【特別企画】
古参「リネージュ」プレーヤーが「リネージュM」の"お作法"とポイントを解説する
2019年6月20日 00:00
黎明期の混沌としたMMORPG体験がスマートフォンで再び味わえるAndroid/iOS用MMORPG「Lineage M(以下、リネージュM)」。
「リネージュM」は同社のPC版MMORPG「リネージュ」を基にしたモバイル向けMMORPGで、PC版のリネージュの面白さを生かしつつ、モバイル向けに遊びやすく調整した作品だ。
本作では「アデン大陸」という世界でプレーヤー達が自分だけの物語を紡いでいく。もちろんバックグラウンドストーリーが存在するのだが、実際にゲーム内でどんな生き方をするかは自由だし、そのゲーム体験はプレーヤー毎に異なる。モバイル向けのタイトルながらもMMORPGとしてのコアな部分を残した作品である。
本稿では青春時代をPC版「リネージュ」の世界で過ごし、現在は「リネージュM」にドップリとハマってレベル57に到達した筆者が、「リネージュM」ならではのちょっと変わった"お作法"やレベル帯毎のポイントをご紹介しつつ、改めてアデン大陸に降り立った際の物語を紹介していきたい。
筆者、アデン大陸にプリンセス(君主)として降臨!
まずは自分の分身となるキャラクターを作成するところから始まる。「リネージュM」では「君主」、「騎士(ナイト)」、「エルフ」、「魔術師(ウィザード)」、「ダークエルフ」の5職業から選ぶ。
初心者やファーストキャラにオススメなのは「エルフ」だ。エルフは遠距離から攻撃が可能で、敵に近づかれる前にダメージを与えられるので被ダメージを減らすことができる。これによってポーション代を節約することができるのだ。
一方、近接職でガンガン前に出たいなら「騎士(ナイト)」や「ダークエルフ」が良い。特に「騎士(ナイト)」は打たれ強さも持っているので戦場の華的な存在である。ただその分ポーションの消費が多いので気をつけたい。
「魔術師(ウィザード)」は現時点では玄人好みの仕様になっている。魔法を覚える「魔法書」の値段が高かったり、成長するまでは殴ったほうが効率が良かったりと、他のゲームの魔法職のように派手なエフェクトの魔法を連発するような華々しい活躍をするには少々忍耐が必要だからだ。
そして最後が「君主」だ。性能的には“ひ弱な騎士”という位置づけになるが、君主にしかできない重要な役割がある。それは「血盟」を作ることだ。血盟は他のゲームでいうところのギルド的なイメージで、アデン大陸での冒険を共に過ごす仲間たちとのコミュニティになる。ここで筆者は迷うことなく「君主」を選んだ。血盟員を集め、一緒に切磋琢磨し、苦楽を共にする……そんな遊び方に魅力を感じるのだ。
女性君主、通称プリンセスとしてアデン大陸に降り立った筆者は、NPCから提示されるクエストにそって操作方法などを覚えていく。基本的な操作は見下ろし型のRPGを踏襲しており、行きたいポイントをタップしたり、操作パッドで移動すればOKだ。
だが「リネージュM」で初めて「リネージュ」に触れる多くのプレーヤーはこう思うのではないだろうか、“キャラクターがカクカクしていて動きがもっさりしている”と。それはある意味で正しい。だが実際にゲームをプレイする時はこのスピードで進むことはほぼ無い。というのも"「リネージュ」のお作法"ではバフアイテムを使って常時加速して行動するのが基本だからだ。
ということで、まずは全職業共通の加速アイテム「緑ポーション」を使って1段ブーストをかける。そして騎士やエルフ、君主には専用の加速アイテムがあり、それを重ねて使うことで2段階の加速になる。これらを使うことでゲームスピードに対する印象は大きく変わるはずだ。
"お作法"でもうひとつ重要なのが「変身」だ。「変身の巻物」というアイテムを使用するとモンスターやNPCの姿に変身できるのだが、他のMMOの常識で考えると、変身は見た目が変わるだけで特に意味がなかったりと一見ネタ的な要素に見えてしまうかもしれない。だが変身は「リネージュ」においてネタどころか超重要な要素である。というのも変身することで攻撃モーションや詠唱モーションが変化し、変身によっては攻撃速度が2倍になるものもある。攻撃速度が上がるということは同じ時間あたりに敵に多くのダメージを与えることができ、受けるダメージも少なくて済む。基本的には変身すると得な事しかない。
「加速」と「変身」の2つを意識しながらクエストを進めていけばサクサクとにゲームを進めていくことができる。最初の区切りのレベル30まではもうすぐそこだ。
レベル30達成!血盟を作り、一緒にアデン大陸での苦楽を共にする仲間と出会う!
