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★オンラインゲームファーストインプレッション★

奇抜な人々がトイレを目指して駆け抜ける
“ミニゲーム”と言えない高い完成度の3Dコミュニティ

「POKIPOKI」



 「POKIPOKI」は、友達同士でしゃべって楽しい、アバターを着せ替えて楽しい、ミニゲームでのパーティープレイも楽しいといった3拍子そろった3Dコミュニティーサービスだ。「POKIPOKI」を一見した人は、「単なるアバターを使った3Dコミュニティでしょ?」と思うかもしれない。筆者も初めはそう思っていたのだが、プレイ後の筆者の感想は、「ミニゲームが看板。友達は遊んでりゃ勝手に増える」という具合だ。

本作は3Dコミュニティーサービスというジャンルにはなっているが、ミニゲームは“ミニ”なんて程度ではなく、それだけで十分に楽しめる“メイン”ゲームだ。あまりにも褒めているので「誇張しているんじゃないか?」と疑われないように早々に具体的な内容について説明させてもらう。

 なお、本作は現在クローズドβテスト中だが、「POKIPOKI」のプレーヤーに招待してもらう事でゲームに参加できるようになっている。



■ 「POKIPOKI」にログイン! まずはアバターをチョイス

見知らぬプレーヤー同士でも気軽にダンス。明るい雰囲気が印象的だ
 まずは自分の分身であるアバターを選ぶ。アバターは男女合わせて6種類あり、表情と肌の色の違う別バージョンを加えて計12種類の中から選べる。髪型、服装はゲーム内で変更可能だが表情や肌の色は変更できない。アバターはおもちゃ屋で売っているフィギュアのようなパッケージに入っており、凝った作りがアバター選択を楽しませてくれる。

 操作方法はカーソルキーで移動、マウスで対象の選択。一通り操作に慣れたら、ミニルームから「POKIPOKI」のメイン広場である「ポキタウン」へとお散歩だ。ポップなグラフィックスを基調としたポキタウンには、アイテムショップ、アップグレードセンター等といったファッションや家具等の製作に必要な建物が配置されている。NPC達も非常に愛くるしい容姿で、ポキタウンの風景にマッチしてほのぼのとした雰囲気を演出している。

 また、ポキタウンやその他の街には、様々なミニゲームを楽しめるゲームセンターがある。現在のところ、「バルーンバトル」、「メガサンド」、「トイレダッシュ」の3種類がプレイできる。タイトルだけではどんなゲームか想像できないとは思うが、それぞれチーム重視でわいわい騒ぎながら遊べるパーティーゲームになっている。中でも「トイレダッシュ」は非常に面白く、ライトユーザーにもわかりやすいシンプルな操作ながら、コアゲーマーも腕を鳴らせるゲームシステムとなっており、白熱したバトルが展開される。

【スクリーンショット】
パッケージも手の込んでいるアバター。これを選ぶだけでも悩まずにはいられない
ミニゲームのロビーには奇抜なファッションのプレーヤーが多数!




■ 「トイレダッシュ」はなぜ面白いのか? コアゲーマーも楽しめる理由

 ミニゲームの操作はZ、X、C、Sキーとカーソルキーのみで非常にシンプルだ。1対1から3対3までのチーム戦で、人数が足りない場合にはCPUの「ポキレンジャー」が代わりに参加してくれる。ポキレンジャーはゲームの難易度によって強さも変わるため、ゲームによってはポキレンジャーが勝利する事もある。もちろんプレーヤー6人のほうが、はるかに面白いのは言うまでもない。チーム戦のため、初心者でも勝てるチャンスがあるし、コツがわからない時も、仲間が教えてくれたりサポートしてくれたりすることで、ゲームも上達するし友達も増える。

そもそも900メートル先にしかトイレがないのは家の設計ミスだという事に気づこう
 それでは筆者オススメの「トイレダッシュ」の紹介だ。ゲームを開始するとお腹を押さえたプレーヤーが一列に並び、早く用を足したいがためにトイレ目掛けて猛ダッシュを始める。トイレのためにレースをするというコントチックな設定は見ているだけで面白い。

