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【連載第172回】ゲームライフに役立つグッズをレポート

ワイヤレス通信で手軽にステアリングコントローラプレイ!
「Driving Force Wireless」発売直前に使ってみた

当連載は、ゲームライフに役立つグッズを発掘し、実際に使用してみようという試みをレポートするものである。ネタに困ったときはお休みしてしまうかもしれないので不定期連載である。ちょっとした投資や工夫で、よりよいゲームライフを送っていただけるよう、鋭意努力していく所存である。


 レースゲームをプレイするならやっぱりステアリングコントローラを使いたい! でも、セッティング環境を整えるのは辛いなぁ……。そんな人に向けられた「Driving Force」シリーズの最新ラインナップ、「Driving Force Wireless」が9月11日に発売される。

 「Driving Force Wireless」は2.4GHzワイヤレス・テクノロジーによってPS3/PS2とワイヤレスで通信するステアリングコントローラ。さらに、アクセルとブレーキをステアリング側に組み込んだことで、ステアリングユニットのみで扱えるようになっている。

 今回はこの「Driving Force Wireless」を発売前にお借りすることができたので、各部の基本的な仕様から使用感、ワイヤレスならではのセッティングの手軽さなどを探ってみた。

【今週のおしながき】
PS3/PS2 ロジクール「Driving Force Wireless」



● PS3/PS2 ロジクール「Driving Force Wireless」

「Driving Force Wireless」

    メーカー:ロジクール
    価格:9,980円
    サイズ:33.5×32×26.5cm(幅×奥行×高さ)
    重量:1.62kg
    ACアダプタのケーブル長:368cm


● アクセルとブレーキ操作をパドルで実現した省スペースステアリングコントローラ

腿の上に置いて扱うアジャスタブル・ラップレスを採用したステアリングユニット。アクセルとブレーキをパドル式操作に変更し、省スペース化を果たしている
付属品はUSBレシーバーとACアダプタ。ACアダプタの電力は無線通信とフォースフィードバックに必要となっている
USBレシーバーはステアリングユニットの底面に収納できる。
 ステアリングコントローラと言えば、ステアリングユニットとペダルユニットの2つの大きなパーツがあり、それぞれワイヤーで接続、それをゲーム機本体と接続するというものが一般的だ。ゲーム機、TV(モニター)込みでセッティングするため、セッティングが大がかりになってしまうのは否めない。だが、今回登場した「Driving Force Wireless」は、その名の通りゲーム機との接続はワイヤレス。ステアリングユニットだけで手軽にレースゲームを楽しむという、新しいアプローチのステアリングコントローラだ。

 特徴としては、“PS3/PS2とワイヤレスで通信”、“ACアダプタを接続してのフォースフィードバック機能を搭載”、“ステアリングユニットにアクセルとブレーキ操作を統合したのでペダルユニットがない”の3点になる。ステアリング操作ならではの体感は保持しつつ、セッティングの容易さを重視した仕様だ。

 ワイヤレス通信にはUSBレシーバーを使用。2.4GHz帯のワイヤレステクノロジーを使用しており、ゲーム機に接続したUSBレシーバーからステアリングユニットは最大6m離れた距離から使用できる。USBレシーバーのサイズは、6cm×1.5cm×8mm(幅×奥行×高さ)程度となっており、USBメモリのような形状だ。

 ステアリングユニットの電源にはACアダプタを使用する。ACアダプタは「GT FORCE」シリーズ共通のもので、サイズが8.5cm×5.5cm×2.9cm(幅×奥行×高さ)のボックス型で少し大きい。ケーブル長は368cmと、ワイヤレスの特徴を活かせるよう長めになっている。

 できれば、電源には充電式バッテリーなどを採用して、フルワイヤレスのステアリングコントローラを目指して欲しかったが、フィードバック用のモーター駆動での消費電力や、プレイ中のバッテリー切れ防止、そして価格面などを考慮した結果、ACアダプタに落ち着いたのだろう。

 ステアリングユニットは、サイズが33.5×32×26.5cm(幅×奥行×高さ)、重量は1.62kgとなっている。それなりに大きいが、「Logicool Driving Force GT」あたりと比較するとコンパクトなサイズ。特に重量は「Logicool Driving Force GT」のステアリングユニットが2.5kgだったので、約1kgほど軽くなっている。

