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ガーラ、「ストリートギアーズ」体験レポート
軽快な操作性が楽しいオンラインレースゲーム

クローズドβテスト:4月30日~5月21日



 株式会社ガーラはオンラインレースゲーム「ストリートギアーズ」のクローズドβテストを4月30日より実施を予定している。その後はオープンβテストを5月中旬に実施し、基本プレイ無料アイテム課金の正式サービスを6月上旬にする予定だ。ちなみに、クローズドβテストの募集は4月9日~4月16日までとなっている。

 「ストリートギアーズ」はインラインスケート(ローラースケート)を使い、トリックを決めながら他プレーヤーとレースを繰り広げ、1位を競う。開発はガーラの子会社である韓国NFLAVOR。ガーラは同じくNFLAVORが開発した「RAPPELZ (ラペルズ)」の運営も行なっており、本作が日本で運営する2本目のオンラインゲームとなる。

 本稿ではテストに先行して行なわれた体験会でのスクリーンショットと共に、「ストリートギアーズ」の基本要素を紹介したい。軽快な操作性、MMORPGの街のようなロビー、壁や看板を使ったトリッキーなアクション、クエストのセンスなどで期待の持てる作品だ。


■ 凝ったチュートリアルと操作性が好感触。ゲームパッド対応が最大の課題か

ゲームをスタートするといきなり火の海。ストーリー性と演出が楽しめる凝ったチュートリアルだ
チュートリアルはそのままレースへ。実戦での基本的なテクニックが学べる
 「ストリートギアーズ」はインラインスケートで高速でコースを疾走し、他キャラクタと順位を競うオンラインレースゲームだ。プレーヤーはコースの仕掛けや、テクニックを使って最短タイムを目指し、ライバル達とバトルを繰り広げる。ルールによっては妨害アイテムなども使い、レースを繰り返すことで得られる経験値やポイントを使ってキャラクタを強化していく。

 本作のキャラクタやフィールドはカートゥーンレンダリングで描されており、ポップな雰囲気を持っている。登場キャラクタの頭身は高く、長い手足を動かして道路を滑走する感触と、軽快な操作性が相まって、爽快感のあるゲームとなっている。

 クローズドβテストで使用できるキャラクタは元気な少年「ルーキー」と、セクシーな美女「ルナ」の2人。今後は更に使用キャラクタも増えるようだ。各キャラクタのモデルはカスタマイズの自由度はなく、ファッションでプレーヤーの個性を追求していくタイプである。

 キャラクタの操作はキーボードで行なう。移動はカーソルキーで、↑で前進、←と→で左右に回転、↓でブレーキとなる。Xでジャンプ、Zでゲージを使用してブースター、Cは走行中はしゃがみで、停止しているときはベンチや地面に座ることができる。F2キーを押すとスケートで滑る「インラインモード」から、「ウォークモード」に切り替えることができる。

 キャラクタを作成するとチュートリアルモードが始まる。プレーヤーの前に広がるのはいきなり火の海。先輩スケーターに導かれながら、基本操作を覚えつつ、火災現場から脱出することになる。崩れた瓦礫をジャンプで飛び越え、ボタンを操作しシャッターを開ける。手すりをグラインドで滑り、壁に向かってジャンプして穴を回避する。アクションゲームとしての可能性を感じさせるチュートリアルで、好感を持った。

 チュートリアルはそのまま「クエスト」に続く。「ストリートギアーズ」ではいくつものクエストが用意されており、クリアすることでトリックなどを習得することができるという。本作のメインはあくまで対戦だが、何度でも挑戦できるタイプのクエストなども用意されており、タイムアタックなどで楽しめそうだ。

 クエストではあらかじめコースの全景を見ることができたり、コースの中にも様々なオブジェクトが用意されていたりと、ゲーム要素もそれなりに充実しており、韓国のゲームの進化を感じさせられる。

 最大の魅力はそのスピード感である。↑キーを押すとキャラクタが長い手足をダイナミックに動かし、滑る。その疾走感は日本のコンシューマゲームにも勝るとも劣らない。今回はカーブが難しかったが、馴れれば↓のブレーキングやトリックをうまく使いこなせば複雑なカーブも攻略できそうだ。手すりの上を滑ったり、看板を使って地面と水平に走るようなトリックもXキーを押すだけでできて、うまいプレーヤーのリプレイは見応えのあるものになりそうである。

 一方で本作の大きな懸念が、「現状ではゲームパッド非対応」というところだ。やはりこういったレースゲームは直感的に操作できるゲームパッドでプレイしたい。韓国のカジュアルゲームはキーボードでのプレイが前提になっており、本作も対応に対しては「検討中」とのことだ。

