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★PCゲームレビュー★

華麗なるスタイリッシュアクションを極めろ!!
世界で大ヒットしたPS3/Xbox 360タイトルがPCで登場

「デビル メイ クライ 4」

  • ジャンル:スタイリッシュアクション
  • 開発/発売元:カプコン
  • プラットフォーム:Windows XP/Vista
  • 価格:7,340円
  • レーティング:CERO:C(15歳以上)
  • 発売日:7月24日(発売中)



 アクションゲームの老舗カプコンが放つスタイリッシュアクションゲームの最新作「デビル メイ クライ 4」は、2008年1月末にプレイステーション 3/Xbox 360向けにリリースされ、全世界で300万本に迫るセールスを記録した大人気タイトルだ(プレイステーション3/Xbox 360版「デビル メイ クライ 4」レビュー記事)。その人気タイトルがこのたび複数の新機能を備え、PC版として7月24日に登場した。本稿では、映像美と多彩なアクションが魅力の本作をPCでプレイする魅力についてお伝えしたい。


■ スタイリッシュアクションシリーズの最新作がグレードアップしてPCに登場!
 やり込むほどに深まるアクション性と爽快感がPCの性能を生かして更に充実

スタイリッシュアクション「デビル メイ クライ 4」がPCで再登場。ゲーム機を超える美しい画質でのプレイが可能となった
 PC版として再登場した「デビル メイ クライ 4」。本作はプレイステーション 3/Xbox 360で大ヒットを飛ばしたタイトルであるだけに、移植にあたりどのような変化が加えられているのか注目されるところだ。そこでまず最初に、これから本作のプレイを検討しているPCゲームユーザー向けに、PC版ならではの注目点を述べておきたい。

 ひとつは、カプコンがPCをハイエンドプラットフォームと見なして、マルチプラットフォームタイトルにおける最高品位のバージョンを投入するという前向きな姿勢を持っているということだ。昨年リリースされたPC版「ロストプラネット エクストリームコンディション」ではグラフィックスの高品位化を含むグレードアップが見所だったが、本作「デビル メイ クライ 4」においてもその姿勢が活きており、新ゲームモード「Legendary Dark Night」や「TURBO」(詳細後述)を搭載してPC版でしか味わえないゲーム体験を実現している。

PC版では640×480から1,920×1,200の高解像度に万全の対応を果たした。プレーヤー環境に最適な解像度でプレイできる
 また、カプコンのマルチコア世代機向けゲームエンジン「MTフレームワーク」を使用する本作は、「ロストプラネット」と同様にWindows Vista上ではDirectX 10に対応するほか、Windows XP上でもコンシューマー機を超える贅沢なテクスチャ解像度で高品位なレンダリングをすることが可能だ。そのぶん推奨環境はCore 2 Duo以上、GeForce 8600以上とやや高めになっているが、その価値のある映像品質を実現しているし、ハイエンドPCならフルHDを超える1,920×1,200ドットの解像度で60fpsを下ることのないパフォーマンスでゲームを楽しめる。

 そして、本作「デビル メイ クライ 4」は、ゲームコントローラでの操作を前提にデザインされた純粋な3人称視点のアクションゲームであり、昨今PC向けに供給されているゲームの中では、極めてユニークな存在であるということだ。格闘ゲームの老舗であるカプコンならではの、複数の技を華麗に組み合わせて戦うという“スタイリッシュ”なゲーム性は、PCの他のタイトルでは味わえないものだ。

 「デビル メイ クライ 4」のPC版にはこれらの魅力があり、ゲーム機で既にプレイしたゲーマーがさらなる挑戦を求めてPC版をプレイするもよし、生粋のPCゲーマーが新鮮な体験を求めてプレイするもよしという移植作に仕上がっている。これを踏まえてさらに本作の魅力に迫りたい。

・PC版でのみ実現した「Legendary Dark Night」モードとは?

