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E3 Media & Business Summit 2008現地レポート

Disney Interactive Studiosブースレポート
レース「PURE」、アクション「BOLT」など個性派が勢揃い!
既存ブランドに頼らない新作ゲームが続々登場

7月14~17日開催(現地時間)

会場:Los Angeles Convention Center

 米Walt Disney Companeyのインタラクティブメディア部門、Disney Interactive Studios(以下DIS)は、E3 2008の同社プライベートブースにて、2008年投入予定の新作ゲームタイトルを多数出展した。

 様々なデベロッパー作品を販売するゲームパブリッシャーとしてDISが始動したのは2007年とつい最近のことだが、今回の出展でディズニーブランドに頼らない個性的な新作タイトルが多く登場したのが注目点といえるだろう。

 ラインナップにはコンセプトが明瞭でわかりやすい作品が多く、老若男女分け隔てなく楽しめるコンテンツを投入してきているあたり、非常にディズニーらしさを感じる内容だった。その中から代表的な作品をピックアップしてご紹介する。


■ 四輪バイクを駆り華麗なスタントアクションを決めろ!
 リアルなグラフィックとスピード感が楽しめる「PURE」

大ジャンプ!華麗なトリックを決めろ!という明快なコンセプトを持つ「PURE」は今期のイチオシタイトルだ
 DIS傘下のBlack Rock StudioがPC/プレイステーション 3/Xbox 360といったHD機向けに制作する、スピード感あふれるビークルアクションレースゲームが「PURE」だ。オフロード仕様の四輪バイクに乗り、デコボコ道を疾走しつつ大ジャンプ。空中で80種類を超えるエアトリックを決め、ハイスコアを目指すというゲームだ。

 グラフィックスは非常に写実的でなおかつ美しく、オブジェクトベースのモーションブラーを効かせて素晴らしいスピード感を演出。ゲームフィールドは30種類以上あり、ワイオミング、イタリア、ニューメキシコといった現実のトラックを再現したステージでバトルができる。

 また車両のカスタマイズ機能に力が入れられており、プレーヤーが乗る機体は重度のカスタマイズを加えることが可能なようだ。さらに16名までのマルチプレイをサポートする。

 四輪バイクでエアトリックを決める! という明快でシンプルなコンセプトに注力したタイトルであるだけに、操作性や、ゲーム画面から伝わる爽快感、テクニカルなプレイに対するフィードバックなど、ユーザーインタラクションが非常に濃密なゲームに仕上がっている。ディズニーの底力を感じる、良質なアクションレースゲームだ。

 英語版の発売は9月に予定されており、対応プラットフォームはPC、プレイステーション 3/Xbox 360となる。日本語版についての明確な情報は得られなかったが、スタッフによると「ワールドワイドで展開する」とのことなので、日本でも楽しめることになって欲しいものだ。

【「PURE」】
四輪バイクでのオフロード走行と空中スタントにすべてを注ぎ込むという「PURE」。明確なコンセプトがまさに「ピュア」なタイトルといえるだろう。HD世代機を前提としたグラフィックスも非常に美しく、注目したい


「PURE」ムービー
[WMV形式: 44.9MB 1分11秒] LZH圧縮

※クリックするとダウンロードが始まります



■ 日本デベロッパー発のDS用バトルゲーム「SPECTROBES:Beyond the Portals」

ニンテンドーDS用「化石超進化スペクトロブス」の続編が登場
 Disneyプライベートブースの一角でデモされていたニンテンドーDS用ゲーム「SPECTROBES:Beyond the Portals」は、今回出展されていたラインナップの中で唯一、日本のゲームスタジオが開発している作品だ。

 ニンテンドーDS向けのタイトルの実績を多数もつ株式会社ジュピターが開発する本作は、日本では「化石超進化スペクトロブス」として発売されたアクションRPGの続編となるタイトルだ。

 本作はマップ上の化石を探索して発掘することでモンスターを獲得し、たくさんのモンスターを収集・育成しながら「Crawl」と呼ばれる敵との戦いを繰り広げていくという、いわゆる「ポケモン」型のコンセプトをもつゲームだ。最新作となる今作では、これまでは移動と探索のみだったフィールド上でソード、拳、ガンを使った戦闘が可能になり、エンカウント型のバトルと合わせて2種類の戦闘シーンが楽しめるようになる。

 また本作は戦闘が非常にアクション性の高いものになっているのが特徴で、モンスターや主人公の成長具合に加えてプレーヤーのアクションゲームスキルが物をいう作りになっており、Wi-Fiを通じた対戦は白熱したものになる。

 作品の説明を行なってくれた、ディズニー・インタラクティブ・スタジオのプロデューサー久井健太郎氏によると、本作の北米での発売は10月7日、日本では年末の発売を予定しているとのことだ。初代作は全世界で100万本以上のセールスを記録しており、じわじわとファンを増やして「広くプレイされるゲームにしていきたい」と久井氏は語っていた。

【「SPECTROBES:Beyond the Portals」】
日本のジュピターが開発する「化石超進化スペクトロブス」の続編。今回は戦闘モードがいろいろと拡張され、より戦略的に戦えるようになったようだ