 キャラクタを直感的に操作するためには、日本ではコントローラという洗練されたゲームデバイスを使用するのが大前提となっており、キーボードを無理にキャラクタ操作のために使うという文化にはなじみが薄い。アナログスティックでのコーナリングや加速に対応してくれれば、よりキャラクタと一体感が味わえる、次元の違うゲームになるだろう。

 インベーダーゲームから、ファミリーコンピュータという流れの中でゲームが生まれた日本ではゲームとコントローラは不可分だ。ゲームの進化と歴史がまったく違う韓国の開発者には理解しづらいかもしれないが、日本でサービスする以上、何よりも優先して対応して欲しいところだ。

【登場キャラクタ】
ルーキー。ヒップホップに情熱を燃やす、純粋で自由な17歳の少年 ルナ。モデルだったが、自分の走りを追求するためにこの世界に飛び込んだ21歳のお姉さん

【チュートリアル】
火災現場から逃げるチュートリアル。演出も凝っており、ストーリー性の高い方向性も今後期待したいところだ
レースのチュートリアル。本作はショートカットで様々なメッセージを他プレーヤーに届けることができるが、NPCがこれをやってきたりする。スタートのコースも仕掛けがあり、使うことでもっとレコードを早くできそうで、ゲームの今後に期待が持てる


■ 最大8人で楽しめるレースモード。コースやルールによって攻略法が異なり、チームでの対戦も可能

ロビーから簡単にレースに参加できるQuick Join。募集しているルームを検索することができる
こちらはルームのホストになったセットアップ画面。コースを選択できる
 チュートリアルを終えるとプレーヤーは自由にロビーを歩き回ることができる。本作のロビーはMMORPGの街のように自由に動き回ることができる場所になっている。街のオブジェクトを使ってのアクションも可能で、ここで友達を作ったり、自分なりのパフォーマンスをしてみることも可能だ。

 「ストリートギアーズ」のメインであるレースは最大8人まで同時参加可能で、チーム戦とシングルマッチ、そしてゲームモードは「スピードモード」と「アイテムモード」が用意されている。

 レースに参加するには、ロビーから「Quick Join」のボタンを押すだけで他プレーヤーが作っているルームを参加することができる。ショップなどにもロビーから移動するのではなく、メニューで移動することも可能だ。

 今回用意されるコースは8種類。コースによって周回数が決まっており、障害物が設置されていたり、キツイカーブが続いたりと、プレーヤーの腕が試されることになる。今後はコースも更に充実していく予定だという。

 レースでは「ダメージゲージ」と「パワーゲージ」が勝負の鍵となる。ダメージゲージは壁などの障害物に当たると増え、一杯になると一定時間行動不能になってしまう。パワーゲージはトリックを決めると上昇し、Zキーを押すことで一定時間ブーストできる。ブーストをいつ使うか、どのラインを走るかなどコースによって攻略法も異なってくる。

 アイテムモードはコースの攻略に加え、様々なアイテムでの駆け引きが大きな影響を及ぼす。アイテムモードはコースに設置されているポイントで様々なアイテムがランダムで入手できる。アイテムは大別して「相手を妨害する」、「自分の能力を増す」の2つの効果がある。

 例えば「ジュース」はパワーゲージが増加する。「ロケットブースター」はキャラクタが凄いスピードで加速する。「アイス・ロック」は前方に飛ばすアイテムで、当たった敵プレーヤーは一定時間凍りつき、動きが鈍くなってしまう。「トルネード」はコース場に竜巻を発生させ巻き込まれたプレーヤーを足止めするアイテム。アイテムは入手後Ctrlキーを押すことで使用できる。

 レースでは順位に応じて経験値とゲーム内通貨「ルピ」、更にスキルを入手するために必要な「Qpoint」が入手できる。これらを使ってアイテムやスキルを揃え、レベルを上げてより強力なキャラクタを目指すのだ。

【パラカ】
青い海と緑が美しいパラカコース。直線が長く、絶壁ジャンプ台などもありパワーの分配が大事となるコースだ
【ローラースタジアム】
初心者向けのローラースタジアムコース。手すりでトリックを決めブーストゲージを確保して加速をする、インコースの障害物を避けることで最短のラインを確保するなど、シンプルながら奥深いコースだ
【クロスリンク】
今回体験できたクロスリンク。トラックが壁に区切られているため、コースのライン選択がよりシビアになっている。壁に仕切られているため妨害アイテムを避けにくい印象だ