ものすごい数の敵が出現する「Legendary Dark Night」モード
 PC版エクスクルーシブの要素として実現したゲームモードは2種類あり、ひとつはゲームの全てが1.2倍速となる「TURBO」モードだ。これはゲームオプションスクリーンでON/OFFを選択することができ、カットシーンを除く全てのゲームモードに適用される。印象的には「ちょっぴり速い」という感じだが、これでしばらくプレイすると標準モードのテンポが遅く感じられ、攻撃や回避がより的確にできる気がしてくるから面白い。

 もうひとつのゲームモードが、「Legendary Dark Night」モードだ。こちらは難易度設定のひとつで、ハイエンドPCの能力を前提として一度に登場する敵の種類と数が標準の数倍増しになるという、明らかに上級者向けのゲーム内容となっている。

 敵の数は本当に圧倒的で、通常モードで5、6体の敵を同時に相手とする忙しいシーンでは、20から30体を下らない大量の敵を相手にすることもある。絶えず画面が敵で埋め尽くされるような状態で、時には敵が多すぎて主人公キャラクタの姿が見えないという状況も当たり前に発生するので素早く立ち回りつつ、1対1で考えるよりは敵をひとかたまり単位で片付けていくことになる。通常の戦闘があまりに忙しいので、強制的に1対1となるボス戦が息抜きに思えるほどである。

 PS3/Xbox 360版で上級者向けの難易度「Dante Must Die」を楽勝でクリアするほど鍛え抜いたプレーヤーも、こればかりは一度プレイしてみる価値がある。筆者は中盤で息切れしてしまったが、腕に覚えのある上級者なら、強敵「アルトアンジェロ」が1ダースに加えてやっかいな「グラディウス」が無数に出現するなんていうシーンでも、力業にならず華麗に戦い抜けるかもしれない。その戦いを是非見てみたいものだ。

敵の数がものすごいだけに、広範囲にダメージが広がるチャージ攻撃を決めれば、コンボ攻撃の評価「スタイリッシュポイント」が凄いことになる。わずか2、3回の攻撃でSSS評価を獲得

通常モードでも多くの敵が出るシーンでは、画面を埋め尽くすほどの状況になる。ここからどう片付けていくか、プレーヤーの腕の見せ所だ


■ 悪魔の右腕を持つ若き戦士ネロと最強のデビルハンター・ダンテ
 2人の運命の交錯を描く、スタイリッシュなゲームシステムとストーリー

対決する「ネロ」と「ダンテ」。この時点では強さもクールさも「ダンテ」が数枚上手だ
 ゲーム本編の紹介に移ろう。本作はシングルプレーヤー専用のアクションゲームで、全20ミッションのステージをクリアしつつストーリーを追っていくという構成をとっている。主人公となるのは本作で初登場となるデビルハンター「ネロ」。前作までの主人公「ダンテ」とは違ったテイストで、スタイリッシュなアクションが実現されている。

 ゲームの舞台となるのは、とある大陸沿岸部に存在する城塞都市フォルトゥナ。この地では「魔剣教団」と呼ばれる宗教集団が都市の中核を成している。彼らの教義は、2,000年前に人類のために戦ったとされる悪魔「魔剣士スパーダ」を神と崇め、それ以外の悪魔を憎み排除すること。その都市で大祭「魔剣祭」が行なわれたある日、突如現われた男が教皇を暗殺。護衛の兵士まで殺戮してしまう。教団騎士随一の使い手として悪魔狩りを任務とする若き戦士ネロはその男と対峙するが……。

 その男とは、旧作のプレーヤーならばおなじみのデビルハンター・ダンテその人だ。今作の主人公であるネロは、ゲーム開始直後にこのダンテと決闘することになる。これはチュートリアルを兼ねており、銃、剣、そしてネロの右腕に宿る悪魔の力を順番に使用して戦う構成だ。最後には全力を尽くしての決闘となるが、結局はダンテにあしらわれ、逃走を許してしまう。

操作方法を学びつつ、両雄の対決をプレイする。青のネロ、赤のダンテ、悪魔の力を持つ2人の戦士の決着は、ダンテが華麗に去ってしまうことによって持ち越しに。ネロはダンテ追跡の任務を負って戦いに出る

「デビルブリンガー」で敵を掴む。空中コンボの基本となるアクションだ
 まだ若く、厭世的でクールさを装いつつも時折未熟な激情を覗かせるネロは、ダンテとは全くタイプの異なる戦士だ。彼の武器は、特製の2連装リボルバー「ブルーローズ」とジェット推進器のついた大剣「レッドクイーン」、そして悪魔の右腕である。

 右腕の能力は「デビルブリンガー」と呼ばれ、ネロは実在の右腕から悪魔の右腕を放ち強力なアクションを発動する。敵を掴んで叩きつけたり投げ飛ばす「バスター」、離れた敵を強制的に引き寄せる「スナッチ」は、剣・銃のアクションと様々に組み合わせることが可能だ。例えばジャンプ中に「スナッチ」を発動するとネロの滞空時間が少しだけ延びるので、上手く利用すれば空中コンボをどんどん延長することができる。

