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価格:7,140円
「ケイン&リンチ: デッドメン」は、「ヒットマン」シリーズで有名なデンマークのゲームスタジオ、IO Interactiveが手がけた最新作で、中でも本作オリジナルのマルチプレイモード「フラジール・アライアンス」は斬新なルールにより、既に発売中の海外市場では高い評価を受けている。スパイクが発売する日本語版はボイス部分も日本語化されたフルローカライズバージョンとなっている。 今回は株式会社スパイクによるメディア向け体験会が行なわれ、日本版ゲームで「フラジール・アライアンス」を実際にプレイすることができたのでゲーム本編に先駆けてマルチプレイ部分の魅力をレポートしていきたい。
■ IO Interactiveの完全新作「ケイン&リンチ:デッドメン」とは?
元傭兵「ケイン」と妻殺しの「リンチ」、2人の死刑囚を主人公とした本作は、ダークで重厚な世界観が同社の「ヒットマン」シリーズに通じるものを感じさせつつも、既存のIO Interactiveタイトルとは異なる、バイオレンス味あふれるゲーム内容に仕上がっている。「フリーダムファイター」で話題を呼んだAI操作によるNPCも本作には登場することから、同社タイトルの集大成的な1本とも言えるだろう。 ストーリーはケインとリンチ、2人の死刑囚を乗せた護送車が突如襲撃され、外に放り出されるところから始まる。護送車を襲撃したのはケインが所属していた裏の傭兵組織「The 7」のメンバーで、彼らは組織を壊滅状態に追い込んだケインを裏切り者と決め付け、ケインの妻と娘を人質に自分たちの命令に従うよう強制される。一方でリンチは「The 7」のメンバーになることと引き換えに、ケインの監視とサポートをする密約が結ばれていたという筋書きになっている。
本作は日本語ローカライズにあたり、ゲームの持つ世界観と演出を忠実に日本語化するためにボイスオーバーを含めたフルローカライズが施されている。それに伴い、声をあてる声優陣も、ケイン役にはブルース・ウィリスの吹き替えで活躍している内田直哉氏、リンチ役には麦人氏と、映画の吹き替えで実績のある面々が起用されており、ゲームをより印象深いものに仕上げているのが特徴だ。 ■ 信用と裏切りの連続に大興奮の「フラジール・アライアンスモード」とは!?
一見、プレーヤーが強盗と警察にわかれた変則的なチームデスマッチかと思われるかもしれないが、まったく違う。ユニークなのは、プレーヤーがミッション遂行中に倒された後の展開だ。警官側で復活し、先ほどまで一緒に行動していた仲間達を鎮圧する側に回るのだ。といっても、警官や警備員の迎撃はそれほど激しいわけではない。チームで連携を図れば、抵抗勢力を一掃するのは時間の問題だ。それでは誰に殺されるかというと、なんと仲間なのだ。 前述の通り、このゲームモードは、金品を盗んで脱出するのが目的だ。強盗側の各プレーヤーが奪った金品の額によってスコアランキングが付けられるため、単に強盗を成功させるだけでなく、他のプレーヤーより1ドルでも多く奪わなければならない。しかし、強盗できる金品には限りがある。敵との交戦に手間取っている間に、仲間に金品を回収されてしまっていることもある。このような状況下で、他の仲間より多く金品を獲得するてっとり早い方法は、仲間を殺し、仲間が所持していた金品をそっくりそのまま奪って逃走することだ。それをシステム的にカバーしたゲームモードが「フラジール・アライアンス」というわけである。 このモードでは、即席で結成された強盗団の繋がりはとても希薄だ。チームの誰がいつどこで裏切るかがわからないし、警官を倒すために一時的に共闘しても金品の分け前を多く得るには頭数は少ない方が良いし、独り占めできればもっと儲かるという訳で、敵勢力を一斉するまでは味方同士だが、銃撃戦が一段落すると今度は仲間同士の裏切りが待っている。 「フラジール・アライアンス」では、強盗団側は分け前を多く得るために仲間同士で争い、生き残った警官側プレーヤーは奪われた金品を奪還するために強盗団を攻撃するという乱戦がゲーム後半で展開される。この発生タイミングは、プレーヤー個々の判断に委ねられている点がユニークだ。報酬は脱出した強盗同士で当分されるため、「分け前が少なくても平和にやりたい」と生き残った全員が考えればみんなで仲良く脱出してクリアしてしまうことも可能だが、獲得金品が少ないということはゲームの敗北を意味するので、逆転を目的に必ず裏切りが発生する。 このゲームモードは、「Counter-Strike」のようにラウンド制になっており、総ラウンド終了時点の獲得総額によって順位が決まる。このため、ラウンド途中の順位によっても、様々な駆け引きが生まれてくる。序盤から裏切りまくるプレーヤーは、他のメンバーから信頼されないだろうし、序盤は従順におとなしく振る舞いつつ、メンバーの信頼を得た後半の決定的なタイミングで大裏切りを実行し、金品を独り占めにするといった戦術も可能だ。「いつ仲間を裏切るか」という前例のない決断に頭を悩ます感覚が非常に楽しい。
「フラジール・アライアンス」をプレイしてみた感触としては、ルールが他のメジャーな対戦ルールと大きく異なるため、大前提としてゲームルールの理解が「越えなければいけない壁」として立ちはだかるが、ここはまずグッとガマンして2~3回ゲームをこなし、体をルールに慣らしていって欲しい。ルールを覚えて慣れてくると、途端に面白さがわかるようになってくるはずだ。 実際に全員がゲームに慣れた状態での対戦は、白熱度合いが全く違う。裏切りの頃合が読めるようになると、序盤はおとなしく共闘している他のプレーヤーが本心をいつあらわにするかと気がかりになり、程よい緊迫感が加わってくる。 強盗団全員がチームワークで奪い合いを展開するもよし、共闘する相手を見つけて邪魔なプレーヤーを排除するのもよし、とっさの判断で様々なゲーム展開が望める自由度の高いマルチプレイルールと言えるだろう。警官側にまわったプレーヤーもあきらめずに、素早く行動して強盗を制圧して金品を奪回すれば報酬を得るチャンスだ。 映画の吹き替えクラスの豪華声優陣を揃えたゲーム本編に加えて魅力的なマルチプレイモードを実装している「ケイン&リンチ:デッドメン」は、全てのアクションゲームファンが期待しても良い1作と言って良さそうだ。
(C) 2007 IO Interactive A/S. Developed by IO Interactive. Published by Eidos, Inc. Kane and Lynch: Dead Men, Eidos and the Eidos logo are trademarks of Eidos Interactive Ltd. IO and the IO logo are trademarks of IO Interactive A/S. All rights reserved. Marketed and Distributed in Japan by SPIKE.
□スパイクのホームページ (2008年6月13日) [Reported by Game Dude]
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