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会場:太正浪漫堂 Sakura Cafe 3月30日 閉店
2月16日から開催されているイベントでは富沢美智恵さんや田中真弓さん、伊倉一恵さん、ダンディ団、薔薇組などが出演してきたが、3月9日は遂に広井王子氏が登場。イベント開始前は他サプライズゲストとなっていたが、登場したのは親方こと中嶋聡彦さんと“ベロムーチョ”ことべろ武田さんが登場した。 今回広井王子氏は歌謡ショウの前説のときのはっぴ姿で、ステージではなく入口から登場。会場のお客さんと会話を交わしながらステージに向かった。ここで髪の生えた中嶋親方も登場。親方もはっぴ姿で「他の人 (イベント) はコスプレじゃなかったよ……」とぼやきながらトークショーがスタート。キャストの皆さんは歌があるが広井氏には持ち歌がないため「歌がないから、今日はすることないよ」と純粋なトークショーとなった。おまけに司会者がいないため広井氏の独壇場に。「太正浪漫堂」が閉店する理由について「都条例に従うため」などバラしながら進行していった。 中嶋親方と後に登場するべろ武田さんがゲストと言うこともあり、話題の中心はゲームというよりは舞台。中嶋親方も1回目の舞台「愛ゆえに」に出演したときは「親方じゃなかった。ダンサーさんと一緒に出演したんだけど、目立とうと思って剃ってきたんですよ」と振り返った。広井氏はこれを聞いて「(「サクラ大戦」の舞台は) 目立つヤツがいて、そこに“役”が付いて、そのうち“役名”が付くんだよね」とパターンがあったことを認めた。実は舞台において出演皆勤賞だったのが広井氏と中嶋親方、そしてべろ武田さんなのだという。
ゲーム関係の話題と言えば、大神隊長の声優として陶山章央さんが選出された経緯などが語られた。ある日広井氏の元にセガのスタッフから「大神隊長の声が決まってないんですが」といった話が来たという。実は大神隊長のセリフが3つあったことがキャスト会議後に発覚し、急遽選出しなければならなくなった。このときたまたまゲームをプレイしていたという陶山さんに聞くと「いま仕事無いんです」ということで決定したのだという。広井氏は「それが10年。こんなにやると思ってなかったんだよね」と語り、「彼は『サクラ大戦』の舞台はチケット買ってお客として観たいんだよ」とぶっちゃけた。 ここでべろ武田さんと中嶋親方がフォロー。中嶋親方は「彼は男子トイレの鏡の前で振り付けの練習をしていて、『あぁ、いいとこあるな』とおもった」とコメント。これに対して広井氏は「中嶋親方はだまされている。彼は鏡が好きなナルシスト」と切り返した。もちろん、舞台後半に行くにしたがって激しさを増していく殺陣については尋常ならない大変さだったことから、寝ても覚めても殺陣の習得にむけ頑張っていたことはファンにとっては有名な話。べろ武田さんによれば、最初は刀の持ち方すら知らなかったというキャストに一から殺陣を教え込み、100数手という殺陣を行なえるまでなった。広井氏は「映画ならカットできるけど、舞台ではできない」と大変さを強調した。 舞台に関して言えば、他の舞台ではやらないことをする舞台として、舞台関係者に知られていたとか。現場でなければ想像も及ばないが、芝居の明かりとショーの明かりはまったく違ったものを使うということで、混在する「サクラ大戦」のような舞台は照明ひとつとっても大変なんだという。これは音声も同じで、芝居と歌では音響が違うのだとか。 また、青山劇場では64分割でコンピュータ制御で舞台を構成できるが、これがコンピュータの打ち込みに時間がかかる上、ミスすると15分から20分ほど動かないのだという。海外から著名なスタッフやキャストも来て上演を行なう青山劇場では、最初はゲームの演劇ということで場違いな雰囲気だったというが、実績を積むにしたがって劇場側も見る目が変わっていったという。結果それまでやったことのないカウントダウン公演など協力してくれるまでに至っている。 こうやって演劇の分野でも様々な道を切り開いてきた「サクラ大戦」。演劇関係者からは「いいお客さんを持っている。こんなお客さんが欲しい」とみんなから言われたという。それは舞台のキャストやスタッフと共に作り上げるということができあがっていたからだろう。広井氏はこれを「舞台の世界の“共犯関係”というのをわかっていたんだと思う」と表現した。スタッフの愛着も深く、「来年はスケジュールが入っていて、『サクラ大戦』の舞台をできないんですよ」と泣きながら広井氏に伝えに来るという。ここでも広井氏は「JACやダンサーさんがいたからここまでの舞台ができた」と労った。 これらの話以外にも舞台を作るうえでの難しさは様々語られた。「第4回花組特別公演 アラビアのバラ」の公演前夜のこと。幕間の転換が間に合わないことが判明し、新宿厚生年金会館の上にあるホテルの一室で急遽、台本を作ることになり広井氏他3名で話し合いが行なわれたという。このほかにも台本の書き換えは頻繁に行なわれ、それこそ舞台の袖で2ページ書き換えといった話もあったとか。べろ武田さんは「ぶっつけが多い」と言いながらも「1カ月もの間、練習をしているからぶっつけにも対処できる」と語っていた。
予定時間を大幅に超えて行なわれた今回のトークイベント。来場者との掛け合いなども挟みながら、今回のイベントを広井氏は楽しんでいたようだった。最後に広井氏は「また会いましょうね。『君あるがため』が売れたら特別イベントがあるかもしれないし」と結んだ。ファンを大切にする広井王子氏ならではのイベントで、ファンも満足だったことだろう。
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□セガのホームページ (2008年3月10日) [Reported by 船津稔 / 写真提供:セガ]
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