|
会場:幕張メッセ1~8ホール
入場料:1,000円(一般/前売り)、1,200円(一般/当日) その中で、サイバーステップや、フェイス、デルカマダスなど12社が参加し、「PCオンラインゲームコーナー」として出展していた。日経WinPCや、シマンテックなどはブースに製品のアピール用の資料を設置しているだけというメーカーもあり、コーナー全体の活気はあまりなかったが、ユニークな取り組みをしたり、積極的に自社をアピールするしているメーカーもあった。 今回このブースで最も元気が良かったのがサイバーステップだ。正式サービス予定のオンラインゲームのアピールだけでなく、サイバーステップ初のコンシューマタイトル「ゲットアンプドDS」の試遊台を設置、さらに自社で制作したコミックを配布するなど、積極的に来場者にアピールしていた。「ローズオンライン」をサービスするフェイスも、小規模ながら独自路線を歩む「ローズオンライン」を紹介していた。本稿では、特にこの2社をピックアップする。それ以外にも自社のユニークな取り組みをアピールするメーカーもあり、そちらはまとめた形で紹介したい。
■ 「ゲットアンプドDS」を初出展。コミックに新タイトルと挑戦をアピールするサイバーステップ
今回、サイバーステップ出展の目玉となるのが任天堂DS向けの「ゲットアンプドDS」の出展だろう、試遊台は1台のみだが、プレイアブルの形で出展されており、ユーザーは実際にシングルプレイでのクエストをプレイすることができる。 方向キーでキャラクタを動かし、ボタンで技を出す。Xボタンで強攻撃、Yボタンで弱攻撃、Lでガードなど「ゲットアンプドR」のエッセンスをDSにスライドさせている印象だ。使用キャラクタは「ゲットアンプドR」のイラストなどで中心に描かれることが多い格闘家の“ジャッキーのぼる”だ。クエストモードは出てくる敵を倒していくと面が進むというルールだ。 ところが、このゲームが意外に難しい。技のリーチやタイミングがつかめず、1ステージもクリアすることなく倒されてしまった。キャラクタの間合いや効率のよい技の当て方など、少し練習を積まないと戦えない感じだ。まだバランスの面でも調整が必要な印象だが、腕に覚えのあるプレーヤーの挑戦心を煽るバランスとも言える。 出展された「ゲットアンプドDS」の完成度は60%ほどで、2009年発売を予定しているとのことだ。最大のセールスポイントは通信対戦で、本作では最大4人の戦いを可能にしている。DSを持ち寄っての通信対戦だけでなく、Wi-Fiを通じてのオンラインでの対戦も可能だという。 「ゲットアンプドDS」は原型となる「ゲットアンプドR」の良さを盛り込み、タッチペンを使ったスキンエディットも可能にしている。スキンを自作し自分だけのキャラクタで戦えるのは「ゲットアンプドR」の大きな特徴だ。「ゲットアンプドDS」でも自分だけのファイターを作ることができるとのことだ。 また、シングルプレイ用にクエストモードも充実する。様々な課題に挑戦し技を磨くことができる。クエストを進めていけば武器や装備アイテムも入手して戦いの幅が広がる。DS独自のプレイスタイルの模索していくことが可能だ。オンラインとの連動は、通信対戦の他、「ランキング」を集計し、「ゲットアンプドR」の公式ページに「DS版ランキング」として表示することも考えている。 マップ、装備、アイテム、さらにDS版独自のキャラクタのクラスも開発が進められている。ただの移植ではない、オリジナルの要素を盛り込むべく鋭意制作中とのことだ。スクリーンショットも合わせて掲載したい。 「ゲットアンプド2」と「コズミックブレイク」の2本の新タイトルに、さらに「ゲットアンプドDS」、そしてコミックと、今回の出展ブースからは「スタッフが求める新しい試みをどんどんやってみよう」というエネルギーを強く感じる。
サイバーステップのこの勢いは国内ではあまり評価されなかった「ゲットアンプドR」が、韓国や台湾、中国をはじめとした多くの国々で高い人気を博したという、他の日本メーカーとはひと味違う成功が原動力になっている。現在の日本では希有な存在のオンラインゲームメーカーである。今後のオンラインゲームの発展、という視点の上でも注目していきたい。
