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★モバイルゲームレビュー★

怒れるサラリーマンが社長に復讐!
ツッコミ所満載の下克上ギャグストーリー

「サラリーマンの逆襲」

  • ジャンル:アドベンチャー
  • 配信元・開発元:ゲームロフト
  • 利用料金:1ダウンロード315円
  • プラットフォーム:iモード、Yahoo! ケータイ
  • 対応機種:iモード FOMA 903i/703i以上、SoftBank 3G
  • 配信日:iモード:配信中(6月30日)、Yahoo! ケータイ:7月16日



 最近、友達や上司などとの交流が減少しているという話題をニュースで見かける。人と人とのコミュニケーションが希薄になってきているのかもしれない。そんな中、今回紹介するのは、1人のサラリーマンが会話などのコミュニケーション術を駆使しながら成長していくシミュレーションゲーム「サラリーマンの逆襲」だ。

 主人公はエリート街道を進んでいたサラリーマン。順風満帆な生活を送っていたが、信頼を裏切ったという身に覚えのないことを理由に、社長からクビを宣告される。主人公はアルバイトとしてもう1度入社し、身に着けたコミュニケーション術を活用して、上の役職を目指していく。最終的には社長の座までのぼりつめ、社長を会社から締め出して逆襲を達成する、といった筋書きだ。

 戦隊シリーズのヒーローや、犬、ロボットといった妙な上司達の無理難題に対し、コミュニケーションとミニゲームで対抗していく。サラリーマン生活のシミュレーションゲームとしてのベースをきちんと固めた上で、そのストーリーがギャグテイストで描かれている。



■ 思わず口から出てしまう「なんでやねん!」。ツッコミ要素満載のストーリー

クビを言い渡された社長室に落とし穴が出現し、体と人生の両方が奈落の底に落とされる主人公
 ロボット開発会社、マクロボ社に勤めるエリート管理職の主人公。ある日、仕事に疲れて眠っていた主人公は、家の電話が鳴る音で目を覚ます。電話に出ると、「急げ、今日は大事なミーティングだぞ!」という知人からの声。時計代わりの高性能携帯電話型ロボット「ナビ」を探して電源をいれると、時計はすでにお昼を過ぎている。「しまった、今日はデーモン社長との大事なミーティングだったんだ!」叫びながら、焦りに焦る主人公。しかし、冷静に考えてみると、目覚まし時計代わりのナビの電源を切った覚えはない。ナビは主人公と会話もできるため、起こさなかった理由を尋ねると、「昨日の夜、電源、切られちゃったんデス」と言うではないか。

 何かおかしいと思いながらも、急いで社長室へ向かう主人公。社長室で遅刻の理由を話そうとするも、社長は耳を貸そうともしない。一方的にまくし立てられ反論もできないまま、クビを宣告されてしまう。主人公はクビの宣告と同時に、足元に出現した謎の落とし穴に落とされ、会社のエントランスまで放り出されてしまう。そこにやってきた秘書から告げられる衝撃の事実。なんと、陰謀によってハメられたらしいのだ。理不尽な理由によるクビと、社長の横暴な行為に対して怒りに震える主人公。自分が社長になって憎い社長を蹴落としてやる、と決心する瞬間である。

 ここまでは一見、シリアスなストーリーとなっているのだが、この後はシュールで笑える展開が始まる。例えば、最初の部署の上司「戦隊主任」は、特撮のスーパー戦隊シリーズの赤い全身タイツのような衣装を着ており、4人の側近もそれぞれ青、緑、黄、ピンクのコスチュームをまとっている。ヒーローに憧れているはずなのに、性格は正反対。自分のミスをすぐに主人公に押し付けてくるかと思えば、何かにつけてすぐに逃げ出す。本物のヒーローに勝っているものといえば、逃げ足の速さのみ。

