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「HANGAME 2008 夏祭」にて「ファミスタ」決勝大会開催
新作「くにおくんオンライン」、「アラド戦記モバイル」も体験

8月24日 開催

会場:両国国技館

 NHN Japan株式会社が8月24日に両国国技館で開催したイベント「HANGAME 2008 夏祭」では、「アラド戦記」、「SPECIAL FORCE」、「ファミスタ オンライン 3」の3タイトルで大規模なゲーム大会を開催した。本稿ではそのうち、「ファミスタ オンライン 3」の大会の様子をお伝えする。

 また、本イベントで一般初公開となった「熱血高校! くにおくんオンライン」と、モバイルゲーム「アラド戦記モバイル」、テレビアニメ「スラップアップパーティー -アラド戦記-」についての情報もあわせて紹介する。



■ 同点・延長連発の「ファミスタ オンライン 3」全国大会

バンダイナムコゲームスのプロデューサー塩澤敦氏が解説を担当。実況を担当した声優の荻原秀樹さんは、息詰まる試合を熱く実況してくれた
 「ファミスタ オンライン 3」の全国大会には、選抜された13名が参加予定だったが、当日の都合などで参加者は減って9名となり、3ブロックに分けた変則的な形でトーナメントが行なわれた。次回はより多くの選手にきちんと参加してもらえるよう、選手への手厚いサポートを期待したい。

 しかしながら試合は熱戦が続いた。変則準決勝(勝者が決勝進出)では、「8オレゴン」選手と「グレートガッツ」選手が対戦し、互いにチャンスを作りつつも得点を許さないという白熱した試合になった。

 野球で0点といえば投手戦で、実際に三振も多く、際どいコースへの投球とスイング・見送りの判断は、本物のプロ野球さながら。しかし実物と違うのは守備で、ライト前に落ちるヒットかと思いきや一塁への送球が間に合う「ライトゴロ」も当たり前。本作では守備の操作で内野・外野がちぐはぐな動きをしてしまいがちだが、出場選手はいずれも迷いがなく、打たれた瞬間に捕球する選手が決まっているという的確な操作を見せた。観戦していて、「これでは二塁打は出ないな」と思ってしまうほどだ。

 準決勝は規定の6回を終了したところで試合終了となり、奪三振数で上回った「8オレゴン」選手が勝利。続く決勝で「マハガドチョン」選手と対戦した。いずれも先発ピッチャーはダルビッシュ有投手を使い、今回も投手戦になるかと思われた2回裏、「マハガドチョン」選手が2ランホームランで先制点をあげた。しかし「8オレゴン」選手もすかさず3回表に反撃、同じく2ランホームランを決めて試合を振り出しに戻した。

 その後は6回まで、互いにヒットは出るものの決定打に欠けて得点ならず、6回終了でも2対2の同点で、決勝戦ルールとして延長戦に突入。基本的に6回での決戦を想定していた両選手は、ダルビッシュ有投手にアシストカード「ガソリンタンク」を使用して、疲れが見える5回以降も1人で投げきらせるという作戦で勝ち上がってきた。しかし決勝戦のみ9回までの延長ルールということで、7~8回での投手変更を余儀なくされた。

 最後の「ガソリンタンク」を使って7回も続投させる作戦の「マハガドチョン」選手だったが、「8オレゴン」選手に連打を浴び、ノーアウト1・3塁からダブルプレイを取っている間に1点を許してしまう。これで決着かと思いきや、その裏に「マハガドチョン」選手も1アウト満塁のチャンスを作り、フルカウントからフォークボールを見送って押し出しで同点に。しかし追加点は取れず、9回でも決着しなかったため、今回も三振数で19対14と勝った「8オレゴン」選手が優勝を決めた。

 「8オレゴン」選手は、「いつ打たれてもおかしくなかった。運がよかった。(三振を多く取れたのは)ダルビッシュのおかげ」とコメント。9回で19奪三振をしながらもヒットも9本という豪快な試合展開で、本物の野球以上に見ていてドキドキする試合展開だった。

 ちなみに「8オレゴン」選手と「マハガドチョン」選手は同じクラブに所属していて、独自に大会を開くなどして腕を磨いているという。また惜しくも3位となった「グレートガッツ」選手は、実は純粋なジャイアンツチームで参戦しており、「ゲームの中でもジャイアンツが負けるのが許せない」と熱烈な巨人ファンとしてのこだわりプレイを続けるという。筆者は腕前では出場選手に遠く及ばないが、いろいろな面から「ファミスタ オンライン 3」の面白さに気づかせてもらえた大会だった。

