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東京ゲームショウ2008現地レポート

オンラインFPS「Battlefield Heroes」の全貌を解き明かす!
「Battlefield」シリーズプロデューサーBen Cousins氏インタビュー

10月9日~12日 開催(9日、10日はビジネスデイ)

会場:幕張メッセ1~8ホール

入場料:1,000円(一般/前売り)、1,200円(一般/当日)
    小学生以下は無料


 北米・欧州市場向けに“Play 4 Free”(無料でプレイ)で提供される予定のオンラインFPS「Battlefield Heroes」。東京ゲームショウ2008の開催に合わせ、日本を含むアジア圏への展開が正式発表された事は、国内の「Battlefield」ファンへの大きな朗報だった。

本作は、「Battlefield」シリーズを手がけてきたEA DICEスタジオが、初めてのオンラインサービスタイトルとして、本腰を入れて開発を進めている作品だ。現在のところ日本では韓国生まれのオンラインFPSが盛況となっているが、ここに欧米水準のタイトルが加わることになれば、オンラインFPSはさらに多くのユーザーが楽しめるジャンルになっていく事だろう。

 そんな期待を受けつつある「Battlefield Heroes」について、今回東京ゲームショウ2008の会場にて、「Battlefield」シリーズ全体のプロデュースを勤めるEA DICEのエグゼクティブプロデューサー、Ben Cousins氏に話を聞くことができた。今回行われた小1時間ほどのインタビューでは、本作の開発状況から、ゲームデザイン、正式サービス時のビジネス方針について様々な情報を得ることができた。その内容をお伝えしたい。


■ 「Battlefield Heroes」は、誰でも楽しめるカジュアルFPSへ
 ビジネスモデルはアイテム課金を採用し、地域差を考慮してサービスを展開

インタビューに答えてくれたBen Cousins氏。「Battlefield」シリーズ全体のプロデューサーを務めるキーパーソンだ
─── 本日はインタビューの機会を頂きありがとうございます。早速ですが、自己紹介からお願いします。

Ben Cousins氏:私はBen Cousinsと言います。「Battlefield」フランチャイズ全体のエグゼクティブプロデューサーを勤めています。現在は「Battlefield Heroes」だけでなく、シリーズ全体を見る立場で仕事をしていますが、その前は「Battlefield Heroes」のプロジェクトリーダーでした。

─── 現在の「Battlefield Heroes」の開発状況について教えてください。

Ben Cousins氏: つい最近にクローズドβテストを終えたところです。ゲームのコアな部分は開発をほぼ完了しておりまして、追加要素を付け加えています。例えばキャラクタの服装や、車両や、マップなどですが、他にも、ゲーム体験のもっとも大きな要素としてWebサイトの開発に注力しています。

─── 本作の特徴について、Cousinsさんが特にアピールしたいポイントを教えてください。

Ben Cousins氏: そうですね。我々が特にみなさんにお伝えしたい本作の特徴は、本作がプレーヤーを怒らせるのではなく、プレーヤーが楽しく、笑ってプレイできるようなシューティングゲームに仕上がったということです。

 従来のFPSファンだけでなく、普段ゲームをやらない人や、ガールフレンドにも薦められるようなゲームですので、ぜひたくさんの人々に知ってもらいたいと思います。そしてまったく新しい層の顧客を開拓していきたいと考えています。

─── その実現のために、開発において特に気をつけたことを教えてください。

Ben Cousins氏: まず、低いスペックのコンピュータでも動作可能にしたことです。また、ダウンロードサイズを小さくして、すぐにゲームを始められるようになっています。そして、楽しげな音楽と映像表現で、コアゲーマー、カジュアルゲーマーからノンゲーマーまで、誰にでも受け入れられやすいデザインを全面的に採用しています。

─── 本作はDICEにとって初めてのオンラインゲームプロダクトとなりますが、どのようなビジネスモデルを展開しようと考えているのでしょうか。

Ben Cousins氏: ビジネスモデルは、韓国型の“Play 4 Free”方式に基づいています。ユーザーの皆さんに無料でゲームをプレイしてもらい、有料のアイテムを買っていただくことで収益を上げるスタイルです。

