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会場:幕張メッセ1~8ホール
入場料:1,000円(一般/前売り)、1,200円(一般/当日) 本稿では10月11日に行なわれたゲームヤロウの「サドンアタック」と、NHN Japanの「アラド戦記」。10月12日に行なわれた同じくNHN Japanの「アークロード」とJC Globalの「フリスタ」の4つのタイトルのイベントを紹介したい。 これらのタイトルのうち、「アークロード」のみ、文化放送デジタルラジオ「超A&G+」の「Hangame Presents 超!Online Station」という番組の公開録音という形となった。そのほか3本はオンラインゲーム情報バラエティ番組「ネットゲッチャ」の公開生放送という形でも放映された。 「フリスタ」は開発元の韓国とも連携し、募集した日本精鋭チームと韓国精鋭チームとの対決を実現、「アークロード」は番組パーソナリティーがプレーヤーとして魅力を語り、画面に対するリアクションも面白く盛り上がった。「アラド戦記」には2代目ミスアラドの西村みずほさんが登場した。各タイトルごとの特色が出たステージだった。
■ 息のあったスタッフによる「アークロード」の公開録音。対戦イベントは悲鳴を上げた大混戦
「アークロード」のイベントは、文化放送デジタルラジオ「超A&G+」の「Hangame Presents 超!Online Station」の公開録音という形でイベントが行なわれた。メインパーソナリティーは声優の荻原秀樹さんと豊崎愛生さん、そしてリポーターとして活躍する井澤詩織さんの3人が登壇、普段の番組を紹介すると共に、「アークロード」の魅力を語った。 「Hangame Presents 超!Online Station」は2008年の7月から放送されている。3カ月になろうとするスタッフ達は掛け合いも息が合っていた。荻原さんと井澤さんは「アークロード」のプレーヤー、豊崎さんは“草原を走り回るのがやっと”という超ビギナーだが、ボス紹介の時には無理におどろおどろしい声を出すなど、リアクションがコミカルで、会場は大きく盛り上がった。 イベントでは運営スタッフを交えての対戦大会も行なわれた。豊崎さんはディレクターの蛯子歩氏と同じチームに入って、荻原さんと井澤さんと戦うこととなった。初心者の豊崎さんは「やめてーやめてー」と逃げまどうのみ。蛯子氏はいきなり倒され、豊崎さんは必死に逃げまどうものの追いつめられて倒されてしまった。
この後、会場のイベントとしておもちゃの剣で紙を破っていくという対決を豊崎さんと荻原さんが挑戦。敗北した荻原さんは罰ゲームとして全く似ていない物まねに挑戦させられ、照れまくってしまうという展開になった。パーソナリティー達のキャラクタがユニークで、公開録音の楽しさを実感できたステージだった。
■ ミスアラド西村みずほさんが楽しく「アラド戦記」を紹介。西村さんの魔法炸裂!
「アラド戦記」のイベントは2代目ミスアラドに就任した西村みずほさんが登場、ゲームの魅力を語った。普段は魔法使いでプレイしているという西村さんは「パーティープレイだと魔法の使い方がわかってくるんですよ」など、プレーヤーならではの体験を語った。会場のカメラに向かって手を振るなどサービスも絶やさず、西村さんは元気いっぱいだった。 西村さんは運営スタッフと共に中級者ダンジョンに挑戦、歓声を上げながら強力な魔法で敵を撃破していった。「いつもすぐ負けてしまう」という対戦は、スタッフ達の戦いを観戦。対戦の緊張感に、黄色い声で彩りを加えていた。
西村さんの魅力はいっぱいに伝わってくるステージだったが、ちょっと考えさせられたのが全体の構成だ。1時間のイベントの3分の1を「アラド戦記」の基礎職業や操作の紹介のムービーで埋めてしまったのだ。このムービーは公式ページで見ることができる。例えば開発元から開発中のコンセプトアートを1枚持ってくるだけでも会場を訪れたプレーヤーの特典となったのではないだろうか。イベントならではの特色をもっと前面に出してもらいたかった。
■ 日韓オンライン対決を行なった「フリスタ」。新キャラクタの登場も明らかに
