【特別企画】
あの時のMMORPG体験をスマホでも!「リネージュM」インプレッション
ベースの“リネージュ構文”は変わらず、利便性などは大幅アップ!
2019年5月17日 18:30
- 5月29日 配信予定
- 価格:無料(アイテム課金制)
エヌシージャパンは、Android/iOS用MMORPG「Lineage M(以下、リネージュM)」の配信を5月29日に開始する。価格は無料で、ビジネスモデルはアイテム課金制。
「リネージュM」は同社のPC版MMORPG「リネージュ」を基にしたモバイル向けMMORPG。「リネージュ」は日本では2001年からサービスを開始し、2019年もサービス中の古参のMMORPGだ。サービス開始時の2001年といえば日本ではブロードバンド、常時接続という単語が登場し始めたタイミングで、日本のMMORPGブームの先駆けになったタイトルでもある。
かくいう筆者も、2001年のβテストからプレイを始め、正式サービス開始後も数年間プレイしていた「リネージュ」のファンである。そんな筆者が「リネージュM」を起動して最初に感じたのは、「これは紛れもない本物の『リネージュ』だ」ということだ。
昨今の多くのMMORPGは3Dグラフィックスを使ったリッチな表現、ド派手なスキルを連発する爽快感、ソロでも戦闘やレベリング以外にも様々な遊び方ができる自由度……といった点をウリにしている。だが当時の「リネージュ」にはそういったキラキラとした要素はない。そもそも2Dの見下ろし型のグラフィックスだし、戦闘で重要なのはスキルの連発ではなく通常攻撃だ。遊び方も基本的にはストイックに戦闘を重ね、経験値を稼いでキャラクターをレベルアップさせたり、お金を貯めて装備を強化していくというものだ。
ほかにも「リネージュ」ならではの要素があり、本稿ではそれを「『リネージュ』の常識“という意味を込めて「リネージュ構文」と呼ぶが、そういう意味では「リネージュM」は「リネージュ構文」の塊だ。今回は配信に先駆けて「リネージュM」をプレイする機会に恵まれたので、本稿では早速プレイインプレッションをお届けしていきたい。
これは紛れもないあの頃の「リネージュ」だ!
「リネージュM」にログインして安心したのがグラフィックスや世界観などあらゆる要素だ。
キャラクターメイクで選択できる職業は「君主」、「騎士(ナイト)」、「エルフ」、「魔術師(ウィザード)」、「ダークエルフ」の5職業で、それぞれの職業から男性か女性を選択する。キャラクターメイクが終わるとフィールドに降り立つことになるが、ビジュアルはPC版「リネージュ」と大きく変わらず、懐かしいBGMが流れてくる。これは紛れもない、あの頃の「リネージュ」だ!
とはいえそのままの移植作というわけでもなく、操作はスマホ向けに調整されており、移動は左指の親指のバーチャルスティックか移動したいポイントをタップして進める。見下ろし型の利点を上手く活かした操作感だと感じる。
攻撃するときは敵をダブルタップするか、タップで選択後に右親指部分に当たる攻撃ボタンを押すと攻撃ができる。この辺りも直感的な操作になっている。ユニークなのは指で複数の敵をスワイプすることで攻撃する順番を指定し、1体ずつ順番に攻撃できるところだ。
スキルやアイテムは画面に用意されている多数のクイックスロットに入れて使っていくのがメインだ。クイックスロットは数多く用意されており、アイテムや各種スキルがスムーズに使用できる。また、クイックスロットのアイテムを下にスワイプすると、アイテムやスキルの効果が切れた場合に⾃動で再使⽤できるようになっており、継続的に使用するバフが多い本作では非常に有用なスロットである。
ストイックさも健在、このやりこみ度合いがあってこその「リネージュ」
「リネージュ構文」といえばこのストイックさも取り上げる必要があるだろう。本作は敵を倒して得られる経験値がかなり少ない。1時間ほど狩りをしても次のレベルまでの経験値の10%ほども稼げない、そして敵に倒されるとデスペナルティとして経験値を失ったり、時にはアイテムを落としたりする。