─── βバージョンを実際に見た限りでは、どのようなアイテムが有料で提供されるのか分かりませんでした。そのあたりは、具体的にどのようになっていくのでしょうか。

Ben Cousins氏: βバージョンにはゲーム内店舗の機能が実装されていませんでしたが、現在開発を進めておりまして、2ヶ月後くらいにはお見せできる状態になると思います。有料アイテムとしては一風変わった物を提供したいと考えておりまして、キャラクターのエモーションアニメーションや、キャラクタ経験値のブースターアイテムなどを準備しています。ですが、提供する国や地域に応じて異なる商品を提供することになると思います。

─── 地域ごとに異なるアイテムを用意するとのことですが、具体的には?

Ben Cousins氏: 例えば、韓国市場では、強力な武器や、ゲーム展開を有利にさせる特殊なアイテムなどが受け入れられやすいと見ています。ですがそれは北米や欧州では受け入れられにくいと思いますので、別の方向性で商品を提供することになります。

─── 韓国のゲームを参考にしたということですが、韓国や日本のオンラインゲームではいわゆる「ガチャガチャ」と呼ばれる、ランダムにアイテムが出現する有料チケットのようなものが大きな収益源となっています。「Battlefield Heroes」でも同様のものを考えていますか?

Ben Cousins氏: 我々の店舗システムには、それに似たサービスを提供できる仕組みを備える事になると思います。興味深いのは、どの地域でそういった方式が有効に機能するかという問題です。おそらく北米では良くないアイディアだと思いますが、他の地域ではうまく行くかもしれませんね。

─── そうすると、北米市場向けのビジネスとしては、客単価を極端に高めていくよりは、広く浅く有料アイテムを利用してもらうという方向性になるのでしょうか。

Ben Cousins氏: はい。我々は「Battlefield Heroes」を、とても広く範囲のユーザーに遊んでもらいたいと考えて、そのため、シューティングゲームに不慣れな人でも安心して楽しめるものに仕上げたつもりです。特に、欧米のユーザーはリアル系のシューティングゲームに飽き飽きしていますから、本作のコミカルなグラフィックを新鮮な気持ちで受け入れてもらえると思います。

FPSファンならば密かに期待せざるを得ない新作「Battlefield Heroes」。今回のインタビューでは、そのゲームデザインやサービス展開のスタイルが明らかになった


■ FPS初心者でも楽しめるゲームデザインで新しいユーザー層の獲得を狙う
 さらにフレンド機能やチーム対抗トーナメント戦のサポートを視野に入れる

従来のシリーズから一転してコミカルになったグラフィックス。しかし軍隊のデザインテーマは結構リアルだ
─── グラフィックスについては、「Team Fortress 2」に近い方向性を感じたのですが、影響を受けた部分もあったのでしょうか。

Ben Cousins氏: 「Battlefield Heroes」は、「Team Fortress 2」と同じ、日本の芸術家にインスピレーションを得たところがあります。しかし我々が「Team Fortress 2」をコピーしたというわけでなく、2つのタイトルは平行して開発されてきましたので、偶然の一致ということです。面白い現象ですね。

─── なるほど。その一方で興味深いのが、映像がイラスト的、コミック的でありながら、登場する陣営が現実のものをモチーフにしているということです。現在は連合軍風の「Royal Army」とナチスドイツ風の「National Army」がゲームに実装されていますが、このあたり、ヨーロッパでの受け入れられにくいということはなかったのでしょうか。

Ben Cousins氏: 確かにそこは繊細な問題ですので、軍隊のデザインについて市場調査の必要が有りました。実際に英国、米国、そしてドイツで調査をしてみたところ、不思議なことにドイツでのウケが一番良いという結果が出ました(笑)。

─── それは面白い傾向ですね。

Ben Cousins氏: 意外にも、「National Army」のデザインに抵抗のある人が多かったのはむしろ米国で、そのためにあまり旧ドイツ軍っぽくしないような工夫を凝らしました。

─── フランスでの評価はどうでしたか?

