インタビュー

「サイバーパンク2077」では“サイバーな日本人”とも戦える! CD PROJEKT REDプロデューサーに聞くサイバーパンクジャンルの魅力とは

2020年4月16日 発売予定

価格:
7,980円(税別、通常版)
29,800円(税別、コレクターズエディション)

 「サイバーパンク2077」では“サイバーな日本人”とも戦える。CD PROJEKT RED「サイバーパンク2077」プロデューサーのRichard Borzymowski氏は、そう語ってくれた。

 そもそも、「サイバーパンク2077」には多くの日本企業が登場するという。巨大な力を持ち、悪事もいとわない大企業「アラサカ」、目のサイバネティクス企業の「キロシ」、またアパレルブランドの「チアキ・キョウト」、「サエコズ」など。このほか、あらゆる場所で日本企業は活躍している。ちなみに、主人公Vが愛用するバイクの製品名は「クサナギ」で、これも日本企業の「ヤイバ」社製である。

ヤイバ社製のバイク「クサナギ」
CD PROJEKT RED「サイバーパンク2077」プロデューサーのRichard Borzymowski氏

 「アラサカ」については本作の原作であるTRPG「サイバーパンク2.0.2.0.」にも巨大企業として登場しているが、これは制作された1980年代の情勢が色濃く反映されているからだ。当時の日本はバブル真っ只中で、日本企業の勢いはアメリカを支配してしまうのではと恐怖を感じさせるほどだったという。その思いが、悪の大企業「アラサカ」として表われている。

 その設定を受け継いでいる「サイバーパンク2077」では、日本は特別に影響力の高い存在だそうだ。ナイトシティには色々な国の人がいるが、日本人が住む建物やエリアの多くは高級であることからも、その影響が見て取れるという。

 ただ、「サイバーパンク2077」について、これまで公開されてきた情報では日本人がそこまではっきりと登場してこなかった。そこでさらに踏み込んで聞いてみたところ、答えてくれたのが冒頭の発言というわけだ。

 実際には「サイバーヤクザと戦うことはできるのか?」と聞いたのだが、「確かに『サイバーパンク2.0.2.0.』にはヤクザは登場するが、それ以上のことは言えない」という回答だった。

 しかしはっきりと言えるのは、ナイトシティの犯罪集団の中には日本の集団もいること。またこの世界での戦闘はサイバーウェアが必須となること。つまりそういう意味で、“サイバーな日本人”と戦うことはできる。

 もしかしたら、その中にはステルス系のスキルを使う日本人もいるかもしれない。「そんな敵が出てきたら、“サイバーニンジャ”と呼べるかもしれないね」と付け加えてくれた。

サイバー日本人とはやく戦いたい!

現実の恐怖を抽出する“サイバーパンク”というジャンル

 またBorzymowski氏には、サイバーパンクというジャンルそのものの魅力を聞いてみた。

 Borzymowski氏は「明確な答えはない」と前置きをしながらも、「もしかしたらこうなることもあるかもしれない」と思えることが魅力では、と語ってくれた。

 たとえば、サイバーパンク世界では巨大企業が幅を効かせていたり、貧困層の苦しみがあったり、現実世界で実際に起きていることが直接的に反映されている。日本企業への恐怖が「アラサカ」となったように、戦争への危機感や、SNSでの洗脳など、忍び寄る恐怖を抽出したものがサイバーパンク世界には反映されていく。現実と地続きで、リアルさを感じさせる点が、このジャンルの最大の魅力なのではないか、とBorzymowski氏は話した。

巨大企業が世界を支配する。ありえない未来像ではない

 「サイバーパンク2.0.2.0.」の設定を受け継いでいるという点では、「見た目を着飾って、自分が誰かをアピールすること」もしっかり描くようにしているという。「サイバーパンク2077」の登場人物は、自分自身が何者かをしっかりと意識し、それをファッション(身体改造含む)として表現している。公式サイトなどで公開しているファッションの4つのスタイルのポスターは、その設定が反映されたものだそうだ。

 CD PROJEKT REDは、ゲーム開発においてプレーヤーの「没入体験」を作り出すことに重きを置いているという。それは「ウィッチャー」シリーズでも同じだったが、三人称視点から一人称視点となった「サイバーパンク2077」では、さらなる没入感を目指している。Borzymowski氏は、「ストーリーや街の作りなど、細部に渡ってこだわり抜くことで、ユニークな体験を生み出したい」と述べた。

ファッション4つのスタイルを表現したポスター。左から、キッチュ、エントロピズム、ネオミリタリズム、ネオキッチュ。詳細は公式サイトを参考まで