アシストカードで優秀な投手を長持ちさせ、6回を投げきるというのが基本的な作戦となっていた。疲れていたダルビッシュ投手が、いきなり161km/hの剛速球を投げ込んでくるところは、ゲームならではの興奮がある
決勝戦は、取られた分だけ取り返すという凄まじいゲームに。奪三振数とヒット数が実際の試合にはありえないような数字になっているのも面白い。写真の選手は左2番目から「グレートガッツ」選手、「8オレゴン」選手、「マハガドチョン」選手

Published by NHN Japan Corporation
(C)2006-2008 NBGI (社)日本野球機構承認 NPB BISプロ野球公式記録使用




■ 懐かしさをそのままにオンラインゲーム化。「熱血高校! くにおくんオンライン」

ブースは入り口に校門がデザインされ、コスプレしたスタッフと合わせて「熱血高校へようこそ!」といった雰囲気
ゲーム画面は一目で「くにおくん」シリーズとわかる。3Dも使われているが、特に意識することはない
 本イベントで一般初公開となった「熱血高校! くにおくんオンライン」。“一般”というのは、実は今月中頃から、「クラブハンゲーム」のプラチナ・ゴールド会員限定でのクローズドβテストが行なわれていたためだ。本イベントではステージイベントのほかに試遊台も用意され、来場者は誰でも触れる状態で公開された。

 プレーヤーはゲームの舞台となる熱血高校に、1人の生徒として参加する。画面は背景などに3Dグラフィックスが採用されたりはしているが、キャラクタの外見は「くにおくん」シリーズをそのまま受け継いでいる。ゲームパッドにも対応しており、基本操作は上下左右で移動して、ボタンを押してパンチなどの攻撃を出すだけ。とにかく懐かしさ満点のゲームとなっている。

 ゲームの流れとしては、熱血高校でクエストを受けてクリアしていくというシンプルな仕組み。学校を中心としたフィールドはMMO、クエストは最大4人のMOフィールドとなっている。試遊台では、校舎内の敵を倒しながら進み、最後に屋上にいる「りき」を倒せば終了となるクエストをプレイできた。

 攻撃は、連打できる弱攻撃と、単発の強攻撃、そして3種類の必殺技を使用できる。強攻撃にはクールタイムが設定されており、1度使うと数秒間は使えない。また必殺技は、敵を攻撃したり、逆に攻撃されたりすることでチャージされていき、一定量がたまると発動可能になる。スキルによって若干異なるが、弱攻撃では連打だけで3~4発連続ヒットする。その後続けて強攻撃や必殺技を押すとコンボ攻撃となってさらに連続ヒットする。これが攻撃の基本となるようだ。

 落ちている棒やボールを拾って武器として使える。持った状態での弱攻撃は武器で叩き、強攻撃では投げる。投げたバケツがヒットすると頭からかぶったようになったり、攻撃してダウンした敵を担ぎ上げて他の敵に投げつけたりといったアクションも可能。

 クエストをクリアすると、経験値とお金(単位は“えん”)、アイテムを獲得できる。経験値はキャラクタがレベルアップするほか、所属するクラブの経験値にもなる。クラブはオンラインゲームの職業に相当するもので、例えばボクシング部ではパンチを使った攻撃や必殺技を使える。クラブ経験値がたまってレベルが上がれば、より強力な必殺技を覚えられるという。今のところ、5つのクラブが実装されているそうだ。

 今回は体験できなかったが、ゲームモードとしては他に、最大4対4の対戦ルームもある。対戦フィールドもいくつか用意されており、落ちたら1発退場となる穴が開いている場所もあるという。敵プレーヤーを殴って倒し、掴みあげて穴に投げ落とすといった、“やられると非常に悔しい伝統的アクション”も実現されているという。

 8月27日からはβテストが実施される。今度はハンゲームIDがあれば誰でも参加できる。昔懐かしい「くにおくん」をプレイしたい人は、今のうちにゲームパッドを用意してβテストに備えていただきたい。

 対応OSは、Windows 2000/XP。動作環境は、Pentium 4 1GHz以上のCPU(2GHz以上推奨)、512MB以上のメインメモリ(1GB以上推奨)、64MB以上のビデオメモリを搭載したビデオカード(128MB以上推奨)、2GB以上の空き容量を持つHDDなど。ただし開発中のため、動作環境を変更する場合があるとしている。