 ブルドッグの容姿をした「ドッグ部長」は、ぼけっとした表情と可愛らしい口調のキャラクタ。そんな容姿とは裏腹に、会社の地下に穴を掘って部屋を作り、悪事の限りを尽くしている。会社の冷蔵庫からチーズを運ばせたり、温泉まで行かせて温泉たまごを作らせたり。温泉たまごの茹で時間が気に食わなければ、もう1度作らせる。占いの結果が悪ければ、ワイロとして100万円を渡し、占い師を買収して結果を変えさせる程の悪人(犬?)。

 そして極めつけは社長。肌の色は真っ黒で、頭からは角が生え、言葉を発するたびに壁から炎が噴き出すという悪魔のような存在で、その名も「デーモン社長」である。

 そんな感じのシュールなお笑い要素がストーリには散りばれられている。ミスマッチな設定に「なんでやねん!」というツッコミをいれ、漫画のように笑いながら楽しめるストーリーだと感じた。

【スクリーンショット】
主人公が社長に復讐を誓うシーン。この時は後姿しか見えないが、頭にはとても人間とは思えない角が確認できる
ストーリーを進めれば進めるほど、過激さを増していく上司達の容姿。上司ヤスは、アイドルのライブチケットを渡すと「萌え~」と叫ぶ変なサブキャラクタ。ドッグ部長は仕事中にカラオケにいったり占いをしたりと、全く働かないのに役職は部長



■ 元エリートのコミュニケーションスキルを発揮。出世街道は対話によって切り開け!

元エリートの「対話」スキルを発揮して、ナンパも簡単……なのだろうか
 街にはマクロボ社のほかに、居酒屋、スポーツジム、カラオケなど、現実世界にありそうな場所が存在している。プレーヤーは、フィールド上のNPCとコミュニケーションをとり、上司に課せられた無理難題をクリアしていく。例えば主人公がアルバイトで再入社する場面では、マクロボ社員のために女の子をナンパする試練が課せられる。女の子とコミュニケーションをとり、仲良くなったところで社員のもとへ連れて行ければ、無事試練クリアである。

 コミュニケーションは政治、芸能、スポーツ、恋愛などの話題でNPCと話す「会話」コマンドがメインとなる。会話コマンドを選択すると、「ジョーク」、「話題」、「お世辞」コマンドが表示される。話題コマンドを選択すると、「自分の夢を話す」、「アウトドアスポーツについて」などのランダムな選択肢が4種類表示され、プレーヤーはその中から1つを選択する。ジョークやお世辞は相手を笑わせたり、おだてて喜ばせるコマンド。街の人には「友好度」が設定されており、相手の性格と選択した会話内容により上下する。相手の性格は、「仕事の話が好き」、「他人に興味がない」、「お世辞に弱い」などの文字が画面上部に表示されるので、プレーヤーはその内容から、相手の性格にあった話題を選択してコミュニケーションを図る。

 例えば、仕事の話が好きな相手には、マクロボ社の業績の話題を持ちかけることにより、友好度が上昇する。逆に、仕事が嫌いな相手にマクロボ社の業績の話題を持ちかけると、激怒されて友好度が減少する。話題には必ず相手が喜ぶものがあるとは限らないので、場合によっては会話せず、ジョークやお世辞のあとに再び話しかけなおし、別の選択肢を探すという手もある。現実でのコミュニケーションほどに複雑ではないが、相手の性格を知り、友好度が上昇する話題を思考するのが楽しい。

 NPCに対して選択できるコマンドは「会話」のほかに、「アイテム」、「いたずら」がある。アイテムコマンドは、ストーリー内で手に入れたアイテムを、相手に渡す場合に使用する。いたずらコマンドを選択すると、「ビンタ」、「からかう」、「変なポーズ」コマンドが表示される。変なポーズコマンドを選択すると、たまに笑ってくれるNPCもいたが、ビンタ、からかうを選択すると、あたりまえのようにNPCは怒り、友好度は下がってしまう。ストーリー進行上は必要ないコマンドなので、あまり使用する機会はないが、お楽しみコマンドとして後述させてもらう。