■ ガチャピンがパトラッシュに乗って爆走!? 独自の方向性へ進化するフェイスの「ローズオンライン レジェンド」
今回フェイスは試遊台2台という小規模ながら、自社開発ならではの特徴をユーザーにアピールしていた。現在、「ローズオンライン」は「ローズオンライン レジェンド」とタイトルを変え、アイテム+月額のハイブリット課金での運営を行なっている。 現在、「ローズオンライン レジェンド」の最大の特徴がアバターである。自社開発の強みを生かし、様々なコラボレーションを行なったアイテムを販売している。そのコラボレーション先がユニークだ。「世界名作劇場」、「未来少年コナン」、「フジテレビ」など、多くの人が知っているブランドなのだ。 具体的にはアニメ「未来少年コナン」の主人公コナンが着ていた、ランニングとズボンと、モリをプレーヤーキャラクタが装備することができたり、ガチャピンやムックの服、さらには「世界名作劇場」の「フランダースの犬」のパトラッシュ型の車などを購入することができる。 また、フィギュアメーカーと提携し、明智光秀や上杉謙信など歴史上の武将達がまとった鎧をディフォルメしたキャラクタをペットのように連れ歩くことができると言った、コラボレーションを反映した商品展開を積極的に行なっている。 「ローズオンライン」は車やロボットに乗ることができたり、惑星の支配をユーザー達で争ったりと多彩なゲーム性を持った作品だった。しかし、開発のペースが進まず、惑星後とのコンセプトがはっきりしなかったり、プレーヤーのレベル格差が大きくなってしまったり、何よりも初期に提示した「7つの星」というテーマを実現できないまま韓国でサービスが終了してしまった。
開発も引き継いだフェイスでは、まず7つの星の実装を目標とし、より楽しいプレーヤー社会の実現や、ゲーム性の提示といった根幹のシステムへの挑戦も行なっていくという。アバターは見ただけで強く興味を引かれるラインナップなのが面白い。今後ゲーム性においても独自の進化を期待したい。
■ 独自色を出すメーカーも見えるが全体的に地味な印象。土日にはオンラインゲームのステージイベントも
様々なゲーム開発の実績のあるマイクロビジョンは、コミュニティサービス「ViZiMO」を展示。このサービスは、3Dのアバターを通じてコミュニケーションが楽しめるだけでなく、サービス内のツールを使うことで簡単なゲームを作ることが可能という特徴がある。現在はヒューマンアカデミーの教材としても使われ、学生達がゲーム作りの基礎をこの作品で学んでいるという。 全体的に各ブースは小規模で、華やかな出展を行なっている大きなブースに比べる地味だ。BtoBを目的として一般ユーザーにはあまりアピールしていないメーカーも多い。明日以降の一般来場者がTGSのパンフレットを見て、「PCオンラインゲームコーナー」という名前に興味を持って訪れるととまどいを感じてしまうかもしれない。ユーザーを積極的にもてなそうと気合いをみなぎらせているのはサイバーステップ一社のみ、という印象を受けたのが正直なところだ。
このブースにはステージがあり、土日にはNHN Japanやゲームポットなどオンラインゲームメーカーが、ユーザー向けのイベントを積極的に開催する。大手メーカーのブースこそないものの、このコーナーでは、様々な取り組みを行なっておりオンラインゲームの幅広さを感じさせる。イベントはもちろん、各コーナーも一度訪れてみてはいかがだろうか。
□サイバーステップのホームページ [Reported by 勝田哲也]
また、弊誌に掲載された写真、文章の転載、使用に関しましては一切お断わりいたします ウォッチ編集部内GAME Watch担当game-watch@impress.co.jp Copyright (c) 2008 Impress Watch Corporation, an Impress Group company. All rights reserved. |
|