「フリスタ」のイベントは10月12日、“日韓エキシビジョンマッチ”としてステージ開始直前に3名のプレーヤーを募集するというかなり思い切った方法で挑戦者を集めた。韓国プレーヤーは、開発元の韓国JC Entertainmentからオンラインで試合に参加した。 ステージに上がった日本プレーヤー達は緊張気味で、試合の展開には不安もあったが、いざ始まってみると見事な連携を披露してくれた。早いパスワークでゴールを繰り返し、序盤から韓国チームを突き放し勝利した。韓国側のプレーヤーも「日本プレーヤーがこんなにうまいとは思わなかった」と語った。 試合は5分間の1セットマッチで行なわれた。3on3のハーフコートでの対戦で、点を取られた方が攻撃側となる。日本が先行で早いパスワークからいきなり斬り込み、ダンクを決めた。その後も韓国の攻撃を巧みにブロック、遠距離からの3ポイントシュートを決めるなど序盤で9-2と引き離した。 「フリスタ」はやはりゴール前での攻防が熱い。強引にダンクに行こうとする、パスワークで相手を攪乱させる、ミスシュートで浮き上がったボールへ走り込む……。1つのボールをめぐってめまぐるしくプレーヤーが動く。特に日本のプレーヤーのポイントガードの動きがよく、何度もシュートをたたき落としリバウンドを取った。韓国側も追いかけるもタイムアップ。25-16で日本の勝利となった。 エキシビジョンマッチ終了後はスタッフによる新情報が明らかになった。「フリスタ」では基本キャラクタに加え、キャラクタ性を強化し、スタート時の能力が高い「スペシャルキャラクタ」を販売している。これまでアメリカチーム、日本チームが登場したが、新たにオーストリアのチーム「ウィーン・ヴァイスリッター」が追加されることとなった。
オーストリアチームはこれまで同様3人のメンバーで構成されている。その中の1人、ジークは10月8日に追加されているが、今回のイベントではさらにクールな女性の「オフェリア」と、ジークにバスケットを教えた巨漢の男性「レイモン」の存在が明らかになった。オフィリアは11月、レイモンは12月に追加予定だという。
■ 「サドンアタック」公認インストラクターKeNNy氏登場、しかし無理な要求に実力を出せない結果に
「サドンアタック」のイベントでは公認インストラクターであるKeNNy氏が登場し、彼のクランと共にその腕前を披露する、というものだった。しかし、事前の打ち合わせがあったのか不明だが、いきなり司会者が「KeNNy氏にやってもらいたいこと」を募集し、普段使っていないスナイパーライフルや大型マシンガンを使って対戦することになってしまった。このためKeNNy氏は全く実力を出せず、負けてしまうという結果になってしまった。 オンラインFPSはシビアなゲームで、武器を変えるというハンデで勝てるようなものではない。「サドンアタック」は連携が重要になるゲームだが、いつもと違う武器では役割も全く違ってしまう。会場に集まったファンは「普段のKeNNy氏の実力」を生で見るために会場を訪れたのに、司会者がそれを台無しにしてしまうという結果になってしまった。これはゲームに対する理解のなかった司会者以上に、コンセプトをはっきり決め、司会の暴走を止められなかったメーカーの姿勢こそ問われるべきだろう。 開発側と打ち合わせを行ない日韓対決を演出、さらに会場に向けて新しい情報を出すという「フリスタ」と、イベントに対するメーカーの姿勢の上で対照をなす残念な結果となった。この反省を活かし、もっとかっちりしたステージイベント、そしてKeNNy氏のリベンジを期待したい。
今回の東京ゲームショー2008は大手オンラインゲームメーカーの出展もなく、オンラインゲームユーザーは寂しさを感じたのではないだろうか。だからこそ、今回のオンラインゲームのイベントは貴重で、来場者の期待は大きかったと思う。今回のイベントはその期待に応えられたものは少なかったと感じた。メーカーは「ユーザーにアピールできる機会」をもっともっと大事に考え、会場を訪れイベントを楽しみにするユーザーの熱意をくみ取って欲しい。
□コンピュータエンタテインメント協会(CESA)のホームページ (2008年10月13日) [Reported by 勝田哲也]
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