「イクシード」をチャージすれば剣が紅く光り、炎を纏った強力な剣撃が飛び出す
 剣のほうにも一工夫が施されている。大剣「レッドクイーン」の柄の部分はバイクのアクセルのようになっており、これをひねることで剣の噴射口から推進剤が噴射される仕組みがある。これがゲーム中「イクシード」と呼ばれるチャージ攻撃として組み込まれており、あらかじめ「イクシード」ゲージを溜めて攻撃すれば通常よりも強烈な剣撃が飛び出す仕組みだ。

 時間をかけてチャージすることもできるが、打撃時にタイミング良く「イクシード」ボタンを押せば即座にゲージが溜まり、連続のチャージ攻撃が可能となる。「イクシード」が溜まった状態では様々な技の強化版が発動するため、コンボ構築の上でも重要なテクニックだ。各攻撃時に的確に「イクシード」ボタンを押し、常にチャージ攻撃を発動し続けることがハイスキルプレーヤーの証である。

 これらの要素に多彩な技を組み合わせて実現する本作の多彩なアクションは、ゲームジャンルを“スタイリッシュアクション”と号する通り、華麗かつ爽快だ。ゲームテンポは速く、コマンド入力によって発動する数十種類もの技を間断無く組み立てていくというスキルフルなものになる。

 完璧なコンボ攻撃に捉えられた敵は、一度も反撃の機会を与えられることなく滅する。いったん上空に打ち上げ、ジャンプして追い打ち、吹き飛ばしても「スナッチ」で引き寄せて連撃を与え、そのまま地上に落とすことなく倒すというのがコンボ攻撃の基本だ。上達するたびに増していく爽快感が実に良い。

空中へ打ち上げてからの追い打ち、「デビルブリンガー」を使っての投げ、「イクシード」をチャージしての攻撃など、全てを駆使してコンボ攻撃を組み立てていく。個々の操作は簡単だが奥が深い

ボス戦では巨大な悪魔と対決する。ストーリーの途中で身につける「魔人化」のスキルを上手く使えば効率よく撃破できるが、扱いは簡単ではなく相応の腕前も必要だ

・ストーリー後半はダンテが主人公となるパートに突入。リアルタイムの「スタイルチェンジ」で多彩に戦う

最強のデビルハンター・ダンテ。その力を知らしめよ!
 ダンテを追って教団施設の深部に入り込んだネロだったが、ネロ、ダンテ、魔剣教団を取り巻くストーリーは複雑に展開しつつ、やがてゲームはダンテでプレイするパートにも突入する。「イクシード」を使いパワフルに戦うネロとは異なり、ダンテは複数種類の銃器や近接装備を使い分けると同時に、状況に応じて特殊スキルを切り替える「スタイルチェンジ」を駆使してあくまでも華麗に戦う。

 そのスタイルは「トリックスター」、「ソードマスター」、「ガンスリンガー」、「ロイヤルガード」の4種類。「トリックスター」では敵の側面や背後を取ったり、ターゲットした敵の近くに瞬間移動するといった立ち回りの技が使える。「ソードマスター」では近接攻撃のバリエーションが拡張され、「ガンスリンガー」では銃器を使った技が強化される。「ロイヤルガード」では鉄壁の防御が可能だ。

 これらのスタイルを駆使した戦い方は、慣れないうちは複雑で難しい。ストーリー終盤までに獲得するものを含めれば、3種の銃器、3種の近接武器があり、4つのスタイルと組み合わせたバリエーションは膨大なものになるからだ。しかしいったん使いこなせるようになれば、「トリックスター」スタイルで敵の裏を取り、すかさず「ソードマスター」スタイルで強力な近接攻撃をたたき込むといった、まさに“スタイリッシュ”な戦いが可能となるわけだ。

 ネロ、ダンテ、双方の視点で描かれるストーリーと、それぞれに異なるアクションスタイルを持つキャラクタによるゲーム性は、カプコンらしい丁寧な作り込みによって深く楽しめるものに仕上がっている。

それぞれ3種類の近接武器と銃器を持ち、4つのスタイルをチェンジしながら戦うダンテは、非常にテクニカルなプレイを要求する。使いこなすにはかなりの練習が必要だ

ストーリーモードをやり込んで腕を上げたら、ひたすら敵と戦い続ける「ブラッディパレス」モードで腕試しをしよう。全101ステージで構成され、1ステージクリア毎にタイムが追加される。素早くクリアしていかなければ時間切れでゲームオーバーだ


