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東京ゲームショウ2008現地レポート

エレクトロニック・アーツブースレポート その2
リアルサッカーゲームの本命「FIFA09」は10人同時対戦台を設置
「Battlefield Heroes」新情報も

10月9日~12日 開催(9日、10日はビジネスデイ)

会場:幕張メッセ1~8ホール

入場料:1,000円(一般/前売り)、1,200円(一般/当日)
    小学生以下は無料


 10日の1本目のブースレポートに引き続き、海外系最大手のゲームパブリッシャーであるエレクトロニック・アーツのブース情報をお届けしたい。

 ブース内で展示されていたタイトルのうち、3作品が「FIFA」の名を冠するサッカーゲームだ。その内訳は、PS3/Xbox360「FIFA 09 ワールドクラスサッカー」を筆頭に、Wii「FIFA 09 オールプレイ」、そしてPCオンライン用の「FIFA ONLINE 2」となっている。開発者からの情報も得られたので詳しくお伝えしよう。

 また基本プレイ無料のオンラインFPS、「Battlefield Heroes」が参考出展されていた。北米での先行サービスが予定されているこの作品については、今回のゲームショウに合わせ、日本を含むアジア圏でのサービス予定が正式発表されている。本稿ではこのあたりについてもご報告したい。


■ リアル系サッカーゲームの注目作「FIFA 09 ワールドクラスサッカー」。その全貌をご紹介

「FIFA 09」コーナー。10人対戦の試遊環境もあり、大勢の来場者がプレイしていた
「PROカメラ」視点でのプレイは臨場感たっぷり。シチュエーションに応じて、カメラの寄せ、引きが動的に変わる
 EAブース内で最大規模の試遊台コーナーが設置されていた「FIFA 09 ワールドクラスサッカー」は、今期のエレクトロニック・アーツがイチオシする最新サッカーゲームだ。本作最大の目玉は何と言っても、フィールド上の選手ひとりびとりを各プレーヤーが専任で操作できるという10対10のオンライン対戦だ。

 このモードは、オフラインでひとりの選手を操作する「BE A PRO」モードをオンライン対戦用に拡張したもので、「PROカメラ」と呼ばれるカメラモードと併用すれば、ひとりの選手として実際にピッチ上に立ったかのような臨場感で、リアルなサッカー体験が堪能できる。

 前作「FIFA 08」で5対5のオンライン対戦がサポートされてから1年、同時対戦人数が2倍に拡張され、全フィールドプレーヤーを人間ががプレイできるようになったわけだ。ブース内の試遊コーナーにはオンライン接続されたプレイステーション 3が10台設置され、この対戦モードを一足早く味わえる環境が用意されていた。サッカーゲームに関心のある方は是非EAブースに足を運んでみよう。

 また「FIFA 09」では多方面の改良が行なわれている。EAカナダのシニアプロデューサー、マキタ カズヤ氏によれば、前作からの改善点は250にも及ぶという。その中でも大きな改善点としては、上記の10対10オンライン対戦対応のほか、AIの劇的な改善や、選手アニメーションの追加・調整など、コアなゲームプレイ部分だけも多岐にわたっている。

 AI面では本作で新しく「カスタム戦術」というシステムが取り入れられている。チームのAI選手がどのように戦術を組み立てていくかを、ビルドアップ、チャンスメイクといった局面毎に、パスや飛び出しの頻度を細かく調整できる仕組みだ。マキタ氏はこの機能について、「この機能を使って試合を眺めるだけでも面白いかもしれません」と自信たっぷり。

 アニメーション面では、フィジカルコンタクトの改善に大きな労力が裂かれたという。具体的には、選手同士が接触したときに、体を入れる動きや、スライディングに対応してよろける動きなど、実際のサッカーで起こりうる動作を徹底して再現したという。判定には物理的な運動量も計算に入れられており、単なるアニメーションパターンの数では語れないほど、選手の動きが複雑に処理されている。

ソロプレイ用の試遊台。「BE A PRO」だけでなく、全選手をひとりでコントロールするモードでも沢山の改善が感じられる
 ソロプレイ向けの新機能としては「BE A PRO シーズン」モードが導入される。このモードでは、前作では1試合しかできなかった「BE A PRO」モードを、ひとりの選手として4シーズンを戦うことができる。既存の選手だけでなく自分で作成した選手でもプレイでき、最終目標のひとつは「FIFA最優秀選手」に選ばれること。序盤ではベンチスタートになることもあり、監督に呼ばれるまで試合を眺めているだけということもあるそうだ。

