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韓国NEXONは、現在正式サービス中のオンラインFPS「Counter-Stirke Online」(以下、「CSO」)における同時接続者数が5万人を突破したと発表した。韓国では4月から正式サービスが実施されている同作だが、夏に入って急激に数字を伸ばし注目を集めている。 きっかけとなったのは、7月10日に実装された「ゾンビモード」だ。「CSO」は正式サービスが始まった当初、同時接続者はおよそ1~2万人程度のものだった。「ゾンビモード」実装後は、同時接続者数が倍以上に増えるほど、大盛況を呈している。 「ゾンビモード」は、本家の「Counter-Strike :Source」でもっとも人気のあるMODの1つだ。テロリスト対カウンターテロリストの構図で遊ばれている「Counter-Strike」のマップにゾンビが登場し、人間対ゾンビという従来とはまったく異なる構図でゲームを楽しむ事ができる。 ゲームルールはシンプルで、ゾンビ側のプレーヤーが人間側のプレーヤーをゾンビ化させることを目指していく。毎ラウンドごとにそのルームに参加しているプレーヤー10人に1人の割合でランダムにゾンビとなり、人間側のプレーヤーに触れると相手をゾンビ化させる仕組みだ。これに対して人間側は、時間切れに持ち込むか、ゾンビ全員を倒すかが勝利条件となる。 ラウンド開始前に準備時間が設けられ、その間ゾンビは存在しない。プレーヤー同士で固まったり、はたまた距離をとったりと参加者は思い思いに来るべき「その時」を待つ事になる。ラウンドごとに誰がゾンビとしてスタートするかどうかプレーヤーにはまったくわからないため、“突発的にスタートする鬼ごっこ”のようなモードといえるだろう。 ゾンビは抜群の耐久力を備え、数人がゾンビ1人に一斉射撃するシーンや、準備時間中にプレーヤーが溜まったところでラウンド開始と同時にその中の1人がゾンビになって、周りを固めたプレーヤー達を一気にゾンビ化させるなど、ウデを競うというよりは楽しんだもの勝ちのような雰囲気が一番の魅力だ。
本稿では韓国国内で「CSO」の大人気のきっかけとなった「ゾンビモード」をレポートしたい。 ■ 人間達に襲い掛かれ!! 超強力なゾンビと人間の鬼ごっこ!!
ゲームセッションのプレーヤー人数が10人以下なら最初の宿主となるゾンビは1人、11人以上なら2人、21人以上なら3人が選ばれる。「CSO」では1つのルームにつき最大32人で楽しむ事ができ、大人数のプレイが非常に盛り上がる。 ゾンビは銃こそ使えないが、接近攻撃をひと振りするだけで人間プレーヤーをゾンビにすることができる。攻撃がヒットした瞬間からゾンビの味方になる訳だ。ゾンビになると画面全体が赤みを帯び、狂気に満ちた雰囲気でゾンビ気分を味わえる。 最初にランダムに選ばれた宿主ゾンビはHP8,000、途中から他のゾンビに攻撃されてゾンビ化した者はHP4,000という耐久力に優れた設定となっており、数人から一斉射撃を受けてもなかなか倒されない。移動速度も人間より速く設定されており、1対1のシチュエーションでは人間側が圧倒的に不利だ。 ゾンビはラウンドごとランダムに選択され、さらには人間をゾンビ化させることによって味方にすることができる。ゾンビ対人間というチーム構造にはなっているが、誰でもランダムでゾンビになるわけで、最終的な勝敗は個々人が獲得したポイントで競われることになる。 人間の場合、ゾンビを倒すと3キルとなり、ゾンビの場合は人間を1人ゾンビ化させるごとに1キル獲得できる。また、人間側の勝利となった人間プレーヤーは2キルが追加され、ゾンビ側が勝つと1キルが追加される。 ゾンビは銃撃を受けると後方にノックバックする。ゲームの進行ではその特徴を利用して、人間のプレーヤー達は一本道のような狭い通路で接近しようとするゾンビを待ち受け一斉射撃するのがセオリーだ。また、銃のリロード時にはゾンビの接近を許すことになるため、人間が迎え撃つためにはある程度の人数は必要となる。ゾンビ側は、まだ態勢が整わない人間プレーヤーをゲーム開始後にいちはやくゾンビ化させ、数をある程度増やしてから、守りが堅い箇所を攻めることがセオリーになっていた。