Ben Cousins氏: 我々の開発オフィスには2名のフランス人スタッフが居ます。ちなみに、ひとりはネットワークコードの実装を担当するシニアエンジニアなのですが、彼らに聞いてみたところ「全然かまわないよ」ということで、問題なく受け入れられていました。

─── コミカル路線を選択したことで、非常に広く受け入れられる手ごたえがあったということですね。

Ben Cousins氏: そのとおりです。

「Royal Army」と「National Army」のデザイン。コミカル路線が功を奏し、ドイツやフランスでも抵抗なく受け入れられたようだ

Cousins氏は、初心者でも楽しめるゲームデザインについて、そのキーとなる要素を語ってくれた。その一方でチーム戦サポートなどコアユーザー好みの要素もサポートされるという
─── 次は初心者の獲得が問題になってくると思います。シューティングゲーム未経験者でも楽しめるようにする工夫としては、どのようなものがあるのでしょうか。

Ben Cousins氏: その点については色々あります。ひとつは、ゲームのプレイ方法を学ぶことができるチュートリアルモードの存在です。また、インターフェースを非常に簡素化して、簡単に使えるようにしました。そしてゲーム的には、一人称視点よりも三人称視点がプレイしやすいという調査結果が出ましたので、本作では自分のキャラクタが見える三人称視点を採用しています。

 また、マッチングシステムには、同じくらいの実力を持つプレーヤーと対戦できるよう、自動的に参加先を調整する仕組みが備わっています。初心者が上手なプレーヤーから一方的にやられてしまうような事をなくし、常に適切なレベルで楽しくプレイできるようになっています。ただβバージョンではテスト規模が小さいためうまく機能していませんでしたが、参加人数が大規模になればうまく機能すると思います。

─── 実際にプレイした際に、飛行機の操作がすごく難しいと感じました。カジュアルユーザー向けにデザインされたという本作ですが、飛行機については結構コアゲーマー向けのバランスですね。

Ben Cousins氏: そのとおりです。理由は2点ありまして、まず、「Battlefield」のエンジンは、とても高度な物理シミュレーションモデルを搭載していますので、実際のところ、飛行機を簡単に飛ばせるようにデザインするのはかえって難しい。

 もう一つの理由としては、我々がそもそも、飛行機の操縦が難しいことは良いことだと考えているためです。飛行機は戦場全体を飛び回って、地上の何にでも攻撃をしかけることができますから、あまりに簡単すぎても問題になります。ですから、プレイでお感じになったことは、我々が望んだとおりの結果です。

─── また、ゲームバランス的には、敵を倒すためにたくさんの銃弾が必要で、戦闘にとても時間がかかるようになっています。このあたりはカジュアル向けを意識した結果でしょうか。

Ben Cousins氏: はい。我々は意識的に、従来のコアゲーマー向けFPSとは別のバランシングを行いました。本作では0.5秒でやられてしまうようなことはありません。そうしないと、プレーヤーが反撃をする機会を奪われてしまうからです。

 戦闘のモデルとしては、「World of Warcraft」のようなMMORPGにおけるPvPを意識しています。戦いにはより長い時間がかかり、運で勝負が決まるのではなく、戦略的な立ち回りが有効になります。敵を倒すには長い時間がかかることもありますが、ダメージを与えるだけでもポイントを獲得できますので、プレーヤーの戦いぶりがしっかりと戦績に反映されます。

─── マッチングシステムについて、プレーヤーの実力はどのような基準で測定されるのでしょうか。

Ben Cousins氏: チェスで使われているelo systemというもと同じアイディアを実装しています。プレーヤーが倒したり倒されたりした際に、互いの戦績統計をもとにスキルレベルを計算するシステムです。相手が強いほど、倒した時の獲得スキルレベルは多くなり、相手が弱ければ低くなります。倒された場合、相手が強い場合は低い損失になり、相手が弱い場合は高い損失になるというものです。

