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プレイスタイルで”世界”が変わる「サイバーパンク2077」特別プレイデモ!

キアヌは守護天使? 裏切りと陰謀の渦中に巨大な秘密が浮かび上がる

2020年4月16日発売予定

 E3で最も人気を集めていたのは、「サイバーパンク2077」だ。「ウィッチャー3」の物語と世界観で世界中を魅了したCD PROJEKT REDが放つ、次なるRPGへの期待がどれだけ高いのか、それはE3会場でまざまざと感じた。

 今回、E3会場ではパブリックエリアの巨大シアターに加え、招待したメディアのみが見ることができる特別シアターが用意されていた。そこでは本作の特性、そして世界観が垣間見える、とても興味深いリアルタイムデモプレイを見ることができた。

 今回の特別デモプレイは、公開されたばかりの「サイバーパンク2077 - E3 2019 公式シネマティックトレーラー」の"続編"となる。トレーラは実は説明されていない情報が山盛りであり、まずこれから解説をしていこう。

【サイバーパンク2077 - E3 2019 公式シネマティックトレーラー】

 トレーラーは雰囲気は伝わるが、背景は何も語られていない。このトレーラーでは主人公V(ヴィー)は相棒のジャッキーと共に依頼を受けて、1つの"バイオチップ”を奪ってくる。しかしジャッキーはその仕事で致命傷を負ってしまう。Vはバイオチップを身体に埋め込み、依頼主のところに戻ってくる。

 しかし依頼主はVの始末を決めていた。用心棒達に襲われるV。1人は腕の「マンティスブレード」で撃退、もう1人のネットランナー(ハッカー)にサイバーウェアを封じ込められるが何とか撃退する。……しかしそれが大きな隙となった。依頼主が苦し紛れにはなった銃弾がVに直撃、こうしてVは倒れてしまう。

 だが、Vはゴミ捨て場で蘇るのだ。そして目の前に立つ男を見上げる。その男はキアヌ・リーブス演じる「ジョニー・シルヴァーハンド」。ジョニーはVに向かって言う。「目を覚ませよサムライ、この街に火をつけるぞ」。

Vの視界にのみ現われ、彼を死から救った「ジョニー・シルヴァーハンド」。同じ名前、同じ姿の伝説のロッカーは50年以上前に存在していたが……

 と、いうのが、今回会場でのデモプレイの"前振り"なのである。よほど情報を集めていなければ前提情報としてわからない。今回のデモプレイは「プレイスタイルの選択によるゲームの幅広さ」がメインテーマであるが、実はバックストーリーとして、Vがバイオチップの秘密を解明すべく、ネット技術に長けたギャング組織「ヴードゥー・ボーイズ」の力を借りようと、彼らに接触するところから始まるのだ。

 Vはヴードゥー・ボーイズの幹部プラシドに会う。しかしプラシドは力を貸す条件として、対立するギャング組織「アニマルズ」への潜入を依頼してくる。Vは引き受けるしかない。バイクに乗り、ヴードゥー・ボーイズの偵察部隊から情報を得て、アニマルズの拠点へ向かう。プラシドはVと視点を同調させており、Vの視界には常にウィンドウが出てそこにはアイウェアを作動させ青く目を光らせたプラシドが写っている。

バイオチップの謎を解くため、Vはヴードゥー・ボーイズに接触する
乗り物での移動は、3人称視点も可能

 ここまでで、様々なゲームの情報が挿入される。プレーヤーキャラクターであるVは男女どちらでもプレイできるが、外見は細かくカスタマイズ可能であり、さらに本デモでは「ストリートギャング出身」など3つの"背景"から1つをキャラクター作成時に選択できる。この背景はゲームでの会話の選択肢を変化させる。Vの背景によって、クエストでの選択の幅が広がるのだ。

