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会場:幕張メッセ1~8ホール
入場料:1,000円(一般/前売り)、1,200円(一般/当日) 中でも台湾は積極的だ。パビリオンは出展企業各社が細かくブースを構え自社をアピールするという形式で行なっている。昨年までは白い簡素なブースで日本の企業向けにモニタで自社の製品をアピールする、というブースが多かったが、今年は壁を飾り立てたり、ポスターを貼ったりと、「どんな企業か、どんな製品を作っているか」がはっきりわかる。 カナダはカナダ大使館が中心となり、企業向けのアピールを熱心に行なっていた。ビジネスデーには通訳スタッフを多く配置し、コンタクトを希望する来場者は通訳を通して各企業の説明を聞くことができた。カナダは北米企業のマルチプラットフォーム戦略を受け、DSやPSP版を制作したり、Xbox 360やPS3のダウンロードコンテンツを制作するといったメーカーも多かった。今回は、この2国のパビリオンを紹介したい。
■ “乗ることができる”試遊台もたくさん。元気よくタイトルをアピールする台湾ブース
「パラセ・ロルンペ」は箒に乗った魔法使いが戦う、というコンセプトのオンラインシューティングゲーム。プレーヤーは魔法使いを操作し、他プレーヤーと魔法を撃ち合う対戦を行なう。アーケード向けとして作られており、プレーヤーは箒型コントローラにまたがり、柄の先についている十字キーとボタンで移動する。魔法はタッチパネルとなっているスクリーンを操作してカードを選択することで発動させる。カードを選択すると画面に魔法文字が表示される。これを画面を触りなぞることで発動、強力な攻撃を繰り出す。 昨年出展されたものは開発中の部品を組み合わせたものだが、今回は箒や椅子の部分もプラスチックで成型され、きちんとした製品版の筐体が出展されている。台湾は法律での規制のため、台北ではゲームセンターはほとんどないが、MEGA NET&TECHのある高雄はゲームセンターも多く、「パラセ・ロルンペ」は現在高雄を中心に80台以上の筐体が稼働している。年末までにはさらに200台以上出荷したいとのことだ。 「パラセ・ロルンペ」の筐体にはメモリーカードスロットがあり、ここにメディアを挿入することでプレーヤーデータを保存できる。このデータは公式ページから配布しているクライアントソフトをPCで使い、メディアを読み込むことでアバター要素を楽しめる。ゲームをプレイすることでポイントを貯めることができこのポイントを使って様々な衣装を買うことができるという。筐体とPCを連動させた要素も今後増えていくとのこと。日本の企業も興味を持っているとのことで、今後の展開が楽しみである。
「ソーサリアンオンライン」をはじめとして様々なコンシューマゲーム、オンラインゲームを開発しているXPEC。最近はActivisionから発売された「カンフー パンダ」を様々な機種向けに開発したという(日本未発売)。今回、XPECは中国で12月にオープンβサービス予定のMMORPG「Canaan」を出展していた。 この「Canaan」の最大の特徴は“IEなどのブラウザでプレイできるMMORPG”というところだ。フラッシュで作られていながら、2DタイプのMMORPGと同じ感覚でプレイできる。かわいいキャラクタデザインが魅力で、クリックだけの簡単操作という、間口の広い設計になっている。 また、地域マップを呼びだしクリックするだけでその場所に移動したり、モンスターからは自分で戦闘を仕掛けないと襲われないなど、のんびりプレイできるようになっている。砂漠や鉱山、城のある平原など広大な地域がすでに実装されている。
ペットシステムも実装されていて、一緒に戦うだけでなく、違うスロットに入れればそのペットに応じた能力値がアップしたり、“火に強くなる”といった特性が付与される。熊とドラゴンを掛け合わせる、といった配合システムも実装されており、友達とトレードすることもできるという。日本での展開はまだ未定で、一見オーソドックスな印象も受けるが、ブラウザ上で本格的なMMORPGが楽しめるという要素には注目したい。今後の展開も期待したいところだ。
■ 「欧米のゲーム」で1くくりにはできないカナダのデベロッパーが生み出すゲーム
Benoit氏によれば、ゲーム開発において支援を受けていると感じるようになったのは7~8年前からだという。他のメーカーでも「ゲーム開発者を夢見る子供達が多い」という意見も聞けて、カナダの大きな産業としてゲーム開発は注目され、社会的にも認知されているようだ。カナダ大使館はここ数年積極的に日本のゲームイベントに参加し、カナダのメーカーをアピールしている。Benoit氏はこの流れについては、「ゲームの母ともいえる日本でカナダのゲームをアピールしたいという思いがある」とのことだ。 「カナダらしいゲームとはどんなものか」といういささか抽象的な抽象的な質問をしてみたが、Benoit氏は眉間にしわを寄せて「それは難しい問題だ」と答えた。「私達は日本のコミックスを“Manga”と捉えて1つにしてしまうように、私達が作るゲームも、北米の開発者が作るゲームと同一視されかねない。あえて言うならば、アーティスティックな部分で違いがあり、独特の感性を持つ開発者が育っている、というところだろうか」と1つ1つ言葉を選びながら答えてくれた。 「Assassin's Creed」を制作したのはUBISOFTのモントリオールスタジオだ。今回パビリオンに出展したメーカーの中にも開発は担当しているが、北米や欧米のメーカーから発売されているタイトルが多い。“カナダらしさ”というのは限られた欧米タイトルしか触れていない筆者もまだわからない。今後できれば気をつけていきたいテーマである。
ユニークな試みをしていたのがアルバータ州のブースに出展していたredengineというメーカーだ。低年齢層を対象にした「CIE」という教育要素のあるゲームをサービスを行なっている。このゲームではプレーヤーはCIEというスパイ組織のエージェントとなり、様々なミッションに挑戦する。クライアントをダウンロードして購入し、料金を支払うとCIEの刻印がなされたバッジが送られてくる。 ミッションは「恐竜を調べろ」といったもので、博物館や図書館に実際に行って調べる必要もある。redengineは博物館と提携しており、プレーヤーがCIEバッジを見せると博物館はミッションをクリアする手助けをしてくれる。入場料もただになるという。博物館では正解を得ると共に、コードを与えられることもあり、それによって新しいミッションがスタートすることもある。 「CIE」はストーリー要素も取り入れられていて、プレーヤーの他にも何人かの仲間が共にミッションに挑んでいる。彼らは特殊能力の持ち主で、例えばタイムトラベルができたりする。時間旅行のできる友達が行方不明になるときのヒントを元にその時代を探すなど、仲間と関係したミッションもあるという。
日本では欧米のゲームはもちろん韓国や中国、台湾のゲームもプレイできるようになり、ゲームから“お国柄”といったものを感じる機会も多くなった。北米とヨーロッパというカテゴリーわけだけでなく、「どの国のスタジオで作っているゲームなのか」という視点でゲームをプレイすると、新しい視点が開けるかもしれない。
□コンピュータエンタテインメント協会(CESA)のホームページ (2008年10月10日) [Reported by 勝田哲也]
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