クエストに従ってゲームを進めていけば最適な狩場に案内してくれるわけでもなく、ある程度は自分の強さにあった狩場を自分で探す必要がある。とはいえ今風のMMORPGらしく、「リネージュM」ではクエストをこなしていけばLv45くらいまではサクサクと経験値が入手できるし、デスペナルティはゲーム内通貨を支払うことで復旧できたり、特殊なアイテムを使用しなくてもフィールド上の好きなポイントにテレポートできるようなアレンジがされている。
また、アレンジされているといえば自動狩り機能も取り上げたい。今のモバイルMMORPGでは標準的な機能になっている自動狩り機能が本作にも搭載されており、こちらを攻撃してくるアクティブモンスターを優先して攻撃する機能があったり、他のプレーヤーと戦っている敵は攻撃しない設定など、痒いところに手が届くシステムの印象だ。
「リネージュ」ならではのストイックさは残しつつも利便性を出すことで、遊びやすくアレンジすることに成功していると感じた。ただ、システムについて少々説明不足の点があるようにも感じた部分もある。というのも、「リネージュ」では「緑ポーション」や「ヘイスト」を使って移動&攻撃速度を上げることができ、騎士(ナイト)やエルフであればさらにスピードを上げる専用のアイテムがある。さらに変身スクロールを使ってモンスターに変身することでさらに攻撃速度を上げることもできる。
これは既存の「リネージュ」プレーヤーにとっては当たり前なのだが、これを知らずにバフやアイテムをかけない状態で操作していると、移動や攻撃が一見カクカクしていて遅く感じるし、狩りも非常に厳しいものになる。この辺りのシステムについてゲーム内外でフォローされると、「リネージュM」からプレイを始めるプレーヤーも遊びやすくなると思う。
総じて青春時代を「リネージュ」というMMORPGで、アデン大陸(本作の舞台になる世界)で過ごした筆者にとっては、「リネージュM」はスマートフォンの向こう側に広がるあの頃の青春以外の何物でもなかった。
確かに今のMMORPGに比べれば不便だったり不親切な部分もある。だがある意味で「これこそがMMORPGだよな」とも筆者は感じるのだ。当時のPC版「リネージュ」も時間をかけた分だけ自分のキャラクターが強くなるという作品だった。毎日狩りをして経験値とゲーム内通貨を貯める。時には金策を優先するために、あえて経験値効率が悪くてもポーションを使わなくて済むような狩場で狩りをする。そうして使った時間でキャラクターを強くしていくのだ。
それでもポーションを使うタイミングを失敗して敵に倒されてしまい、デスペナルティでせっかく貯めた経験値を失ったり、あるいは装備強化に失敗して一文無しになるなど掛けた時間が無駄になることもあった。だからこそ強くなることは大きな喜びであり、他のプレーヤーに自慢できる要素でもある。このストイックに時間を掛けて強くなるというのは、間違いなく「リネージュ」の楽しみ方のひとつであったと言えるし、「リネージュM」もそうした楽しみを感じさせるタイトルだ。
今回は特別な環境のプレイだったため他のプレーヤーと出会うことはなかったが、フィールドはチャンネル制ではないし、フィールドダンジョンもインスタンスではない。であれば正式版では必ず他のプレーヤーとの出会いがあるはずだ。フィールドで強敵に囲まれた時に遠くからヒールしてくれるプレーヤーの存在や、逆に狩場の奪い合いから生まれるプレーヤー同士の戦いなどが生まれるだろう。「リネージュM」とはスマートフォンの、タブレットの向こう側にある、もう1つの世界なのだ。
「リネージュM」の正式リリース日は5月29日を予定している。アデン大陸というもう1つの世界でどんな物語が紡がれるのか、読者の皆様と出会えることが楽しみだ。
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本稿の内容は開発中のものです。正式サービス後の内容と異なる場合がございます。
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