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まずは本作の特徴をまとめておこう。プレーヤーが置かれるシチュエーションはシンプルだ。現代都市に特殊なウィルスが突如蔓延し、感染した者は皆、凶暴性だけが残る恐ろしいゾンビに変貌してしまった。そんな中に取り残されたのが、たまたまウィルスへの抵抗力を持っていた4人のプレーヤーたちである。生き延びるため互いに協力し、死が満ちるこの都市から脱出しなければならない。
というわけでプレーヤーは、ゾンビゲームではよくある孤立した状況でゲームをスタート。補給所代りの小部屋で銃と弾薬を補給したら、ドアを開け、何が起こるかわからないステージへ入っていく。対するゾンビは、一般的なゾンビゲームのイメージとはかけ離れたスピードでプレーヤーに迫ってくる。例えるなら、スプリン競技のオリンピック選手並の全力疾走ぶりだ。こんなのが、1ダース単位で大量に湧いて出るものだから、ほとんどゾンビの洪水である。ゲームのテンポは凄まじく速い。
このあたり、開発元が「Counter-Strike」関連作品で豊富な経験を持つこともあって、銃の質感、射撃における打撃感がすばらしく、FPSとしての基本インタラクションは抜群だ。 手榴弾や火炎瓶などのサブウェポンの存在も確認された。ゾンビが大量に湧いてくる場所へ投げ込めばチーム全体が大きく有利になる。しかし、その数は限られているので、常に最善の選択が求められる。
ゲームはステージクリア型の構成で、1ステージには2~3個のチェックポイント的なセーフルームがあり、そこで弾薬と体力の補給・回復をしながら、4人のプレーヤーがそろって先に進んでいくというスタイルだ。そして、ステージを通して「どこからゾンビの大群が出てくるかわからない」という緊張感が続く。
なんとか片づけて4人が集合し、前を向いて移動を開始しようとしたら、後続がついてこない。振り向くと、もうゾンビの大群に埋もれている、という状況も日常茶飯事。常に何が起こるかわからない上、思わず噴き出してしまうほどの激しさだ。
こういった「静と動」の切り替えが本作の最大の醍醐味と言えるのだが、それをさらに強化するのが、セミスクリプトベースのステージ構成だ。要所ではスクリプトベースの演出で決まった敵が出てくるシーンもあるが、ほとんどの場面でステージ内のゾンビ出現パターンはランダムであり、何度プレイしても未知の恐怖が味わえる。プレーヤーの予断を決して許さないことで、ゲームの緊張感を高め、協力プレイの動機を強めているのだ。
■ 4人同時CO-OPプレイを体験。密接なチームワークを求めるゲーム性は期待以上!
本作はCO-OP専用のゲームであり、ゲームには必ず4人のプレーヤーが登場する。人間が足りない場合はBOTが代行するが、やはり人間同士でプレイするのが一番面白い。味方に射撃が当たるとダメージを与えてしまうので、ゾンビの群れと交戦するときには味方を巻き込まないよう細心の注意が必要だ。いわゆるFF(Friendly Fire)-ONの設定というわけだが、この設定をオフにすることは決してできないというハードコアぶりだ。
そしてプレーヤーが死亡した場合、それが可能な場面であれば、60秒後に近くの復活ポイントで再出撃することになる。しかし、復活ポイントは常に「外からしか開けられない小部屋」になっており、仲間が救出しなければ戦線に復帰できない。もし、全プレーヤーが死亡したり、交戦不可能な状態となれば、脱出行は失敗。ゲームオーバーとなる。
ほかにも、仲間の助けが必要なシチュエーションは沢山ある。よくあるのが、ゾンビのタックル攻撃で倒され、マウントを取られて一方的にボコボコにされてしまう場面だ。仲間がゾンビを倒さなければ引き裂かれて死を待つしかなく、思わず「助けて!」と叫んでしまう。
およそ30分間の体験プレイでは、仲間が死ねば、自分も死ぬという、本作の強烈なCO-OP特化型のゲームデザインをしっかりと感じることができた。本作のキャッチコピーは「共に戦うか、孤独に死ぬか」であり、まさにその通りのゲーム性となっている。トップレベルのFPSプレーヤーでもワンマンプレイでは絶対に脱出できない、徹底したCO-OPのゲームデザインになっているのだ。
気になる発売日はPC版が11月4日で、Valveの「Steam」で配信され、日本語もサポートされる。Xbox 360版は11月7日で、北米・欧州向けの出荷となる。
製品に搭載されるステージ数は、4つのシナリオに5つづつのステージで計20種類。PC-Xbox 360のクロスプラットフォームプレイはサポートされず、各プラットフォーム内で完結するスタイルになる。新時代のCO-OPを楽しめる本作、プレイできる日を楽しみに待とう。
□Valveのホームページ http://www.valvesoftware.com/ □「Left 4 Dead」の公式サイト http://www.l4d.com/ □関連情報 「E3 Media and Business Summit 2008」記事リンク集 http://game.watch.impress.co.jp/docs/20080716/e3link.htm (2008年7月18日) [Reported by 佐藤カフジ]
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