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会場:東京・新宿文化センター
【逆転検事】
価格:未定
まず最初に登壇したのはシリーズプロデューサーの松川美苗氏。松川氏は「今回は東京フィルハーモニー交響楽団と夢の共演をさせていただきます。今日演奏していただく楽団の皆さんの中にも『大好きで絶対演奏したいと思っていました』と声をかけてくださった方もいらっしゃいました」と語り、「今日はオーケストラの調べに合わせて繰り広げられる名バトル、名シーンをお楽しみ下さい」と挨拶。そして「これまでの『逆転裁判』とこれからの『逆転検事』、過去と未来が繋がる特別法廷を開廷させていただきます」と宣言した。 イベントは3部構成となっており、後半2部が「逆転裁判 特別法廷 2008 オーケストラコンサート」で、それに先駆ける形で新作「逆転検事」の発表会「NEW 逆転 NOT 裁判プロジェクト新作発表会」が行なわれた。 「逆転検事」発表会にはプロデューサーの江城元秀氏、ディレクターの山崎剛氏、キャラクタデザイナーの岩本辰郎氏が登壇。司会者が3名に質問をし、各人がそれに答えるという形式で発表会は進行していった。まずは「今回なぜ、主人公が御剣怜侍」なのかという点について。江城氏は「この企画を思いついたのは、『逆転裁判3』のBest Price版を制作中に検事側を主人公にした企画を思いついたんです」と切り出した。ここでディレクターの山崎氏に相談し企画を煮詰めていく中で、一番中心となるのは御剣ではないかといった結論にたどり着いたのだという。そこで御剣を起用すると決まった段階で、「逆転裁判2」と「逆転裁判3」のキャラクタデザインを担当した岩本氏に依頼することになったのだとか。 岩本氏はキャラクタデザインについて「今回に限らずデザインするときは、キーになるポイントを絞りそこを最大限に誇張するようにしています。たとえば御剣であれば、『三段フリルに赤』以上! みたいな(笑)」ということで今回も非常に個性的なキャラクタがたくさん生み出されたようだ。岩本氏はアートディレクタも担当しており、背景に細かに隠されているネタ出しを中心にクオリティを整えるといった作業を行なったという。こちらについては「小ネタが得意なので、細かいネタが背景に隠されていて、こんなのがあったら嬉しいんじゃないかと言ったネタを詰め込んだ」と語った。 ここで電撃的に発表されたのが新キャラクタのデザイン。しかし明らかになったのはデザインだけで、それ以外の名前などは一切発表されなかった。画面に映し出されたのは女性キャラクタで、ピンクに唐草模様が描かれたベストにマフラーをした女性キャラ。かんざしを挿し少し和風の特徴的な髪型で、ミニスカートと言うこともあり元気で活発なイメージだ。 キャラクタの作成についてはディレクタの山崎氏と岩本氏の間で意見のぶつかり合いがあり苦労したのだとか。岩本氏は前述の通り絞り込んだ上でそこを誇張する方法をとるが、山崎氏が「華やかに色々と要素を入れて欲しい」と注文をつけ、様々な話し合いが行なわれたのだという。最終的には意見の集約が行なわれ「効果が得られたのではないか」と満足行く女性キャラクタに仕上がったという。 山崎氏は「逆転検事」について、法廷ではなく事件現場で物語が進んでいくと説明。「矛盾を指摘した欲しい」と語り、主人公が弁護士から検事に変わりシステムが変わっても、「逆転」シリーズの持つ爽快感や楽しさは受け継がれているようだ。さらに山崎氏は御剣を「色々なところに行かせたい」と語り1枚のグラフィックスを公開した。そこにはシャチが曲芸をして御剣がイルカに事情聴衆をしているシーンで、会場からも大きな笑い声が湧いた。これもまったく説明がないのだが、事件現場だと言う。確かに足跡も付いているが、普通に考えると事件現場には思えないツッコミどころ満載のシーン。山崎氏は「想像して欲しい」と言葉を付け加えた。 事件現場で操作した後は怪しい目撃者や容疑者との熱い駆け引きやバトルが用意されているということで、熱いゲーム展開はシリーズ同様楽しめるようだ。そこに登場する逆転シリーズならではの“濃い”キャラクタは健在と言うことなので、こちらも楽しみだ。
最後にプロモーションビデオが上映された。ビデオでは御剣が熱い思いで悪に対する姿勢が言葉中心で描かれ、熱いものとなっているが、そこは「逆転」シリーズということで、最後にきちんとオチが用意されていた。「逆転検事」では御剣を操作して移動させることができるのが大きな特長だが、走ることなどもできるようだ。ここから最後のオチとして用意されたのが、御剣が画面上に走ってきてぐったりしながら「(体力をつけておかなければならないな……)」とつぶやくシーンだった。ここでも客席から大きな笑い声が上がった。
