【東京ゲームショウ2008レポート】

入場料：1,000円(一般/前売り)、1,200円(一般/当日)
　　　　小学生以下は無料

　マーベラスエンタテイメントブースでは、合計12タイトルものバリエーションに富んだ作品をプレイアブル出展（※発売中のSP版「一騎当千」も含む）し、初日のステージイベントでは映像出展のみとなる各種新作の発表を行なった。

　同社の定番シリーズである「牧場物語」の最新作に目を引かれる一方、ステージにはかつて「アクアノートの休日」や「巨人のドシン」などの名作を手掛けたた飯田和敏氏が、マーベラスエンタテインメントの和田氏とともに登場するサプライズがあり、両氏がWiiウェア用の新作ソフト「ディシプリン 調律帝国」を開発中であることが明らかになった。さらに海外来場者向けのイベントでは、グラスホッパー・ マニファクチュアの須田剛一氏も登場し、「ノーモアヒーローズ」の続編も合わせて公開するなど、初日早々数多くの話題を提供していた。

　なお、同社ブースには開催初日に取材したもの以外にも未発表のタイトルがほかにもまだ存在するもよう。こちらはその詳細が判明したところで、また追ってお伝えしたい。

■ 「朧村正（おぼろむらまさ）」　（Wii：2009年発売予定）

　元禄時代の純和風な世界観が特徴のアクションRPGで、プレーヤーは抜け忍の鬼助かヒロインの百姫いずれかのキャラクタを操作して、敵の忍者や妖怪などを倒していく。攻撃はAボタンで刀を振ってダメージを与えるのが基本で、吹っ飛ばした敵はジャンプしながら空中攻撃で、ダウンしたときは下突き（方向キーの下+攻撃ボタン）で連続コンボをつなぐこともできる。武器ごとに異なる強力な必殺技を使用することも可能で、複数の敵をまとめて倒したりすると爽快感が非常に高い。複雑な入力コマンドなどがまったくなく、操作が簡単なのでアクションゲームが苦手な人でも特に困ることはないだろう。

　出展バージョンではアクションパートのみプレイ可能となっていたが、これを遊んでいるだけでも十分に楽しめた。製品版ではストーリーといったいどのように組み合わさってゲームが展開されるのかが非常に楽しみな作品であり、筆者としても今回の同社ブースの中でもイチ押しとしたい作品である。スクリーンショットが諸般の都合上掲載できないのが非常に申し訳ないが、製品版の発売までぜひ期待して待っていただきたい。

　ちなみに本作品は合計3台出展されていたが、初日午後の時点で30分以上の待ち時間が発生するほどの人気を博していた。一般公開日に来場を予定している人は、なるべく早めに並んでおくことをおすすめしたい。

【「朧村正（おぼろむらまさ）」】
アクションパートだけでも十分楽しめた「朧村正」。これから会場へ行かれる方は、簡単操作で連続ヒットする爽快感をぜひ体験していただきたい

(C)Marvelous Entertainment Inc.

■ 「アヴァロンコード」　（DS：11月1日発売予定）

　主人公のユミル（ヒロイン選択時はティア）とともに新たな神話の世界を紡ぐというRPG。ゲームのキモとなるのが「預言書」の存在で、新たな武器やアイテムを探し出したり、敵のモンスターの弱点などの情報を収集する際などに使用する。預言書を直接対象物にぶつけることでさまざまなデータが瞬時に記録され、いろいろなデータを集めることで本の価値（通常のRPGで言うところのレベル）がアップするようになっている。

　会場ではわずかな種類の敵とアイテムでしか確認できなかったが、預言書による従来のRPG作品では見られなかったその名も「コードスキャンシステム」はプレイしていてとても新鮮で、特に敵の情報ページに書かれた情報を、タッチペンを使って書き換えることで敵を弱体化させることができるアイデアはとても面白かった。

【「アヴァロンコード」】

(C)2008 Marvelous Entertainment Inc.

■ 「アークライズ ファンタジア」　（Wii：今冬発売予定）

　3DマップのRPG。プレーヤーは3人パーティのキャラクタを操作し、バトル時は1人ずつ武器攻撃や光召（魔法）などのコマンドを入力して敵と戦うようになっている。バトルコマンドを入力後、その組み合わせや装備品の属性などの愛称によって「連携技」が発動することがあり、これが出ると通常よりもはるかに強力な攻撃を繰り出すことが可能。いろいろな連携の発動条件を研究することで、ゲームの楽しみがさらに増していくことだろう。

　なお、会場では「バトルエディション」、「ストーリーエディション」の2種類のバージョンが出展され、前者は強力なボスキャラとの対戦が、後者はオープニングムービーと主要キャラとの出会いの場面をプレイできるようになっていた。

【「アークライズ ファンタジア」】
(C)Marvelous Entertainment Inc.