 ステアリングの回転角は200度(左右に約90度)。ステアリングの直径は約24.5cmとなっている。「Logicool Driving Force GT」のステアリングは、回転角が900度(2回転半)、直径は27.5cm(11インチ)だったので、どちらもスポイルされている印象だ。ただ、「Driving Force Wireless」の固定方法は腿の上に置く方式なので、900度(2回転半)まで回転させると、後述のアクセル/ブレーキ操作が難しいくなってしまうためだろう。

 ステアリングの表面は皮素材風にざらついた加工がされているのだが、ラバーコーティングなどはなくプラスチック的な硬質な素材のみで作られている。手触りとしては表面のざらつき加工で、それっぽくはあるのだが、安っぽさを感じてしまうところは否めない。

 ステアリングのフレーム内には各種ボタンを搭載。ステアリングを持ったときに両手の親指が届く位置にはL1/R1ボタンがあり、その隣に方向キーと□、○、×、△ボタンを配置している。フレームの下側には、PSボタン、L2/R2ボタン、L3/R3ボタン、セレクト・スタートボタンが縦に並んでいる。

全体にコンパクトなステアリングユニット。なにより重量が軽いので、セッティングが非常に手軽だ。全体がブラックカラーに統一されていて、外見上はラバー素材なども使われているように見えるが、プラスチック的な硬質の素材のみでできている
ステアリング内のフレームには各種ボタンが揃っている。ロジクールのロゴがある中央のパーツはボタンにはなっていない。各ボタンの感触は、あまりクリック感は高くなく、グニグニとしている

ステアリング背面のパドルは、右がアクセル、左がブレーキになっている
 さて、ステアリングの背面には他のステアリングコントローラで言うところのパドルシフト的なパーツがある。「Driving Force Wireless」では、ここがアクセルとブレーキ操作に使用する。可動幅が3cmほどあり、ステアリングを持つ手の指先で手前に引くように操作する。

 ステアリングユニットの底面はアジャスタブル・ラップレスが採用されており、太ももの上に置いてプレイできる作りになっている。太ももから簡単にずれてしまわないよう、背面に滑り止めのゴムがついているほか、底面の両端は丸く湾曲しているので、太もものラインにぴったりと合うようになっている。また、左右のパーツは引き出せるようになっていて、最短時で約33.5cm最長時で約42cmになる。

 底面にはそのほかに、USBレシーバー収納スペースがある。ステアリングコントローラを使わないときに小さなUSBレシーバーを無くしてしまわないよう、一緒に閉まっておける。

パドルの可動幅は約3cm程度ある。アナログにアクセルやブレーキの踏み込みをパドルの引きで行なうというわけだ。パドルはいっぱいまで引くとステアリングにくっつくため、ステアリングをしっかりと握ることはできない
底面のアジャスタブル・ラップレス機構。太ももの上に置くため、底面は丸みのついた形状になっている。滑り止めもつけられていて、プレイ中にずれないようになっている。また、右の写真のように左右を伸ばすこともできる

● 使いこなすには少し慣れが必要? セッティングの手軽さは特筆モノ

イスに座ってのプレイ。ACアダプタを繋いだ「Driving Force Wireless」を太ももの上にヒョイと乗せるだけでセッティング完了
床に座った状態でも楽々プレイ。ステアリングを固定するテーブルやフットペダルのためのイスなども一切必要ない
アクセルとブレーキのパドルがあるので、ステアリングは手のひらで押さえるような持ち方になる
 PS3「GT5 プロローグ」を、「Driving Force Wireless」を使ってプレイしてみた。当研究所ではこれまでにも、「Logicool Driving Force GT」や「G25」を試してきたのだが、それらと比べてセッティングが手軽なことが新鮮に感じられる。

 従来のステアリングコントローラだと、ステアリングユニットを固定しペダルユニットを適切な距離に設置するため、テーブルとイスが必須だった。それに対して「Driving Force Wireless」では、座った足の上に置くだけだ。座る場所も、イスでもいいし、床でもいい。太ももを平坦にできれば問題ない。

 PS3にUSBレシーバーを接続し、ステアリング側にはACアダプタのケーブルを差し込む。これでもうプレイ準備は完了だ。ACアダプタ以外にケーブルはないので取り回しが圧倒的に楽だ。イスでプレイをしはじめて、姿勢を変えたくなったら床や座椅子に移るというのも問題ない。運ぶのはステアリングのみだ。実際のところは、両手だけで全ての操作ができるので「Driving Force Wireless」を床において、寝そべった姿勢でもプレイできる(あまりプレイしやすくはないが)。

 「GT5 プロローグ」のオプションには試した段階だと「Driving Force Wireless」の項目は用意されていないのだが、特にカスタマイズの必要はなかった。キーアサインはデフォルトで、右パドルがアクセル、左パドルがブレーキになる。無線通信のペアリングも改めて行なう必要はなかった。接続して即使用できた。

