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会場:Los Angeles Convention Center
また、プライベートブース内の展示はなかったものの、ミリタリーゲームファンなら絶対に見逃せないPC/プレイステーション 3/Xbox 360用FPS「Operation Flashpoint 2」の情報が開示されたのでご報告する。
■ 多彩なアクロバティックアクションで立体的なフィールドを縦横無尽に駆け巡る
開発は映像作品も手掛ける新進気鋭のデベロッパー、Blue Omegaが担当しており、PC、プレイステーション 3、Xbox 360の3つのプラットフォームで今年秋の発売が北米・欧州で予定されている。Codemastersの今期イチオシのタイトルであり、ブースを案内してくれたスタッフが真っ先に紹介してくれた次第だ。
本作「DAMNNATION」の舞台は、現実とは異なる歴史経緯を経たアメリカ。南北戦争が泥沼化し40年間も続いた結果、いまだ混乱の中にあるアメリカは複数の軍事勢力にわかれ、工業技術は蒸気機関ベースのまま兵器ばかりが異常発達していた。主人公は「Peacekeepers」と呼ばれるゲリラ勢力の隊長であり、超人的な体術とガンマンスキルを駆使して仇敵へ戦いを挑む。
基本の戦闘システムはFPS的で、主人公が使う銃器はマシンガン系、ハンドガン系、スナイパーライフル系、ロケットランチャー系とFPS的なものがひととおり揃っている。通常のFPSと異なる点は、マップの立体構造に主人公が足場として使える場所がいくつもあり、本作ならではのアクロバティクスを駆使して縦横無尽に移動できる点だ。 短いデモの間に披露されただけでも、そのアクションは実に多彩だ。窓に飛び込んで外へ飛び出す動きや、テラスの手すりからジャンプして隣の建物へ飛び移るアクション、棒を掴んで一回転しながら次の足場へ飛び付く動作など、フィールド上の特徴的な地形を使って立体的にどんどん移動していく。この点、本作のアクションは「プリンス・オブ・ペルシャ」シリーズのものに非常に近い。
その点を指摘したところ、Jacob氏は「その通りです。本作のアクションは『プリンス・オブ・ペルシャ』から多くの刺激を受けています」と返答した。あっさり認めてしまうのも微笑ましいが、それだけに本作のアクロバティックなアクションは力を入れて作りこまれており、またマップの構造がそれを生かしきるデザインになっている。
戦闘においても主人公の体術がものを言い、敵の攻撃を壁に飛び移ってかわし、高所から精密な一撃で倒していくなど、バリエーション豊富な戦法が使えるようになっている。スチームパンク的な世界観に基づき、武器の類もユニークだ。巨大な釘を打ちだして、敵を壁に貼り付けてしまうニードルガンや、プラズマ的な爆発で敵を木端微塵にしてしまうSF系の武器もある。
開発者自身が認めてしまう通り「プリンス・オブ・ペルシャ」シリーズにインスパイアーされたアクロバティックアクションと、武器の選択と射撃テクニックがものをいうTPS要素を融合した「DAMNATION」。グラフィックスのクオリティは高く、世界観もユニークでアメリカンスタイルな格好良さがある。日本語版の予定は今のところ未決定とのことだが、一度は試してみたいと思わせる面白さに溢れた作品だった。
■ 徐々にゲーム内容が明らかになってきた新作MMORPG「Jumpgate Evolution」
本作でプレーヤーがプレイするのは宇宙船。「Jumpgate」の世界には多数の恒星系があり、それぞれの惑星や小惑星帯にあるスペースステーションで宇宙船の購入やアップグレード、カスタマイズ、補給といった行動を行なえる。宇宙空間に飛び出せば、3次元の完全な自由度がある空間を自在に飛び回ることができる。
戦闘は完全リアルタイムであり、宇宙船の操作とマウスによる照準合わせで射撃を命中させるというシューティングゲームスタイルだ。操作系は「X-Wing. vs Tie Fighter」的にまとめられており、ジョイスティックを使って操縦することも可能。デモ機ではマウスとキーボードを使って操作しており、横旋回、縦旋回の運動をしつつ敵に照準を合わせ、ブラスターを命中させて撃破するシーンを見ることができた。
今回のデモンストレーションではレベルやスキルの詳細について触れられることはなかったものの、戦闘で経験値と金銭を蓄積して、乗機をステーションでグレードアップさせることができるという部分を確認できた。プレーヤーが所有できる宇宙船には、シャトル程度の小さなものから、超巨大な戦艦まで多数のグレードがある。追加パーツを購入してカスタマイズすることも可能で、ミサイル、レーザーなど複数の兵器を組み合わせて武装し、戦闘の戦略を組み立てられる。
