと思うんですが、2月14日にシーズン20「ブレイクアウト」が開幕し、大幅にゲーム内の仕様が変わりました。これは競技シーンにどんな風に影響すると思いますか?

新シーズンでは、マッチ中に「パーク」を取得してアビリティを強化する「レジェンドアップグレードシステム」などが導入された

Lykq選手:開幕ランクみたいな感じで、30時間ぐらい自分たちでやってたんですけど、競技シーンにおける重要度が高いコントロールキャラっていう、リングコンソールを読むキャラがランクではちょっと弱すぎて、あんまり使えなくて……。自分の中で答えを出すのが難しい質問という感じですね。

※インタビューは新シーズン開幕の翌日、プロスクリムが行なわれていないタイミングで実施

――タイミング的に難しいかもしれないですが、YukaF選手にも同じ質問をしてよろしいでしょうか?

YukaF選手:パークなりなんなりが追加されたと思うんですけど、それよりパッチノートにカタリストのナーフが入ってて、カーテン(※フェロバリケード)の距離が落ちたりとか、カーテンの持続時間が10秒落ちたりとか……そういう面が一番影響しそうだなと思ってます。ざっとやってる感じ、パークのシステムはカーテンの距離を伸ばすとか、5秒カーテンの持続時間を伸ばすとか、なんか強化っていうよりは、ナーフ前に戻すみたいなイメージが多いんですよ。カタリストに限らず、シアとかホライゾンとか。

 どのキャラも一定ラインで使えるようにしたシーズンみたいな感じですかね。ライフラインでケアパケ(※ケアパッケージ)出して武器を出せるとか、全体の強化というよりは、ピック率が低いキャラを楽しく使えるようにしたシーズンな感じがする。スクリムはまだやってないので分からないんですけど、結局大きくは変わらないんじゃないかなって思ってます。

――今まで使われていなかったレジェンドが競技シーンでちょっと重要度が上がったりだとか、そういう変化はありそうですかね。

YukaF選手:そういう変化の方が多そうだなって感じですね。まあでも結局、アーマーシステムが一番大変そうだなって思います。

――Satuki選手はいかがですか?

Satuki選手:まだ新シーズンをあんまり理解してないんですけど、パークが実装されたことで、いろんな構成が増えそうだなと思います。

――今後スクリムなどを通して分かっていくのかなっていうところですよね。

Satuki選手:そうですね。

ファンとの交流の時間が楽しみ!「エペフェスアジア 2024 WINTER」の意気込み

――では「ALGS」についての質問はこの辺りにして、「APEX LEGENDS ASIA FESTIVAL 2024 WINTER」の話も聞かせてください。同イベントでは日・中・韓のプロチームに加えて、世界の強豪チームが参戦する予定になっています。どんな戦いになるか、見どころになりそうだなと思うポイントはありますか?

スペシャルゲストとして世界王者「TSM」やEMEAの強豪「Alliance」が参戦

Lykq選手:自分たちも出場するんですけど、普段見られない海外プレーヤーの……それこそ「TSM」とか「Alliance」とかのオフラインでの強さっていうのが多分、一番見どころになるんじゃないかなと思ってますね。地力の強さじゃないですけど。

――「Alliance」に関しては、Yuki選手の脱退という発表もあったので、今のメンバーを見られるのはかなり貴重な機会になりそうですね。続いてYukaF選手はいかがでしょうか?

YukaF選手:全部見どころじゃないですか?(笑) 「Apex」が好きとか、競技が好きな人が見に来るっていうことだったら。バトロワもそうですし、コントロール、チームデスマッチ……チームデスマッチではあの「TSM」と「Alliance」がチームを組むみたいな。まあ全部見どころだと思いますよ、いろんな選手が出るので。

チームデスマッチでは「Team ALLSTAR」として「TSM」と「Alliance」のメンバー6人がチームを組む予定

――YukaF選手に関しては、DAY1のショーマッチにて、HIKAKINさんや加藤純一さん、SHAKAさんといったクリエイターたちとコントロールをプレイする予定です。そのあたりの意気込みというか、楽しみにしているところなどありますか?

YukaF選手:そうですね。もう周りの方々が大きすぎるので、ビビらずに喋れればいいかなって感じですね。

ショーマッチのDAY1:CONTROLでは、日本チームとしてHIKAKINさん、加藤純一さん、SHAKAさん、ボドカさん、山本彩さん、RaMuさん、yunocyさん、YukaF選手、Yukio選手が出場

――Satuki選手にも今回のイベントの見どころを質問させてください。

Satuki選手:「FNATIC」が出るところと私が出るところが、すべて見どころだと思います(笑)。

――Satuki選手はチームデスマッチのDAY1にも参加する予定です。参加者全員がトッププロなので当然ハイレベルな戦いになりそうですが、勝算はいかがでしょうか。即席でチームを組んで戦うということで、「ALGS」では見られない部分も試されるのかなと思うのですが、自分の強みが発揮されると思いますか?

Satuki選手:まあ一度、チームデスマッチ大会みたいなのも出たことあるので大丈夫かなと思います。

ショーマッチのDAY1に出場する日本チームのメンバーは、Satuki選手のほか、Ftyan選手、Pinotr選手、Curihara選手、Meltstera選手、1tappy選手

――今回のイベントのバトルロイヤルにおいて、とくに意識しているチームはありますか?

Lykq選手:たしかDF(※中国チームの「DreamFire」)って来られますよね。別の大会で初動ファイトとかもしてたので、そこのチームが一番気になりますかね。

YukaF選手:注目チーム、うーんどうだろう。まあ「TSM」じゃないですか、無難なところですけど(笑)。現地来るってことなんで。

Satuki選手:僕も「TSM」、やっぱりリスペクトしてる。最強ですし。負けたくないなと思いますね。

――オフラインで「TSM」と戦える機会と考えると、かなり貴重ですよね。それでは試合以外の部分で、何か楽しみにしていることはありますか?

Lykq選手:あんまり大会と関係ないんですけど、普段オフラインとかで会わない人たちとの顔合わせが楽しみですかね。

YukaF選手:やっぱりオフライン大会なんで、ファンとの交流の時間とかあったら楽しみですね。

――マカオで開催された昨年の「APEX LEGENDS ASIA FESTIVAL 2023 SUMMER」でも、かなりYukaF選手のファンの方が来て、盛り上がっていたそうですね。Satuki選手はいかがでしょうか。

Satuki選手:配信者さんとかと会えるのは楽しみですね。

――それでは最後にファンの方に向けて、今回のイベントへの意気込みを教えてください。

Lykq選手:出るやつ勝ちます。

YukaF選手:勝つのもそうですけど、楽しむのが第一にあるので、来る人も配信を見たりする人も、まあ楽しみましょうって感じです、はい。

Satuki選手:面白い何かができればいいかなって思ってます。

――本日は貴重なお話を聞かせていただき、ありがとうございました。

 本イベントの模様は、「RAGE」のTwitchチャンネル、Youtubeチャンネルでもライブ配信される予定となっている。ぜひ現地に足を運べないという人も「FNATIC」の勇姿に注目してほしい。


「esports_RAGE」のTwitchチャンネル

「esports_RAGE」のYouTubeチャンネル