 「Driving Force Wireless」での操作感覚はかなり独特のものがある。その理由はパドルで操作するアクセルとブレーキにあって、手のひらでステアリングを押さえつつ、いくつかの指先でパドルを引いてアクセルコントロールをする。さらにマニュアルシフトの場合だと、親指の位置にあるL1/R1でシフトチェンジをするため、手でアクセルとブレーキ、ステアリング、シフトと3つの操作を行なうことになる。慣れるまでは混乱するときもあった。

 アクセルとブレーキのパドルには、可動幅がそこそこにあるため微妙なコントロールも可能だ。アクセルが右手側に割り振られているので、フルアクセルのときはステアリングをパドルごと握りしめるような持ち方になるので、こちらはそこそこに安定するのだが、左手側は、ブレーキを握りしめるわけにはいかないので、手のひらをステアリングに添えるような状態になる。

 このように特有の持ち方と操作をする「Driving Force Wireless」には、慣れるまでにそこそこ時間がかかった。マニュアルシフト時には、一度走行が乱れるとグダグダになってしまうこともあった。それから少しずつ慣れてきてからは走行が安定してきて、ブレーキングと同時にギアを落とすような操作もできるようになった。

 だが、ブレーキとシフトダウン双方に絶妙なコントロールとタイミングが求められるような次元になると厳しい。製品の方向性としても、オートマチックで手軽にステアリングコントローラプレイを楽しむというほうが向いているのかもしれない。マニュアルシフトを使いこなすには少し手先の器用さを求められるところがあると思えた。

● 全体にマイルドだが、しっかりと感じられるフォースフィードバック

フォースフィードバック機能もしっかり搭載。全体にマイルドな感触ではあるものの、表現力はしっかりしている。ただ、画像のように前方車両に追突したときに反応がないときもあった
 フォースフィードバック機能は、他の「Driving Force GT」や「GT FORCE」系と比べると全体におとなしく感じる。太ももの上に乗せるだけという手軽な固定方法なので、あまり激しく暴れたりロックしては扱いづらくなるという配慮だろうか。コーナー時などにググーッと抵抗が出るものの基本的に控えめと思えた。

 振動の表現は豊かで、高速コーナー時にガタガタときたかと思えば、ストレートに入るとスコンと静まる。全体にマイルドではあるが、衝突時にはガツンとくる。ただ、前方の他車と接触したときなど、まったく感触がないときもあったのが気になった。

 動作音はとても静かだ。ステアリングを切ったときにギュイイとギアの音がするものの、音はさほど大きくない。センターポジションのずれもほとんど起こらず、快適に扱えた。製品の位置づけとして手軽さが重視されているとは思うが、フォースフィードバックの感触や振動表現をバランスよく楽しめる。

● 手軽にステアリングコントローラでプレイしたい人へ向けた「Driving Force Wireless」

発売前の段階だと「GT5 プロローグ」のオプションには「Driving Force Wireless」の項目はなかった。だが、接続しただけで「Driving Force Wireless」でそのままプレイできた
 操作に慣れるまでは苦労したものの、慣れてからは取り回しの容易さ、手軽さを存分に味わえた。プレイしようかなと思ったときに、ひょいと「Driving Force Wireless」を取り上げて太ももの上に置き、すんなりとゲームを開始できる。ステアリングならではの体感とフォースフィードバックや振動の感触はやはりレースゲームを存分に楽しむには必須のもので、「Driving Force Wireless」でもそこはしっかり味わえる。

 このセッティングの手軽さは、他の「Driving Force GT」や「GT FORCE」系になかったもの。プレイシートをはじめとしたセッティング環境を整えるというのは辛いけど、ステアリングコントローラは使いたい。そういう人にとって、価格帯からしても最もオススメしやすい一品になっている。

 もちろん、従来のステアリングコントローラはセッティングに苦労するぶん、プレイ体験は豪華だ。特にフットペダルの有り無しは大きいのだが、その分も「Driving Force Wireless」はセッティングの手軽さが重視されている。こだわりのパーツを使った「G25」や本格派な「Driving Force GT」に対し、手軽な方面として、フットペダルのある標準的な「GT FORCE RX」、そして手軽さを重視した「Driving Force Wireless」というところだろう。



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□ ロジクールのホームページ
http://www.logicool.co.jp/

(2008年9月9日)

[Reported by ゲーム環境向上委員会]



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