 プレーヤーは1つしかないトイレを目指し、6レーンに分かれた最長900メートルのストレートコースを駆け抜ける。コース上には箱や蜘蛛、蛇といった障害物が配置されており、レーン変更やジャンプ、スライディングを駆使してかわしていく。障害物はぶつかった際に壊れてしまうが、プレーヤーは転んでしまい、時間をロスしてしまう。そのため、速度を落とさないようにしながら、次々と現われる障害物を避ける瞬時の判断力がトイレダッシュの肝になっている。しかし、ただ障害物を避けながら走り抜けるのではなく、アイテムやマップ上のスイッチを利用したチームプレイが重要になってくるため、一筋縄ではいかないのが「トイレダッシュ」の奥の深さだ。

 トイレは1人用のため、用を足す事が許されるのはトッププレーヤーのみで、そのプレーヤーのチームが勝利となる。トップにならなければ漏らしてしまうという事はないが、アバターがお腹を押さえて苦しんでいるのは見ていて痛々しい。早くトップになってトイレを使わせてあげたいものだ。

 「トイレダッシュ」の操作はカーソルキーの左と右でレーンの移動、上でジャンプ、下でスライディングができる。ジャンプとスライディングは2度押すことで2段ジャンプと2段スライディングが可能だ。他に使うキーはZとSのみ。ゲームのモードによるが、レース内で手に入れたアイテムを使う場合はS、マップに設置されている緑色の靴のマーク上でZキーをタイミング良く押すことで加速できる。アイテムは、後方から投げて相手にぶつけるトイレットペーパー、周囲を見えにくくするオナラ、一定時間障害物を無視できる無敵、一定時間加速できる靴の全4種類だ。

 「トイレダッシュ」はなぜ面白いのか、それには3点の理由がある。まず1つ目は、シンプルである点。これは非常に重要で、数回のプレイで何をすればいいのか全てわかってしまう。複雑な操作も要素もなく、簡単明瞭。使うキーも2ボタンとカーソルキーだけと少なく、とっつきやすさ満点のゲームでオンライン対戦できる点が良い。

 2つ目は、シンプルなのに戦略性が高い点。数回プレイしただけではわからないのだが、やりこんでいくうちに様々な要素がわかってくる。例えば、先頭を走っている場合に取得できるアイテムは、トイレットペーパーとオナラのみで、後続のプレーヤーはその2つのアイテムに加え、無敵や加速アイテムも手に入れられる。さらに、加速アイテムは先頭よりも後方で使ったほうがスピードが速い。そのため、先頭のプレーヤーの後ろにぴったりとマークしてゴール寸前で抜きさるといった戦法も可能だ。

 飛び越える事も潜り抜ける事もできない障害物がある場合はレーン変更で避ける事になるのだが、レーンを変更するとスピードが落ちてしまう。さらに、走る速度は一定ではなく、トップスピードに達するまでに時間がかかる。そのため、加速前にレーン変更をしたほうが同じ距離を進む場合には早い。トップスピードでレーン変更をするか、加速前に遠距離の状況を汲み取り、どこでレーンを変更するかで速さも違ってくる。単純な事のようだが、障害物を避けながら瞬時に判断するのは難しい。他の戦法としては、相手の動きを先読みしてトイレットペーパーを投げたり避けたり、障害物の手前で減速して敵がぶつかるのを待つ、といった方法もある。

 3つ目は、チームプレイが重要な点だ。ゲームの難易度を高くするとピラミッドというマップで遊べるのだが、その中にミイラという設置物がある。ミイラは起動スイッチ上でタイミングよくZキーを押すことで約20~30メートル前方のミイラが起き上がり、前方を走っているプレーヤーの邪魔ができる。しかし、ミイラ、トイレットペーパー、オナラは上手く使えば敵プレーヤーを出し抜けるが、味方プレーヤーにも影響があるためパーティーへの配慮も重要となってくる。

 パーティープレイを重視してチームで縦に並んで走り、敵に抜かれたらトイレットペーパーを持っている味方がブロック。スライディング後すぐにジャンプしなければ避けられないシビアな間隔で配置された障害物も、先頭のプレーヤーがぶつかって破壊することで後続のプレーヤーを先へと進ませられる。

 もちろん、これらのプレイはプレーヤーのレベルが揃っていないと難しいが、上手く連係して勝利できた時は非常に気持ちいい。シンプルで戦略性もあり、パーティープレイも重要、という3点が絡み合うことにより奥深いゲームに仕上がっていると言える。「POKIPOKI」は好きなプレイができるという自由度の高さがあるが、忘れずに「トイレダッシュ」はプレイしておいて欲しい。