■ シチュエーションを楽しもう! 多数の人間プレーヤーが一瞬でゾンビに!! 「ゾンビモード」の面白さはなんといってもシチュエーションの面白さに尽きる。隣で共に戦っていた味方のプレーヤーが突如、ゾンビになって襲い掛かってきたかと思えば、自ら積極的にゾンビになって周りの味方をまとめてゾンビ化したり、人間としてゾンビの駆逐の為に共に戦っていても、いざ状況が不利とわかればわざとゾンビ化して付近の味方をゾンビ化させてキル数を稼ぐといった光景を何度も目の当たりにした。まさに昨日の友は今日の敵といった面白いシチュエーションだった。 特に凄かったのは大勢の人間が一瞬で全員ゾンビになってしまう場面だ。守りを何とか突破して1人でもゾンビ化させれば、そこから先が次々とゾンビ化してしまう。最初の準備時間16秒で1カ所に集まったプレーヤーの中の1人が宿主ゾンビに選ばれてしまい、10人以上の人間プレーヤーが一瞬でゾンビになってしまうなど、常に笑いの耐えないプレイが繰り広げられている。 人間側としては一瞬の油断が防御地域にゾンビの侵入や発生を許してしまう。ゾンビの進入を1匹でも許してしまったら、周りが全部ゾンビ化するのは一瞬だ。人間側は守りを固めるために、ゾンビがやって来る前にトーテムを作り、味方のプレーヤーを屋根や単独では登れない木箱のような高い場所に行かせる協力も積極的に行なわれた。ゾンビが現われると一斉射撃で倒したり、高い場所へ向かってジャンプしてくるゾンビの頭に1発だけ弾を当てて地面に落とすといった、協力プレイが面白かった。
■ 「CSO」は韓国におけるeスポーツ公認タイトルも獲得。台湾でも人気を博すなど、今後のアジア展開が楽しみ 実力の差が激しく参入障壁が高い「Counter-Strike」に、特にショットの上手さに拘らなくとも、誰もが楽しめることができる「ゾンビモード」の投入は適切だったと言えるだろう。パッケージ版の「Counter-Strike」でも、AMXXなどのPlug-inを通じて、レベル制や様々な特殊能力を駆使できる「Warcraft III」をモチーフにしたMOD「W3FT」などカジュアル向けの路線のMODは依然として人気が高い。 現在、「CSO」内では「ゾンビモード」を楽しむユーザーと、通常の「爆弾モード」や「デスマッチ」を楽しんでいるユーザーの割合はそれぞれ半々という印象だ。同時接続者が2倍に増えて、通常モードを楽しんでいるユーザーが減っていないということは、本モードの実装によりカジュアルなユーザー層の取り込みに成功したといえるだろう。 「CSO」は韓国ではeスポーツ向けの展開も始動しつつあり、今年の4月25日には韓国eスポーツ協会KeSPAによるeスポーツ公認タイトルとして認められた。さらには、国際トリム・フィットネス生涯スポーツ協議会TAFISAが主催し、国際オリンピック委員会IOCが公式後援する「2008 BUSAN world TreX-game」にeスポーツ部門大会種目として選ばれた。 一方、7月24日から正式サービスが始まった台湾では、サービス開始1か月の時点で会員50万人、最高同時接続者が2万5,000人を突破したという。FPSゲームの代名詞「Counter-Strike」のブランドで高い人気を集めている。日本展開も含め、今後の展開に注目したいところだ。
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□NEXONのホームページ(韓国語) (2008年9月30日) [Reported by Dong Soo “Luie” Han / 三浦尋一]
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