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E3 Media & Business Summit 2008現地レポート

E3 Media & Business Summit 2008が明日より開幕!!
開催規模は縮小するも、大豊作と新展開が期待される年に

7月14~17日開催(現地時間)

会場:Los Angeles Convention Center

 米Entertainment Software Association (ESA)が主催する米国最大規模のゲーム関連のトレードショウ「E3 Media & Business Summit 2008」が、いよいよ現地時間の7月14日から開幕する。会期は14日から17日までの4日間で、プラットフォーマー3社のプレスカンファレンスを皮切りに、ESA加盟メーカー各社のプレスカンファレンスや、メイン会場でのブース出展などが予定されている。

 GAME Watchでは、明日以降、総力を挙げてE3の最新情報をお伝えしていく。E3現地レポートにぜひご期待頂きたい。

メイン会場となるLos Angeles Convention Center。会場の外にはE3の開催告知や、ATARIの広告掲示などは一切ない
West Hallの入り口にのみ、E3の垂れ幕が掲示されている
West Hallでは、Microsoftのプレスカンファレンスの設営準備が行なわれていた
 かつて“E3(Electronic Entertainment Expo)”と言えば、世界のゲーム産業の頂点に君臨する極めて大規模で華やかなトレードショウだった。「だった」とわざわざ過去形で書いているのは、昨年からすでにそうではなくなっているためで、E3というイベント自体の自己肥大化欲求をESAが放置しすぎた結果、運営、進行、準備等あらゆる側面で不備が生まれ、近年ではESA、メーカー、メディア、リテイラーの4者すべてが不満を感じる事態が発生し、最終的に巨獣が折り崩れるようにして自壊した。

 新たに生まれ変わったE3は、イベントタイトルを「E3 Media & Business Summit」と変えて、ESA加盟メーカーによる招待者のみが入場可能という完全招待制のクローズドなイベントとして再出発を果たすことになった。その結果、参加者数は、例年の1/5とも1/10とも言われるが、ESA非会員のメーカーの撤退や、実は単なるゲームファンのような“自称”関係者がいなくなったことで、お祭りのような賑わい感が一気に減退した。

 昨年はサンタモニカのBarker Hangarと呼ばれる飛行場側の倉庫で開催されたが、今年は再びE3伝統の会場であるLos Angeles Convention Center(LACC)に戻った。ただ、出展規模は、昨年の規模を維持しており、広大なLACCの半分も使っていない。本日も開催前日にも関わらず場内は閑散としており、場内を覆い尽くすような広告の垂れ幕もない。極めてストイックなビジネスミーティングの場という印象が強くなった。

 こうした状況は、South Hallの光と音の洪水の中を走り回った経験のある人間には寂しい限りだが、ゲーム産業において旧E3のようなトレードショウはあらゆる意味でレガシーであり、ゲームが多種多様に進化してきたように、ショウそのものも進化しなければならない時期に来ているのかもしれない。今年に限っても、Activision BlizzardやLucas Artsの不参加、日本メーカーの消極的な対応など、そしてなんといってもE3の縮小化によって激減した収入をどう挽回するのかなど、ネガティブな要因はまだまだ多いが、メディア、そしてゲームファンにとってE3の存在意義は大きい。ぜひこの難局を乗り切って貰いたいところだ。

 さて、今年のE3は、プラットフォーマー各社の新ハードによる牽引は一段落着いたことから、ハードの性能をフルに活用したゲームやオンラインサービスの登場がより一層期待される。特にその両面が不足傾向にあるSCEのプレイステーション 3は、タイトルラインナップとオンラインサービスの充実が急務であり、ファーストパーティータイトルの発表に加え、革新的な新サービスの登場が期待されるところだ。また、延期を繰り返しているオンラインコミュニティサービス「Home」の最終仕様がどのようなものになるのか注目される。

 一方、任天堂は、世界で大ヒットした「Wii Fit」に続くWiiプラットフォームに対する新提案に注目が集まる。Microsoftは、Xbox 360ではタイトルラインナップにおいて昨年以上の大豊作が確実視されるが、昨年からゲームプラットフォーム化に尽力しているGames for Windowsの今後の戦略や、XNA Game Studios 3.0から対応する同社の携帯端末Zuneに対する取り組みなど、同社のゲーム事業戦略全体がどうなるのか楽しみなところだ。

 具体的な形で紹介できないのがもどかしいが、明日、明後日にはすべての情報がオープンになる。現地レポートを楽しみにしていただきたい。

【メイン会場】
今回、メインの出展会場となるのは、LACCのSouthとWestを結ぶコンコースホール。ここに小規模の出展ブースが軒を連ねる

LACCの外は、日曜午前中ということもあって人通りはほとんどなかった。明日以降、会場の内外でどのような発表が行なわれるのか注目したい

□E3 Media and Business Summit(英語)のホームページ
http://www.e3summit08.com/
□関連情報
【2007年7月】「E3 Media and Business Summit」記事リンク集
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20070712/e3link.htm
【2006年5月】「Electronic Entertainment Expo 2006」記事リンク集
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20060510/e3link.htm

(2008年7月14日)

[Reported by 中村聖司]



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