この質問をぶつけたところ、作品の紹介を行なってくれたCodemasters PRマネージャーのLilit Baron氏から「大きく異なるゲームであり、最大の違いは戦闘がリアルタイムの3Dシューティングであることです。またユーザーインターフェイスが一般プレーヤーにもわかりやすいようシンプルにまとめられています」と解説を受けた。3次元のリアルタイムコンバットを数千人規模のMMOで実現することは一般的にハードルが高いと考えられており、その点で本作は極めて野心的な作品といえるようだ。
現在のところ完成度はプレアルファ相当で、正式サービスの開始日やビジネスモデルについて確実な情報を得ることはできなかった。Lilit氏が「おそらく」と前置きした情報では、2009年春に北米・欧州向けに提供できる可能性があるようだ。日本語版の可能性を含め、本作はまだまだ謎が多い。今後の情報公開を待ちたい。
■ ミリタリーFPS「Operation Flashpoint 2: Dragon Rising」 最後にご紹介するのが、ミリタリーゲームファンなら絶対に外せないであろうタイトル「Operation Flashpoint 2: Dragon Rising」だ。Codemasterが開発する本作は、2001年8月に発売され、欧米メディアを中心にきわめて高い評価を受けたミリタリーFPS「Operation Flashpoint: Coldwar Crisis(以下『OFP』)」の続編である。 2001年当時としては画期的といえる、数十キロ平方メートル四方のシームレスなバトルフィールドを実現し、現実の歩兵の動きを見事にゲーム化してみせた初代作は、ミリタリー派のゲームファンを熱狂させ、普通のアクションゲームファンすらも巻き込んで熱烈な支持を集めた。その続編「OFP2」への期待は高い。 実際のところ、初代「OFP」はその後ふたつの製品に分化している。もともと「OFP」を制作していたスタジオBohemia Interactiveは、シリーズの版権がCodemastersに移った結果、「OFP」の要素を進化させた新IP「Armed Assault」を独自に立ち上げ、2006年に発売している。一方でシリーズの版権を獲得したCodemastersが独自に制作しているのが本作「Operation Flashpoint 2」だ。 もともと「OFP」シリーズは、軍事用地上戦シミュレーターも開発しているBohemia Interactiveだからこそゲーム化することのできた「軍事的リアルさ」が支持されていた作品だ。従って、Codemastersが制作するバージョンの「OFP2」が実際どのようなゲームになるのかが注目されてきた。 今回、E3 2008に合わせて改めて発表されたリリースの内容によれば、「OFP2」は初代作の特徴を重視し、軍事的リアリズムを追及して制作されているようだ。前作と共通するコンセプトは、本作が歩兵シミュレーションの性格を持ち、陸・海・空の小隊を指揮するゲーム性も継承されている点である。ゲームの舞台は日本北方に浮かぶ、中国・ロシア双方に隣接する小島となり、およそ350平方キロメートルの戦場を緻密に再現する。 リアリズムの面ではゲーム界最高のレベルを追及しており、登場する銃器は現実の挙動が忠実に再現される。弾の種類に応じた弾道シミュレーションも行なわれるため、距離に応じて照門を調整するといった部分もゲーム化されるようだ。さらに兵士には部位ダメージのシステムがあり、負傷個所に応じて挙動が変化する。 またゲームエンジンには、Codemastersの「Colin MacRae: DIRT」や「Race Driver: GRID」でも使われている内製エンジン「EGO」の最新版が使われ、戦場環境が緻密なグラフィックスで再現される。搭乗兵器の挙動も物理演算ベースで行なわれるため、前作以上にリアルな車両挙動が期待できるようだ。 これらの点が情報通り満足いくレベルで作られているならば、技術力のあるCodemastersの作品であるだけに、Bohemia Interactiveの「Armed Assault」に勝るとも劣らないミリタリーFPSとして期待できそうだ。対応プラットフォームはPC/プレイステーション 3/Xbox 360が予定されており、内容が内容であるだけにPCと他プラットフォームでは多少ゲーム性が異なる可能性もある。 発売時期は2009年と発表されている。現時点では実際のプレイ画面の写真や動画は公開されておらず、「OFP」の続編として期待されるクオリティに仕上がりつつあるのか、未だ未知数だ。Codemastersからの続報を待ちたい。
□Codemastersのホームページ http://www.codemasters.com/ □関連情報 「E3 Media and Business Summit 2008」記事リンク集 http://game.watch.impress.co.jp/docs/20080716/e3link.htm (2008年7月19日) [Reported by 佐藤カフジ]
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