■ 目からビーム!危険なスーパードッグが大活躍する破天荒アクションゲーム「BOLT」

良質なアクションアドベンチャーの香りがする「BOLT」。目からビームを打つのが得意な犬
 DIS傘下のデベロッパーAvalanche Softwareが開発する「BOLT」は、超能力を備えたスーパドッグ「Bolt」と、その相棒である人間キャラクタ「Penny」の冒険を描くアクションベースのアドベンチャーゲームだ。

 ゲームはひとりと1匹のキャラクタを切り替えながらステージが進行し、「Penny」が活躍するステージでは、「プリンス・オブ・ペルシャ」シリーズ的な環境を利用したアクロバティックアクションや、超能力を使って不可視の状態になり、敵の背後から近付いて倒すといったステルスアクションの要素も組み込まれている。

 犬の「Bolt」をプレイするステージでは、とても素早い動きで敵を翻弄すしつつ、目からビームを放つ必殺技で、敵方の人間型戦闘員や戦闘ヘリなどと激しい戦いを繰り広げていくのだ。ステージ構成はバリエーション豊かで、今まで闘っていた屋敷がばらばらに分解してしまうようなシーンもある。非常に現代的なアクションゲームとしてクオリティ高く仕上がっているという印象を受けた。

 対応プラットフォームはPC/プレイステーション 3/Xbox 360/プレイステーション 2/Wii/ニンテンドーDSと、マルチプラットフォームで展開する。発売は北米・欧州向けの出荷が11月に予定されている。本作も他のDisney品と同じく「ワールドワイドに展開します」と語られており、日本語版の登場を改めて期待したい。

【「BOLT」】
人間キャラと犬型キャラを交互にプレイする、バリエーションある展開が魅力のアクションアドベンチャーゲーム「BOLT」。犬の「Bolt」はかわいらしく、目からビーム攻撃は愛嬌がある


■ Disneyが力を入れる音楽ゲーム作品「Ultimate Band」、「Disney Sing It」

Wiiリモコンでギターやドラムをプレイしてしまう「Ultimate Band」ほか、今年のDisneyは音楽ゲームが充実
 今年のDisneyは音楽ゲームも大変充実し、主要3タイトルが出展されていた。ひとつは、Wii用のロックバンド系リズムゲーム「Ultimate Band」。この作品はWiiリモコンとヌンチャクを使い、譜面に合わせてタイミングよく様々なアクションを決めていくという内容になっている。

 Wiiリモコンを使ったことで多彩なアクションが可能だ。ギターを回転させる動きや、高速ピッキング、ヌンチャクを使ったアクションもあり、すべてのインタラクションが画面内のロックスターの動きに反映され、非常に賑やかなゲーム性となっている。

 「Ultimate Band」の発売は、北米・欧州向けに今年の年末ホリデーシーズンに予定されている。こちらもワールドワイドで展開する予定であるとのことで、今後日本語版についての情報も出てきてほしいところ。

【「Ultimate Band」】
Wiiリモコンを使った多彩なアクションを、リズムゲームに取り入れた「Ultimate Band」


カラオケタイプのゲーム「Disney Sing It」。スタッフが熱唱してくれた
 Disneyスタッフが力をこめて紹介してくれたもうひとつの音楽ゲーム作品がWiiを中心に展開するカラオケスタイルのゲーム「Disney Sing It」だ。マイク型デバイスを使い、画面に表示される歌詞と音楽に合わせながら歌を歌って、ハイスコアを競うというパーティやファミリーで楽しめる作品になっている。

 音楽ゲームとして最大の特徴は、やはり本作に含まれる楽曲がディズニー関連作品のものを採用している点であり、TVシリーズ、映画作品を含むサウンドトラックから35曲が収録。メインターゲット層は12~14歳を中心とする若年の女性とされ、今回のラインナップの中ではほぼ唯一、ディズニーブランドに依拠した製品となっていた。

【「Disney Sing It」】
ディズニー関連楽曲を30曲以上収録した「Disney Sing It」。今年のDISには、ディズニーブランドに依拠した作品がこれくらいであったことに、むしろ注目したい


■ ゲームパブリッシャーとして存在感を増していくDisney Interactive Studios

 今回の出展で興味深い点は、Disney Interactive Studiosが、ディズニー以外のデベロッパー製品も幅広く扱うゲームパブリッシャーとして本格的にスタートしたことを象徴づけるように、ディズニーブランドに依存するゲームが、むしろ少数派となっていたことだ。

 このままDisney Interactive Studiosが良質なゲームを多数パブリッシングする企業として盤石となっていけば、北米拠点でワールドワイドに展開する有力なゲームパブリッシャーのひとつとして、その存在感を増していくことになるだろう。

 全世界に製品を提供することを良しとするディズニーの1部門でもあるだけに、幅広い作品を扱っていくことは日本のユーザーにとっても良い影響が期待できそうだ。面白いゲームがたくさんリリースされていくことを期待したい。


□Disney Interactive Studiosのホームページ
http://disney.go.com/disneyinteractivestudios/
□関連情報
「E3 Media and Business Summit 2008」記事リンク集
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20080716/e3link.htm

(2008年7月20日)

[Reported by 佐藤カフジ]



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