 また本作からの新機能「ADIDAS ライブシーズン」の機能を利用すれば、現実に行なわれた試合の内容を、ゲーム内の各選手の調子に反映させることが可能になる。最新の試合で大活躍した選手が、ゲーム内でも最高のパフォーマンスを発揮してくれるわけだ。マキタ氏によれば「結構、激しく反映されます」とのこと。ちなみに、怪我による長期離脱は「とても調子が悪い状態」として扱われるため、お気に入りの選手が全く使えなくなることはない。

 さらに本作では、プレーヤーが集まって最大50人のチーム「クラブ」を組むことができる。クラブ単位でオンラインの試合ができるほか、トーナメント機能がシステムでサポートされているそうだ。さらに所属プレーヤーの戦績は事細かに記録されていくので、ますます気合いを入れて試合に臨むことになりそうだ。

 なお、現在北米だけにあるというオンライン対戦用のサーバーについて、日本にもサーバーを設置する可能性があるかどうか、日本のプレーヤーとして気になるところだ。マキタ氏はこれについて言葉を選びつつ「可能性がないわけではないが、サーバーインフラに関する問題となるため、他のEAオンラインタイトルと足並みを揃えながら考えていきたい」と答えてくれた。

 リアルサッカーゲームの決定版といえるプレイステーション3/Xbox 360用「FIFA 09 ワールドクラスサッカー」は、11月13日に発売予定とアナウンスされている。

【FIFA 09 ワールドクラスサッカー(PS3/Xbox360)】
11月13日に発売予定のPS3/Xbox360「FIFA 09 ワールドクラスサッカー」は、10対10のオンラインマッチのほか、AIの劇的な強化や「BE A PROシーズン」モードなど、大きな新要素が目白押し


■ 簡単操作でサッカーの面白さを体験できる「FIFA 09 オールプレイ」

「FIFA 09 オールプレイ」の試遊台。Wiiリモコンを使う直感操作や、クラシックコントローラでの操作など、プレーヤーの好みに応じて選べる
リアルな「サッカーマッチ」と、コミカルな「8v8 Footiiマッチ」を選択してプレイできる
 EA SportsブランドがWiiを対象に展開する「オールプレイ」コンセプトは、スポーツゲームの醍醐味を、複雑な操作を必要とすることなく楽しめるものにしよう、というものだ。

 今回EAブースで「FIFA 09 ワールドクラスサッカー」と共に出展されていた本作「FIFA 09 オールプレイ」は、他機種版とは全く異なるゲームデザインを導入し、老若男女誰もが楽しめる内容となっている。

 最大の特徴は、1チーム11人のリアルな選手が登場する「サッカーマッチ」のほかに、WiiのアバターであるMiiを使ってサッカーを対戦できる「8v8 Footii マッチ」というゲームモードを備えることだ。後者のゲームモードでは、名前の通りピッチ上の選手は8人対8人となり、自分のMiiを登場させることができる。

 また本作で面白いのは、操作系統が3種類用意されていることだ。最も複雑な操作モードでは、他機種版の「FIFA 09」と同じように、クラシックコントローラを使った本格的な操作がサポートされる一方、他の方法を選ぶとWiiリモコンを使って画面上をポイントしてパスを出すといった操作も使用できる。

 さらに、サッカーそのものに不慣れなプレーヤーのため、選手の操作をAIが担当してくれるアシスタントモードを備えている。このモードではプレーヤーが選手の細かい動きを制御する必要はなく、パスボタンとシュートボタンだけを押せば良いという簡単操作だ。

 マルチプレイ機能としてはコントローラ複数接続での4人対戦までをサポートしており、2対2での対決や、1チームを4人で操作してコンピュータチームと対戦することもできる。

 また、各プレーヤーが異なる操作系統を使ってプレイすることが可能だ。つまり、サッカーゲーム上級者はクラシックコントローラで全てを制御しつつ、不慣れなプレーヤーはアシスタント機能を使ってパスボタンとシュートボタンだけでプレイ。AIがしっかりとプレイをサポートしてくれるため、上級者が手加減しなくても両者間の対戦が成立するという。

 まさに老若男女、誰でもサッカーゲームの面白さを体験できる「FIFA 09 オールプレイ」は、Wii向けに11月13日に発売予定。サッカーを知らない人に魅力を伝えるためのコミュニケーションツールとしても活躍するかもしれない。

【FIFA 09 オールプレイ(Wii)】
誰でも楽しめるという「オールプレイ」コンセプトに基づき、多様な操作方法を取り入れた「FIFA 09 オールプレイ」。サッカーゲームが苦手な人でもチャレンジしてみる価値がありそうだ


■ 無料で遊べるオンラインサッカーゲーム「FIFA ONLINE 2」。ゲームパッド対応も完了!

