インタビュー
祝サービス開始1周年! 裏話も飛び出した「リネージュM」運営メールインタビュー
アインハザード定額の実装は「スリリングだった」
2020年5月29日 12:00
スマートフォン向けMMORPG「リネージュM」が5月29日に1周年を迎えた。「リネージュM」はPCで2002年からサービス中のMMORPG「リネージュ」にアレンジを加え、その楽しさをモバイルに落とし込んだMMORPGだ。
振り返ってみるとサービス開始からあっという間の1年だった。ゲーム記者としてではなく、1人のプレーヤーとして本作を楽しんでいるのだが、ここにはスマートフォンの画面の向こうに広がるもう1つの本物の世界がある。仲間とくだらない冗談を言って思い切り笑ったり、協力してボスモンスターを倒して達成感を感じることもあった。一方で敵対関係にあるプレーヤーに対人戦で負けて煽られて本当に悔しい思いをしたり、ボタンの掛け違いで築き上げた信頼関係をすべて失ってしまったり……。この世界には喜怒哀楽を全て感じられる濃密な体験がある。
そんな我々プレーヤー達の遊びを盛り上げるべく、運営チームも怒涛のアップデートを実施していて、目まぐるしくゲームの状況も変わっていった。少なくとも月に1回、タイミングによっては毎週追加要素があるような状況で、全く飽きることがなかった。むしろ密度が濃すぎて「まだ1年しか経ってないの?」と思ってしまったほどだ。
プレーヤーとしては攻城戦の実装や、期間限定で実施されたキャラクターのサーバー移動、サーバーの垣根を越えて遊べるインターサーバーというコンテンツが印象的だったが、1周年を迎えたことにあたり運営チームとしてはこの1年間をどう捉えているのだろうか。弊誌では本作の運営プロデューサーの川南 巌氏にメールインタビューを実施し、この1年間の運営で印象的だったアップデートや、当時の裏事情、そして今後の運営の方向性まで語ってもらった。
「今後もさらにワクワクできるサービスを目指す」。運営P川南氏と1年間を振り返る
――まずは1年間お疲れさまでした、また、個人的にも1プレーヤーとして「もう1つの人生」を楽しませていただいている身として、ありがとうございました。最初のアニバーサリーとして1年を迎えた今のお気持ちをお聞かせ下さい。
川南氏:我々「リネージュM」サービスチームの目標はPC版「リネージュ」のように長くサービスが続けられるタイトルになることです。なので、まずは最初の1歩を刻むことができたと安堵する気持ちが大きくあります。
――個人的に本作の大きな節目は「サービス開始」、「アインハザード定額の実装」、「銃士の実装」、「攻城戦開始」、「1回目/2回目のサーバー移動」、「インターサーバーの各種コンテンツの実装」、「竜闘士の実装」だったのですが、運営からして印象深かったアップデートや、エピソードについて教えて下さい。
川南氏:アインハザード定額の実装に関しては開発と協議した期間も長く、印象に残っています。サービスチーム内ではかなり早い段階からプレイ上でのアインハザードの残量の問題に関して指摘が行なわれており、2019年8月あたりには既に開発に打診を行なっていたかと思います。その際の返答は「実装自体にはそこまで時間がかからないものであるためもう少し様子を見たい」というものでした。しかし実際は実装には非常に先のバージョンを適用する必要があり、かなりの時間を要するものでした。それが判明してからのやり取りはかなりスリリングだったかと思います。
プレーヤーからの反応が大きかったものだと、「インターサーバーコンテンツ」の実装初期が印象深いです。各サーバーからインターサーバーに接続することで、サーバーの境を超えたコミュニケーションがクライアント上で可能になりました。そのため現在は同じサーバープレーヤーではないかつての友人との再会があったり、サーバーを超えた戦力同盟が結成されたりなどサービス開始時に次ぐプレーヤー間コミュニティの形成の場になったかと思います。
――怒涛の1年間でかなり速いペースで新規コンテンツが実装されてきた印象です。2年目を迎える「リネージュM」でも同じようなペースでコンテンツを実装されていくかなど、今後のアップデート情報・ペースの予定を教えて下さい。
川南氏:これまでアップデートを速いテンポで重ねてきた理由としては、グローバルのバージョンに早く追いつきたいという思いからです。オンラインゲームにおいてアップデートというものはプレーヤーにとって一番の楽しみとなるものですが、他国サービスでアップデート情報がほぼ解明した状態でいざ自身の利用するサービスでのアップデートを迎えても、そこまでワクワクはしないと思います。
個人的にもアップデートを未知の状態で迎えていた時代が最もオンラインゲームを楽しめていたと思っているので、他国とのアップデートの時期のズレを少なくし、「リネージュM」においてもアップデートの楽しみを感じていただけるようになれればと思います。
――これまでもインタビューなどを通じて「リネージュM」の運営方針やスタイルなどを教えていただきましたが、2年目を迎えるにあたり"変わる部分、変えない部分"を教えて下さい。
川南氏:プレーヤー参加型のイベントは他にご意見をいただけるようなオンライン上の場面とは異なった方向性の意見をいただける機会が多く、我々も楽しみにしているものでしたが、アフターコロナ時代の社会コミュニケーション上許されるのかという思いが最近強いです。社会が回復し、また行なえる時代に戻るのか、もっと新しいコミュニケーションの時代となるのか……。現段階では心配の方が多いですね。サービスチームとしても運営とプレーヤーの新しいコミュニケーションの場を模索していかなければならないと思います。
もちろん生放送やTwitterなどは今後も続けていきたいです。特に生放送はもっと増やしていきたいですね。動画コンテンツという方向性では収録動画での提供などもいいかもしれません。
――これまでの「リネージュM」を振り返って、課題のようなものがあれば、解決策とあわせてご教示下さい。
川南氏:我々の目標として、安定したサービスを長期的に提供するというものがあることは最初の方にお伝えしたものとなりますが、運営としての完成度はまだあまり満足のできるものではありません。プレーヤーの皆さんにも運営の評価として「どこが、というより全体的に満足できない」というような評価をいただくことも多いです。
特に銃士実装以降スケジュールの問題やアクシデントも多く、サービスチーム一同それの解決に注力してきましたが、逆になんというか「根性で乗り切る」みたいなエネルギーロスが大きい運営体制になってしまい、そこから抜け出せていない状態が続いています。今後はもっと業務の効率化を図り、安定したサービスの提供を行なっていきたいです。
――最後にプレーヤーの皆様にメッセージをお願いします。
川南氏:この1年間「リネージュM」をご愛顧いただき誠にありがとうございます。この次の1年もリネージュMで遊んでいただけるようサービスチーム一同努めさせていただく所存です。これからの「リネージュM」にも是非ご期待ください。
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