さて、クエストを進めていけば数時間程度でレベル30になれると思うが、ここでついに「血盟」システムが登場する。君主であれば自分の血盟を、君主以外であれば血盟への加入を勧められる。早速適当な血盟に加入しても良いが、ここは血盟の紹介文などを読んで自分とプレイスタイルがあう血盟を選びたい。(ちなみに筆者は来る者は拒まずの自由な血盟を運営している。)
さて、この頃になるとクエストなどでもらった装備があるはずだ。「リネージュM」において、武器や防具は「強化の巻物」で強化していく。強化の巻物は敵からのドロップのほか、取引所やショップで購入できる。装備にはそれぞれ安全に強化できる数値が決まっており、その数字を超えて強化することを「オーバーエンチャント(通称OE)」と呼ぶ。OEは装備をさらに強化できるメリットがあるのだが、失敗すると強化の巻物と元の装備が消滅する可能性もある。最初はまずは全身の装備を強化の安全範囲内で強化していくことを目標としたい。
また、この辺りからクエストで要求される敵の討伐数が増えてくる。本作にはスマホMMORPGでお馴染みの「オートモード」が搭載されており、付近の敵を自動で狩ってくれる機能がある。これを使えば端末から離れているときも自動で狩りをしてくれるので積極的に使っていきたいモードだ。ちなみに後述するが「リネージュ」社会では「シーフ(横殴り)」が嫌われる傾向にあるので、設定から「マナーモード」をオンにすることをオススメする。
ここではクエストをまっすぐと進めていっても良いのだが、あえてぶらぶらと歩いてみるのもオススメだ。「リネージュM」の世界は基本的にシームレスに繋がっている。町を出ると森があり、砂漠があり、ダンジョンがあり、城がある。「リネージュ」のプレーヤーであればあらゆる場所に思い出があるだろうし、新規プレーヤーにはアデン大陸の広さが伝わると思う。
ちなみに筆者は天の邪鬼なので、この辺りからPvP……というかPKを始めた。本作のフィールドの殆どは「ノーマルゾーン」と呼ばれるプレーヤー同士の戦闘が可能なエリアになっている。そのため狩場やダンジョンでは相手が同意するしないに関わらず攻撃を仕掛けることができる。筆者が考える「リネージュM」の醍醐味の1つはここにある。敵対血盟だから、狩場を独占したいから、攻撃する敵が被ったから……あらゆる理由で勃発するPvP、そしてそこから生まれる人間ドラマが面白い。
PKというのは人の本性をあぶり出す行為だと筆者は思う。殴りかかるとすぐに逃げるプレーヤー(倒されるとデスペナルティで経験値が減少したり、アイテムを落とすことがあるのでゲーム的には正しい)、反撃してくるプレーヤー、一旦逃げて仲間を連れて復讐に来るプレーヤーなど多種多様なプレイスタイルがある。
あるときは筆者とのPvPに敗れ「絶対復讐するからな」というメッセージを送ってきたプレーヤーもいた。普段であれば軽くあしらうのだが、気まぐれでそのままメッセージをやりとりしてみると「リネージュ」をプレイしていた点やPvPが好きな点など共通点が多く、ひとしきり盛り上がったあとそのプレーヤーは筆者の血盟に入った。こういった戦国時代的なエピソードもMMORPGらしい体験だ。
いよいよレベル45、ここからが「リネージュM」の本番
そうしてクエストを進めていくとレベル45まではスムーズにキャラクターを成長させることができるはずだ。ここまではクエスト中にアクティブモンスターもいないし、クエスト報酬の経験値も多い。