ステージイベントでゲームを説明した、NHNJapan ゲームエンタープライズ事業部 海外事業ライン副事業部長の韓相雄(ハン・サンウン)氏 登場キャラクタにコスプレしたスタッフがステージに上がるも、一言も言葉を発せず ステージを盛り上げてくれたゲストのザブングル。持ちネタの「悔しいです!!」だけでなく数々のコントも披露してくれた

【スクリーンショット】
外見は懐かしくても、ゲームとしてはアバター的な要素や、クラブによる職業的なものなど、オンラインゲームならではの要素も加えられている

Published by NHN Japan Corporation.
(C) WindySoft Co.,Ltd. All rights reserved. Developed by ARN Gamez Co., Ltd.
(C) Million Co., Ltd




■ “アラドユーザー向けチューニング”の「アラド戦記モバイル」

ステージイベントでゲームを紹介した西澤弘氏
試遊機も置かれた。体験した人からは、やはり「難しい」という声も聞こえた
 先日発表された、iモード用「アラド戦記モバイル」が、会場で初お目見えとなった。対応機種はFOMA 903i/703i以降のメガiアプリ対応機種で、今秋配信予定。公開されたアプリは第1弾の「鬼剣士編」。第2弾以降についても前向きに検討していくとしている。

 本作はストーリーが用意されている。鬼剣士の力に目覚めた青年ユシンが、鬼化する体の治療法を探すためにセリアのもとを訪れると、セリアはモンスターに連れ去られていた……といった序盤の流れになっている。ゲームには他にも「アラド戦記」に登場したキャラクタが現われ、ユーザーならば世界観を補完するような気持ちでプレイできるだろう。

 肝心のゲームのほうは、「アラド戦記」と同じ横スクロールタイプのアクションRPGスタイルとなっている。映像面・操作面のいずれも、PCのゲームを携帯電話に可能な限り近い形で落とし込んだといった印象を受けた。MPを消費するスキルも数多く実装されており、数字ボタンにショートカットを仕込むことで、ワンボタンで発動できる。アイテムも同様に、ショーットカットに入れられるので、回復アイテムなどを入れておくとよさそうだ。

 具体的な操作系は、2、4、6、8ボタンで移動、5ボタンか決定ボタンで攻撃、7、9ボタンなどでショートカット。個人的には、左手で移動、右手で攻撃という風に、両手で操作すると遊びやすかった。ゲームパッド並とまでは言わないまでも、ある程度思ったとおりの操作はできた。

 そして本作の最大のポイントが、難易度の高さである。モバイルゲームは手軽に遊べることをウリにするため、難易度を低めに設定するのが一般的だ。しかし本作は、セリアを助け出すという最初のクエストでさえ、そう簡単にはクリアさせてもらえず、筆者も途中で2度倒されてしまった。ただ倒されても経験値はそのままで、クエストの最初からやり直しとなるため、徐々にレベルが上がることで何とかクリアにはこぎつけた。

 ゲームエンタープライズ事業部 GE事業開発チームの西澤弘氏によると、この難しさは「アラド戦記」ユーザー向けにチューニングしているためだという。韓国では既に配信されているのだが、韓国は携帯ゲーム機が日本ほど普及していないため、コアゲーマーも携帯電話で遊ぶ傾向が強く、そのため「アラド戦記モバイル」も難易度が高く設定されている、というのも一因だという。ちなみに韓国版はさらに難易度が高く、日本向けにやや緩和はしているという。

 また西澤氏は、「アラド戦記」との連携機能を用意することも明らかにした。具体的な内容については触れられていないが、「アラド戦記モバイル」をプレイすれば「アラド戦記」に何らかのメリットが還元される、というのは間違いない。ちなみに西澤氏の所属は「ハンゲ.jp」を主導するモバイルチームではなく、「ハンゲーム」の運営チーム側だという。すなわち「アラド戦記モバイル」の管轄もPC寄りのチームということで、過去のモバイルゲームでは実現できなかった強力な連携も期待できそうだ。

【スクリーンショット】
元々2Dグラフィックスベースの「アラド戦記」だけに、グラフィックスの再現度は高い。インターフェイスの違いを除けば、ゲームとしてもかなり近い内容になっている

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■ 1話完結型のコメディ・ファンタジーアニメ「スラップアップパーティー -アラド戦記-」

