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★Wiiゲームレビュー★

映画の興奮がそのままゲームになった
「ナルニア国物語 第2章:カスピアン王子の角笛」

  • ジャンル:アクションRPG
  • 発売元:ディズニー・インタラクティブ
  • 価格:6,090円
  • プラットフォーム:Wii
  • 発売日:発売中(6月19日)
  • CEROレーティング:A(全年齢対応)



 国内、国外問わず高い人気を誇るファンタジー作品が、興奮や雰囲気はそのままにしっかりとした作りのアクションRPGになった。原作はC.S.ルイスの同名子供向け小説で、7作品続くシリーズの第2作目にあたる作品。1作目、2作目共に実写映画化、ゲーム化がなされ、映画も現在2作目である「ナルニア国物語 第2章:カスピアン王子の角笛」が上映中だ。本作には、映画や原作のサイドストーリー的なエピソードも盛り込まれているため、事前に原作小説や映画を見ておけばより楽しめる内容になっている。かくいう筆者は原作小説しか読んだことがなかったのだが、この記事を書き終えたらすぐに映画を見に行く用意をしなければならなくなってしまった。映画を見た人にはもちろん、まだ映画を見ていない人にもオススメできるファンタジー大作である。

ゲーム中にはCGによる迫力満点のムービーのほか、映画の映像をそのまま使った実写ムービーも挿入される



■ ただ映画を追うだけではない、プレーヤー自身がストーリーを紡ぐ感覚

ピーターたちがいなかったあいだの話や、カスピアン王子が戦っているときに一方のピーターたちは何をしていたかなど、映画や原作をさらに楽しむことのできる要素が満載
 ストーリーは大きく6つのセンテンスに分かれていて、各項目は大小さまざまなミッションで構成されている。これらのミッションを映画のDVDを見る際にチャプターを選ぶように、好きな順番でこなしていくことでストーリーが進行していく。中には映画では語られなかったゲームオリジナルのサイドストーリーもあるので、原作や映画とは違った視点から物語を楽しむことができる。

 特筆すべきは、ゲームオーバー時にもちゃんと場面ごとに演出が用意されているという点だ。原作ではありえないようなバッドエンドが楽しめるのもゲームならではでないだろうか。いわゆるデスペナルティもそのミッションの中間地点に戻されるだけなので、適度にゲームオーバーになるのも本作を楽しむ1つのコツかもしれない。

 操作可能なキャラクタは、主人公であるピーターらペベンシー4兄弟はもちろん、今作の主役であるカスピアン王子、ドワーフのトランプキンやねずみのリーピチープなど15キャラクタ以上。キャラクタによって弓が使えたり狭い穴に潜れたりと特性が違うため、ミッション中に随時キャラクタを切り替えて進むことが重要になってくる。キャラクタによって攻撃力が高かったり足が速かったりと性能がまちまちなため、ボスキャラクタとのバトルの際は使い慣れたキャラクタで行くといいだろう。個人的には、足が速く小回りのきくリーピチープをおすすめしておきたい。登場回数こそ少ないものの、蝶のように舞い蜂のように刺す、華麗なプレイが楽しめる。

【スクリーンショット】
カスピアン王子やスーザンは弓による遠距離攻撃が可能 ピーターはフック付きロープで高所に登ることができる そのほかにも、巨人やフォーンなど様々な種族でプレイすることができる



■ 基本は武器戦闘アクション。道中には頭をひねるパズル的要素も散りばめられている

 操作方法はいたってシンプルで、Wii用アクションゲームではもっともスタンダードな部類に入る。移動のためのアナログスティックがあるヌンチャクコントローラを左手に、攻撃やアイテムを拾うなどのボタンは右手のWiiリモコンに配置されている。攻撃には「強い攻撃」と「早い攻撃」の2種類がある。強い攻撃は複数の敵をまとめて攻撃することができ、早い攻撃は発動が早いため敵からの反撃を受けにくい。基本的には、囲まれたときのみ強い攻撃を行ない、普段は早い攻撃で各個撃破していけば大丈夫だ。

 また、ボタン操作以外にも、Wiiリモコンを振るうことで操作キャラクタが攻撃し、ボタン操作よりもより直感的なプレイが可能となっている。だが、唯一問題なのはWiiリモコンのセンサーの感度が敏感すぎるところで、地面に落ちたアイテムを拾う際に、多少大きくWiiリモコンを動かしただけでアイテムを落としてしまう場合があるのは、もどかしく感じた。

