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会場:Los Angeles Convention Center
世界展開を果たしている大手パブリッシャーらしく、全プラットフォーム、全年齢層、全ジャンルにアピールする豊富な新作ラインナップが披露された。中でも群を抜いて圧倒的な存在感を示していたのは、同社を代表する人気フランチャイズ「Prince of Persia」シリーズの最新作だ。Ubisoft Montreal Studioの「Assassin's Creed」チームの最新作であり、2006年のE3で「Assassin's Creed」が初公開された時に近い衝撃を与えてくれた。まずは、「Prince of Persia」からご紹介していきたい。 なお、ここに記載している発売時期、発売プラットフォームは、特に記載がない限り、欧米のもので、日本展開は基本的に未定となっている。日本での発売スケジュールに関しては日本法人の正式発表をお待ち頂きたい。
■ 独自のセルシェーダーと魅惑的なヒロイン“Elika”の登場で、まったく新しく生まれ変わった「Prince of Persia」
Ubisoftが2003年に20世紀の古典的名作アクションゲームのひとつ「Prince of Persia」を「Prince of Persia: The Sands of Time」の名で新たにリバイバルし、高い評価を集めたのは記憶に新しいところだ。しかし、その続編「Warrior Within」、「The Two Thrones」、「Revalations」では、Teen(13歳以上)指定から一転してMature指定(17歳以上)となり、アラビアンナイトカラーが薄れる一方で、高いアクション性とやや過度な残虐性を売りとしたゲームになってしまっていた。 今回発表された「Prince of Persia」は、そのTeenからMatureへの流れにストップをかけ、本来のアラビアンファンタジーを、幅広い層に向けて提供したいという意思が濃厚に感じられるゲームデザインに生まれ変わっていた。ゲームエンジンは、「Assassin's Creed」エンジンを採用し、遙か彼方まで描ききったスケール感と360度自由なフィールドを実現。画面を見れば一目瞭然だが、独自のセルシェーダーによって描かれているため、雰囲気は「Assassin's Creed」とはまったく異なる。あくまでファンタジックだ。 大きな特徴として、主人公の隣には、常に“Elika”と呼ばれるヒロインが付き添う。彼女は、主人公の動きに合わせて、後ろから付いてくる。時にはジャンプを手伝ったり、マジックを使って大きく跳躍したり、敵に攻撃を加えたりなど、様々な局面で助けてくれる。もっとも重要な役割としては、死の淵から救ってくれる救命行為が挙げられる。「Prince of Persia」シリーズでは“時間を操る”ことで難所を切り抜けてきたが、今回はトラップに嵌ったり、高所から落下した際は、彼女が“手をさしのべて”死の淵からすくい上げてくれる。 彼女の存在は現時点では謎に包まれている。明らかに普通の人間ではなく、主人公を死の淵から救い出したり、邪悪によって腐敗したエリアを、浄化する超常的なパワーを持っている。メインストーリーにおいて重要な関わりを持つキーキャラクタになるということで、今後の発表が楽しみだ。 何より感動的なのは、「Sands of Time」以降の「Prince of Persia」で高く評価されていた“躍動感に満ちた動き”が、劇的にパワーアップしていたことだ。今回も、通常の移動やジャンプに加え、壁伝いや、壁上り、跳躍を駆使しながら難所を突破していく。従来との違いは、後ろから常にElikaが付いてきて、頭上から手を添えてジャンプを手伝ってくれたり、高所から伝い落ちした際は、彼女を抱き留めるなどのアクションもある。いかにもアラビアンファンタジーらしい演出である。こうした動きは、移動とジャンプアクションを組み合わせた非常にシンプルな操作のみで可能となっているのが素晴らしい。 バトルは、前作とは打って変わって最小限に抑えられ、その代わり演出面が大幅に強化された。平たく言うと、「ソウルキャリバー」のような3D格闘ゲームのようなバトルに進化した。バトルは敵に襲いかかられる、あるいは敵の位置まで進むことでカットインされ、ソード、ジャンプ、Elika、スペシャルの4つのアクションバリエーションを駆使して、相手のHPバーを削っていく。途中、Elikaが技を繰り出したり、2人で一緒に攻撃したりなど、演出面でも凝っており、バトルの部分において、曲刀を振り回して敵をなぎ倒していく前作以前の面影はまったくない。 発売プラットフォームは、PS3、Xbox 360、PC。気になる発売時期はホリデーシーズンが予定されている。日本での発売は未定だが、「Assassin's Creed」クラス、つまり同社では最上級のタイトルであるため、しっかりローカライズされた上で日本展開される可能性は高いと言える。続報に期待したい。
■ 祝「Tom Clancy」シリーズ10周年。記念作品は「Tom Clancy's End War」と「Tom Clancy's HAWX」
「Tom Clancy's End War」は、「Rainbow Six」シリーズに端を発するミリタリーアクションゲームの新提案となる。開発元は、Ubisoft Shanghai。第三次世界大戦を仮想体験するという「Tom Clancy」シリーズらしい舞台設定の作品だ。 新提案の内容は、ボイスで各部隊に指示を出すことができるという、マルチプレイのボイスチャットをシングルプレイに適用したユニークなシステムだ。デモシーンでは、音声を使って、一個小隊や空挺部隊、攻撃ヘリ、戦車、ミサイルなど、戦局を決めるあらゆる指示をプレーヤー自らがボイスで行なっていた。戦争映画のワンシーンのようで、なかなか格好いい。自らその役になれたら最高だと考える人も多そうだ。 ただ、このボイスによる命令は当然のことながら英語でしか受け付けてくれないため、今のところこの楽しみを享受できるのは英語圏の人間だけということになりそうだ。非英語圏の我々にとっては少々残念だが、新たなチャレンジとして評価したい。 「Tom Clancy's HAWX」は、往年のファンには懐かしさがこみ上げるコンバットフライトシミュレータ。「Blazing Angels」等の開発元として知られるUbisoft Bucharest Studiosで開発が進められている。 時代設定は2012年。各国の防衛任務が民間軍事企業(PMC)に委託される近未来の世界を舞台にしている。プレーヤーはパイロットとして戦闘機を駆使して対地、対空戦を繰り広げる。50種類以上もの航空機が登場する予定。マルチプレイモードは、最大4人までのシームレスなCO-OPモードと、最大8人によるデスマッチモードが用意されている。ゲームデザイン的にライバルタイトルは、ずばり「エースコンバット5」ということになりそうだが、「Tom Clancy」の名がコンバットシムにおいてどこまで通用するか注目したい。
■ まだまだある新作タイトル。主要タイトルを一挙紹介
□Ubisoftのホームページ(日本語) (2008年7月16日) [Reported by 中村聖司]
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