 プレーヤーには「ステータス」が設定されており、「対話」、「礼儀」、「技能」、「心労」、「悪戯」、「教養」、「面白」、「色気」の8種類が用意されている。コミュニケーションの内容により上下し、ストーリーで課せられた任務を達成するためにステータスを上げたり、ステータスに応じた称号も入手できる。称号自体はゲームストーリーに直接の影響はないが、プレイ中に称号が歯抜け状態になっていると、この称号を出すためにもう1度やってみたくなり、コンプリートしたくなる要素でもある。

 また、プレーヤーのキャラクタは髪型、上着、ズボン(パンツ)とカラーを選んで作成でき、性別も男女2種類から選べる。性別によって街の人の対応も若干異なっており、称号も男だけでは取得できないものがある。セーブデータは複数作る事ができないため、称号を全て取得するには、キャラクタを削除してから異性のキャラクタを作ることになる。キャラクタのステータスは消えてしまうが、称号のデータは引き継がれる。

【スクリーンショット】
サンドバッグを殴って心労を減らし、ナンパをしてマクロボ社員に取り入る。右の画像は女性キャラクタの作成画面で、男性とは別に用意された髪型や服装を組み合わせられる
称号は全部で32種類、「いわゆる1つの早解き」というヒントの書かれた称号もある



■ 上司を殴れ、落とせ、撃墜せよ! 社長への道は力で奪え!

 ストーリーを進めていくと、各上司や知り合いとのミニゲームが登場する。ミニゲームは「戦隊アタック」、「女王タイピング」、「ドッグレース」、「ロケットパンチ」、「デーモンシューティング」の5つ。

 これらのミニゲームは、どれも設定が日常ではありえないものとなっている。「戦隊アタック」は、トイレに設置された上下左右の便器から出現する、上司である戦隊主任を殴るミニゲーム。出ては隠れる戦隊主任を、もぐら叩きの要領でカーソルキーの上下左右で素早く殴る。通常の会社では上司を殴れば、即刻クビになる程の重罪だが、本作では殴る事が正義である。便器から出現する上司を殴るのは汚い気もするが、スカッとしてストレスも発散できる。

 「ドッグレース」は、ドッグ部長と別々にトロッコに乗り、自分のトロッコを部長にぶつけて落下させるミニゲーム。カーソルキーの左右で移動して、決定キーを押すと左上のゲージを使用し、ダッシュできる。ドッグ部長は1度落としたぐらいでは倒せないため、線路に落ちている大きな肉を食べて体力を回復しながら何度も落とす。レールの引かれた線路上を走っているはずなのに、なぜか横移動もできる高性能のトロッコ。線路上に大きな肉が落ちているのも理解不能。ツッコミ所が満載で面白い。

 最終ゲームの「デーモンシューティング」は、宇宙規模のシューティングゲーム。カーソルキーで移動し、弾は自動で発射される。たまに出現するパワーアップアイテムには弾の強化、速度の上昇、バリアの3種類がある。雑魚敵を倒して進んだあとは、デーモン社長とサラリーマンの主人公による一騎打ちとなっている。そんなサラリーマンは聞いたことはないが、倒せば社長の座を手に入れられるため、白熱した最終決戦となっている。

 ゲームクリア後は、タイトル画面からミニゲームを直接遊べるようになる。ミニゲームにも称号が用意されており、称号は3段階ある。ゲームの腕にはそれなりに自信のある筆者は、少々苦労はしたが4つのミニゲームでは最高ランクを取得できた。しかし、デーモンシューティングの最高ランクはまだ取れていない。称号を気にせずクリアするだけなら何とかなるが、最終決戦だけあって少々高めの難易度に設定されている。

【スクリーンショット】
ミニゲームはもぐら叩き、タイピングといったライトなゲームから、徐々にアクション操作の必要なゲームとなってくる



■ 街の人を「ビンタ」、自販機前でお金をばら撒く。予想もつかない、数々のいたずら行為

街の人にビンタをした後の言葉、「ははっ! そんなパンチには当たらないよ!」。そう言いつつも、顔は怒っている。
 筆者は男性でゲームクリア後、残りの称号を集めるため、再度プレイ。称号の欄に書いてある称号取得のヒントを確認して、試行錯誤しながらプレイを続行していた。そんな中、「悪戯」というステータスがほとんど上がっていない事に気が付いた。「悪戯」は、他人や物にいたずらをする事で上昇していくステータスで、いたずらされた相手は当然激怒し、友好度も「教養」などのステータスも下がるのだ。