─── もうひとつマッチングシステムについて、私がβバージョンで見た限りでは、参加先のセッションが完全自動で選ばれるため、友達と一緒にプレイすることがで難しそうだったのですが、そのあたりはどう対応するのでしょうか。

Ben Cousins氏: フレンドリストを実装します。その仕組みを使って、友達と一緒に同じセッションに参加することが可能になります。フレンドはスキルレベルに応じたマッチングの仕組みよりも優先されますので、実力差があったとしても、選択した友達と確実にプレイすることができます。

─── あらかじめ結成したチーム同士の対決、ということは可能になるのでしょうか。つまり、FPS用語でいう“クラン戦”の可否は。

Ben Cousins氏: 現在我々はグループシステムという仕組みを開発中です。これはおっしゃるとおり、「Quake」などで言う“クラン”的なものです。この仕組みを使えば、通常のマッチメイキングシステムをバイパスして、トーナメント戦のような特別なイベントを実施することができます。

─── それは面白い機能ですね。本格的なチーム戦が行えるとすれば、プレイに参加しない大勢の人が試合を観戦するような仕組みが欲しくなると思います。そのあたりについてはどうでしょうか。

Ben Cousins氏: 「Battlefield 2」には試合の模様をオンラインでブロードキャストする仕組みがありました。「Battlefield Heroes」では同じエンジンを使っていますので、将来的には、ご指摘の通りの機能を実現したいと考えています。

フレンドとのプレイをサポートする機能や、チーム対抗トーナメントをシステム的に支援する機能が盛り込まれるという。コアなユーザーにも見逃せないタイトルになりそうだ


■ クローズドβで判明した、良好なゲームバランス
 成長要素を踏まえて、長期のプレイに耐えうるコンテンツを目指す

本作ではひとつのキャラクタを継続的にプレイするため、ゲーム中でのクラス変更ができない。対策は?
─── β版を触ってみて気づいたことですが、本作ではプレーヤーのクラスがキャラクタ毎に固定されていますので、プレイ中にクラスを変更することができません。その点では従来のシリーズ作品から自由度が減っていると思われますが、それに対応するゲームシステム的な工夫は行われているのでしょうか。

Ben Cousins氏: そうですね。例えば、戦車から攻撃を受けたときに、対人クラスから対戦車クラスに変更したいということはよくあることです。本作ではクラスを変更する代わりに、全クラスがTNT爆弾という装備を持てるようにしました。これでクラスを変えずに戦車に対処できます。しかし、この点については、まだまだプレーヤーの皆さんへの周知が足りなかったなと感じています。

 またキャラクターの追加アビリティとして、足が速くなる能力などをレベルアップ後に獲得することができるよううになっています。これをうまく活用すれば、「Gunnner」以外のクラスでも、戦車などの強力な乗り物に対して効果的な対応が可能です。

─── プレーヤーがキャラクタを作成する際、どのクラスを選ぶかは全く自由ですよね。そのために、ゲーム中のクラスバランスがおかしなことになるということはないのでしょうか。例えば、ステルススキルを持つ「Commando」クラスが半分以上になってしまうようなことになりませんか。

Ben Cousins氏: 我々は、特定のクラスが優位になることが無いように、非常に注意してクラス間のバランスを設計しました。

 またゲームで実際にどのような比率になっているかを統計しているのですが、面白いことに、「Soldier」、「Gunner」、「Commando」という3クラスの登場比率はほぼ完全に拮抗しており、非常にバランスが取れています。私も「Commando」まみれの状態を想像していましたので、これには大変驚きました。

 各プレーヤーは4つのキャラクタを作成できますので、特定のクラスが多すぎる場合は、別のキャラクターを作ってプレイするような事がよく行われているのだと思います。私の場合は、「Soldier」を使って「Commando」を倒すのが好きです(笑)。

─── 「National Army」と「Royal Army」の間で人数差は出ていますか。

Ben Cousins氏: これも驚きの結果なのですが、βバージョンでは、両者の人数比は49.5%対50.5%という感じで、ほぼ完全なバランスが保たれていました。私はみんなが「National Army」をやりたがると思っていたので、本当にびっくりしました。

