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【ニンテンドーDSi】 11月1日 発売 価格:18,900円
■ ユーザーニーズを取り込み、さらに所有欲を満たす仕掛けを取り入れた「DSi」
任天堂が独自に調べた「1世帯あたりのプラットフォーム別ユーザー数」によれば、ニンテンドーDSは昨年度の同時期のデータにくらべ、3.0→2.8人と、まだまだ同じゲーム機を共有していることがうかがえる。そこで任天堂としては、普及の究極の姿である「1人に1台」への流れを生み出す“自分専用のDS”としてDSiを開発したという。「リビングでみんなで楽しんでもらうこと」をコンセプトにしているWiiとは逆の方向性を目指しているわけだ。それでも日本国民の6人のうち1人が所有しているという驚異的な販売数ではあるのだが。 DSiは、上下スクリーンの大きさをDS Liteの3.0型から3.25型に大型化しつつ、厚みを21.5mmから18.9mmへと耐久性を犠牲にしない範囲で薄型化。その代わり、縦横のサイズは 133×73.9mmから137×74.9mmへと、それぞれ微妙に大きくなっている。内蔵されるタッチペンも約87.5mmから約92mmへと大型化。これは、上画面背部と折りたたみヒンジ中央部に30万画素のカメラ「ニンテンドーDSiカメラ」が搭載されたこと(マイクはそれに伴い横にずれている)、そしてゲームボーイアドバンス用スロットを廃止し、代わりにSDメモリーカードスロットを搭載したことなどによる。重量は約218gから約214gへと4グラム軽量化。SDメモリーカードスロットにはあらかじめフタが付いている。液晶バックライトの輝度は、DS Liteの4段階から、5段階へと変更されている。 従来ヒンジ右側にあった電源と充電ランプがヒンジ左端に移動。さらにACアダプタ接続時に点灯すると思われるランプが増設され、3つのインジケータとなった。十字ボタン、A、B、X、Yボタン、L/Rボタン、START/SELECTボタンの配置はDS Lite同様だが、見た目若干薄型になっているようだ。特にL/Rボタンは横に回りこむようなサイズだったが、かなり薄くなっている。また、下画面下左にあったスライドボリュームは下画面左に移動し、プッシュ式になっている。さらに、右サイドにあった電源ボタンは、下画面横でプッシュ式に変更されているなど、使い勝手などに影響する改良が行なわれている。スライドボリュームはケースなどにしまった場合、取り出しおよび収納時などに動いてしまうことがあったからだろう。 また、スピーカーも音質、音量を改善しているという。よりこだわりの強いユーザーに対して、シンプルかつ機能的なデザインと、従来のDSにない機能を持たせることで、2台目、3台目のニーズをも明確に狙ったつくりになっている。
なお、バッテリー関連も変更がある。充電時間は30分短縮の2時間30分で充電できるが、電池継続時間(ソフトにより変動)は液晶最低輝度で約9時間~14時間と6時間~5時間ほど短くなっている。最高輝度では3時間~4時間で、こちらはDS Liteでは5~8時間となっているため、2時間から4時間の差となっている。バッテリーパックの容量に関しては公開されていない。
■ 内蔵メモリへのデータ保存が可能になることで、ソフトのDL販売を実現
しかし、このレベルなら、携帯電話と同じ、もしくはそれ以下ではないか? と考える方も多いだろう。岩田氏は「ゲーム以外の機能を本体に内蔵することは任天堂らしくないのでは? という印象をお持ちの方もいらっしゃると思うが」と、来場者の懸念を先取りする形で各機能の詳細に触れたが、これらの内蔵ソフトに関しては、「携帯電話のツールとしての機能ではなく、生活の中にカメラやオーディオプレーヤーを持ち込んで、映像や音で遊び楽しんでいただく、ゲーム機で生活を豊かにするという提案」と、あくまで映像や音をただ見たり聞いたりするだけでなく、“そのデータをDSの機能を使って、いじって遊ぶこと”をアピールした。