【スクリーンショット】
オープニングに登場する可愛いキャラクタ「サルース・リー」はマップに合わせて衣装も2種類と作りこまれている
パーティーメンバーからは“ナイス”と“すっきり”を組み合わせた「ないすっきり」といった掛け声もかかる




■ 他にもまだあるパーティープレイ重視のミニゲーム

 「バルーンバトル」は、カーソルキーを一定時間押してバルーンを膨らませ、素早くたくさん作ることがメインになっているゲームだ。決められたサイズをオーバーしたバルーンは割れてしまうため、ボタンを離すタイミングが重要となってくる。ただバルーンを作るだけではなく、左下に表示される色毎のバルーンの規定数をいち早くクリアしたプレーヤーにボーナスポイントが与えられるため、敵チームの作っていない色のバルーンを狙って作り続けていくのも重要だ。バルーンを全て作り終えた際に、ポイントがトップだったプレーヤーのチームの勝利で、チーム全員のポイントの合計は関係ない。「バルーンバトル」はコツコツ作業を進めていく事が好きな人には楽しめる作品だと思えた。

【スクリーンショット】
単調に見える「バルーンバトル」には、駆け引きの要素もある


 「メガサンド」は、4種類用意された材料を積んで非常に大きなメガサンドを作るゲームだ。決められた高さまで材料を乗せたプレーヤーのチームが勝利となる。カーソルキーの左には目玉焼き、右にはレタス、上にはハム、下にはチーズが対応しており、アバターの頭上に表示される次の材料を見ながらカーソルキーを素早く押していく。メガサンドを閉じるバンズはなく、土台の上にひたすらに材料を載せていくのだが、その材料の載せ方が驚くほど豪快。ハム、レタス、チーズ、目玉焼きを4回も繰り返したかとおもいきや、次には10枚連続目玉焼きを置いたり、さらにその上にチーズを10枚、とどめにハムを10枚を乗っける。「そんなメガサンドを食べたらメタボリックになっちゃうよ」と思ったあなたはまだ甘い。メガサンドは100メートルをゆうに越え、300メートルを達成するとそこにはなぜか宇宙空間が広がっている。

 現実離れしているゲーム内容だが、プレイ感覚としてはゲームの難易度が低い場合には目玉焼きとレタスでの連打勝負、難易度をあげると4種類の材料を使った指裁きによる勝負といった感じで、3回もやると腕が痛くなってゲームを抜けていくプレーヤーもいた。あまり長時間できないという弱みはあるものの、必死に連打をする事でテンションも上がり、騒ぎながらのパーティープレイにはうってつけだと感じられた。

【スクリーンショット】
300メートルにも達するメガサンドの材料をどこに貯蔵していたのか、どれだけ家の天井は高いのか、謎は深まるばかりだ……




■ 目指せ最強アバター、見た目だけでなくステータスも

 「POKIPOKI」は3Dコミュニティサービスという事で、600以上の洋服やアクセサリー、家具等も用意されており、可愛い飾りつけをした部屋に友達を呼んで楽しいおしゃべりもできる。おしゃべりの際のエモーションは自分で選択するのではなく、チャット欄のキーワードに反応してアバターが自動的に可愛いモーションをとってくれる。例えば「こんにちは」ではお辞儀、特殊なものでは「きゃ」と打ち込めばマイケル・ジャクソン風の音楽が流れ、アバターは音楽に合わせて腰を振る。明るい雰囲気で自然とテンションもあがり、コミュニケーションもとりやすい。

 アバターには見た目にも様々な洋服が多数用意されており、ファッションの楽しみも味わえる。筆者は夏が好きなので、小麦色に日焼けをしたアバターを選択。サングラスとアロハシャツでコーディネートすると、特技はサーフィンです! といった感じの、夏を感じさせてくれるアバターのできあがり。1人だけ季節感を間違えている気はしたが、自分で考えたアバターでポキタウンを闊歩するのは良い気分だ。

 新たな洋服は、アップグレードセンター内のファッション合成を選択し、2種類のアイテムの組み合わせて作る。アイテムにはレベルがあり、レベル1同士のアイテムの合成に成功するとレベル2のアイテムがランダムにできあがる。必ず決まったアイテムが作れるわけではないが、種類とレベルを揃える事で、ある程度狙った範囲内のアイテムが作れる。

