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E3 Media & Business Summit 2008 現地レポート

E3 2008 LucasArtsブースレポート
「Star Wars: The Force Unleashed」、「Star Wars Clone Wars」、新IP「FRACTURE」の3作品が展示

7月15日~17日 開催(現地時間)
会場:Los Angeles Convention Center


 映画「Star Wars」のフランチャイズタイトルを主力製品とするLucasArtsは、E3 2008の同社プライベートブースにてプレイステーション 3/Xbox 360用アクションシューティング「Star Wars: The Force Unleashed」、Wii用ソードアクション「Star Wars The Clone Wars: LightSaber Duels」と、同社の新IPとなるPS3/Xbox 360用アクションシューティング「FRACTURE」の3作品を出展した。

 「Star Wars: The Force Unleashed」は現行世代機のポテンシャルを大きく引き出すゲームプレイを実現し、「FRACTURE」はTPSに地形制御を導入するなど、コアゲーマーなら一度は試してみたい作品に仕上がっている。また「Star Wars Clone Wars: LightSaber Duels」は、Wiiリモコンを使ってライトセーバーによるチャンバラバトルが楽しめるゲームだ。


■ フラッグシップタイトル「Star Wars: The Force Unleashed」
 HAVOC物理エンジンで「ダースベイダーの隠し弟子」のバトルを大胆にゲーム化

本作の主人公はダースベイダーが育成したという知られざる弟子。強力なフォースの使い手だ
 LucasArtsが展示を行なってい3作品の中でフラッグシップとみなされるのが「Star Wars: The Force Unleashed(以下「SWTFU」)」だ。この作品はPS3/Xbox 360の高性能機向けバージョンと、PS2/PSP向けのバージョン、そしてWii/ニンテンドーDS、さらにiPod/iPhone向けのバージョンがそれぞれ別のスタジオで作られており、徹底したマルチプラットフォーム展開が取られている。

 今回展示されていたのはPS3/Xbox 360向けのバージョンで、高性能機の処理能力を前提とし、HAVOCエンジンによる物理演算処理をゲームプレイの根幹に据えているのが最大の特徴だ。

 本作「SWTFU」の舞台は、映画「Star Wars: Episode III」と「同 Episode IV」の中間に位置し、主人公はダース・ベイダーの知られざる弟子。幼い頃からフォース能力の兆候を見せていた主人公は、その親を殺したダース・ベイダーの薫陶を受けて強力な戦士へと成長。「フォースの暗黒面はお前のものだ」と認められ、ジェダイとの戦いに赴いてゆく。

あらゆるバトルで、フォースとライトセーバーを同時に駆使する
 このようなバックストーリーにも支えられて、本作のゲームシステムはフォースを使ってのダイナミックなアクションが見どころとなっている。主人公の武器はライトサーベルと、物体を遠隔操作するフォース能力だ。離れた敵を触れずして掴み、投げ飛ばす。物体を動かして敵に衝突させる。フォースを集中してエネルギー弾のようにぶつけるといった多彩なアクションで戦いを進めていく。

 主人公のフォース能力はライトサーベルによるソードアクションとうまくマッチしており、フォースで敵を掴んで引き寄せた後に切りつけたり、サーベルを投げて攻撃し、フォースを使ってブーメランのように手元に戻すといった戦い方も可能だ。戦闘のテンポは非常によく、次々に現われる敵の小集団をサーベルとフォース能力でバタバタとなぎ倒していくというスピード感が痛快である。

 またフィールド上の様々なオブジェクトはフォースを集中させることで破壊することが可能であり、ゲーム環境を変化させながら戦うというダイナミック性も備えている。昨今のハイエンドなアクションゲームでトレンドとなっている要素を取り揃えつつ、決して雑にならず、フォースを使ったバトルというゲーム性に奇麗に落とし込んでいるのが素晴らしい。

 敵の細かい挙動もよくできており、フォースで掴んだ敵を敵が手すりなどにつかまって必死に抵抗することがあったり、他の敵の手足にしがみついて、空中で数珠つなぎになってしまうこともある。さらに巨大な敵を相手にするボス戦闘では、フォースで自らを飛翔させ、空中から攻撃を加えるといったアクロバティックなアクションが印象的だった。スタイリッシュな剣の構えや振りと相まって、ぐっと来る格好良さである。

 本作「Star Wars: The Force Unleashed」は、PS3/Xbox 360版を筆頭に各プラットフォームに北米・欧州で9月16日の発売が予定されている。今回は日本語版についての情報を得ることができなかったが、Lucas Artsが8プラットフォームに同時展開するという力を注いだタイトルであるだけに、国内版登場の可能性は非常に高い。期待したい。

【「Star Wars: The Force Unleashed」】
「Star Wars: The Force Unleashed」は、最新世代機の演算能力を物理処理に活用し、フォースを使ったバトルへと大胆に昇華している。ダークサイドから語られるストーリーも「Star Wars」ファンにとって見逃せないものになるだろう
【Wii版のプレイムービー】
【PS2版のプレイムービー】
【PSP版のプレイムービー】



■ Lucas Artsの新IP「FRACTURE」
 地形を変化させながら戦う野心的3Dアクションシューティング

新作「FRACTURE」は、地面を変化させて戦略的に戦うTPSだ
 LucasArtsの3Dアクションシューティングゲームとして新たなチャレンジとなりそうなのがPS3/Xbox 360向けの「FRACTURE」だ。LucasArtsとDay 1 Studiosが開発する本作は、従来のFPS的アクションに「地面を盛り上げる」という特殊なアクションを盛り込み、シューティングの戦略性を高めようとする作品だ。