─── 各キャラクターのアビリティというのは、全クラスで共通なのでしょうか。それともクラス固有のものが用意されているのでしょうか。

Ben Cousins氏: 各クラスは固有のアビリティを持っています。そして各アビリティはレベルアップに応じてアンロックされていく仕組みです。ですので、各プレーヤーは色々な状況に特化したユニークなキャラクタを作り上げることができます。「World of Warcraft」のような、スキルツリーを想像していただけるといいでしょう。

─── ひとつのキャラクタを最強レベルまで育てるには、どれくらいの時間が必要ですか。

Ben Cousins氏: 数百時間かかるとおもいます(笑)。レベル1からレベル2までは、多分10分くらいで成長すると思いますが、レベルに従って必要経験値がどんどん大きくなっていきますので、最終的にはものすごい時間が必要です。

アビリティは各クラスに固有のものが用意されており、レベルアップを通じて獲得していくことができる。戦場の立ち回りを戦略性の高いものにする上で、非常に面白いフィーチャーになっているようだ


■ 北米サービス開始は来春を予定。
 国柄にあわせたコンテンツの充実を目指し、日本向けアイテムも

地域ごとに適切な形でサービスを展開していくというCousins氏。日本向けにどのようなコンテンツが用意されるか楽しみだ
─── 今後のスケジュールについてお伺いします。北米のサービス開始時期はいつごろを予定していますか。

Ben Cousins氏: 現在はクローズβバージョンにいくつかの改善を施して準備を進めているところです。次のステップである、オープンβサービスを開始できるのは来年早々になると思います。オープンβは全ての人々に開放されますので、どなたでもプレイできます。

─── 有料アイテム販売を含む正式サービスについてはどうでしょうか。

Ben Cousins氏: オープンβの数ヶ月後になると思います。現時点の予定としては、2009年の春先ぐらいですね。

─── 先日、日本を含むアジア圏への展開がアナウンスされました。北米の次にサービスが開始されるのはどの地域になるでしょうか。

Ben Cousins氏: 完全に決まっているわけではないですが、日本はプライオリティが高い地域です。その他としてはタイ、シンガポールといった国々でのサービスを予定しています。

─── そのリストの中に、オンラインゲームの一大市場である韓国が入っていないのは意外ですね。

Ben Cousins氏: 韓国では、Neowizと共同して「Battlefield 2」のオンラインバージョンを準備しています。Neowizとの関係を尊重して、それをまず最初に出したいと考えています。ですので、韓国で「Battlefield Heroes」を提供するのは、その後になると思います。この2つのゲームは対象ユーザーがまったく違いますので、互いにぶつかることはないと思いますけどね。

─── 日本でサービスする際に、日本向けの特別なコンテンツは用意されるでしょうか。例えば、新しい軍隊などの可能性は。

Ben Cousins氏: 開発の当初、我々は4つの軍隊をゲームに登場させようと考えていました。「Royal Army」、「National Army」に加えてあと2つです。ひとつは「Federal Army」といって、米国の軍隊をモデルにしたものです。もうひとつは「Imperial Army」といって、カタナを持った人たちの軍隊です(笑)

 ですがまずは現在実装されている軍隊のコンテンツを充実させていく方向で、日本でのローンチに合わせて日本的なアバターアイテムの追加をしていきたいと考えています。

─── クローズドβバージョンでは2つのマップがプレイできましたが、最終的にはいくつくらいのマップが実装されますか。

Ben Cousins氏: 現時点では、他に3つのマップが開発中です。そのうちいくつかが向こう数ヶ月で使えるようになると思います。プロジェクト全体を通してマップ制作者がフルタイムで新マップの制作に取り組んでいきますので、その後も数ヶ月毎に新しいマップを提供します。追加のマップは全ユーザーに無料で配信されます。

アバターアイテムが個性的なキャラクタを演出する。コミュニティの声に答えてコンテンツを追加していくそうだ
─── ビジネス的にはアバターアイテムが非常に重要な収益源になると思いますが、サービス開始後、どんどん新しいアイテムが追加されてくと期待できますか。