ここで特別ゲストとして登場したのがタレントの南明奈さん。まだ高校を卒業したばかりという南さん。仕事の合間の移動中はもちろんのこと休日は常にゲームをプレイしているということでかなりのゲーム好きな様子。もちろん「逆転裁判」シリーズもプレイしたのだという。 当日は登場キャラクタの綾里千尋をイメージした衣装で登場。胸元の曲玉のアクセサリまで再現するという凝りよう。千尋さんについては「大人の女性というイメージです。キリッとしていてナイスバディで」とコメント。では「自分に一番違いと思うキャラクタについては?」との問いには、「『逆転裁判4』に登場するマジシャンの“みぬき”でしょうか。他のキャラクタはキリッとしているけど、私は違うので(笑)。一番近いかな」と分析してみせた。 ちなみに南さんがどれくらい「逆転」シリーズのファンなのかと言えば、「『逆転裁判4』の発売の時に先着購入特典だった赤い“オドロキヘッドフォン”がどうしても欲しくて発売日にゲームショップにならんで購入しました」と告白。かなり好きなようだった。 ゲームをプレイしたというが、やはり所々行き詰まるところもあったと言い、そういうときは仕事関係の「逆転裁判」仲間にヘルプしてもらい教えてもらいながらクリアしたのだとか。「逆転検事」で主人公となる御剣怜侍のファンということで「カッコイイ」と語っていたが、「実際にいたら付き合いたいか?」との問いには「口調とかが恐いから恐れてしまうかも。見ている分にはカッコイイから……」とビジュアルに引かれたようだった。
南さんは「逆転検事」については、「キャラクタを動かせるとか、これまでのシリーズとは違った所は気になりますが、私の好きな御剣さんが帰ってくるということで、そこが私の一番気になるところですね」と語った。最後に「今日は『逆転検事』の事も知りたいと思っていたので、楽しかったです、そして新作を早くプレイしたいです」とファンの言葉を代弁するかのコメントで締めくくった。
曲は「王泥喜 法介 新章開廷」にはじまり、パイプオルガンを使ったJ.S.バッハのトッカータとフーガ二短調が導入部で流れる「逆転裁判1~3 法廷組曲」、そしてどことなくコメディタッチの「芝九蔵虎之助~スウィンギン・ゼニトラ」へと続く。 前述の通り、曲間などにちょこちょこと裁判長や成歩堂龍一、御剣怜侍らによるやり取りが挟まれる。ここでは「弁護側のテーマが流れたところで」といった御剣の言葉に、「ニセモノだろーが!!」と成歩堂が突っ込むなど笑いが起きたところで続いては検事側の楽曲ということで「ゴドー~珈琲は闇色の薫り」が流れ、コンサート第1部の最後は「大いなる復活~御剣怜侍」で締めくくられた。 ここで10分の休憩となりコンサート第2部は「逆転裁判4 法廷組曲」、「悪漢組曲」でスタート。そしてここでゲストが登場しての「恋するギターのセレナード」へと続いた。同曲は「逆転裁判4」の第3話「逆転のセレナード」でラミロアが歌う曲だが、ゲストとして登場したのは編曲を担当した岩垂徳行氏と霜月はるかさん。さらに巧舟氏も登場。オーケストラをバックに披露された。岩垂氏はオルゴールを演奏できるとでも良いのだろうか……新しい楽器「カナデオン」を使用して美しいメロディを奏でていった。 霜月さんは今回歌を収録するにあたってシリーズ4作目を手渡されたが、「4作目からスタートするのは邪道!」と感じたということで、シリーズ1作目からプレイ。「本当に面白くて」ということで、すっかりその魅力にはまったという。そして同曲を歌うということで、「えー! あれを歌うんですか?」と驚いたという。巧氏は、霜月さんの歌声に巧氏は「美しくて感動した」と感想を述べ、オーケストラの音色についても「感動して舞台の袖で泣いていた」とコメント。送り手としての感動を味わっているようだった。 ここからは岩垂氏が指揮を務めた「綾里真宵~逆転姉妹のテーマ」、そして栗田博文氏による指揮で「逆転裁判3 エンディング」で演奏は終了となった。 しかしここで終わらない。巨大なスクリーンに裁判官が登場し「余韻に浸りたい」とコメントし居眠りをはじまると、「皆さんの拍手で起こそう」とあおりのコメントが画面上に入る。これがアンコールとなり2曲が披露された。このアンコールではなんと巧氏がタクトを振るというサプライズもあり、巧氏の多彩な面が垣間見ることができた。
とにかく全ての面においてサービスが施された満足のいく「特別法廷」に来場者も満足したことだろう。今回の演奏は音楽CDと映像DVDが発売されることが決定している。音楽CDは「『逆転裁判 特別法廷 2008 オーケストラコンサート』~GYAKUTEN MEETS ORCHESTRA~ (仮)」で、7月16日に3,570円で発売される予定。映像DVDは「『逆転裁判 特別法廷 2008 オーケストラコンサート』~GYAKUTEN MEETS ORCHESTRA~ オフィシャルDVDブック (仮)」で10月30日に4,620円で発売される予定となっている。 このほか「逆転裁判」関連ではシリーズ作品として各タイトルが「NEW Best Price! 2000」として発売される。「逆転裁判 蘇る逆転 NEW Best Price! 2000」と「逆転裁判2 NEW Best Price! 2000」が4月17日に、「逆転裁判3 NEW Best Price! 2000」と「逆転裁判4 NEW Best Price! 2000」が4月24日に発売される。それぞれ価格は2,100円となっている。
また、現在PCで楽しめる「逆転裁判 配信版」のサービスが開始となっている。 (C)CAPCOM CO., LTD. ALL RIGHTS RESERVED.
□カプコンのホームページ (2008年4月21日) [Reported by 船津稔]
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