 洋服においてはもう1つの特徴として、ステータスが設定されている。ステータスは、力、スピード、体力、精神の4種類。例えば、スピードはミニゲームの「トイレダッシュ」に影響を及ぼしており、今までよりも加速度が増し、ゲームを有利に進められる。ただ、アバターのスピードが速いために障害物の迫ってくる速度も増しているので、難易度も若干アップする。

 ファッションセンスを発揮しつつステータスにも気を配ったコーディネートをすれば、ミニゲームも一層盛り上がる。時には笑いを狙ったハゲヅラやニワトリのコスチューム等を使って、自分なりに「POKIPOKI」を楽しんでみるといいだろう。

【スクリーンショット】
あるプレーヤーのミニルーム。ピンクで統一された家具による可愛らしさに感動 パンツと靴が合っていないので、筆者のファッションセンスを磨く必要が感じられる作品 男物のアイテムと女物のアイテムが分かれているため、交換する事で集めやすくなる




■ 採集システムには不満が残るが、自由度の高さでカバー

 本作には、アイテムを採集するという要素もある。採集したアイテムは、複数種類を組み合わせて工房に持ち込み、いくらかの手数料(ポキ)を支払うことで、洋服や、採集の成功確率を上げる採集道具などを合成できる。同様のアイテムはショップで購入できるものもあるが、その場合は合成の手数料よりも高いポキ(お金)を支払うことになる。安く上げたいなら採集をしよう、という仕組みだ。

 しかし、この採集システムが非常に単調でつらい。まずは素材場所をクリックして一定時間待つ事でアイテムがそこに存在するのかどうかの判定が行なわれ、存在しなければもう1度クリック。素材が存在した際にはスペースキーを連打するミニゲームが始まるのだが、ここで失敗すれば素材は手に入らない。こういったクリックと連打の繰り返しの作業は非常に疲れる。

フローチャート形式で、クリア意欲は出るものの、必要以上に時間をとらせるのが難点
 また、ゲームを始めると表示されるガイドブック(チュートリアル)が非常に長いのも難点。この中で出てくる採集の項目をクリアするのに、筆者は約4時間もかかってしまった。これではミニゲームの面白さを体験する前に、単調な作業にうんざりしてプレイをやめてしまう。これから始めるプレーヤーにアドバイスをしておくと、チュートリアルは全て終わらせる必要はなく、いつでも再開できるので、まず始めに「ミニゲーム」をプレイし、ゲームの面白さを味わっていただきたい。

 とはいえ、採集における不満点を除けばプレイする価値は大いにあり。自由度が高いため、採集をしなくても大丈夫。ミニゲームをメインとしてプレイしてもよし、コミュニティーツールとしてもよし、見た目の豊富なアイテムをコレクションするのも楽しい。ゲームとしての面白さも十分に持っているし、基本的に協力プレイなので、遊んでいる最中に友達が増えていくのも嬉しい。今回、筆者がプレイしただけでも10名以上の友達ができ、3Dコミュニティーサービスとしてもできがいい。

 今後実装予定のミニゲームには「ふっとサル」や「ダンス★フィーバー」といった興味のそそられるタイトルも控えている。またインターフェイスには、ペット用バッグのアイコンも表示されている。今後ペットも実装されれば、ポキタウンは一層華やかになりそうだ。今後も「トイレダッシュ」を中心にプレイしながらアップデート内容にも注目して見守っていきたいと思う。

【スクリーンショット】
宝石を掘っていたら卵のからが……。洋服のために穴を掘ったり虫を取ったり
何よりも「POKIPOKI」内で友達を作り、楽しく騒ぎながらプレイするのが一番の醍醐味だ


(C)2008 Neoact co., ltd. All Rights Reserved. Published by Hanbit Ubiquitous Entertainment Inc.



【動作環境】
  • OS:Windows 2000/XP/Vista
  • CPU:Pentium III 1GHz以上
  • メインメモリ:512MB以上
  • ビデオカード:GeForce 4またはRADEON 9000以上
  • ビデオメモリ:64MB以上


□ハンビットユビキタスエンターテインメントのホームページ
http://www.hanbit.jp/
□「POKIPOKI」のページ
http://pokipoki.jp/
□関連情報
【1月18日】HUE、「POKIPOKI」の日本国内独占ライセンス契約を締結
デザインの自由度が高いコミュニティ・オンラインゲーム
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20080118/poki.htm

(2008年6月5日)

[Reported by 日高文典]



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