EA Singaporeのスタッフ自ら、「FIFA ONLINE 2」について紹介してくれた
展示は小規模だったが、韓国では既に500万を超えるユーザーを獲得している本作。日本での正式サービス開始が楽しみだ
 FIFAフランチャイズの展示3作目は、PC用オンラインサッカーゲームとして日本国内での正式サービスを控えた「EA Sports FIFA ONLINE 2」。こちらは小規模な展示に止まっていたが、気になる情報をいくつか聞くことができたのでご紹介しておきたい。

 本作「FIFA ONLINE 2」は、米Electronic Artsと韓国Neowizの共同開発によるオンラインサッカーゲーム。韓国ではNeowizによる正式サービスが開始されているが、日本ではGameonが運営を担当することになり、9月16日から29日にかけてクローズドβテストが行なわれたばかり。現在はオープンサービスに向けての開発が進められている最中だ。

 本作の紹介を行なってくれたEA Singaporeのスタッフによると、主だった開発業務はシンガポールで進められているという。開発に当たっては、地域ごとの差異を重視し、各国のプレーヤーからのフィードバックをもとに各国版の「FIFA ONLINE 2」を制作しているとのことだ。

 日本向けのメジャーアップデートとしては、要望の多かったゲームパッドへの対応を果たした。ゲームパッドでの操作方法は「FIFA 09」のデフォルト設定とほぼ同等で、アナログスティックを使ったスキルムーブコマンドも利用できる。カスタマイズも可能とのことなので、他のサッカーゲームからの移行に問題はなさそうだ。

 また正式サービスに向けた有料アイテムのデザイン等については、日本での運営を担当するGameonとの連携や、日本を対象にした市場調査に基づいて進めているとのことだ。具体的な内容については明らかにされなかったが、選手性能やユニフォーム関連、チームマネジメントに関わる部分など、可能性としては広範囲に検討しているという。

 今後のアップデート方向に関して、試みに「FIFA09」のように「BE A PRO」ライクなゲームモード、もしくはカメラモードが追加されるかを問うたところ、残念ながら「考えていない」とのこと。担当者によれば「FIFA ONLINE 2」の開発はパッケージ版と全く別系統だとのことで、このため進化の方向も違ったものになっていくようだ。

【EA Sports FIFA ONLINE 2(PC)】
ゲームパッドへの対応を果たし、他のサッカーゲームからの移行が容易になった「FIFA ONLINE 2」。今後も日本市場に合わせた改良を施していきたいという


■ 期待のカジュアルFPS「Battlefield Heroes」。日本展開が正式発表!

「Battlefield Heroes」のコーナー。日本展開が正式に発表され、今後が楽しみなタイトルだ
 PC用オンラインFPS「Battlefield Heroes」を最後にご紹介したい。ブース内の設置台数は2台だけと、小規模な展示ではあったが、大ヒットFPSシリーズ「Battlefield」の開発元であるEA DICEが制作する作品であるだけに、非常に期待できる新作だ。

 現在の「Battlefiield Heroes」は、ごく小規模なクローズドβテストを終えたばかりで、オープンβテストに向けての開発が続けられている。最初のターゲット市場は北米で、米Electronic Artsの北米市場向けタイトルとしては初の「基本プレイ料金無料」のオンラインサービスとなる。

 そして今回、東京ゲームショウ2008の開催に合わせて本作の日本展開が正式発表された。サービス提供地域として挙げられている国名は日本、タイ、シンガポール。サービス提供時期は2009年とされ、ビジネスモデルはアイテム課金を予定する。地域ごとの差異に基づき、各国独自の有料アイテム体系が用意されるとのことだ。

 運営パートナーについてはサービス提供地域ごとに異なるものになるとされており、現在のところ日本の運営パートナーは明らかにされていない。まずは北米でのサービスが開始されたのち、どのような発表が行なわれるかを見ていきたい。本作については今後も継続的にレポートしていく予定だ。

【Battlefield Heroes(PC)】
日本を含むアジア圏でのサービス展開は2009年になると発表された。ユニークなグラフィックと「Battlefield」シリーズの伝統に裏打ちされたゲーム性で、大いに話題を呼ぶ作品になっていきそうだ。まずは北米での状況を見守っていきたい



□エレクトロニック・アーツのホームページ
http://www.eajapan.co.jp/ja-jp/
□関連情報
【2008年10月3日】エレクトロニック・アーツブースレポート その1
「Mirror's Edge」、「NFS: Undercover」ほか、期待の新作ゲーム多数がプレイアブル展示
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20081010/ea.htm
【2008年10月3日】オンラインゲームファーストインプレッション「Battlefield Heroes」
http://watch.impress.co.jp/docs/20081003/bfh.htm

【2008年9月25日】オンラインゲームファーストインプレッション「FIFA ONLINE 2」
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20080925/fifa.htm

(2008年10月11日)

[Reported by 佐藤カフジ]



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