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「ストリートギアーズ」はインラインスケート(ローラースケート)を使い、トリックを決めながら他プレーヤーとレースを繰り広げ、1位を競う。開発はガーラの子会社である韓国NFLAVOR。ガーラは同じくNFLAVORが開発した「RAPPELZ (ラペルズ)」の運営も行なっており、本作が日本で運営する2本目のオンラインゲームとなる。
本稿ではテストに先行して行なわれた体験会でのスクリーンショットと共に、「ストリートギアーズ」の基本要素を紹介したい。軽快な操作性、MMORPGの街のようなロビー、壁や看板を使ったトリッキーなアクション、クエストのセンスなどで期待の持てる作品だ。
■ 凝ったチュートリアルと操作性が好感触。ゲームパッド対応が最大の課題か
本作のキャラクタやフィールドはカートゥーンレンダリングで描されており、ポップな雰囲気を持っている。登場キャラクタの頭身は高く、長い手足を動かして道路を滑走する感触と、軽快な操作性が相まって、爽快感のあるゲームとなっている。 クローズドβテストで使用できるキャラクタは元気な少年「ルーキー」と、セクシーな美女「ルナ」の2人。今後は更に使用キャラクタも増えるようだ。各キャラクタのモデルはカスタマイズの自由度はなく、ファッションでプレーヤーの個性を追求していくタイプである。 キャラクタの操作はキーボードで行なう。移動はカーソルキーで、↑で前進、←と→で左右に回転、↓でブレーキとなる。Xでジャンプ、Zでゲージを使用してブースター、Cは走行中はしゃがみで、停止しているときはベンチや地面に座ることができる。F2キーを押すとスケートで滑る「インラインモード」から、「ウォークモード」に切り替えることができる。 キャラクタを作成するとチュートリアルモードが始まる。プレーヤーの前に広がるのはいきなり火の海。先輩スケーターに導かれながら、基本操作を覚えつつ、火災現場から脱出することになる。崩れた瓦礫をジャンプで飛び越え、ボタンを操作しシャッターを開ける。手すりをグラインドで滑り、壁に向かってジャンプして穴を回避する。アクションゲームとしての可能性を感じさせるチュートリアルで、好感を持った。 チュートリアルはそのまま「クエスト」に続く。「ストリートギアーズ」ではいくつものクエストが用意されており、クリアすることでトリックなどを習得することができるという。本作のメインはあくまで対戦だが、何度でも挑戦できるタイプのクエストなども用意されており、タイムアタックなどで楽しめそうだ。 クエストではあらかじめコースの全景を見ることができたり、コースの中にも様々なオブジェクトが用意されていたりと、ゲーム要素もそれなりに充実しており、韓国のゲームの進化を感じさせられる。 最大の魅力はそのスピード感である。↑キーを押すとキャラクタが長い手足をダイナミックに動かし、滑る。その疾走感は日本のコンシューマゲームにも勝るとも劣らない。今回はカーブが難しかったが、馴れれば↓のブレーキングやトリックをうまく使いこなせば複雑なカーブも攻略できそうだ。手すりの上を滑ったり、看板を使って地面と水平に走るようなトリックもXキーを押すだけでできて、うまいプレーヤーのリプレイは見応えのあるものになりそうである。 一方で本作の大きな懸念が、「現状ではゲームパッド非対応」というところだ。やはりこういったレースゲームは直感的に操作できるゲームパッドでプレイしたい。韓国のカジュアルゲームはキーボードでのプレイが前提になっており、本作も対応に対しては「検討中」とのことだ。 キャラクタを直感的に操作するためには、日本ではコントローラという洗練されたゲームデバイスを使用するのが大前提となっており、キーボードを無理にキャラクタ操作のために使うという文化にはなじみが薄い。アナログスティックでのコーナリングや加速に対応してくれれば、よりキャラクタと一体感が味わえる、次元の違うゲームになるだろう。
インベーダーゲームから、ファミリーコンピュータという流れの中でゲームが生まれた日本ではゲームとコントローラは不可分だ。ゲームの進化と歴史がまったく違う韓国の開発者には理解しづらいかもしれないが、日本でサービスする以上、何よりも優先して対応して欲しいところだ。
■ 最大8人で楽しめるレースモード。コースやルールによって攻略法が異なり、チームでの対戦も可能