■ 「牧場物語 ようこそ! 風のバザールへ」　（DS：12月18日発売予定）
■ 「牧場物語 わくわくアニマルマーチ」　（Wii：10月30日発売予定）

　牛の乳搾りや農場での野菜作りなど、ほのぼとした牧場生活をのんびりと楽しめるおなじみのシミュレーションゲームシリーズ最新作。

　DS版にはかなりのやり込み要素を追加され、自分で作った野菜やミルクなどを週に1度開催されるバザールに出品し、これを売ることでバザールを拡大して世界が発展していくようになっている。また、ステージイベントでは「今回は『風』がキーワードになっていて、たとえばミルクを持って風車を回すとヨーグルトができる」、「Wi-Fi通信で友人の牧場へ遊びに行ったり、アイテムを売買したりできる」などといった新仕様が追加されたこともアナウンスされており、さらに遊びの幅が広がった作品に仕上がっているようだ。

　またWii版では、「主人公が結婚した後に子どもが産まれた後には、一家そろって外に出かけたり団欒をしながら楽しむ要素もいろいろ取り入れている」とのことだ。

【「牧場物語 ようこそ! 風のバザールへ」】

(C)2008 Marvelous Entertainment Inc. All Rights Reserved.

【「牧場物語 わくわくアニマルマーチ」】
(C)2008 Marvelous Entertainment Inc. All Rights Reserved.

■ 「ルーンファクトリー フロンティア」　（Wii:11月27日発売予定）

　ファンタジー調の世界を舞台に、敵と戦いながら冒険をしたり、時には「牧場物語」シリーズように農作物を育てたり釣りなどをゆっくり楽しむこともできるという、名づけてファンタジー生活ゲーム。あるときは剣を片手に敵と格闘したり、またあるときには装備をクワに持ち替えて田畑を耕したり、あるいはお店で買った食材を使って料理のレシピを作り出すなど、プレーヤーの好みやその日の気分に合わせていろいろな楽しみ方ができる作品だ。

【「ルーンファクトリー フロンティア」】
(C)2008 Marvelous Entertainment Inc. All Rights Reserved.

■ 「赤川次郎ミステリー 月の光 －沈める鐘の殺人－」　（DS:11月6日発売予定）

　赤川次郎原作の小説をゲーム化したPS用ソフト、「夜想曲」、「夜想曲2」をDS向けに移植・再構成したミステリーアドベンチャー。ときどき出現するテキスト表示のコマンドの選択によってその後の展開が変化するというシンプルな内容の作品だが、いかにも猟奇的な事件が起きそうな薄気味悪さを演出するグラフィックと、赤川氏ならではの文章とがとてもよくシンクロしており、ショウ会場版ということでプロローグ場面だけしか遊べなかったにもかかわらずとても楽しめた。いわゆるサウンドノベル系作品が好きな人は、ぜひ会場で一度触れてみていただきたいタイトルである。

【「赤川次郎ミステリー 月の光 －沈める鐘の殺人－」】
(C)2002,2008 赤川次郎 (C)2008 Marvelous Entertainment Inc.

■ 「家庭教師ヒットマンREBORN! 禁断の闇のデルタ」　（PS2：11月20日発売予定）

　マンガおよびテレビアニメでおなじみの「家庭教師ヒットマンREBORN!」の3Dアクションアドベンチャーで、最新シリーズとなる「未来編」をベースにした完全オリジナルストーリーが展開される。

　出展バージョンではストーリーモードがプレイできず、対戦バトルのみで遊ぶフリーバトルモードがプレー可能となっていて、プレーヤーはマイキャラとパートナーを1人ずつ選び、相手チームと2対2で対戦する形式となっていた。

　攻撃は近距離、中距離、遠距離によってそれぞれ各キャラごとに技が自動的に変化する「レンジバトルシステム」を採用。敵も味方も広いマップ内を高速ダッシュで移動する（R1ボタンを押すとダッシュする）ことができるため、勝利するためには相手を視界から外さないように行動することが必要だ。また、ゲーム開始時に3個まで携帯できる「デルタ匣（ボックス）」を使用すると、フィールド上に障害物や炎などを作り出して相手を妨害したり身を守ることもできる。バトルはとてもスピーディーで、味方のどちらか1人が先にやられるとその時点で負けとなるスリリングさも本作品のウリとなることだろう。

【「家庭教師ヒットマンREBORN! 禁断の闇のデルタ」】
(C)天野明／集英社・テレビ東京・リボーン製作委員会 (C)Marvelous Entertainment Inc.