■ 一通りクリアするだけなら簡単、しかもやり込み要素はどこまでも深い
 カジュアルゲーマーからハードコアゲーマーまで幅広く楽しめる良質なアクションゲーム

プレーヤーの使う技は、ステージクリア時に得られる「プラウドソウル」を消費して獲得する仕組み。この内容は永続して持ち越されるので、上級の難易度は成長したキャラクタで挑戦しよう
 やがてゲームはネロとダンテによる終幕へと向かうが、一度クリアした程度では全く終わったことにならないのが本作の特徴だ。ネロ、ダンテそれぞれのアクションスキルは、各ステージのクリア成績によって獲得する「プラウドソウル」によって習得していくという仕組みなのだが、1回クリアする程度では総量が全く足りないのである。そして、「プラウドソウル」や習得スキルをはじめとするデータは永続的なものであり、持ち越したまま次のゲームを開始することができるのだ。

 はじめは最低難易度の「Human」モードをクリアし、次に「Devil Hunter」モード、次に「Son of Sparda」モード、次にアンロックされる「Dante Must Die」モードへと、グレードを上げつつプレイしていくのが標準的なスタイルだろう。高難度では冒頭のダンテとの決闘も全能力を駆使した難しいものに変貌するが、2週目以降では最初から沢山のアクションスキルや、ストーリー中盤で習得する「魔人化」の能力を使うことができるため、はじめから手応えのあるゲームとなる。

高難易度ステージをS評価でクリアすれば多くの「プラウドソウル」が獲得できる。特に「Legendary Dark Night」モードでは、通常モードとは比較できないほどのスコアを獲得できるので積極的に狙いたい
 「Human」モードをクリアするだけなら、アクションゲームが苦手でもそう難しくはない。最高難易度とされる「Dante Must Die」モードも、練習と根気次第でなんとかなるレベルと言えるかもしれない。しかし、その先にさらに用意されている「Heaven or Hell」モードと「Hell and Hell」モードは極限のチャレンジだ。

 「Heavn or Hell」では、敵も味方も1撃で即死する。これならサクサク進めていいのだが、さらに上級の「Hell and Hell」では敵は強いまま、プレーヤーだけが1撃で即死するという設定だ。普通に考えて、このモードをクリアするのは無理だろうと思ってしまうが、世の中広いもので、動画コミュニティで「Hell and Hell」を最後まで進めているプレーヤーを発見した。初見では目を疑う上手さである。

 そして上手いプレーヤーはどこまでも上手くなるもので、高難度の「Dante Must Die」モードで全ボスを1分以内に撃破する(完全に一方的に殴り続けないと達成できない記録である)、一度も着地せずに最初のボスを撃破する(筆者は10秒浮いているだけでも至難)等々、想像を絶してもはや笑いが出てくるほどのやり込みがこのゲームには存在している。そこまで腕を鍛えるプレーヤーも凄いが、そのプレーヤースキルに応える本作も凄いとしか言いようがない。

 さらにPC版の本作では、敵が山盛りで出現する「Legendary Dark Night」モードがあり、さらなる攻略の世界が待ち受けている。中盤を過ぎて腕前の限界を感じた筆者としては、この超難度を誇るモードで華麗に戦ってみせるプレーヤーのプレイを是非見てみたいものだ。自分でプレイできないかわりに上手いプレイを鑑賞するという、本作のようなゲームではそういう楽しみ方があってもいい。

 そういうわけで、アクションゲームが苦手なプレーヤーも、上手なプレーヤーも、本作「デビル メイ クライ 4」を大いに楽しめるだろう。グレードアップして登場したPC版で、華麗なアクションを堪能して欲しい。

【スクリーンショット】
他にないタイプの爽快なアクションが楽しめる「デビル メイ クライ 4」は、PCで遊べるゲームとしては非常にユニークな存在と言えるかもしれない。日頃FPSやRTSにいそしんでいるPCゲーマーにも一度はプレイして欲しいと思えるタイトルだ


(C)CAPCOM CO., LTD. 2008 ALL RIGHTS RESERVED.

□カプコンのホームページ
http://www.capcom.co.jp/
□「デビル メイ クライ 4」の製品情報
http://www.capcom.co.jp/devil4/pc_main.html
□関連情報
ゲーム推奨PC 最新ラインナップ
http://game.watch.impress.co.jp/docs/gamepc/
【2月29日】PS3/Xbox 360ゲームレビュー「デビル メイ クライ4」
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20080229/dmc4.htm

(2008年8月11日)

[Reported by 佐藤カフジ]



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