「ストリートギアーズ」のメインであるレースは最大8人まで同時参加可能で、チーム戦とシングルマッチ、そしてゲームモードは「スピードモード」と「アイテムモード」が用意されている。 レースに参加するには、ロビーから「Quick Join」のボタンを押すだけで他プレーヤーが作っているルームを参加することができる。ショップなどにもロビーから移動するのではなく、メニューで移動することも可能だ。 今回用意されるコースは8種類。コースによって周回数が決まっており、障害物が設置されていたり、キツイカーブが続いたりと、プレーヤーの腕が試されることになる。今後はコースも更に充実していく予定だという。 レースでは「ダメージゲージ」と「パワーゲージ」が勝負の鍵となる。ダメージゲージは壁などの障害物に当たると増え、一杯になると一定時間行動不能になってしまう。パワーゲージはトリックを決めると上昇し、Zキーを押すことで一定時間ブーストできる。ブーストをいつ使うか、どのラインを走るかなどコースによって攻略法も異なってくる。 アイテムモードはコースの攻略に加え、様々なアイテムでの駆け引きが大きな影響を及ぼす。アイテムモードはコースに設置されているポイントで様々なアイテムがランダムで入手できる。アイテムは大別して「相手を妨害する」、「自分の能力を増す」の2つの効果がある。 例えば「ジュース」はパワーゲージが増加する。「ロケットブースター」はキャラクタが凄いスピードで加速する。「アイス・ロック」は前方に飛ばすアイテムで、当たった敵プレーヤーは一定時間凍りつき、動きが鈍くなってしまう。「トルネード」はコース場に竜巻を発生させ巻き込まれたプレーヤーを足止めするアイテム。アイテムは入手後Ctrlキーを押すことで使用できる。
レースでは順位に応じて経験値とゲーム内通貨「ルピ」、更にスキルを入手するために必要な「Qpoint」が入手できる。これらを使ってアイテムやスキルを揃え、レベルを上げてより強力なキャラクタを目指すのだ。
■ レベルアップを経て、アバターやスキルをカスタマイズ。今後はギルドシステムなども
直接メニューで飛ぶか、ロビーから入ることができるショップでは、靴や帽子など様々なアバターアイテムを購入できる。アイテムにはレベル制限がかかっており、多彩な衣装を身にまとうにはレースなどを繰り返しキャラクタのレベルを上げる必要がある。グローブや靴などの他に、犬のダルメシアンをイメージした全身コスチュームなどもあって面白い。ユニークなのはヘルメットを代えると髪型が変わるところだ。今後どのようなアイテムが登場するか楽しみである。 スキルは習得していくことで様々なテクニックを使うことが可能になる。基本的なトリックは最初から習得しているが、育てることでレベルが上がりより効率的になる。高速でコーナーを曲がることができるトリックなど、新しい技も習得できる。スキルはツリーシステムになっており、前提となるトリックを育てなくては高度なトリックはゲットできない。 トリックには手すりやパイプなどに乗り、高速で滑ることができる「グラインドスイッチ」や飛んでいるときに回転する「バックフリップ」、看板などに飛び乗る「バッティング」など多彩な技が用意されている。プレーヤーによって得意なコース、苦手なコースがあるだろう。それをトリックでカバーできるようになるか、プレーヤーの選択によってトリックの傾向に幅を持たせられるかなど、自由度も気になるところだ。 今後はアイテムにステータスのボーナスなどをつけていくことが検討されているとのことだが、外見のみ変えるアイテムなど、「プレーヤーの自由なファッションの追求」もきちんと要素として用意して欲しい。 日本スタッフは運営にあたり、様々な提案を開発スタッフに行なっている。例えば、「ギルド」や「クラン」の様な機能を持ったユーザー同士の繋がりを持てるシステムと、とチームエンブレムの作成機能。この他にもリプレイモード、リプレイ機能などもあれば面白いのではないか、と提案しているとのことだ。日本の運営はより強固な“プレーヤーの繋がり”に必要なツールを提案している印象を持った。 これに加えてロビーのような広大なフィールドでグラフィティ(スプレーで描くチームマークなどの絵)を描いていく、攻城戦のような対戦モードもギルドシステムが実装されれば提案したい、と運営スタッフは語る。道路を走るのもインラインスケートだけでなく、BMXやスケボーなど他の乗り物を用意したり、「縄跳び」などロビーで楽しめるミニゲーム等々様々なアイデアを持っているとのことだ。運営の気合いが充分に伝わってくる提案である。
今回体験会では、チュートリアルとレースを少し触っただけだが、スケートで滑るスピード感と、簡単に派手なアクションを決められるトリック、特に壁に向かってジャンプしそのまま壁を滑るバッティングが楽しかった。オンラインカジュアルゲームは、ネットの接続や、パッドの対応、メンテナンス時のユーザーのフォロー、そしてユーザーの繋がりへのきっかけ作りといった、“運営の手腕”がゲームの成功の鍵を握っている。日本の運営スタッフには、コンテンツの魅力をユーザーが充分に楽しめる環境作りを期待したい。
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□ガーラのホームページ (2008年4月4日) [Reported by 勝田哲也]
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