 本作の舞台は2161年の地球。東西2つの勢力圏に分かれた地球では、高度に発達したサイバネティクスの技術を巡って大きな騒乱が起きようとしている。主人公は環太平洋同盟に属すエリート兵士で、あらゆる火器に精通し、その上「地形を変形する」という特殊なハイテク武器を駆使して戦う。

 まさにこの「地形を変形する」特殊兵器が本作のプレイをユニークなものにしている。主人公はアサルトライフルやロケットランチャーといった、FPS系のゲームではオーソドックスな武器を使いこなす一方、任意地点の地形を盛り上げるという能力を使って、敵の攻撃をかわしたり、有利な攻撃位置を占めて戦う。

地形がダイナミックに変化し、戦い方にも変化が生まれる。コンセプト単体としてはやや弱いため、ストーリー性など他の面でのクオリティが気になるところだ
 地形の変更は、地面が露出している場所ならどこでも可能。敵の前の地面をデコボコにして障害とし、迂回してからサイドからの攻撃を加えるような動作は基本テクニックに属し、ゲームのあらゆる局面でダイナミックな地形変更を前提とした戦略を組み立てていくことになる。また、敵にもこの種の能力を使うものがおり、地形が次々に変化していくため、攻撃をかわし、射線を確保するといった動作にメリハリが生まれる。そして、激しいバトルの後には滅茶苦茶に破壊された大地が残るのみだ。

 本作は地形変更の要素を除けば極めてオーソドックスな3Dシューティングゲームであり、このユニークな要素にどれだけの魅力を感じさせるかがセールスのポイントになるだろう。LucasArtsスタッフによるプレイデモを見た限りでは、地形変更が地面の露出した場所だけに限られており、建物などの構造物には適用できないため、ややインパクトに欠ける印象もあった。また本作はマルチプレーヤーモードをサポートしない。この点も残念だ。

 世界設定やストーリーに関しては、やはり映画会社のLucas Artsならではのクオリティが期待できるようだが、新IPの立ち上げということもあり、評価が定まるのは発売後のことだろう。PS3/Xbox 360の両プラットフォームで、北米にて10月の発売が予定されており、日本語版は未定。本作が新世代のFPS体験を提供してくれるものかどうか見極める必要がありそうだ。

【「FRACTURE」】
地形制御によりフィールドを変化させながら戦うというコンセプトを導入した「FRACTURE」は、TPSにおける新たなスタイルを確立することができるだろうか。北米で発売されたのちの評価を待ちたい



■ ありとあらゆる「Star Wars」のキャラクタでチャンバラバトル
 「Star Wars Clone Wars: Lightsaber Duels」

「Star Wars」シリーズのキャラクタたちがコミカルな姿で登場するソードアクションゲームだ
 Wii用ソードアクションゲーム「Star Wars Clone Wars:LightSaber Duels」は、「Star Wars」フランチャイズ作品の中でも際立ってコミカルな作風となっている。ゲーム内容はシンプルで、タイトル名の通り「ライトセーバーでの決闘」。Wiiリモコンを振り回して戦うチャンバラバトルである。

 ゲームには「Star Wars」の映画、TVシリーズから人気のあるたくさんのキャラクタが登場。好きなキャラクタを使ってバトルを楽しめるというのがウリのひとつだ。キャラクタ毎にユニークな必殺技が用意されており、Wiiリモコンを振る方向を組み合わせることによって様々なコンボ攻撃が飛び出す。さらにはフォースを用いて周囲にあるオブジェクトを破壊したり、投げ飛ばして攻撃することも可能で、このあたりは「Star Wars: The Force Unsheashed」と共通するマインドが見られて面白い。

Wiiリモコンとヌンチャクを振り回して戦う様子を、LucasArtsスタッフが見せてくれた
 LucasArtsスタッフによるデモプレイでは、Wiiリモコンとヌンチャクを振り回し、周囲の環境も破壊しつつ白熱したバトルを演ずるところを見ることができた。使用可能キャラクタの中には腕が4本もあるものもあって、繰り出すソードアクションに多くのバリエーションがある。このあたりは「Star Wars」ベースの作品ならではの強みだ。

 Wiiらしいパーティゲーム色の濃い本作は、今年の年末ホリデーシーズンに北米でリリースが予定されている。これまでリアル路線が中心だった「Star Wars」フランチャイズ作品でコミカル・パーティゲーム路線を選択した本作の存在は、世界中で支持されているWiiというプラットフォームのパワーをひしひしと実感させる。日本版の登場も期待できるだろう。

【「Star Wars Clone Wars」】
LucasArtsの「Star Wars」作品としては珍しくコミカル路線を選択し、Wiiリモコンを使ってハチャメチャなソードバトルを楽しめるという「Star Wars Clone Wars」。Star Warsファンが集まってプレイすれば、異様な盛り上がりで楽しめそう?


□LucasArtsのホームページ
http://www.lucasarts.com/
□関連情報
「E3 Media and Business Summit 2008」記事リンク集
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20080716/e3link.htm

(2008年7月18日)

[Reported by 佐藤カフジ]



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