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会場:米カルフォルニア・Insomniac Games
【レジスタンス ~報復の刻~】 価格:4,980円 (UMD版)、3,800円 (ダウンロード版)
【レジスタンス2】 価格:6,980円
CEROレーティング:D (17歳以上推奨)
米Insomniac Gamesは、ロサンゼルスから約30分ほど車を走らせ山を越えたBurbankという静かな街にある。オフィスが集まるビルの1フロアが全てInsomniac Gamesとなっている。訪れてみてまず驚くのは照明が落とされているという点。受付からすでに照明が落とされており、ビックリさせられた。特段エコロジーに気を使っているというわけではなく、おそらくは周囲を暗めに設定することでモニタが見えやすいということだろう。 海外の企業ではよくあることだが、とにかくオフィスは広々としている。空いている机も多く、余裕を持って設計されているようだ。広いオフィスは基本的に壁で区切るといったことはなされておらず、パーティションで区切られているだけで担当部署と気軽に話が出来る風通しのいい雰囲気。現状空いている机も今後開発タイトルが増えるなどの、状況によっては人員も増えていくことだろう。新作を制作中の部屋も別途あり、残念ながら「こっちは秘密ね」ということで、そこは見せていただけなかった。 そんな中、日本オフィス並みとも言うべき一番人口密度が高かったのがデバックゾーン。今なおゲームをプレイし細かいレベルの調整なども行なっているのだろう。数多くの人がディスプレイに向かって黙々とプレイしていた。 フロアのあちこちには「ラチェット&クランク」や「レジスタンス」、「Spyro the Dragone」のポスターや大きな人形などが飾られている。「ラチェット&クランク」の日本で使用されたポスターなどがある一方で、取材の直前に行なわれた米国大統領選挙にあわせて作られたと思われる「レジスタンス2」のポスター等も飾られていた。こういったちょっとした茶目っ気のある雰囲気が、オフィスを楽しそうな場所として演出していた。 ジュースなどが置かれている休憩所・キッチンのボードには、ファンレターが張り出されていた。ファンレターには子供が書いたと思われる可愛らしいラチェットやクランクの似顔絵や、なかには「こんなアイディアがあります。ゲームデザイナーになるためにはどうしたらいいでしょうか?」といった頼もしいものまで様々。いずれにしても開発者にとっては大きな励みとなることだろう。
実はInsomniac Gamesは全米でも有数の働きやすい環境として表彰される程のオフィスだったのだ (受付にその旨が書かれた賞状が張り出されていた)。やはりいい環境だからこそ、いいソフトウェアが生み出されるということなのだろう。 ■ 社長/CEO兼統括ディレクター・テッド・プライス氏ミニインタビュー
テッド・プライス氏(以下、テッド氏) はい。当初からこの「レジスタンス」はフランチャイズ化したいという気持ちがありましたので、ひとつのゲームで終わらせたくはないと考えて制作を続けていました。なので「レジスタンス ~人類没落の日~」のラストは完全に終わるわけではなく続きがあるように終わらせてみました。 我々としてはキメラ対人類のSAGA (語り継がれる物語) として追っていきたいと思っています。 ―― では、同様の理由でシリーズ3作目も期待できるわけですね? テッド氏 いま現在なんですが、「レジスタンス2」以降の話についてはまったくお話ししていないんです。なぜなら、いまは皆さんに「レジスタンス2」を遊んでもらいたいから。コンテンツの面で言えば、皆さんに長く遊んでもらえるだけ内容が詰まっている作品です。シングルプレイだけでなく、協力プレイ、マルチプレイといった要素もたくさんありますので、いまはそれ以降のお話はしたくないですね。 シングルプレイのキャンペーンの終わり方としては“ハラハラドキドキ”と言うところで終わっているので、「続きがあるのではないか?」と思わせるような内容にはなっています。 ―― 1作目の制作時はプレイステーション 3がまだ無くPS2の頃から企画を練っていらっしゃったということですが、制作時にどのような苦労がありましたか? テッド氏 「レジスタンス」の1作目はもともとPCで制作していたんです。PS2ではパワーの限界から我々としては難しいということが始めからわかっていました。PS3相当のグラフィックスカードを使いながら制作を行なっていました。 「レジスタンス2」においてはむしろ困難な面は少なく、難しいことはありませんでした。というのも、すでにエンジンは完成していまして、そのエンジンは「ラチェット&クランク フューチャー」でもブラッシュアップし使用しましたし、さらにさらに磨きをかけて今回も使用しているんです。新しい技術を使用することもできましたので、2年前には無理だったことも今回は実現できてます。 また、「レジスタンス2」で今回我々が課題として挙げた目標としては、元々デザインや設計上のスケジュールをどうコントロールしていくかと言うことがあったんです。シングルプレイにしても協力プレイにしてもマルチプレイにしてもより大きなスケールで描きたかった。それを2年の間にトルプルA級の品質に仕上げるためにその調整が大変でしたね。 ―― 「ラチェット&クランク フューチャー」と「レジスタンス」シリーズでは同じエンジンを使用しているのですか? テッド氏 まったく同じエンジンを使用しているわけではありませんが、「レジスタンス2」で使用しているエンジンは元々は「ラチェット&クランク フューチャー」で使っているエンジンにさらなる改良を施して使用しています。 ―― なるほど、作品の性格に合わせてチューンしているんですね。 テッド氏 例えばスピードを上げているのですが、ナビゲーションシステムも改善しているので、敵の動きなどより表現豊かになっていますし、ダイナミックライティングも今回実現できています。 特にナビゲーションシステムのバージョンを上げることが我々にとっては重要でした。なぜなら、協力プレイを行なっているときにひとつの環境の中で100人くらいのキャラクタが登場するのです。いままでのゲームですと、そんな大勢のキャラクタを扱ったことはありませんし、そもそもそんなに多くのキャラクタを出してしまうとすぐにゲームが落ちやすくなってしまいます。それを回避するためにもそのナビゲーションシステムをきちんと開発することが重要でした。 ―― 「レジスタンス2」において、キメラのテクスチャなどをより高度なものに置き換えたと言うことですが、それはゲームエンジンの進化から来るものですか? テッド氏 よりよいテクニックを使えたと言うことだと思いますが、ノーマルマップに関して言えば、より美しく見せることに成功しています。「レジスタンス」における「ノーマルマップ」は数メートル離れると見づらいものとなっていたのが、「レジスタンス2」ではより見やすくなっています。
またキメラについてテクスチャーの解像度を上げたという話をしましたが、そのことによりその新しいキャラクタ達のディテール……様々な武装や小物を描くことができるようになりました。
テッド氏 今のところはポジティブな意見が多いようです。ただ、今回我々は大きな変更を加えていて、操作方法をよりアクション・シューティングのメインストリームに近い操作方法に近づけているのですが、それに驚いたといった意見も聞かれますね。 「レジスタンス ~人類没落の日~」をプレイしていただいたプレーヤーの方からはいい反応を得ているのですが、中にはマイナスの感想も頂いています。 ―― お話しではユーザーの意見を最大限に反映してゲームに盛り込んできていらっしゃるようですが、作り手側として今回どうしても盛り込むことができなかったといった要素はありますか? テッド氏 ある会議の中で、ゲームに“乗り物”の要素を組み込むかどうかといった話題が出たことがあります。ただ、リソースに限りがあったため、「ボスを増やすべきか? それとも乗り物を導入すべきなのか?」という選択を迫られたときに、我々は「レジスタンス ~人類没落の日~」とはまた違ったものを出したいという気持ちから、巨大なボスを登場させるという選択肢を選びました。 実際に発売された後、ユーザーさんからは「どうして乗り物が登場しないのか?」といった問い合わせが寄せられました。まぁ、我々としては開発期間があと1年あれば実現できたかもしれませんが、限られた状況の中では両方を開発することは無理でしたし、乗り物を登場させなかったことで損をしたことはありませんね。 ―― PSP版「レジスタンス ~報復の刻~」についてもお伺いしたいのですが、ストーリーはBend Studio側から持ち込みであったと言うことですが、始めて目を通したときはどのような感想を持ちましたか? テッド氏 もともとBend Studioは「レジスタンス」シリーズの世界観について非常に細かく調べていたようで、バックストーリーについてもよくご存じでした。そこで我々は「レジスタンス」に関する情報……例えばゲームの中では明らかにされていなかった歴史や内容についてもお伝えして、それをベースにとても上手くストーリーを構築してくれました。 変更をお願いした点としては、「レジスタンス2」に近くなってしまった部分などです。それ以外は非常にうまくいき、「レジスタンス」の世界観によく合うキャラクタや設定を作っていただいたと思います。 ―― 今回、「レジスタンス ~報復の刻~」には「RESISTANCE CONNECT (仮)」など新しい技術が使用されていますが、そういった新技術について使ってみたいなど興味がおありですか? テッド氏 斬新な仕様ですが、我々はPS3用の作品を作るという方針なので、PSPでの開発は考えていません。 ―― 最後に。最近ではゲームの映画化が相次いでいます。TEDさんは「レジスタンス」のフランチャイズを育てていきたいと言うことですが、今後映画化などの依頼があれば前向きに検討したいということでしょうか? テッド氏 もしそういう機会があれば、ぜひ作っていただきたいなと思いますね。実際に映画スタジオの方が「レジスタンス」に興味を持っていただかない事にははじまらないのですが、今のところはそのようなお話しは頂いていません。 ただ、この「レジスタンス」のストーリーについてはバックストーリーも含め、映画に充分なりうるすばらしいストーリーだと思いますので、「レジスタンス」の1作目でも、PSPでゲーム化される「レジスタンス ~報復の刻~」であっても、「レジスタンス2」でも今度出版される小説であっても、充分映画として通用する内容だと思います。
―― ありがとうございました。
「レジスタンス2」 RESISTANCE is a registered trademark of Sony Computer Entertainment Inc. Developed by Insomniac Games. (C)2008 Sony Computer Entertainment America Inc. 「レジスタンス ~報復の刻~」
□プレイステーションのホームページ (2008年12月26日) [Reported by 船津稔]
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