■ レベルアップを経て、アバターやスキルをカスタマイズ。今後はギルドシステムなども

MMOロビーの全体マップ。MMORPGの街のようなフィールドで、クエストをくれるNPCや、トリックを決められるオブジェクトなど様々な仕掛けも用意されている
トリックのスキルツリー。詳細に関しては今後の情報を待ちたい
 ロビーとなる街にはNPCがいて、ショップがある。プレーヤー達はここで自由におしゃべりや交流を楽しむことができるだろう。街にはモノレールのように高架道路があり、ここに乗ることで街の中を高速で移動できる。降りたいときはどこでもジャンプで飛び降りればオーケーだ。

 直接メニューで飛ぶか、ロビーから入ることができるショップでは、靴や帽子など様々なアバターアイテムを購入できる。アイテムにはレベル制限がかかっており、多彩な衣装を身にまとうにはレースなどを繰り返しキャラクタのレベルを上げる必要がある。グローブや靴などの他に、犬のダルメシアンをイメージした全身コスチュームなどもあって面白い。ユニークなのはヘルメットを代えると髪型が変わるところだ。今後どのようなアイテムが登場するか楽しみである。

 スキルは習得していくことで様々なテクニックを使うことが可能になる。基本的なトリックは最初から習得しているが、育てることでレベルが上がりより効率的になる。高速でコーナーを曲がることができるトリックなど、新しい技も習得できる。スキルはツリーシステムになっており、前提となるトリックを育てなくては高度なトリックはゲットできない。

 トリックには手すりやパイプなどに乗り、高速で滑ることができる「グラインドスイッチ」や飛んでいるときに回転する「バックフリップ」、看板などに飛び乗る「バッティング」など多彩な技が用意されている。プレーヤーによって得意なコース、苦手なコースがあるだろう。それをトリックでカバーできるようになるか、プレーヤーの選択によってトリックの傾向に幅を持たせられるかなど、自由度も気になるところだ。

 今後はアイテムにステータスのボーナスなどをつけていくことが検討されているとのことだが、外見のみ変えるアイテムなど、「プレーヤーの自由なファッションの追求」もきちんと要素として用意して欲しい。

 日本スタッフは運営にあたり、様々な提案を開発スタッフに行なっている。例えば、「ギルド」や「クラン」の様な機能を持ったユーザー同士の繋がりを持てるシステムと、とチームエンブレムの作成機能。この他にもリプレイモード、リプレイ機能などもあれば面白いのではないか、と提案しているとのことだ。日本の運営はより強固な“プレーヤーの繋がり”に必要なツールを提案している印象を持った。

 これに加えてロビーのような広大なフィールドでグラフィティ(スプレーで描くチームマークなどの絵)を描いていく、攻城戦のような対戦モードもギルドシステムが実装されれば提案したい、と運営スタッフは語る。道路を走るのもインラインスケートだけでなく、BMXやスケボーなど他の乗り物を用意したり、「縄跳び」などロビーで楽しめるミニゲーム等々様々なアイデアを持っているとのことだ。運営の気合いが充分に伝わってくる提案である。

 今回体験会では、チュートリアルとレースを少し触っただけだが、スケートで滑るスピード感と、簡単に派手なアクションを決められるトリック、特に壁に向かってジャンプしそのまま壁を滑るバッティングが楽しかった。オンラインカジュアルゲームは、ネットの接続や、パッドの対応、メンテナンス時のユーザーのフォロー、そしてユーザーの繋がりへのきっかけ作りといった、“運営の手腕”がゲームの成功の鍵を握っている。日本の運営スタッフには、コンテンツの魅力をユーザーが充分に楽しめる環境作りを期待したい。

【MMOロビー】
サービス開始時には多くのプレーヤーが行き交うことになるロビー。中央の写真は各地に素早く移動できる高架レール
【アバター要素】
ヘルメットを変えることで髪型も変えることができる。プレーヤーのこだわりを発揮できる、個性を追求する方向の進化に期待したい

COPYRIGHT (C) 2006 NFLAVOR.CORP. ALL RIGHTS RESERVED.
COPYRIGHT (C) GALA.INC. ALL RIGHTS RESERVED.
※スクリーンショット、ゲーム内容は開発中のもので、実装時に異なる場合があります

□ガーラのホームページ
http://gala.jp/
□「Street Gears」のページ
http://streetgears.jp/
□関連情報
【2月29日】ガーラ、WIN「Street Gears」Cβサービス今春開始
インラインスケートを題材としたレースゲーム
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20080131/sg.htm

(2008年4月4日)

[Reported by 勝田哲也]



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