 そしてサイバーパンク要素満載の潜入。改造された目により、Vは視界をズームさせ、様々な情報を得ることができる。アニマルズを分析し彼らをマーキング、見つからないように建物の中を進んでいく。アニマルズはその名の通り野獣のように身体を鍛え上げ、さらにサイバーウェアでブーストを行なっている。彼らと戦闘をしないようにVは隠れながら進む。戦いになった場合、サイバー化を行なっているアニマルズは左右に高速移動をして銃弾をかわそうとする。

 この展開にも様々な分岐がある。アニマルズが行き来するルート以外にもがれきを昇って先回りできたり、彼らのトレーニングマシンを暴走させて暗殺したりできる。見つかった場合でも相手のサイバーウェアを"暴走"させることで隙作ったりできる。機器に接続することでハッキングが行なえるワイヤーは単分子構造の「ナノワイヤー」であり、きわめて鋭利な切断能力もある。これらはハッキングを得意とする「ネットランナー」的な戦い方である。本作ではこの戦い方とは正反対の、"パワータイプ”のプレイも可能なのだ。今回はデモプレイのため、全く別な戦い方を見ることができた。

 こちらのキャラクターは女性で、パワー重視の改造を行なっている。その腕は鉄板を曲げ、新たなルートを通ることを可能とする。改造された腕により重火器も易々と使う上、やっかいな固定機銃を根元からもぎ取り自分の手持ち武器として使うことができる。多少の銃弾にもひるまず敵を蜂の巣にしていく。同じステージでありながら、全く違う戦い方を見ることができた。

 ボス戦の要素も見ることができた。巨大なハンマーを使う女性で、銃弾を受けても与えられるダメージが少ない。敵の攻撃をかわしながら背中に取り付けた弱点を撃たなくてはならない。ハッカーとして戦う場合は、この弱点をより効果的に利用できるようだ。

 敵を倒し進んだ先は古い映画を流しているシアター。そしてその映写室には「ネットウォッチ」のエージェントがいた。ネットウォッチはネットワークを監視する警察のような機関であり、ヴードゥー・ボーイズを監視していたのだ。そしてVにも知らせられない"ターゲット"であった。Vはヴードゥー・ボーイズの幹部プラシドに一瞬主導権を奪われ、自分のワイヤをネットウォッチに接続、彼のネットワークを神経ごと"焼いて"しまう。過負荷をかけ、殺害したのだ。これによりVも倒れてしまう。。

 しばらくして目を覚ましたVの目の前にジョニーが現れ「大丈夫か」と声をかける。Vはヴードゥー・ボーイズの拠点に帰り、プラシドをたたきのめす。怒りに震えるVの前に謎めいた女性が現われ、プラシドの暴走を謝罪する。彼女こそヴードゥー・ボーイズのリーダー・ブリジットである。彼女はネットウォッチによりその行動を凍結されていたのだが、ネットウォッチの死によって解放されたのだ。

ヴードゥー・ボーイズの真のリーダー・ブリジット

 ブリジットもまたVのバイオチップに興味を持った。彼女はヴードゥー・ボーイズが持つ地下施設に彼を導く。そこには巨大なラボがあった。Vとブリジットは"ジャック・イン"する。コンピューターネットが作り出す「サイバー空間」へダイブしたのだ。そこには巨大な「ブラック・ウォール」が立ちはだかっている。しかし、ブリジットはこれを越えられるという。Vの新たな冒険が始まる……というところで、デモは終了となった。

 非常にワクワクさせられるデモプレイだった。何より、プレイスタイルにより全くゲーム展開が異なるところがすごい。パワー型、ハック型、実際のプレイでこの要素はどうなるのか、ハイブリッドは可能なのか? そしてやはりストーリーだ。味方がくるりと手のひらを返す殺伐とした世界で生きる意義、守護天使のようなジョニーの存在、最後に現われたサイバー空間……謎と興味は尽きない。

 そしてこれらの点を、今回開発者インタビューしている。特に「ブラック・ウォール」を細かく解説してもらっており、よりこの世界への興味がわき上がること請け合いだ。是非インタビュー記事もお読みいただきたい。