 真面目な筆者は無意識のうちに善意の行動をとっており、街の人に対していたずらをした事がなかった。そのため、「悪戯」のステータスがほとんど上がっていなかったのだ。しかし、いたずらをしなければ「悪戯」のステータスは上げられない。心を鬼にして、街の人にいたずらを連発してみた。通りを歩いている見ず知らずの男性を「ビンタ」。心が痛むけれども「ビンタ」。そんな事を繰り返していると、ビンタをされた男性が筆者に向かって一言。

 「見えます」

 実は、筆者の行なっていた「ビンタ」は遅すぎて、街の男性に馬鹿にされていたというわけである。むしょうに腹が立った筆者は、「ビンタ」を連発。その度に「見えます」と、言い返してくる男性。ついには根負けしてしまい、人間相手のいたずらを中止。

 そこで今度は、何も言い返してこない“物”に対していたずら。近くにあったロッカーに対していたずらを選択すると、主人公はロッカーに上って座った。ロッカーの上に乗るだけでは、子供のいたずらとしか言えないため、今度は自動販売機に対していたずらを実行。すると、主人公はお金をばら撒き始めるではないか。自動販売機を壊して、お金を取り出してばら撒いているのなら立派な犯罪だが、これは自分のお金をばら撒いているのだ。理解不能な行動に困惑しつつ、今度はスポーツジムに移動して、ランニングマシンに対していたずらを実行。すると、主人公は後ろ向きに走りはじめた。これまた幼稚ないたずらである。こういったおかしな行動をとる主人公が面白くなり、色々な物に対して「いたずら」をするのが楽しくなってくる。

 さらに、いたずらコマンドにはもう1種類ある。異性のNPCを相手にいたずらを選ぶと「いちゃつく」コマンドが使える。しかもこれは親密にならなければ成功しない。「いちゃつく」という興味をそそられる響きにひかれて実行してみると、「満足できた?」なんていう際どい反応が返ってきた。ゲームに何か影響を与えることはなく、ただそれだけのジョーク的なコマンドとなっている。とはいえ、いちゃつくコマンドは人が違えば反応も違うため、色々な人といちゃつき、様々な反応を楽しむのが面白かった。

 真面目に生活するのもありだが、少しストーリーから外れたプレイで新たな面白さを発見できる。シミュレーションゲームとして、相手や物から予想もしない反応が返ってくるのは、モバイルゲームとしてはなかなか贅沢なシステムだと感じた。

【スクリーンショット】
相手を頂点まで怒らせるのも、楽しみ方の1つである。「いちゃつく」コマンドでは、相手によっては「ハァ~、もう一回どう?」なんてお願いされる場合もある。



 感覚的には漫画の中でプレイしているようで、ストーリー展開も先が気になる。進行上は関係のない街の人や設置物も多く、あちこちに開発者の遊び心も盛り込まれている。ゲームボリュームも、じっくり腰を据えて遊べる量になっており、1度クリアした後には、称号を集めたり、異性のキャラクタでプレイして町の人の反応を見たりして遊べる。これを読んでいるサラリーマンの方々は、ぜひとも本作で“実際にはありえないサラリーマン生活”を送り、日々のストレスを発散して欲しい。



【プロモーションムービー】



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□ゲームロフトのホームページ
http://www.gameloftjapan.com/
□「サラリーマンの逆襲」のページ
http://www.gameloftjapan.com/products/000213/index_nttdocomo.html
□関連情報
【6月30日】ゲームロフト、iモード「サラリーマンの逆襲」
サラリーマンの人生を描いたアドベンチャーゲーム
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20080630/sara.htm

(2008年7月15日)

[Reported by 日高文典]



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