■ 「ゼロの使い魔 迷子の終止符と幾千の交響曲」　（PS2:11月6日発売予定）

　プレーヤーが選択したコマンドによって、主人公の平賀才人と登場人物たちとの親密度が上下するアドベンチャーゲームシリーズ最新作。主人公と他のキャラの親密度がアップすると、ヒロインのルイズの「ツンデレ度」も同時にアップするようになていて、各章が終了する時点での親密およびツンデレ度のポイントによって、恒例のルイズからの受けるおしおきイベントが変化するようになっている。

【「ゼロの使い魔 迷子の終止符と幾千の交響曲」】
(C)2008 ヤマグチノボル・メディアファクトリー/ゼロの使い魔製作委員会 (C)2008 Marvelous Entertainment Inc.

■ 「純情ロマンチカ ～恋のドキドキ大作戦～」　（PS2:11月27日発売予定）

　中村春菊原作の人気BLアニメをアドベンチャーゲーム化したもの。ストーリーは「純情ロマンチカ」（宇佐見秋彦×高橋美咲）、「純情エゴイスト」（草間野分×上條弘樹）、「純情テロリスト」（宮城 庸×高槻 忍）の3つで、いずれも本作品だけの完全オリジナル。はたしてどんな展開が待ち受けるのか、アニメを全編とおして見たという人にもぜひご注目を。

【「純情ロマンチカ ～恋のドキドキ大作戦～」】
(C)2008 中村春菊・角川書店／ロマンチカくらぶ!! (C)2008 Marvelous Entertainment Inc.

■ 「ディシプリン 調律帝国」　（Wiiウェア：2009年配信予定）

　飯田氏と和田氏が壇上に持参した、何やらハ虫類生物の腕を模したようなコントローラーを使ってプレイする（と思われる）Wiiウェア専用の新作ソフト。だが、ステージのスクリーンに背景の原画イラストらしきものが数点映し出されるだけで、いったいどんなゲームシステムになるのか、詳しい内容は両氏から一切明らかにされなかった。

　「これまでのように夢を追いかけるのではなく、より現実志向の作品になる。Wiiウェアを利用していろいろ実験的な試みも行なっている」（飯田氏）という言葉だけがなんとも気になった。飯田氏によると、「巨人のドシン」完成後から、実に6年以上も構想を暖めていたというのだから、その意気込みは尋常ではない。「開発は順調に進んでいる」（両氏）とのことだが、一刻も早い続報が待たれるところだ。

【「ディシプリン 調律帝国」】
謎のリモコン（?）を持って久々に姿を見せた飯田氏。はたしていったいどんなゲームになるのだろうか……

(C)Marvelous Entertainment Inc.

■ 「ノーモアヒーローズ デスパレート ストラグル」　（Wii:発売未定）

　殺し屋として敵とバトルをしたり、町でバイトをしたりベンチプレスをしてパワーアップを図るなど、主人公の「俺様」ことトラヴィスの活躍を描いた殺し屋アクションアドベンチャーゲーム、「ノーモアヒーローズ」の続編がステージイベントで突然の初公開。須田氏は「私自身も主人公であるトラヴィスのその後の姿を見たかった（から開発を始めた）」と語っており、早くから続編の構想を頭の中に描いていたようだ。

　映像では実際のゲーム画面が見られなかったが、Wii用ソフトとしては異色の作品である「ノーモアヒーローズ」の第2弾ははたしていったいどんな作品になっているのか、今後の続報が待たれる。

【「ノーモアヒーローズ デスパレート ストラグル」】
まさかの続編開発が明らかになった「ノーモアヒーローズ2」。須田氏が登壇し、映像が流れるとあちこちから大きな歓声があがった

□マーベラスエンターテイメントのホームページ
http://www.mmv.co.jp/game/
□「東京ゲームショウ2008」のページ
http://www.square-enix.co.jp/tgs08/
□関連情報
【10月8日】「東京ゲームショウ2008」
出展メーカー特設サイトリンク集
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20081008/tgs.htm

(2008年10月9日)

[Reported by 鴫原盛之]