だがレベル45に到達してからが、ある意味「リネージュM」の本格的なスタートだ。クエストの狩場にはアクティブモンスターが出現するようになり、一方的に攻撃されてクエストどころではなくなったりする。テレポート代やポーション代はかさむしで、この辺りから工夫が必要になる。
お金がないと狩りにも行けず、レベルも上げられないし、装備の強化もできないという負のスパイラルに陥るので、狩りで使うポーション代以上のゲーム内マネーを稼ぐ必要があるのだ。
だが真っ直ぐにクエスト通りに進めてくるとこの辺りでポーション代で赤字になってしまう。問題なく黒字で進められれば良いが、赤字の場合は一旦立ち止まり、お金を貯めて装備を強化することを目指していきたい。
例えば「リネージュM」ではアンデッドは銀の武器に弱くなっている。エルフであれば「銀の矢」を、他の職業でも銀でできた武器を装備するとアンデッド系のモンスターをサクサクと倒すことができる。例えば「グルーディオダンジョン」の低層階や「死の廃墟」、「亡者の墓」といったエリアではアンデッド系のモンスターが多く出現するのでゲーム内マネーを稼ぐのに有効なポイントだ。
またレベル40からは「試練ダンジョン」という特殊なダンジョンに入場できるようになる。このダンジョンは少しお祭り的な内容で迷路のようなダンジョンをいかに早くゴールまで突破できるかなどを目指すダンジョンだ。ここは経験値効率が良いので必ず日課でクリアしておきたい。
ちなみに筆者はレベル45からは「ギラン監獄」や「エヴァ王国ダンジョン」といった狩場でレベル上げをしていたのだが、これらの狩場は経験値効率、ゲーム内マネー効率が非常に良い人気狩場の1つだ。
人気狩場ということは他のプレーヤーも多く、どうしてもプレーヤー同士のいざこざが発生してしまう。特に「リネージュ」では他のプレーヤーが攻撃している敵を攻撃することを「シーフ(横殴り)」と呼び、マナー違反と感じるプレーヤーが多い。かくいう筆者も気にしてしまう性格で、それをきっかけに小規模な対人戦が発生した。
トラブルは当事者同士で終わらず血盟同士のいざこざに発展し、筆者の血盟はとある血盟と戦争状態になった。ちなみにこの原稿を書いている現在も絶賛交戦中で狩場でお互いを見かけると問答無用で斬り合う殺伐とした関係になっている。この関係が良いかどうかはわからないが、“対人戦で勝ちたい”という気持ちが、筆者のキャラクター育成の強いモチベーションだ。現時点ではフィールドでPvPを繰り広げる仲だが、今後実装されるであろう大規模PvPコンテンツ「攻城戦」などをきっかけに同盟クランなどができればもっと楽しめるのではないかと考えている。
現在の筆者のレベルは57。15、6年前のPC版「リネージュ」にのめり込んでいた当時の目標だったレベル52も達成し、目下は次の節目であるレベル60を目指して日夜狩に勤しむ日々だ。「リネージュM」はひたすらに敵を倒してキャラクターを強化していくというストイックな楽しみと、他のプレーヤーがいることで生まれる人間同士のドラマは忘れかけていた古き良きMMORPGの楽しみを体験させてくれた。
簡略化されている部分もあるが、「リネージュM」にはPC版「リネージュ」が何年にもかけて構築してきたコンテンツが一気に入っているため、最初は少しとっつきにくく感じるかもしれない。だが本稿で散りばめたコツを生かしてキャラクターを育成させ、血盟に入り、他のプレーヤーと情報交換をしてみて欲しい。
シンプルでわかりやすい部分と、「リネージュ」独特のシステムから生まれる奥深さ、そしてそこにMMORRPGならではの他のプレーヤーとの交流から生まれるドラマが混じり合い、ビジュアルはレガシーながらも最新のMMORPGに負けず劣らずの濃厚なゲーム体験が楽しめるはずだ。