左から、ゴンゾ第1プロデュース部事業推進チームプロデューサーの鷹木純一氏、監督の池添隆博氏、声優の近藤隆さん、野川さくらさん、辻あゆみさん
主要キャラクタが描かれたキービジュアル。この5人がパーティとなってストーリーが展開される
主人公のバロンと、彼の大剣に憑いている精霊ロクシー
 「アラド戦記」はモバイルゲームに続き、アニメ化も決定した。こちらは株式会社ゴンゾが制作を担当しており、日本産のアニメ作品ということになる。会場には、監督の池添隆博氏と、声優の近藤隆さん(鬼剣士・バロン役)、野川さくらさん(格闘家・リュンメイ役)、辻あゆみさん(メイジ・イクシア役)が登場し、ステージイベントが行なわれた。

 まず放映時期は、2009年の予定。そして何と、日韓同時放送を予定しているという。日本と韓国の双方で成功している数少ないオンラインゲームだからこそできる、今までにない展開といえるだろう。

 ストーリーは、主人公の鬼剣士バロンが、鬼化が進む体を治す方法を探す旅の中で、それぞれ別の目的を持った人々と出会い、パーティとなって旅をしていくというもの。見所は3つで、1つは既に名前を挙げたとおりの豪華キャスト陣。他にガンナー・カペンシス役の鈴村健一さん、プリースト・ジェダ役の黒田崇矢さんなどが名を連ねている。

 2つ目はメリハリのあるアクションシーン。監督の池添氏とキャラクタデザインの永作友克氏は、元Walt Disney Animation Japanのアニメーターで、アクションシーンにはこだわりをもって制作しているという。

 3つ目はわかりやすいストーリー。ほぼ1話完結のストーリー展開で、シリアスな中にもギャグを入れ、また爽快なアクションを見せることで、途中から見ても楽しめるような作品にしているという。

 池添氏は、「タイトルは“素晴らしいパーティ”といった意味。パーティを組んでの大冒険の魅力を伝えたい。ゲームの面白さを崩さず作っているので、ぜひ見てください」と語った。ちなみに現在、既に7話辺りまで制作が進んでいるそうで、2009年といってもそれほど遠くない時期には見られそうだ。

 声優陣もそれぞれに作品をアピール。近藤さんが「鬼手の話はあまり出てこないですが、ギャグが毎回入っていて、鈴村さんがシリアスながらギャグ担当になっています(笑)」と笑いの部分を語ると、野川さんも「すごく素敵な収録現場。配られていたチラシに書いてあった“パーティしようぜ”というコピーも、バロンの声にしか聞こえないくらいどっぷり浸かっています」と、声優陣も楽しく演じている様子を語った。

 辻さんは、この仕事をもらう前から「アラド戦記」でメイジをプレイしていたそうで、「偶然なのか、ゲーム好きなキャストが集まっています。今度みんなで『アラド戦記』をやりましょうと話したりしています」とコメント。アニメの発表の場ながらゲーム内容に踏み込んだ話題も展開し、ゲーム・アニメともに愛しながら演じている様子が伺えた。

 会場にはさらに、エンディングテーマを担当した音楽グループ、YMCKも登場。持ち前のファミコン風8bit音源アレンジに、登場キャラクタのドット絵による映像も組み合わせ、ゲームらしい雰囲気を出しつつも「アラド戦記」とは一味違う、面白いテイストをかもし出している。ボーカルのMidoriさんは、「作品のワクワクする余韻をエンディングでうまく引っ張れるといいなと思います」とコメント。映像を作ったNakamuraさんは、「リュンメイの胸をドットでどう表現するかに命をかけた」ということで、放映時には音楽とともに映像にもご注目いただきたい。

 オープニング曲は、野川さくらさんが歌う。「アニメのオープニングを歌うのは久しぶり。収録はまだですが、韓国にも行けたらいいなと夢見ています」と語った。

【スクリーンショット】
1話完結で楽しめるとあって、コメディタッチもかなり強いようだが、アクションも見所というだけに、絵のクオリティにも期待したい

【設定イラスト】
バロン・アベル
リュンメイ・ランカ
イクシア・ジュン
カペンシス
ジェダ・ラクスッパ
ロクシー


□NHN Japanのホームページ
http://www.nhncorp.jp/
□「ハンゲーム」のページ
http://www.hangame.co.jp/
□「HANGAME 2008 夏祭」のページ
http://announce.hangame.co.jp/hangame/event/080824_natsumatsuri/
□関連情報
【8月18日】NHN Japan、WIN「熱血高校! くにおくんオンライン」
「HANGAME 2008 夏祭」に試遊台を出展
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20080818/kunio.htm
【8月7日】NHN Japan、iモード「アラド戦記モバイル」今秋配信
職業別にシナリオを用意。第1弾は「鬼剣士編」
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20080807/arad.htm

(2008年8月25日)

[Reported by 石田賀津男]



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