Ben Cousins氏: はい。

─── そのためのにどのような開発体制をとっていくのでしょうか。

Ben Cousins氏: 恒久的な開発体制として、リリース後も26名のスタッフがフルタイムで取り組んでいきます。その中で特に重要なポジションのひとつが店舗マネージャーです。コミュニティマネージャーとの密接なやり取りを通じて、どのような有料アイテムを用意していくかを決めていきます。

─── なるほど。今後さらにゲームのプレイボリュームを増していくために、例えば新しいクラスを追加するようなアップデートはあり得るでしょうか。

Ben Cousins氏: はい。開発を継続的に続けていくなかで、可能性としては、新しいクラスや、新しい軍隊、新しい車両、新しいマップといった拡張を加えていくことになります。それにあたり、まずはコミュニティの意見に耳を傾けて、何が一番望まれているかを調査して進めていきたいと思います。

─── オンラインゲームビジネスでは、オープン直後の数ヶ月にどれだけのユーザーを獲得できるかという、いわゆる“初速”が重要だと言われています。そのための特別な施策は考えていますか。

Ben Cousins氏: 地域ごとに最適なサービスパートナーを見つけて、土地柄に応じたプロモーションを展開していきたいと考えています。

─── 北米では、米Electronic Artsがサービスを行うのでしょうか?

Ben Cousins氏: いいえ、米国でも特別なサービスパートナーを見つけたいと思っています。本作のような“Play 4 Free”タイトルでは、充実したオンラインゲームポータルの存在が非常に重要になってくるからです。

─── 正式サービス開始後の展開として、例えばゲーム機用の「Battlefield Heroes」はあり得るのでしょうか。

Ben Cousins氏: 可能性としてはありますが、本作の場合、Webサイトから直接ゲームの中へ入っていくという仕組みが主要なパートを占めていますので、現在のところはPCだけを対象に考えています。

 また本作は非常に低いスペックのPCでも動作します。ゲーム機を所有している大多数のユーザーがそういった水準以上のPCを所有していると思いますので、ゲーム機に移植するまでもなく、多くのユーザーにきちんと届く製品になるはずです。

展示バージョンは特別に日本語化されていた。本作のUIプログラマーは日本人だそうだ
─── 今になって気づいたのですが、こちらに展示されている画面は日本語化されていますね。

Ben Cousins氏: はい。東京ゲームショウのために特別なバージョンを作成してきました。実は、本作のユーザーインターフェースを担当しているプログラマは日本の方で、簡単に日本語バージョンを作成することができました。

─── なるほど、本作の日本展開がますます楽しみになりました(笑)。最後に、「Battlefield Heroes」に期待を寄せている、たくさんの人々に向けてメッセージをお願いします。

Ben Cousins氏: 当初予定より若干の遅れが生じていますが、もうしばらく忍耐づよくお待ちください。本作を非常にすばらしいゲームにしたいと思い、さらなる開発努力を続けています。無料でプレイできるゲームになりますので、ぜひサービス開始を楽しみしていてください。

─── インタビューにお答えいただきありがとうございました。

Ben Cousins氏: 興味深い質問をありがとうございました。


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□エレクトロニック・アーツのホームページ
http://www.eajapan.co.jp/ja-jp/
□関連情報
【2008年10月11日】エレクトロニック・アーツブースレポート その2
リアルサッカーゲームの本命「FIFA09」は10人同時対戦台を設置  「Battlefield Heroes」新情報も
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20081011/ea2.htm
【2008年10月10日】エレクトロニック・アーツブースレポート その1
「Mirror's Edge」、「NFS: Undercover」ほか、期待の新作ゲーム多数がプレイアブル展示
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20081010/ea.htm
【2008年10月3日】オンラインゲームファーストインプレッション「Battlefield Heroes」
http://watch.impress.co.jp/docs/20081003/bfh.htm

(2008年10月12日)

[Reported by 佐藤カフジ]



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