巨人による一撃は周りの敵キャラクタをまとめて吹っ飛ばすことが可能。ただし、敵弓兵のロープ付きの矢による攻撃で行動を制限されてしまうこともある

 ミッションひとつひとつは一本道で道に迷うことはないが、道中にはアクション性あふれるパズル的要素が満載。岩を押す、ハンドルをひねる、レバーを倒すなどのアクションを駆使して道を切り開いていく。もし謎解きに詰まってしまったとしても、必要なアイテムや操作が画面上のガイドやマップに表示されるほか、ポーズメニューには未クリアの項目が一覧で表示されるなど、ヒント機能が豊富に用意されているので、パズルが苦手な筆者のようなプレーヤーにも安心の親切設計だった。ただ、Wiiリモコンを縦に持った際に一番押しづらいBボタンを連打する場面が多いように感じた。それほど連打回数は必要ないのだが、慣れないうちはムキになって連打してしまうので、すぐに人差し指が疲れてしまった。

敵を捕らえるためのトラップへ敵を誘導したり、巨大な敵の突進力を利用して岩壁を破壊するなど頭を使ったアクション要素が随所に用意されている

 また、Wiiリモコンとヌンチャクコントローラを2つ用意すれば2人同時プレイが可能。いつでも参加できる点もポイントだ。2人同時プレイ時は、一方が敵キャラクタの注意を引いているあいだに、もう一方のプレーヤーが謎解きをするといった協力プレイができるようになる。2人一緒に押すスイッチや2方向から攻めてくる敵軍など、同時プレイを意識したシチュエーションも要所要所に用意されているため、もし身近に協力者がいるなら、一緒にプレイしたほうがより楽しめる作りになっている。逆に、2人でプレイするデメリットはとくに感じられなかった。


■ ゲームだけではなく、映画を楽しむためのオマケ要素&収集要素が満載

 ミッションの道中でそこかしこに落ちている鍵は、岩陰やツタの奥に隠された宝箱を開けるのに必要となる。宝箱の中にはボーナスムービーやゲームクリップ、コンセプトアートなどが隠されている。ゲーム中に再生されるムービーを鑑賞し直せるのはもちろんのこと、メイキング映像や映画本編でカットされたシーンなどオマケ要素が非常に多いのも嬉しい。宝箱の数は50個以上にも及び、中には思わず見落としてしまうようなところに隠してあるものもあるので収集要素も奥が深い。宝箱を開けるための鍵はわりと多く落ちているので、鍵の数が足りなくて困るということはなかった。

 全体的にゲームとしてしっかりと楽しめる作りであったのは間違いないが、やはり、原作や映画を見てからゲームをプレイしたほうが楽しめるという印象だった。映画もヒットしているようなので、繁華街へ出て映画を見に行くついでに、パンフレットや原作小説と一緒に今作を購入して帰るのもいいのでは?

ゲーム中のあのシーンや映画の印象的なシーンを取り扱ったオマケが多いので、あらかじめ映画を見て予習をしておけばニヤリとすること請け合いだ

THE CHRONICLES OF NARNIA, NARNIA, and all book titles, characters and locals original thereto are trademarks and are used with permission.
(C)DISNEY/WALDEN

□ディズニー・インタラクティブ・スタジオのホームページ
http://www.disney.co.jp/interactive/
□ディズニーのページ
http://www.disney.co.jp/movies/
□映画「ナルニア国物語/第2章:カスピアン王子の角笛」のページ
http://www.disney.co.jp/narnia/
□ゲーム「ナルニア国物語/第2章:カスピアン王子の角笛」のページ
http://www.disney.co.jp/interactive/narnia/narnia2.html
□関連情報
【4月24日】ディズニー・インタラクティブ・スタジオ、映画「ナルニア国物語/第2章:カスピアン王子の角笛」
プロデューサー、マーク・ジョンソン氏インタビュー
「ストーリーがよく描かれていて、1作目より断然良くなっている!」
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20080424/narnia.htm

(2008年7月3日)

[Reported by ねこひげ合同会社 桃井サカコ]



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