たとえば、DSiカメラでは、写真をどんどん撮影して保存する機能だけでなく、顔認識機能、そして各種特殊効果をリアルタイムに利用できる。撮影した画像の顔と顔を合成する「顔合成カメラ」、2人の似てる度を測る「似てる度カメラ」、画像をゆがめる「ゆがみカメラ」、表情を変える「表情カメラ」、さらには手書きでイラストなどを書き込める「らくがきカメラ」などといった、機能を思いっきり遊びに振ったものが搭載されている。画像は日付順に整理され、スライドショー機能も搭載され「写真手帳」として作られている。DSiサウンドでは、音楽の再生はもとより、タッチスクリーンによる再生速度や音程の変更(逆再生も可能)、ボーカルを聞こえにくくするカラオケ機能や、音量や波形にあわせた映像の変化が楽しめるビジュアライザーが搭載されているだけでなく、マイクによる10秒間の録音が可能で、その音を変化させてラジオ風やインコ風、さらには3人ハーモニーなどのエフェクトをかけることもできる。これをネタにして、友達同士などで遊んでほしいという狙いのようだ。
さらに、新たにDS専用のショッピングチャンネルとなる「ニンテンドーDSiショップ」から、DSiウェアをダウンロードし、本体に保存、ソフトを利用することが可能になることも明らかにした。DSiショップは、無線LAN機能を使ってDSiから直接アクセスできるショッピングサイト。発売後のDSiウェアとしては、「ニンテンドーDSiブラウザー」、そして「うごくメモ帳」が無料でダウンロードできる。 「DSiブラウザー」は、DSi発売と同時に配信を開始。書き換え可能な内蔵メモリによって、DS/DS Lite時代には別売だったブラウザーソフトを内蔵し、さらにメモリの利用可能量を増やすことでキャッシュを活用した高速化が行なわれている。また、「DSiブラウザー」使用時の通信速度は、従来のDSよりも高速なモードで通信が可能という。ちなみにゲームプレイ時は従来のニンテンドーDSと同じスピードでの通信速度となる。DSi専用にソフトを開発すれば、この高速モードが利用可能になるようだ。
うごくメモ帳は、自分でイラストや文字などをタッチペンで書き込むメモ帳としての機能がメインだが、カメラで取り込んだ画像も使うことができ、パラパラ漫画のように動かすことができる。作った動画はともだち同士で交換することが可能だ。
DSiショップでは、「ニンテンドーDSiポイント」を利用してソフトDSiウェアを購入できる。DSiポイントはWiiの「ショッピングチャンネル」における「Wiiポイント」と同じ概念のものだが、DSiウェアの価格は、無料、DSiウェア200(コンパクトなツールやゲーム)、DSiウェア500(シンプルなパズルゲームや大規模なツール)、DSiウェアプレミアム(仮)(800ポイント以上で展開)と4段階となっており、ショッピングチャンネル上で登録したWiiポイントをDSiポイントに振り替えて使うことはできないようだ。同社が販売しているプリペイドカード「Wiiポイントプリペイドカード」は、11月以降「ニンテンドーポイント プリペイドカード」となり(ポイント数は変化なし)、ショッピングチャンネルでチャージすればWiiポイントに、DSiショップでチャージすればDSiポイントとなる。 なお、2010年3月末までに、初めてDSiでDSiショップに接続したユーザーに、1,000DSiポイントがプレゼントされるお試しキャンペーンを展開する予定という。詳細は後日発表となる。
また、DSiウェアのラインナップに関しては、近日発表予定としたが、岩田氏がそれに先駆けて公開したのが、「脳トレ」のDSiウェアである「ちょっと脳を鍛える大人のDSiトレーニング」だ。文系編、理系編の2タイトル配信を予定しており、写真を使ったトレーニングなどの新作トレーニング、そしてDSiの機能を使った新要素を盛り込んでいる。細菌撲滅もちょっとずつプレイしてもらえるように、途中で保存できるようになっているそうだ。
「nintendo zone」ではその店舗、地区オリジナルの情報サービスが提供されるほか、DSソフトの体験版の配信も行なわれる。DSソフトの追加コンテンツの配信、ニンテンドーWi-Fiコネクションも利用できるという。
□任天堂のホームページ (2008年10月2日) [Reported by 佐伯憲司]
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